キャロット馬血統評価2019

キャロットクラブ2019年募集の馬たち。過去ブログの転載です。結構ここのページが閲覧されているようなので内容修正しました。毎年こんなこと書いてます。

1.ヒストリックスターの18 牡 母13歳 30万/口

ハープスターの全弟。キレにキレた末脚は牡馬でも遺伝するのか。
ディープの母父Alzaoもヒストリックスターの父ファルブラヴも牝馬に影響の大きい「ヒロイン血統」であることは有名で、つまり産駒の牡馬に大型化や筋肉硬化が度々見られるのではないかという予測が立つ。ヒストリックスターの仔がハープスター以降全然ダメだが(というかハープスターの仔もダメだが)ベガの血はこれで終わってしまうのか?
牡馬で値段にかかわらず人気が殺到すると予測されるのでどうせ買わないが、2年後春夏くらいの未勝利勝ち上がりくらいではないかと私は否定的予測を挙げておく。

>アークライト

このKUSOサイトめ!と当サイトを罵倒してくれて構わないが、やっぱり予想通りのイマイチ馬っぽい。これから1億円稼がないと収益にならないという恐怖。

2.スノースタイルの18 メス 母20歳 17.5万/口

スマートレイアー全妹。名血がこんな場末(失礼)にいる理由を考えてほしい。血統図には魅力が一杯で、ディープのキレをダンシングブレーヴで強化しつつ母からNas.系の持続力とDamascusのパワーを取り込んでおりスマートレイアーの凄さがよくわかる。だが、母高齢は全ての期待を全て刈り取る悪魔の鎌である。

>ペルスネージュ

2020年12月に1走。盛大に人気を裏切る凡走。いや、まだまだこれからなので。

3.ラドラーダの18 牡 母12歳 35万/口 母優先

ラドラーダの2018

どうせ買えないし、買わないので駄文を書く。読み飛ばしていただいて構わない。
職場を変えてから、道路を挟んだ向かい側のスポーツジムに通うのが楽しみになった。当初、体を動かすなんて無駄以外の何物でもない、と、フンフン鼻息を吐きながらジムマシンに操られているお年寄りを冷ややかに見ていたものだが、実際に筋肉がついてくるとヘンな快楽物質でも脳内から散布されるのか筋トレをやらなくてはならない!という生活習慣になってくる。終いにはエアロビやZUMBAなどのダンスプログラムをこなすようになり、自分の人生はいったいどこに向かってしまうのかと、ふと冷静になると混乱するのである。が、結局筋トレしていればいいか、と、そこで落ち着いてしまう自分が怖い。
馬が何で走るのか、と言えば、やはり筋肉なのである。2017年の幼駒ツアーで私が「筋肉ダルマ」と表現したレイデオロは大活躍し、同じような筋肉を纏ったレイエンダも大活躍している。軽く跳ねるようなヤワな体躯は必要ないのだ。近年のトレンドは母父シンボリクリスエスの張り出した後躯である。結局は筋肉なのだ!と、今年筋肉中毒になってしまった私は断言するが、今年も馬体が楽しみである。絶対買わえないが。

>アルマドラード

これまた人気を裏切る結果が2戦続いているが、まだ慌てる時間じゃない。と、思いたいのだが、そう毎回ダービー馬が出るわけないのである。期待しすぎです。

4.アヴェンチュラの18 牡 母10歳 20万/口 母優先

アヴェンチュラの2018

2015デサフィアンテ(メス)未勝利。2016未出走引退、右後脚ハ行。2017左前脚腫れ。母の短い競争生活と脚部不安は子孫への不安を残し、それが現実になっている。膨れ上がりそうな大型馬の予感もあり、全姉の微妙さから考えても、ここで全てを一発解決した名馬が誕生…してほしい気持ちは多少はあるのだが。

>サファル

未出走。2021年初時点で570kg。脚部不安頻発。嫌な予感しかしないぞ大丈夫か??

5.サンブルエミューズ18 メス 母8歳 7.5万/口 母優先

サンブルエミューズの2018

兄の評価は「体高低い、脚短い=短距離向き」。父ノヴェリストは体型的にマイラーだと言われながら長距離を走っていた。兄は見た目は父や母に似ており、それに騙されて短距離馬になってしまうパターンではないかと危惧していたが、函館のデビュー戦を見て逆に安心した。明らかに距離が足りなくて忙しい。これからは兄はマイル近辺を走らせていくだろう。…ですよね?
当馬は父キンカメに変更。というより始めからこちらが本命だろう。キョウエイマーチから続くスピードマイラーの血なのだからぜひ国産の父でスピードを強化してほしい。フレンチデピュティ、ダイワメジャーとパワー血統が続いており、その上でサンブルエミューズ自身のスピードがあるのだから軽快なミスプロ系のキンカメはとても良い選択だろう。牝馬に出たのが痛かったが、母優先を持つDDKなので購入に全く躊躇はない。リリーバレロが牧場での怪我が長引いていたことを除けばこの系統は頑健さも取り柄なのでリスクも低い。
(追記)ヴェスターヴァルトがマイルで勝ってくれたし、愛しのサンブルちゃんはまだまだ私に楽しみを与えてくれそうだ。

>ヴァルドレス

蹄葉炎により未出走引退。これは仕方ない。

6.クルミナルの18 メス 母6歳 11万/口 母優先

クルミナルの2018

母母クルソラは優秀な繁殖でピオネロ、クルミナルと瞬発力の鋭い馬を産出し、南米のスピード血統の良さをそのままサンデー系と和合させることができた。これはAhmadの血が入った名繁殖ディアデラノビアと同じでおそらくディアデラノビアのようにスピード豊かな産駒を連発するだろう……という予測は私の持ち馬クルミネイトで崩れ去ったわけだが、思い返せばクルミナルも相当な癖馬で気性の脆さは生涯付きまとっていた。初仔イルミナルを見る限りはこの性悪は出ていない。これは大変良いことだが父キンカメで果たしてどうか。脚部のリスクはどうしても高くなるがスピードは先鋭化されそうで、多少荒々しい気性くらいで留まってくれれば十分楽しみはあるだろう。多分TNB氏は購入すると思う。高すぎるけど。

>ククナ

アルテミスS2着、シンザン記念4着。このあとはクラシックが見えている。早めに賞金を積んでトライアル使わないのがノーザンのトレンドっぽいけど、競馬の楽しさ半減しない…?そういうものでもないのか。

7,アゼリの18 母高齢で未評価

>フレイムタワー

未出走骨折引退。

8.ディアデラノビアの18 母高齢で未評価

>ディオスバリエンテ

新馬戦勝利。クラシック間に合ってほしいが。

9.シユーマの18 牡 母10歳 17.5万/口

当駒の血統図は実に美しい。Mr.Pro.系×Northern D.系の種牡馬を幾重にもわたって配合しておりスピードと柔軟性を洗練させている。過去にミスティックリップス16で「カナロアにHalo系無しだと芯が入らない可能性が心配」と書いたが、その後の馬の活躍を見ると杞憂なようだ。ディープで結果が出なかった名牝を、方法を変えてスピードを引き出そうという試みかもしれない。ついでに、失敗続きでもう上級クラブでは売れないので当クラブの購買力に期待して降級させたのかもしれない。有力厩舎に頼めないのでノーザン系の例の厩舎へ嘱託なのかもしれない。
血統表だけで選ぶ人は多くはないと思うが、こういうイワクつきの馬の購入は人生で一度の苦い経験だけで十分だ。な、プルガステルよ。

>シラクーザ

喉鳴りや脚部不安などが「十分説明されないまま」なんとなく調教が進んでいる。とNetで叩かれているが、うーん、調教師の裁判とは何のことかな?(すっとぼけ)

10.バウンスシャッセの18 メス 母7歳 12.5万/口 母優先

リッチダンサーの仔から2頭が同じ父で募集されている。こちらの母の方が実績は断然上だが、他方の母父の方がBMSの実績はある。どちらの産駒のほうが将来性があるかと言われれば当駒だろう。そして当然、値段も高い。個人的にはMr. Pro.のありふれたクロスよりもIn Realityの外様クロスの方が面白いような気もするが、もう一方の馬も貶しているのでぜひ批評を読んだ上で購入を考え直して欲しい。リッチダンサー中毒の私はどちらかは購入希望を出すだろう、多分。

>グランワルツ

デビュー戦2着のあと春まで天栄。どうしても悲観的になるが、まだ見限るには早い……早いよね?悪くないと思うのですけど。

11.フロアクラフトの18 メス 母8歳 11万/口 母優先

堅実な牝系に去年と同血の配合、父カナロアと母父フジキセキの融和性とStorm Cat(Flares/5) = Halling(Omaha/6)の3/4クロスを持ち活躍の可能性は高い。リッチダンサー譲りの「立派な尻」もとても魅力的だ。だが、去年9万/口で今年11万/口とは、日本国が円を刷りすぎて円安に誘導されたのか?と思うほど、同じ価値に対して払う値段が違いすぎる。こういう露骨な売り方でも客が買うのだから、景気良くなったでしょ、消費税8%から10%へ、だなんて言われても納得するしかないのである。

>ラヴォルタ

デビュー間近。まだ評価できない。が、母は同時期にはすでに4戦して未勝利勝ち上がっていたんですよね。

12.ピューリティーの18 牡 母15歳 7万/口

母高齢のため評価せず。ドタドタ系になる予感。

>募集取り下げ。

13.ジュエルトウショウの18 メス 母10歳 3.5万/口

母高齢では無かった。熟れ熟れの年頃だった。お母様、申し訳ありません。
母の競走成績は地方勝利程度の地味なものだが、祖母スイープトウショウは爆発的な破壊力を持った名牝だった。凶暴な気性と剛脚は父にも共通している。2頭の配合は過去に試されているが、どういう理由かはわからないが(トウショウ産業の倒産のゴタゴタに巻き込まれただとか、気性があまりにアレで人を乗せられなかっただとか)競走馬に登録されず闇に消えている。そういったことを全く見ずに血統表だけ見ると、オルフェーヴルと特に相性のいいフォーティナイナー(配合にエポカドーロ、ラッキーライラック)が居て、さらに切れ味鋭いダンシングブレーヴとスピード維持系のBold Rulerが混じっているというオルフェーブル向きの配合に思える。リマンドのクロスが重さを出してしまわないかが心配ではあるが。サンデー同士の濃厚な掛け合わせだがタキオンに限って言えば気性は多少マシで良くも悪くもサンデーの遺伝が薄いので、少なくとも父×祖母の配合よりは気性はマシだろう。この母の競走成績なので駄馬であっても文句は言えないが、書いているうちにちょっと期待が膨らんできている。

>スタージュエル

調整遅れた上での骨折判明。幸いにも回復し、これからの訓練で一縷の望み……どうだろうね。

14.マリアライトの18 牡 母7歳 20万/口 母優先

マリアライトは超名牝だが、募集時は一口8万円だった。買う人がいるから売る人が居るので、別に日本で通貨革命が起こったわけでも財務省が解体したわけでもない。・・・・・・当時からひっそりと趣味を楽しんでいた古参会員は非常に迷惑していると思うが、ともかくマリアライトを買わずに隣のディープの牡馬を買ってしまった(しかもマリアライトより高かった)TNB氏としてはとんでもないキャロットデビューになってしまったわけである。
と、同好会会員の恥を一方的にさらした後で、当駒の将来を予測する。母側はディープ、エルコンと重めの血を担いでいて父側もシンボリクリスエス、スペシャルウィークと重めの血に思える。スピードがどうかということになるだろうが、このキャサリーンパー牝系ならおそらくスピードもあるだろう。
この値段は牧場の自信の表れに思える。ツアーでもデキの良さをアピールしてくるだろう。買う人がいるから売れるのである。この値段でもおそらく大抽選会は間違いない。

>オーソクレース

2連勝からホープフルS2着と、「名馬とはこういうものだ」と証明したのではないか。クラシックでも期待が大きい。当クラブでこの世代の代表馬だろう。やや切れ味が心もとないのは重めの血のせいか、でも些細な問題で、この値段を払った意味はありましたね皆様、おめでとうございます。

15.ケイティーズハートの18 牡 母9歳 7万/口 母優先

2年前、初仔(父ルーラーシップ)が第一発表に載りながらも本リスト漏れした事は一部の会員は覚えているかもしれない。その馬は結局吉田さんお抱えのまま1戦して即引退、兵庫に現在所属している。当駒はこの母のクラブ初の募集となる。母の姉マイケイティーズからアドマイヤムーン、プレイといった大物が出たが、牝系の末端からは全く活躍馬が出ず、しかもシンボリクリスエスとこの牝系の配合では1勝も出来ていない(Netkeibaのデータから)。さて、当駒は悲観的なデータを跳ね返せるか。母父ハーツクライがトニービンっぽさを出すのならばエピファネイアとの中距離向き配合は面白いとは思うが。

>エフフォーリア

2連勝で次走は重賞。当サイトの血統評価なんて半ばヤッツケ作業で書いていることが多いのだが、当馬に関しては母父からトニービンを引き出した中距離配合という予測がズバリ的中したと言えるのではないか。クラシックへの期待がかかる。頑張ってほしい。

16.ローズノーブルの18 牡 母9歳 6.5万/口 母優先

父ワークフォースで1勝を破ったのはこの母の仔ローズノーブル16だった。2年前は大変失礼な批評を書いた、全力で土下座する。軽い血が合うはずだと書いたローズノーブル17は圧倒的な人気で新馬戦を勝利。この母のスピード遺伝が素晴らしいのは間違いなく、ワークフォースで勝てるのだからエピファネイアで活躍できないわけがない。Turn-to系の異系統3本、Northern D.系の異系統3本、Nasrullah系の異系統3本と遠縁クロスのオンパレードで、重くなりそうなBlandfordのクロスは無い。ヴィアンロースのディープは高すぎる!と文句をつけるTNBでも、こちらなら大歓迎だろう、当駒で私とも競合しそうな気がする。

>シュプールロイヤル

年明け新馬戦を除外されて今週末に走る予定とのこと。ソエが改善しておらず初戦からというわけにはいかなさそうだが、ボチボチ頑張る感じになりそう。他のエピファネイア産駒から名馬が出ている実情を考えると、当馬は平凡という評価になるか。今のところ。

17.ヴァイスゴルトの18 牡 母6歳 6万/口

現役時代に「狂気」の先行でそのまま押し切ってしまったジャパンカップのように、父の競争能力は気の荒さによって相乗効果を受けていた。今年の当父産駒の中で最も狂気に出そうな配合はズバリ当駒であろう。スペシャルウィークと相似血のダンスインザダークもサンデーのクロス以上に危険だが、母はあのステイゴールドの妹で狂気の血ディクタスまで乗っている。と、ここまで書くと、実は20世紀末に日本競馬を沸かせた旧世代の集大成が当駒に集まっているのではなかろうか、と思える。競馬が冷めている令和の時代に、当駒が当時の競馬の狂気を蘇らせることができるだろうか。マネーゲームが先行する一口馬主の世界にあって、買うかどうかは別にしても行く末が気になる一頭ではある。

>メイレンシュタイン

4戦して未勝利。というか凡馬の予感が漂う。やはり血統の字面が古すぎるのか。

18.ディアデラマドレの18 メス 母8歳 7.5万/口 母優先

血統図は良い。ディアデラノビア牝系とシーザリオ牝系にサンデー・キンカメ・クリスエスである。だが、測尺の管囲18.8がいかんせん危険すぎる。姉も小柄だったがそれに輪をかけてミニマムなのでこれはいくらなんでも狙えない……そう思いません?現役生活で頑張りすぎた母の疲労がまだ残っているのだろうか。いつかは大物が出そうな母なので来年を待ちたい。

>フェットデメール

デビュー体重418kg。やはり遺伝は残酷なのか。この母はせめて牡の仔を待つしかないのか。次がモーリスの牡馬だが……