東京優駿83th 挑戦
~馬主TNB 頂点へ挑む~

2016.05.07 東京競馬場 プリンシパルS

「おあぇあぁぁ!!!」
思わず変な声が出た。
そりゃ変な声も出ますよ。
トライアル勝っちゃうなんてね!!

7番人気の愛馬アジュールローズの競走を観に
TNBはホームグラウンド東京競馬場に来ていた。
土曜の平和な雰囲気をぶち壊す奇声を皮切りに、
彼の2016年5月は熱狂の時代を迎えた。

「ダービーですよ!」
「ついにここまで来ましたね!」
「いやでも無理して欲しくない」
「凄いメンバーがそろいました、
そこに愛馬が加われるなんて夢のようです」

「常識的に考えて中2週は厳しい」
「週刊ブックとギャロップ両方買いました」
「打ち上げの晩飯はどこに行きましょうか」
「サンフランシスコの金髪美女は可愛かったです」


……わかった、わかったから落ち着こう、な。
でも、すごくすごく羨ましい(by DDK)

新聞記事にも特集が組まれる。
テンション上がるよね。
 
 
 
2016.05.29

去年までは柵の向こうは別世界だった……
が、今日は違う。
日本一の頂に挑戦する権利を得た
彼は堂々たる競馬人の一人なのである。


……私は彼の友人なのである。

と、ゴール板過ぎたあたりで
DDKは仁王立ちしてつぶやいてみた。


大口径望遠レンズも絶好調である。


最前線の柵沿いは確保できなかったが
これなら良い写真が狙えそう!

「3脚は使用禁止です たたんで下さい」
職員がすっ飛んできて30秒で注意を受ける。
競馬場内は3脚は使用禁止だそうです。
どおりで誰も使ってないわけだよ…
柵で肘を固定するか左腕を鍛えるかでしか
ズームを使えないわけだ…

左腕に全てを託して3脚格納。

AM9:00

もうびっちりです。
TNBからは連絡無し
当直明けで寝ていると推測。
いつものことだが、今日は特別なんだぞ!おい!


超望遠なのでブレが激しい。
ズーム弱めの写真がこちら。


ズームアップ。
ブロッケン!ブロッケンじゃないか!!


最強ズームで馬の鼻。


キャプテンロブロイ@シルクHR
鞍上は、偶然にもボウマン騎手。
中年の渋み!  !!同世代じゃないか!!


弱めズーム。
例の人気者。


藤田(女)騎手。
漢!騎手とは関連がないんですよね?
この苗字だと彼しか浮かばない。


ピントがぴったり合うとカッコいい写真がとれるけど、
これは熟練の右腕と強固な左腕が必要だな。








ダービーでもこういう構図を狙いたいけど、
これは混み合ったスタンドからは100%無理ですね。



AM12:00

昼飯になり、
やっと今日の主役と合流。


今日も、もつ煮丼。
 
 

さて、時間はあっというまに過ぎ、

PM3:00
  

  

  
時間になり、パドックに人が流れ込んでくる。
おばちゃんの変顔をキャッチ


挑む勇気は無限大。


奇跡の青い薔薇。
カッコいい横断幕ですねぇ。

中庸アナウンサー(以下A)「さあ、今日もこの時間が
やってまいりましたよお二方。」
DDK(以下D)「何年ぶりですかね 相棒のイレコミが心配です」
TNB(以下T)「中2週、長かったですね。
今は落ち着いていますよ、一応はね!?」

1.ディーマジェスティ



A「皐月賞馬が絶好枠に入りました」
D「勝ってください、と言わんばかりの枠ですが」
T「実はダービーには向かないと思うんです。」

D「(実は私もそう思う)
ほう、どういったところがでしょうか」

T「皐月賞は前が崩れた展開を差したわけですが、
そのずぶさが東京では
致命的なように思えます。
流れに乗りつつ瞬発力を使わなきゃいけない。
ゴールドシップがダービー負けたときのイメージです」
D「(言おうとしてたことを言われてしまった)
馬体は素晴らしいですが、なんとなく重そうな雰囲気もあって
全てを信頼、とまではいかないんですよね。
それでも馬券には届いてくるでしょうけど。」

A「数年ぶりですけど、いいですね!この実況スタイル!」


2.マイネルハニー

A「逃げ宣言をしていますが」
D「実力が圧倒的に不足しています。
単なる逃げ宣言だけでは買えません」

T「要りません。冷酷ですが。」
 
3.マカヒキ



 

A「馬の写真というよりも厩務員の写真ですねコレ」
D「欲しい人はぜひ掲示板まで。
今回は写真のデキがいいんです。
レンズが凄い。」
T「姉ウリウリを見ても、
短距離を瞬発力で勝負するタイプに思えます。
スローの展開待ち、と思っていましたが
皐月賞であのタイムを2着。
地力はあるのかもしれません。」

D「皐月賞のタイムが速ければダービーに直結しない。
3強の中では私は一番優勝に遠いと思います。」

4.レインボーライン

A「前走NHKマイルCで3着に入りました」
D「現時点でそれが一杯の実力でしょうね」
T「逆転を狙える騎手でもありません。
ここは観覧席でしょう」

5.エアスピネル



A「皐月賞4着をどう考えるか、ですかね」
D「前で粘れたことは評価していいと思うんですよね」
T「うーん、短距離寄りなのかな、とも思いましたが」
D「今回、スローに落とせば
実は距離が持つんじゃないかと思うんです。
母はオークスで頑張りました。
父もマイラー志向ですが一応のダービー馬です。
皐月賞だけで見限るには早いと思います」

T「鞍上も絶好調ですからね。
確かにオッズよりは走れそうな気がしてきました」

D「単勝ではなくていいです。3連複のヒモでいい。
皆をあっと驚かせてほしいですね」

6.アグネスフォルテ

A「京都新聞杯2着からの参戦です」
D「前走がハマっただけに思えます」
T「ハービンジャー産駒は芽が出ませんねぇ」


7.ロードクエスト

D「よくここまで頑張った。
敢闘賞をあげたいくらい。」

T「皐月賞とNHKを戦い抜いてNHKでは2着。
馬体を見ても流石にお釣りはなさそうです」

D「馬体はマイラーですね。将来に期待です。」

8.サトノダイヤモンド

T「ダービーは単勝を買うレースだと思うんですよね」
D「TNB氏らしい考えですね」
T「一番を決めるレースですから。
どの馬が今年の一番か。それを決めるのがダービーです。
見てくださいこの馬体。素晴らしいバランス。
今年はこの馬です。」

D「あとは冠名にかかっている呪いだけなんですよね…
確かに馬体は素晴らしい。文句ありません。」


9.マウントロブソン

A「皐月賞で6着でした。」
D「全てを出し切って6着。そんな感じでした。
距離が少し伸びただけでも対応できない、
結構な固い体のような気がします」

T「皐月賞はある程度の評価が出来ますが、
さすがにここではね…」

10.スマートオーディン

A「京都新聞杯勝利からの参戦です」
D「京都新聞杯は強かった。
大舞台に必要なLyphardの瞬発力もあるし、
スピードも卓越している。
擬似ディープインパクトとも言える血統配合で
これは大物だと思います。」
T「馬体も立派です。これは上位争いでしょう。
別路線組では筆頭評価です。」

D「ダノンシャンティ、ヴィクトワールピサ。
ディープを通らなくてもサンデーの孫は強い馬を出すんですね。
ダービー参戦は凄く立派です。」


11.アジュールローズ







A「どうでしょう。愛馬は。」
T「感無量です。ホント」
D「(すっとティッシュを差し出す)」
T「堂々と、胸を張りながら歩いているアジュール君を見ると、
ホントにグッと来ます。
ここに連れてきてくれてありがとう。
馬体はギリギリで他の強豪と比べるとちょっと厳しい。
でも、ここまで来たなら狙うは頂点。頑張ってください。」

D「(涙が出ずティッシュはいらなかったので引っ込める)
厩務員の晴れやかな表情が全てを物語ります。
ボウマン騎手は今日『乗れて』いる。
持てる力を出し切って頑張れよ。」


12.リオンディーズ

D「キャロットの一番馬です。値段がね。」
T「並んでしまえば同じ挑戦者。
……それって凄いことですね。」
D「何度でも言います。
2歳でマイル戦を使ったことは大失敗です。
馬は走る前から走る距離を知っている訳でない。
どこでスパートしてどこまで走れば良いか、
過去の経験をもとに推測しているんです。
まだレースも知らないうちに、
スタートからゴールまで好きに走って勝ってしまえる、
そんな楽を覚えたらもう我慢は利きません。
……
私はリオンディーズが嫌いです。」

A「あまり言うと
ツアー参加権すら
無くなり
ますよ!」
T「私は、同じクラブなので
リオンディーズ号を応援します。」
D「あっ ずるい」

13.レッドエルディスト

A「宿敵レッドチームからの参戦です」
D「どうでしょう?」
T「僕?むしろ共闘する仲間というか、
妙な連帯感を感じています。
サンブルエミューズのときも
DDK氏はこんな感じだったんでしょうか」

D「ここまで来たからには、という。」
T「とにかく無事に。
上位は厳しくても挑戦する権利はありますから。
お互いベストを尽くして応援するだけです。」


14.ヴァンキッシュラン



D「ダービー惜敗の冠・トーセン冠が
その名前縛りを解きました。」
T「青葉賞も勝利して有力候補なんでしょうけど、
やっぱり軽さが足りないというか、
ダービーでは苦戦するタイプの脚です。」

D「名前を変えただけで活躍できるなら
サトノ冠とかエア冠が黙っていません。」


15.イモータル

T「密かに狙っているでしょ」
D「ぎくり。どうしてそれを。」
T「ドイツ血統を短い距離で刺激して長距離で覚醒を狙う。
セオリーは正しい。先週もそれで馬券になりました。」
D「今年はドイツ血統の幼駒が増えましたから。
そういった売り込みの意味もあると考えています。」

T「ただ、この馬に関しては血統以外の部分が厳しい。
矯正不能の気性難とガラスの脚で全然調教が強まりません。
さすがに今回は厳しいと思います。」
D「ノヴェリストだのエイシンフラッシュだのを
さらに売り込んでいくためには
こういう血統の活躍が不可欠なんだけどなぁ」


16.ブレイブスマッシュ

D「さっきも同馬主の馬が居ましたが、
島川氏の馬はトーセン冠であってほしいと
願うのは私だけでしょうか。」

T「それはなぜ?」
D「ジョーダン、ラー、ホマレボシ。
個性的な馬が多かったし、穴党としては
思い入れもあった。ちょっと寂しいです。」

T「僕の場合はエア冠ですね。」
D「ひいているのが島川氏ですかね」
T「いや何言ってんですか」
D「ホラ貫禄あるし。」


17.プロフェット

A「こちらもキャロットクラブですが。」
D「最低人気も仕方ない。
幼駒ツアーでは人気だった気がするんですが。
重賞を獲ったんだからもう満足でしょう。」

T「買おうかな、と思った時期もありましたが。」


18.プロディガルサン

T「……馬体に迫力がありません」
D「明らかに疲れていますね。
展開の助けを借りたいマイラーなのに大外枠。」

T「さすがに熟練の騎手も策のやりようがないのでは…」

 
 
さて、ダービー恒例の「パドックで一番カッコ良かった特別賞」
!Best Turned-Out Prize!

アジュールローズ号受賞!!
おめでとうございます。
写真で見ても、カッコいい!
(この写真はクラブ会報にも投稿させていただきました)

スパゲッティ1年分=約400食として
1口1食分くれるのかな?やったなTNB!


レースは熾烈を極めました。
(参考)

(参考)

いったん緩むかに思えて直線の入り口から
ロングスパートのスタミナ戦。
(参考)

(参考)

最後まで争ったのはサトノダイヤモンドとマカヒキ。
この2頭は抜けて強かった。

アジュールローズは先行から内を突いて
一瞬は先頭に立つ勢い!だったが
スタミナとスピードに勝る強豪に
最後は飲まれて敗北。


TNB氏 鼻差に散る。

「悔しい結果になり申し訳ありませんが、
僕が跨がってきたいろんな国の馬と比べても
かなり素質を感じますし、まだこれからの成長も楽しみな馬です。
また日本に来るチャンスをいただけたら、
一緒に競馬を楽しみ、皆さんに喜んでもらえる結果を出したいです。
今回はすばらしい馬とダービーに出られて光栄です。
ありがとうございました」

ボウマン騎手 レース後コメント

「良いポジションを取れましたし、
直線へ向いた時の手応えもよさそうに思えましたから
一瞬
を見ましたね。
さすがにそのあとは上位馬たちの勢いが勝り、
踏ん張ることができませんでしたが、
よく頑張って走ってくれました。
(中略)
今日は未完成でダービーに挑戦させてもらいました。
現時点では通用しませんでしたが、
まだまだこれから良くなる馬だと思いますし、
レース後の表情を見ていてもさらに楽しみに思えました。
今日は応援いただきまして本当にありがとうございました。」

古賀調教師 レース後談話

「コメント読んで泣きそうです」
TNB氏 レース後LINE

彼と愛馬の挑戦は夢に終わったのか。
確かに、今回は終わった。
だが、次がある。必ず。
もっと強力な運と、もっと潤沢な知識を持って、
東京優駿に帰ってこようと思う。


と、考える彼の友人が私である。


TNB本当におめでとう。
日本で12位。凄いことだぞ。
馬を見る眼って才能なのかなぁ

次の牡馬クラシックなんて何年後かなぁ…
え!?シュペルミエール君が菊花賞だって!?
(妄想)