キャロットクラブ募集馬2025評価モーリス
用意した原稿分が尽きまして。
ここからの更新は遅くなります。
エレガンテレイナ24 牡 母7歳
私の文章はクセが強いので読むのはとても疲れると思う。私の性格がひねくれだからである。まだ疲れていない!という貴方は、ちょっとした私の昔話にお付き合いいただきたい。
2010年の冬に思い立ってキャロットクラブに入会し、2011年の幼駒ツアーに参加した私は独りぼっちだった。例の昼食は毎年のごとくカレーだったか、知らない人とテーブルを囲むのはとても緊張した。隣の人が気さくな青年で、当時の私より少し年上くらいだろうか、「どの馬が良く見えました?」「持っている馬は何ですか?」などとクラブ特有の会話で仕掛けてきた。私は午前に見た父ダイワメジャーの牡馬と牝馬が良く見えた、と正直に答えた。持っている馬は昨年2010年入会当時に2次募集まで余っていた2頭で、アルフィルク(父アグネスタキオン)とプローディギウム(父サクラバクシンオー)と答えたところ、その青年のさらに隣にいた太めの紳士が「アルフィルクを買えた!?ラッキーでしたねぇ」と話しかけてきた。こうして話題が広がるのか、と私は感心したが、太っちょが間髪入れずに「でも1勝したら牧場に塩漬けでしょうね。タキオン産駒ならやっぱりガヴィオラですよ、ガヴィオラ」とまだ走りもしていない自分の愛馬を貶めてきたので、けっこうな速度で私はへこんだ。青年が「ガヴィオラ2009を持ってらっしゃるのですか」と聞いたところ、「持っていないからガヴィオラ2010を見に来たんじゃないですか!」と鼻息荒く語るので、なーんだ、と私は呆れた。食事の場だけの会話で、午後の幼駒観察では全く触れ合う事がなかったので、もう向こうは忘れているだろう。
メテオライト(ガヴィオラ09、父タキオン)は条件戦を3勝、その下コメットシーカー(ガヴィオラ10、父ディープ)は7000万の募集で1勝3000万の稼ぎに終わり、結局相馬眼なんていうのはマヤカシだと私は確信した。さも走りそうだと言っていた紳士は、まだ元気だろうか。ちなみに、私が見抜いたダイワメジャーの牡牝のうちメスはサンブルエミューズ(ヴィートマルシェ10、父ダイワメジャー)と名前をもらい阪神JF、桜花賞と戦い抜き募集額以上を達成した。さらには、その仔ナミュールがマイルCSを勝利しG1をプレゼントしてくれて、私はあのツアーでサンブルエミューズに会えたことを心から感謝している。そして、あの心無い批判に負けず自分の評価を信じて買えたことも誇りに思っている。
母エレガンテレイナはガヴィオラの仔で他クラブ所属、1000万で募集され2勝し1300万を稼いだ。その初仔が当クラブに返り咲き。母母ガヴィオラは芝1800mでのG1勝ちがあるが、その父Cozzeneの影響もあって距離固定が起きやすく、サンデーの短距離型の父との相性はあまり良くない。さらにガヴィオラの産駒は牡馬に活躍が偏っており牝馬は2勝の当母が最高成績、母の姉ホワイトミーティアの仔はダート寄りの配合を試されているが芽が出ず、これは牝系全体が厳しい状況にある、と言わざるを得ない。2009年当時は血統知識なんて皆無だったが、いや、今でも皆無だが、牝系に対する当時の印象も今年の印象も変わらなかった。昔話のこともあって私はこの血統に手を出すな、ということなのだろう。
レシステンシア24 牡 母7歳
2歳G1の一冠のみの馬を並べて最強の馬は?と聞かれたら、フジキセキ、ダノンプレミアム、サリオス、牡馬はそんなところだろうか。牝馬は、クラシック善戦のあと重賞4勝もしたスティンガー、同じく重賞4勝のダノンファンタジー、そして重賞こそ2勝だがG1の頂上にあと一歩の2着を5回も経験している当母レシステンシアが挙がる。
レシステンシアは一口6.5万の安馬(当時では中堅くらいか)ながらデビュー3連勝でG1阪神JFを簡単に逃げ切り、桜花賞2着のあとは牡馬に混じってNHKマイルを2着。古馬になっても衰えるどころか高松宮記念・スプリンターズSの短距離G1をどちらも2着、ついでに香港スプリントも2着と素晴らしいスピードで会員を魅了した。逃げを封印してからは切れ味不足だったが父ダイワメジャーでバタ脚は仕方ない。2歳G1の勝利を取り上げて当母を早熟馬と考えるならとんだ名誉棄損である。何がその原動力か。母母マラコスタムブラダの父Lizard Islandは大したことのない種牡馬に思えるがその奥にNumber→Specialの偉大な牝系が隠れており、この牝系がスピードと成長力を引き出していると言える。
そこに母父ダイワメジャーである。どの種牡馬を配合しても超スピードは間違いない、と思っていたら、なんというか、この種牡馬か、というモーリス。うーん、確かに晩成寄りの父なので早期持続型成長の母は適性が高い。モーリスの代表産駒ジャックドールは母父がUnbridled’s Songでパワー血統だったので、南米の尻を引き継ぐレシステンシアもモーリスとの適性はあるだろう。でも、うーん、バリバリのスピードタイプとの配合が見たかったような。それは私の妄想だろうか。
ケイティーズハート24 母高齢
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クルミナル24 メス 母12歳
私のレイパパレの仔はリスト落ち。TNB氏の愛馬クルミナルの仔は無事リスト入り。おめでとう、と思いつつ、私は嫉妬に狂いそうになっているわけで、些細な言動でもアワブラ・ハラスメントが発生しかねないので今の私に話しかけるときには最大限の注意を払った方が良い。冗談です。(下図;クルソラ家)
このクルソラ牝系からは他クラブではあるが全妹クルミネイトの仔から同父モーリスとの配合、つまり全同血のアルテヴェローチェが2歳重賞戴冠からNHKマイル出場を果たしており、スピードが十分期待できる良い配合と言える。
クルミナルの仔も怪我で引退したプレドミナル以外はクラシック戦線に乗っており、さすがBlushing Groomのスピードと瞬発力を伝える牝系である。母母父Candy StripesはBlandfordのクロスが濃いBlushing Groom(Blandford5*4*5)にLyphardの血なので、実はディープの母ウインドインハーヘア(Busted>Blandford)と類似血である。だから相性が良いのだろう。G1にこそ手が届いていないが今年も期待値は高い。牝系はMr. Pro.から縁遠いのでその系統の父の方が良いのかもしれないが、アルテヴェローチェの成功があるのだからそんな些細な事は気にしないのだろう。
これは大抽選会が間違い無し、だろうが、母優先権を行使できるTNB氏はそれでも遠慮なく行くだろう。私は指をくわえて見ているしかない。
アドヴェントス24 メス 母11歳
アドマイヤサンデー一族は怪我に完全に屈した一族である。と書くとクラブから怒られそうだが、事実なのだから仕方ない。(下図;アドマイヤサンデー家)
毎年配合評価を悪く書いていたので私の中では固定概念化してしまっているが、図より前の世代からG1馬のヴェラアズール(父エイシンフラッシュ、母ヴェラブランカ)が出ているので活躍の可能性が無いわけではない。ただ、下の世代に進むと怪我の連発になり走る以前の問題になってしまっている。Roberto系の父との配合では怪我はないが単純に足が遅く勝ち上がれず、同系統の中では一応スピード型のモーリスが配合されたがそれでも越えなければならない関門は多いように思える。
長くこの趣味を楽しみたいなら愛馬の健康を重視すべきだ。
シャルール24 メス 母12歳
母は芝中距離を4勝、重賞には惜しくも手が届かなかったが充実期に入ってからは堅実な走りで賞金を多く稼いだ良牝だった。グレイトフィ-ヴァ―牝系は当クラブお抱えの一家である。(下図;グレイトフィーヴァー家)
やや産駒に怪我が続いた時期もあったがシャルールやファナティックといった晩期出産の牝馬から活躍馬が出始め、特にファンダム(ファナティック22)は父サートゥルナーリアの一番星としてダービーにも挑戦した。明確に距離の壁があったようにも思え、同牝系ネーヴェフレスカ(グランデアモーレ22)を見てもこの牝系はマイルから2000mまでを得意とするように感じる。シュペルミエール(ヒカルアモーレ13、父ステイゴールド)は特異な例と考えて良いと思う。
過去にグランデアモーレとモーリスの配合が試されたことはあり、新馬勝ちのあと全く勝てず地方に売却されているが、ネガティブな面としては気性難や足元の弱さはこの牝系には付き物だろう。一方で優れた先行力やスピードも引き継がれることが多く、一瞬の切れ味ではなく持久力で勝負するタイプのモーリス向きな牝系とも言える。血統図からは、母母グレイトフィーヴァーはNasrullahのクロスの他にRelicと、Simply Giftの母Seneca>Vienx Manoir(>Blandford)とKaldounの母Le Haar> Vienx Manoirのクロスを持っているので短中距離どちらにも対応できるといえる。一方のモーリス牝系は日本の長距離メジロであり、牝系の奥にいるメジロボサツはBlandfordのクロスを持っており、この血の呼応が起きれば、急に長距離を走れるとは言えないがマイルや中距離の粘り強さやスタミナには有効に働くかもしれない。
ほぼ思惑通りだった私とTNBの愛馬(こう書くと、とっても気色悪いな)、当駒の姉カニキュルも、充実期に入りさえすれば強いはずだ。当駒も同じような成長曲線が期待でき、マイル特化型ならさらに強いかもしれない、という期待感もある。出来れば牡馬であってほしかったが、まあ、それは、ね。
マリアライト24 メス 母13歳
当クラブが誇る女傑マリアライトから初仔オーソクレース(父エピファネイア)がG1で2着2回と惜しかった経歴があり、さすがの名牝系といえるだろう。(図;キャサリーンパー牝系)
マリアライト自身の完成は古馬になってからだったので、晩成の血はあまり好ましくない。血統図の中にはSad. Wel.、Lyphard、Rivermanと中長距離系の欧州系クロスがひしめいているが、スピード活性を持つ因子は少なく父方のグラスワンダーに頼るしかないとなると、2歳の未勝利を勝ち上がれるかどうかが鍵となるか。成長を待てれば強くなる可能性もある…のか?
怪我の恐怖と隣り合わせなのはとても怖いが、この牝系だからなのか値引きはほとんどなく例年強気の価格設定である。オーソクレースも全妹ロジャリーマインも怪我だがRoberto系との相性は良さそうにも見え、Sad. Wel.やRivermanのクロスがありこの父との配合も楽しみが大きいことからも、当駒はたぶんお金持ち用、財布のひもの緩い皆様はぜひ頑張って買ってください。
(追加希望;アヌラーダプラ24)