キャロット2015募集馬 血統表および評価
2019クラシック世代(2016年産)

2017年度キャロット募集馬の血統評価

!非常に偏りの強い、主観的な評価になっております!
母15歳以上は(例外を除いて)評価していません。
牝馬評価はいくつかのサイトを参考にした「薄っぺら」です。

クラブから転載許可を戴いております。

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ディープインパクト産駒
 

1.レーヴディマン16
8000万 20万/口 美浦 田村
出産時母;15歳高齢

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
レーヴディマン Highest Honor Kenmare ゼダーン
(■My Babu/2)
Riverman
(■Sir Gayload/1)
バイアモン Blushing Groom
(■Aureole/3)
(■Nijinsky/1)
(■Sir Gayload/1)

血統評価
 全姉2頭が当クラブ募集となっているがどちらもひ弱な体質を改善できず強い調教をかけられない現状が続いている。
レーヴディマン14の評価
 3重にも重ねられた■Sir Gayloadのクロスによる足元の脆弱性は仕方ないので諦めるとしても成長の遅さだけは許されない。■ゼダーン、そしてバイアモンに入る■Aureoleなどが晩成寄りに引っ張っているのかもしれない。今回は牡なので1つ勝ちさえすればこれまでの産駒よりは成長が待てる。
 期待できる点はその程度だろうか。
 サンデーレーシングに入りたくて入れない人のために代用血統として毎回ディープが付けられているのだろうが本家では母の全姉レーヴドスカーにディープをつけていない。■Sir Gayloadクロスの脆弱さに気付いた上にこの血統には頑強な種牡馬が向いているという判断だろう。私はサンデーレーシングの理論を支持したい。

母レーヴディマン
 姉レーヴドスカーの全妹。成績は特筆すべきものは無い。姉レーヴドスカーはフランスで牝馬クラシックを1勝、ジャパンカップに参戦し7着と日本馬場への適性を見せた。姉の産駒は大成することが多いが妹の産駒はまだ実績が乏しい。

母父Highest Honor
 マイルから中距離を走りG1を1勝、産駒も海外のマイル重賞を制覇しておりある程度のスピードは遺伝させているようである。大物に未だ恵まれず、同系統のトニービンと比べると存在感は薄い。京都に強いRivermanの血を抱えている。

母母父バイアモン
 瞬発力の豊富な■Blushing Groomがとても重い■Aureoleに上書きされており先行力とスタミナをわずかに遺伝させる。

▲牝系Point Duty系 F1-p
 トールポピーやアヴェンチュラといった名牝を含む超・名牝系。スピード能力はもちろんのこと、先行力と持続力に長け、大舞台に特に強い。

期待値 距離 20
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力  
気性難
零細
クロス
S. G. 5×5×6
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 1/3分配

 

2.リッチダンサー16
6000万 15万/口 美浦 藤沢
メス 出産時母;16歳高齢

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
リッチダンサー Halling Diesis (■エタン/1)
(■Tantieme/2)
(■Nijinsky/1)
(■Nasrullah/3)
Fairy King Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
(■Red God/1)
(■Prince Chevalier/2)
 
血統評価
 「僕は、リッチダンサー中毒かも知れない」15年産の半弟を見たTNB氏がつぶやいた言葉は衝撃だった。父が替わってもその筋肉質はどの産駒にも遺伝し、彫刻のような立派な馬体の基礎となる。これを毎年の幼駒ツアーで作ってくるのだから母の早熟性とパワーの遺伝に他ならない。TNB氏が惚れるのもうなずける。結局買わないのだが。
リッチダンサー14の評価  リッチダンサー15の評価
 産駒は全てデビューし1勝以上している上に半姉フロアクラフト、バウンスシャッセがオークスで掲示板に乗るなど母が名牝であることは疑いようがない。
 牝系F2-e系は父ディープF2-f系と同族内にあり同一牝馬Atalanta(1769)を起点としている。父側の牝系であるHighclereのスタミナと従順さを強化する可能性がある。これまでの産駒が纏っていた良質な筋肉を本馬も持っているはずなのでパワー不足に悩むディープの血とベストマッチだろう。
 この配合を待って待って待ちくたびれた会員が多数居るにちがいない。大抽選会間違いなしだが、それでも狙ってみたい良配合である。

母リッチダンサー
 自身は大した成績を残さず。産駒は中距離で強く、小回りを器用にこなし坂にも強い。特に中山の中距離を得意とする。東京でキレ負けするのが玉にキズ。

母父Halling L:0
 中距離G1を2勝、欧州最優秀賞を獲った経歴がある先行一筋の馬鹿頑固屋血統で中長距離を楽々走りきれるスタミナが自慢。

母母父Fairy King
 Sad. Wel.の全弟で未勝利。血の影響力はさすがでLalun→Special牝系への刺激を入れスタミナや持続力を付与する。

▲牝系The Sphinx系 F2-e
 19世紀半ばの同族始祖付近まで辿っても目立った活躍馬がいない。NHKマイルCを勝ったロジックが同族唯一のG1馬である。当馬はその枝からも遠く、牝系先祖の力は期待できない。

期待値 距離 20
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 早い
持続 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■ 
気性難
零細
クロス
N.D. 5×3
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

3.オリジナルスピンⅡ16
5000万 12.5万/口 美浦 池上昌
メス 出産時母;13歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
オリジナルスピンⅡ Distorted Humor フォーティナイナー Mr. Prospector
(■Ribot/2)
Danzig
(■Hail to Reason/2)
Home At Last (■Mahmoud/4)
(■Himyar/-)
(■Bold Ruler/1)
(■Relic/3)

血統評価
 半兄アクセラレート(父ステイ)が2勝。全姉レヴアップスピンは素質を予感させつつも頚椎狭窄で引退(その後死亡)。ディープの相手に選ばれる■Mr. Pro.の牝馬で「事故」と聞くとピリッと雷が走る会員もいるのではないかと思われるが、そのリスク意識は常に持っておくのが正解だろう。半兄ルミナリースピン(父キンカメ)も屈腱炎を患っている。
 産駒は皆良いスピードを受け継いでおり、早熟性も兼ね備えているようだ。母父の軽いスピード=母父母のDanzig、あるいはHail to Reasonの血が優位に出ているのではないかと思われるが、とすると父側の■Sir Ivorへの刺激が避けられず、怪我のリスクの高さは仕方ないか。だが、同じ悲劇が必ず起こるなどとは誰も言えないわけで、リスクを承知の上で狙ってみるのもお金持ちの一興ではなかろうか。

母オリジナルスピンⅡ
 8戦2勝でG3勝ち、BCジュヴェナイルで3着。活躍馬はまだ出ていない。産駒から推測するに怪我のリスクは高い。

母父Distorted Humor
 自身はアメリカダート1400mの重賞勝利にとどまったが産駒は毎年コンスタントに活躍しFunny CideやDrosselmeyerなどのアメリカクラシック活躍馬を出している。Flower Alleyからアイルハヴアナザーに血が繋がっておりダートマイルを主戦として軽い走りの条件馬を連発している。おそらく本馬も軽い走りのスピード系統と推測される。

母母父Home At Last
 アメリカダートのG1スーパーダービーを勝っている。それが1990年の事で、その後現在まで血の影響を残すことは出来ていない?影響不明。重そうな血に見えるが父母とも零細かつ遠縁になっており効力を失っている。

▲牝系Mabille系 F2-o
 活躍馬のほぼ居ない零細牝脈。地方ダートで活躍したオースミジェットが一番星。牝系の力は期待できない。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■ 
爆発
零細
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


4.クルソラ16
5600万 14万/口 美浦 堀
メス 出産時母;14歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
クルソラ Candy Stripes Blushing Groom Red God
(■Wild Risk/1)
Lyphard
(■Hyperion/4)
Ahmad Good Manners
(■Stockwell/9)
(■Swynford/6)
(■Nearco/6)
 
血統評価
 全姉クルミナル。今年の期待も非常に大きく特にTNB氏がカカり気味である。
クルソラ15の評価
 アルゼンチン牝馬は2016年にもそのスピード遺伝能力を見せつけ、クルソラと同じくコパ・デ・プラタを優勝したマルペンサが日本輸入のあとサトノダイヤモンドを出した。主流の血統を含まない上にこれだけのスピードを発揮できる、というよりスピードに寄った馬生産をしている南米から社台が頻繁に繁殖を輸入するのは実に理にかなっている。
 Candy StripesをRed GodでなくLyphardと考え、また母母を擬似Mr. Pro.とざっくり考えるなら全姉クルミナルの大活躍も納得できる。当馬への期待も高い。ディアデラノビアと同系統でありいったん成功を出せたので当母もこのまま成功を連発すると予測する。

母クルソラ I:0
 南米アルゼンチンの出身で同国の芝G1を2勝。主流血統を持たずにスピード能力を持っている優秀な牝馬で父側の良さを強く引き出す。父ディープならば鋭い瞬発力、父オルフェなら雄大な馬格といった具合。これはポトリザリス(産駒ディアデラノビア)などにも見られ、南米系の成功牝馬の可能性が高い。芝2000mを1:58台で走れることから日本馬場への適性も高いと推測される。パワーはやや不足ぎみか。
 
母父Candy Stripes M:-
 代表産駒はInvasor、Leroidesanimauxなどでスピード型のダート中距離馬である。重苦しさのない鋭い加速はその母バブルカンパニー、さらには母父Lyphardの影響を強く受けていると言える。ダート瞬発戦向きのBlushing GroomよりもLyphardの遺伝を引き継いでいると考えたほうが良さそう。

母母父Ahmad
 南米の種牡馬でマイナーな系統だがディアデラノビアの祖父でもありスピード能力は高い。その祖先Nashuaは■Mr. Pro.の主要構成要素の一つになっておりスピードを付加しているので、Ahmadも同様の効果と考えてもいいか。

▲牝系Lady Elizabeth系 F8-j
 F8号族は近年大爆発した系統でヴィクトワールピサ、オルフェーヴルなどの日本競馬を代表する中距離馬からグランプリボスやローブティサージュと言った短距離快速系まで幅広い活躍を見せている。快速系寄りの血統だが急坂への適応力があり特に中山を得意とする。
 が、F8-j系はその中では亜流で短距離馬タニノマティーニ程度の活躍馬しかいない。

期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持続 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■■
馬力   
気性難
零細
クロス
Lyp. 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊
 

42.スカイディーバ16
10000万 25万/口 栗東 藤原
出産時母;10歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
スカイディーバ Sky Mesa Pulpit A. P. Indy
(■Mr. Prospector/1)
Storm Cat
(■Raise a Native/3)
Unbridled Fappiano
(■Le Fabuleux/1)
(■Secretariat/1)
(■Bold Ruler/2)

血統評価
 一口馬主をやっている、などと周囲に言うと、とんでもない浪費家かギャンブル狂いのように言われる。自分では情熱と努力(と金銭)を注ぎ高尚な趣味として楽しんでいるのだが、馬を共通の話題にできる人間は本当に少ない。これまでに1人だけ仕事先で馬の話題を持てた紳士がいる。人生においては親と子ほどの先輩だが、彼は私が一口馬主を始める遥か前から絹クラブに所属し馬に心血を注いできた、という。
 彼が持っているはずの当馬の姉スカイノーヴァ(父ステイ)は虚弱体質により使う度に長期休養を要し、しかもこういう馬と相性の悪い藤沢厩舎に入っているので打破は厳しそう。父ディープの兄と弟はどちらも億単位で里見氏に購入されたが兄は調教事故、弟もK厩舎=事故同然であり全般に期待が持てない状況である。
 が!血統的にはかなり期待できる配合である。父ディープとA. P. Indy - Pulpit を経由する母父の組み合わせは2017皐月賞馬アルアインに見られるように2000m付近で脅威の持久力とスピードを両立する可能性を秘める。アルアインに比べると■Nas.系統が濃すぎるがゆえに体質弱化を招いているのかもしれないが、他方■Storm Catも父ディープにとって邪魔にはならないはずだ。あとは■Unbridledなのだが…
 前述の紳士との縁があってこの母には注目していた。突然の当クラブ募集とあれば期待を持って馬体を待ちたい。一般大衆から見れば、結果の出ていない血統のディープなのでハズレでも文句の言えない博打の買い物になるだろう。できれば一般抽選くらいで…

母スカイディーバ
 アメリカダート馬でマイル戦のフリゼットSを勝利、BCジュヴェナイルを3着。姉クイックリトルミスの産駒と同様に活躍馬は出ていないが母の妹Pure Clanがアメリカダートで大暴れしたことからもスピードと持久力への期待は高い。

母父Sky Mesa
 アメリカ西海岸でG1ホープフルSを含む3勝。3歳時には3戦してG1で2着が最高着順だった。早熟というほどの活躍でもなく微妙。マイナーな成績でマイナーに引退しており、スカイディーバ以外の活躍馬はいない。

母母父Unbridled I:-1
 ケンタッキーダービーとBCクラシックを獲っている世界的名馬。種牡馬としてもエンパイヤメーカーとUnbridled's Songの大活躍馬を出して血を繋いでいる。ダートに強いパワーを遺伝させるが瞬発力と柔軟性は削いでしまう傾向もある。■Le Fabuluexの影響が出ることが多く活躍距離を短距離からマイルに距離を縮めてしまうことが多い。

▲牝系Classic Music系 F17-b
 芝で活躍しBCクラシックでレコードを出したRaven's Passが代表馬でちょっと枝葉を辿ればSaint Liam、あるいは古いところでOmahaとアメリカダートで活躍した名馬が多数挙がる。さらに根元と辿ると同族にはLyphard、トーセンラー、シーキングザパールなどが出ている。やはり距離は短めだがスピードの遺伝は強そう。

期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
Mr. Pro. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

43.チェリーコレクト16
5600万 14万/口 栗東 石坂
メス 出産時母;7歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
チェリーコレクト Oratorio デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Aureole/2)
(■Alydar/1)
Hernando (■Nijinsky/1)
(■Miswaki/1)
Caerleon
(■Owen Tudor/5)
 
血統評価
 まさかこの血統をクラブ募集にするなんて!と個人馬主様の悲鳴が聞こえてきそうだが、姉7600万、弟1億1500万の間の牝馬の募集である。桜花賞やオークスだって十分妄想できそうな超良血なのに、本家ではなく当クラブに疑念愛を感じてしまう。
 母の血は欧州クラシック血統で固められており、伊オークスを制した実績があるので実力は本物だ。母父はハービンジャーのような中距離型っぽい血統構成で母母父もジャパンカップ3着の実績があり日本への適性もおそらくある。どう見たって疑う余地は無い。全姉のように420kg台の小型であったとしても、だ。1月生まれのノーザンファーム産。日本の最高峰の馴致育成が一番長く面倒を見ているのである。パワー要素がなくても怖くない。
 そうだ。我々だって十分に購買能力の有る小金持ちである。馬体・値段がどうだろうと即日大抽選に間違いない。皆さん、ぜひ買い争ってください。こんな名血、馬体に欠陥が無きゃ我々クラブ会員には買えませんよ!

母チェリーコレクト
 10戦8勝。伊1000ギニー(桜花賞にあたる)、伊オークスの2冠を達成しているがグレードとしてはG2勝利となっている。母母Holy Moonが当馬を含めて3年連続で伊オークス馬を出している。血への期待は高く、Holy Moonの産駒全てとデインドリームのイタリアオークス馬が相次いで日本に輸入され、それらの産駒が高値で取引されている。

母父Oratorio I:0
 G1を2勝、アイルランドチャンピオンSの勝ち時計は高水準でエクリプスSからの連勝を考えるとなんとなく血統の似通ったハービンジャーと特性は同じ気がする。抜群のスピードはないがそこそこのパワーの補充効果はあるか。

母母父Hernando L:+3
 フランスダービーを好タイムで勝ったあとに何度もG1に挑戦し勝利こそ無かったものの好戦を続けた名馬。ジャパンカップにも挑戦し3着となかなかの好成績を残し、日本向きの瞬発力とスピードがあることを証明した。

▲牝系Geheimniss系 F14-f
 海外の活躍馬は探せば多いのだろうが日本との縁は薄い。一応近いところではメイショウモトナリ、ムガムチュウといった地方競馬の活躍馬が出てくる。同族別系統Vlie系からはReinbow Quest、ウォーニング、コマンダーインチーフといった欧州血統が出ている。

期待値 距離 20-24
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持続 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■
馬力  
爆発
零細
クロス
N.D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

44.ココシュニック16
5600万 14万/口 栗東 高野
メス 出産時母;11歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
ココシュニック クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
Seeking the Gold Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
(■Danzig/1)
(■Turn-to/3)
 
血統評価
 全兄ステファノス。能力を重賞級に引き上げるにはステイではダメでディープでなくてはならない。苦戦にあえぐココファンタジア@DDKを見ていると気性は牝馬優位とはいえ父側の重要性を強く実感する。去年と同配合で牧場の期待がアツい牝系なのも間違いない。
ココシュニック14の評価  ココシュニック15の評価
 母母ゴールドティアラは3歳秋に本格化し5歳までダート戦線で活躍、スピードは劣るもののパワーと持続力は秀でていた。子孫の成長曲線はこのゴールドティアラを辿るようで成長が遅い傾向が見られる。ステファノスは■Danzigや■フレンチデピュティといった父ディープと和合性のある血統がうまく刺激されてスピードと瞬発力を取り出すことが出来た。当馬が牝馬なので気性面の問題だけが心配だが、牝系の基礎力に、代々重ねられてきたスピードの血を考えると(去年も述べたことだが)じっくり待てる大人向けの良配合だと言える。

母ココシュニック
 ダートの強豪ゴールドティアラの仔で自身も大きな期待を受けたものの勝ち上がるのに苦労した。3勝はいずれもダートの逃げ切り勝ちで気性の難しさ、臆病さを持っていたように思える。全兄ステファノスも成績が安定しないが半姉ココファンタジアに見られるようにこの臆病な気性が牝馬の場合は特に強く遺伝してしまうかもしれない。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。
父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父Seeking the Gold
 自身はアメリカのダート中距離G1を2勝。特筆すべきは種牡馬成績で芝ダートの短~中距離まで世界規模の能力を持つ産駒を乱発したことだろう。■Mr. Pro.に■Buckpasserでニックス配合なのでスピードの付与と母側を支持する補助血統となっている。

▲牝系Good Example系 F10-a
 当馬の直系に南部杯などを制した輸入牝馬ゴールドティアラがいるがちょっとたどるとアメリカ年度代表馬カリズマティックが出ている。持続力とパワーが持ち味だが成長力の遅さがネック。もう少し奥まで探るとRiverman、ロックオブジブラルタルといった大種牡馬にたどり着き、馬格の良さも遺伝させる。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 3:1分配
ボトム活性

 
  
リーサルヒート16 リストなし
-
-
メス 出産時母;11歳

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
リーサルヒート Unusual Heat Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
(■Pharos/3)
(■Djebel/3)
Synastry Seattle Slew
(■Nashua/1)
(■Hyperion/4)
(■Princequillo/3)
 
血統評価
 初仔がダートで活躍した他は微妙で姉の芝長距離向きのステイゴールド牝馬が微妙なのは当馬への評価に影を落としている。(と勝手に思っている。)姉の活躍を阻害しているのがステイゴールド特有の気性なのかも知れず、この馬は違う可能性もあるのだが…
 ■Nur.→▲Special、■S. Slew→▲Myrtlwoodと2つの牝系を引くほかにS. Slewの母My Charmerが持つ▲La Troienneの血の影響もあってパワーと先行力の豊富なアメリカンダート血統と言えるだろう。父ディープとアメリカダート血統の配合はこのところのトレンドでディープとストームキャット、フレンチデピュティといった北米血統がディープの瞬発力にパワーを付加し産駒を重賞で活躍させている。
 だが、■Nur.との配合馬もいるはずなのになぜか大舞台に出てこない。Nurの先行力が強すぎるのか、パワーが足りないのか。パッと見た目は相性が良さそうな配合で期待は出来る。
 この配合でダメならこの繁殖牝馬とはサヨナラ、の崖っぷちの配合かもしれないので、売る側の心理も考慮すればお値段はてんこ盛りでしょう。

母リーサルヒート
 アメリカG2ハリウッドオークスの勝ち馬でBCレディースクラシックにも挑戦し7着に健闘した。重賞成績はオールウェザーが目立つが芝でもそこそこやれた兼用馬で成績は一流半といったところ。初仔トータルヒート(父ストリートクライ)が短距離でオープンまで出世した以外は弟妹は1,2勝で苦しんでいる。先行型に出ることが多い。

母父Unusual Heat
 自身は準重賞の勝利がある程度の二流馬だが産駒からアメリカ西海岸を暴れまわったAcclamationⅡが出ている。その父Nureyev譲りのハイスピード決着、芝適性と考えると一発屋傾向もあるが大物の可能性を秘めると言える。

母母父Synastry
 32戦7勝。これだけの勝利数なのに重賞勝ちの記録はない。日本でこの名前を見るのはリーサルヒートを介する場合だけだろう。

▲牝系Stella系 F22-a
 同族にはサクラショウリ、ビートブラックとスタミナ豊富な名馬が揃うが当馬は19世紀に本流から枝分かれした傍流で活躍馬がいない。

期待値 距離 20
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長
持続 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■■
馬力
気性難
零細
クロス
N.D. 5×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 


 
 キングカメハメハ産駒

5.ディアデラノビア16
7000万 17.5万/口 美浦 堀
出産時母;14歳 母優先
 
キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector Raise a Native
(■Nashua/1)
Nureyev
(■Graustark/2)
ラストタイクーン トライマイベスト
(■Mill Reef/1)
(■Tourbillon/4)
(■Nijinsky/2)
ディアデラノビア サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Potrillazo (■Good Manners/1)
(■Bull Lea/4)
(■Raise a Native/1)
(■Fairway/3)

血統評価
 初仔ディアデラバンデラがモヤった以外は実に堅実な成績を出し、古株ながら人気の衰えない名牝系である。
ディアデラノビア14の評価  ディアデラノビア15の評価
 南米の快速血統で重めのハービンジャーと配合しても良質なスピードを遺伝させるのは流石異界の血といったところで、ディアデラノビアが■N. D.系を近親に持たないことが健康度が高く仕上がりの早い馬を出せている要因だろう。
 今年は元の配合、キングカメハメハに戻してきたが牧場はハービンジャーを見限ったということか?これだけ結果を出したので違う馬を作ろうという実験か?
 キングカメハメハの種付け事情もあるし元気なうちにこの配合をもう一度試したかったのだろう。おそらくは■Mr. Pro.の構成要素である■Nashuaのクロスを期待して後世に伝えるべく牝馬を…だったのだろうが、それは結果論。先行力と持続力を持ち短中距離の高速決着に強そうな配合なのでこれまた楽しめる馬になることは間違いない。……大人気抽選会も間違いない。

母ディアデラノビア
 早期完成、鋭い瞬発力、さらに成長力と多くの武器を備えた名牝で重賞でも名勝負が多数。差し損ねはあっても大負けが少なく長らく堅実な活躍を見せた。産駒にもその能力は引き継がれ新馬から強いレースをする仔が多くこれまでデビューした産駒で未勝利は一頭もいない。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父Potrillazo L:? 
 アルゼンチンでダービー(ダート2500m)を制し他にもダート2400mのG1を勝利している。快速を遺伝させ、産駒の活躍はダートに留まらずCCAアメリカンオークス2着馬などを出している。母父として快速マイラーダノンゴーゴーが馴染み深い。

▲牝系Splitevote系 F2-u
 当馬の祖母ポトリザリスに至るまでの血脈はアルゼンチンでつなげられてきたので世界的な活躍馬は出していない。血族内にダノンゴーゴー、ちょっと離れた同族にビッグウィークがいるが2頭から共通の適性も想像しにくい。とらえどころのない牝系である。南米らしい大きな尻(腰)が特徴か。

期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■
爆発
零細
クロス
R. a N. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 1/3分配

 

6.グレースランド16
は高齢のため候補に入りません
 
45.ジュモー16
5000万 12.5万/口 栗東 池江泰
出産時母;10歳

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector Raise a Native
(■Nashua/1)
Nureyev
(■Graustark/2)
ラストタイクーン トライマイベスト
(■Mill Reef/1)
(■Tourbillon/4)
(■Nijinsky/2)
ジュモー タニノギムレット ブライアンズタイム Roberto
(■Graustark/1)
(■Caro/1)
(■Sea-Bird/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Nureyev
(■Sharpen Up/1)
 
血統評価
 名牝フェアリードールの傍流ビスクドールからトゥザ一族ほどではないにしても輝きのある重賞馬プロフェット(父ハービンジャー)が現れた。やっぱり中山である。
ジュモー15の評価

 ▲フェアリードールに■サンデー→■キンカメでトゥザ兄弟、■キンカメ→■ディープでデニムアンドルビーと、順番はどっちでも活躍馬は出るので期待は大きい。(仮に■N. D.系でも活躍馬は出るんじゃないかと思う)■Nur.のクロスとボトム活性でフェアリードールを刺激していて母父タニノギムレットとは■Graustarkの爆発力クロスを結んでいる。パワー要素が少ないので出来れば芝を走らせたい。牝系と母父の遺伝力頼みだが、それが叶えばプロフェット越えは確実だと思う。

母ジュモー
 芝でスピード不足、ダートで3勝を挙げているがその現役生活は激しい気性と食の細さとの戦いであった。父の遺伝特性を見ても真の力を発揮できるのは芝だろうと予測するが体質の弱さとスピード不足を配合でどう補うかが問題点。

母父タニノギムレット L:-2
 2002年ダービー馬。2着にシンボリクリスエスでこの年は東京Roberto決着であった。産駒ウオッカは日本ダービーを制し(余談だがシンクリ産駒エピファネイアもジャパンカップを制している)東京への適性の高さと底力を遺伝させている。母父としてプロフェット(京成杯)、バトルプラン(東スポ2歳)と母自身に良い影響が無かったのにその仔にスピードと瞬発力を授けている。母父としての活躍は今後も期待が大きい。産駒の重賞勝利は全て芝。ダートや急坂の適性は少し落ちる。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。
 
▲牝系フェアリードール系 F9-f
 トゥザヴィクトリーを輩出した超・名牝系でほかにもサイレントディール、デニムアンドルビーといったスピードと瞬発力の豊かな活躍馬を出している。ちょっと遡ればアパパネの属するAffiction牝系、さらに遡ればベガ牝系の源流であるBlack Star牝系などが見られとても勢いのある一族である。

期待値 距離 20-24
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■■■
持久
馬力  
気性難・爆発 ■■
零細
クロス
Nur. 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性


46.ハープスター16
7000万 17.5万/口 栗東 池添学
メス 出産時母;5歳 母優先

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector Raise a Native
(■Nashua/1)
Nureyev
(■Graustark/2)
ラストタイクーン トライマイベスト
(■Mill Reef/1)
(■Tourbillon/4)
(■Nijinsky/2)
ハープスター ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
ファルブラヴ Fairy King
(■Seattle Slew/2)
トニービン
(■Northen Dancer/1)

血統評価
 母の引退からこの仔と会えるのを待ち焦がれていた会員が多いだろう。値段は超高額でも、即・大抽選会。この仔のためにバツを貯めて待っていた皆様の大抽選会を、我々貧乏人は傍観するしかないのである。仕方ない。ディープ、ファルヴ、どちらも牝馬への活性が高い。父キンカメ側が悪さをしないことを祈る。

母ハープスター M:0
 上がり32秒台の末脚を武器に春クラシックの主役を張ったクラブが誇る看板の一頭。彼女以降に活躍馬が見られないので父母(母母ベガ)の能力を集約したこの馬にクラブがかける期待は大きい。遠征がたたって早期引退しているが、仮にそうでなくても早熟だった可能性はあるかも。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父ファルブラヴ
 活躍馬が牝馬とセン馬に偏るヒロイン血統で北海道シリーズなどの深い芝を得意とするパワー型。暑さにも強い。反面、スタミナに乏しく短距離向きの馬が多い。母側に入っても牝馬の瞬発力への影響が強い。

▲牝系アンティックヴァリュー系 F9-f
 ベガ牝系とも言われ、ノーザンファームが世界に誇る金脈牝系である。近年ではベガとは別の枝からサトノノブレスが出てベガのみならず金の産駒はまだまだ出そうな予感。

期待値 距離 16-24
傾向 スピード 気性
瞬発 特大 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力   
爆発
零細
クロス
N. D. 5×5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
ニックス 特殊 1:3分配

 

ブルーメンブラット16 リスト無し
- -
メス 出産時母;13歳 母優先

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector Raise a Native
(■Nashua/1)
Nureyev
(■Graustark/2)
ラストタイクーン トライマイベスト
(■Mill Reef/1)
(■Tourbillon/4)
(■Nijinsky/2)
ブルーメンブラット アドマイヤベガ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
トニービン
(■Northern Dancer/1)
Topsider Northern Dancer
(■Princequillo/2)
Sir Gayload
(■Brandford/3)

血統評価
 去年と同配合、牧場の自信が伺える。
ブルーメンブラット14の評価  ブルーメンブラット15の評価
 ■Northern D.のうちマイナーな父血統が2本あるが父側トライマイベストは■N. D.×■Tom Fool(/3)で母側アンティックヴァリュー■N. D.×■Tom Fool(/2)と相似である。また母側Topsider■N. D.×■Nas.(/3)は父側Nureyev■N. D.×■Nas.(/4)と相似でありさらに▲Point Duty7×7のクロスでスピードと持続力の強化を図っている。瞬発力の刺激と言う点ではイマイチだが融通の利くオールマイティさを持っているだろう。当馬のボトムラインではないもののアンティックヴァリュー牝系へ刺激が入るので爆発力も期待できるのでは。
 うまく行けば長く楽しめる孝行娘になってくれるかもしれない。上が未勝利引退なのは少し気がかりだが。

母ブルーメンブラット M:+1
 クラシックには届かなかったものの緩やかに成長を続け最後にはG1に届いたクラブ看板の1頭。子供はまだ活躍を見せていない。パワーを削がずに軽いスピードを取り入れたいが、やはり■Mr. Pro.がベストか。当馬の姉ヴィルデローゼ(父エンパイヤメーカー)はダートで快走した。半兄ジョイフルハートもダートで大活躍しており遺伝から推測してそちらも得意そうな気配はある。

母父アドマイヤベガ L:-1
 父サンデー×母ベガ。1999年のダービーを獲ったもののタイムは平凡で種牡馬としても期待ほどの大物は出ず、平地G1制覇はブルーメンブラットとキストゥヘヴンの牝馬2頭である。成長曲線が緩やかで絶対スピードも不足しがちだが、障害での活躍馬が出ていることなどを考慮すると牝系アンティックヴァリューから馬力とパワーを相当遺伝させているものと推測される。この牝系にはスピードと瞬発力の刺激が入るとハープスターのように大爆発を起こす期待もある。

母母父Topsider
 ノーザンダンサー直仔で、自身の成績はG3勝利程度。種牡馬としてアメリカでNorth Sider、フランスでSalseと活躍馬を出している。ややパワーに寄った鈍足ながら短~中距離をカバーし、特にダートでの瞬発戦を得意とする。血統色としては■Northern D.+■Pq.+■Nas.とフレンチデピュティに類似する。しかし、主要血統の血が濃いためにフレンチデピュティほど
いいクロス効果を出さない、のかもしれない。▲Rough Shodの血を含み▲Special牝系とクロスを作る。 
 
▲牝系Audience系 F4-m
 優れたパワー能力を伝え一族からはティンバーカントリー、Cozzeneと
大種牡馬が2頭も輩出されている。Wildwookの枝まで進むと当馬ブルーメンブラット、そしてCozzeneの名が出るとおりマイルが得意な一族になってきそう。しかし、Wildwookの姉妹River Guideの末裔からテイエムオペラオーも出ており必ずしも活躍が短距離に限定されるわけでもなく汎用性のある血統と言える。
  
期待値 距離 16-20
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持続 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力
気性難・爆発
零細
クロス
N.D. 5・5×4・5
全兄弟クロス 牝馬クロス
P. D. 7×7
3/4クロス
ニックス 特殊 1/3分配

 


 
ハーツクライ産駒
 
7.アディクティド16
3000万 7.5万/口 美浦 木村
メス 出産時母;10歳

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Lyphard
(■Double Jay/2)
アディクティド ディクタット ウォーニング (■In Reality/1)
(■Roberto/1)
Sadler's Wells
(■Clarion/4)
Surumu (■Hampton/6)
(■Tantieme/2)
(■Bend Or/-)
(■Donatello/3)

血統評価
 母の血は「水と油」である、去年の回顧に書いたが半姉を見る限り少し違っている印象がある。母の血は基本欧州の重い馬場向きで、母父■ウォーニングはスピードを補助しているに過ぎないかもしれない。
アディくティド15の評価
 あとは去年と全く同じ配合なので上記去年のレビューに書いたとおり近親は血縁が薄く健康度が高そうで今年もリスクは低そう。半姉は2歳夏前に本州移動しており成長力も遅くは無さそう。あとはハーツクライが好む「牝系の軽さ」にかかっている。血統図からは軽そうに見えるが母や母父は欧州馬であることを忘れてはならない。
 去年ですら最優先抽選になったので、今年もおそらくは同様だろう。とすると当同好会には縁がないと思われるので皆様のご健闘をお祈りいたします。

母アディクティド
 母自身は独1000ギニーのトライアルG3勝利馬日本でいうところのチューリップ賞勝ち馬で産駒クルーガー(父キンカメ)がマイル重賞を制覇している。兄を見る限り早期完成かつ衰えの無さが利点。瞬発力はやや低めだが先行力と持久力はある。

母父ディクタット S:0
 欧州芝1400mを得意としたスプリンターで5歳時に来日し安田記念2着という好成績を残している。■Man O' War系らしくゆっくりとした成長曲線を描きながら晩年に重賞に参戦する産駒を出すことがある。牝系はF14-c・▲Pretty Pollyを起点とする名牝系である。(▲PP/10、▲Sister Sarah/7、同牝系ノーザンテースト▲S. S./3)

母母父Surumu L:+1 
 ドイツ血統の塊であるLiteratとフランスダービー馬Relianceの配合で母Suramaは日本で猛威をふるったテスコボーイの半妹。この母Suramaも母側はHyperionの異系で■Nas.も■Nearcoも持たない異系血統ながらドイツダービーを好タイムで制覇し父としてもAcatenangoなどの名馬を出している。近年の活躍馬エイシンフラッシュから想像されるのはカッコいい馬体と一発屋根性。
 
▲牝系Tiara(ティアラ)系 F2-n
 この牝系からは重賞馬がシビルウォー程度でほとんど目立たない牝系である。F2-n族全体で見れば短距離馬アストンマーチャン、アメリカ年度代表馬Point Givenが出ているがそれらも散発的な活躍馬に過ぎない。
  
期待値 距離 16-20
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■■
気性難  
零細
クロス
N.D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

47.アビラ16
4000万 10万/口 栗東 池添学
出産時母;12歳

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Lyphard
(■Double Jay/2)
アビラ ロックオブ
ジブラルタル
デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Bold Ruler/2)
Alleged (■Ribot/2)
(■Princequillo/2)
(■Blandford/4)
(■Sir Gayload/1)

血統評価
 2014産駒の半姉は3歳夏の時点で未勝利。どうやらダート適性のようだが砂被りも嫌、先行も嫌というやっかいな気性と適正が相反しておりこれは厳しいことになってきた予感。
アビラ14の評価
 兄弟は皆大柄で瞬発力を欠き、ダートの善戦型になっている。デインヒル、Allegedと爆発力が大きい種牡馬を揃えているがまだその爆発力を発揮できていない。青葉賞に挑戦した半兄を目標としてハーツクライを配合したと予測されるが気性の是正が第一に考えられたことは間違いない。
 母母に戻って本格クラシックを目指した配合になっているので爆発力が発揮されることを願いたい。あとは鈍重になりすぎないことを祈るのみ。

母アビラ
 母Animatriceは英オークス3着、叔父に仏ダービー2着のPoligloteがいてクラシック善戦血統だが自身は未勝利。欧州の重い芝のほうが得意で日本ではダートを得意とする産駒のほうが強い。距離はあまり伸びず中距離がギリギリか。

母父ロックオブジブラルタル M:+1
 G1連勝記録7という世界記録を持つ最強マイラーで短距離戦ながらトップスピードを維持するスタミナに長けていた。母父としてマイルG1馬ミッキーアイルを出しているがスタミナも兼ね備えており中距離程度まではこなす産駒が多い。瞬発力はやや低め。

母母父Alleged L:0 
 凱旋門賞連覇の偉業を成し遂げた「リボーの再来」であり素晴らしい骨格と成長力の持ち主だったという。スピードと重馬場向きのパワーを強力に伝え、Phalaris系と異系にあたる為に多くの馬に対し和合性が高い。ギアチェンジがやや苦手で長距離に弱点があるか。
 
▲牝系Anne de Bretagne系 F4-i
 この末枝から天皇賞馬ヒルノダムールが出ており、現在種牡馬で頑張っているファルブラヴも同族の出身である。もっさりしたパワー系統の牝系で、当馬の枝はさらに傍流。一応のF4系だが好影響は期待薄。
  
期待値 距離 20-24
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■■
馬力
気性難
零細 
クロス
N.D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

48.アナアメリカーナ16
2800万 7万/口 栗東 斉藤崇
メス 出産時母;10歳

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Lyphard
(■Double Jay/2)
アナアメリカーナ American Post Bering (■Sea-Bird/1)
(■Lyphard/1)
Sadler's Wells
(■Mill Reef/2)
Anabaa Danzig
(■Aureole/4)
(■ゼダーン/4)
(■Caro/3)

血統評価
 聞いたことが無い母だな、と思ったが、母父には強烈な印象がある。仏1000ギニーを1着入線(その後降着)したリリサイドの父で、当クラブで募集のあったレイリオン、リスグラシューの母父である。DDK、TNBがともに惚れ込み共に持っているレイリオンと、両氏が手を出さなかった阪神JFと桜花賞2着のリスグラシュー。そのレイリオンは母母■Mill Reefで日本馬場への適性が疑問だったが、当馬の母母はエリ女でそこそこ走っており■Danzig肌なのでより固い競馬向きだと予測できる。(Anabaaはリリサイドの母Miller's Lillyよりもスピード向きだがVaguely Nobleを共通する類似の血と言える。)
 そして何より、この母父はハーツクライと好相性なのが証明されているのが大きい。ハーツクライの持つ▲La Troienne/7、母のSad. Wel.→▲La Tro/9 +Riverman→La Tro/8で▲La Tro 7×(8+9)である。
 ノーザンファームの懐はとても深い。母リリサイドで足りない箇所を補える牝馬を抱えており、さらにクラブに提示してくれるのである。レイリオンで悔し涙を流した会員、リスグラシューで歓喜に沸いた会員、そのどちらも注目の好配合に間違いなく、抽選会は必須だろう。

母アナアメリカーナ
 フランスからの輸入馬。その母アナマリーは「どこかで聞いた名前だなぁ」と調べたら2003年エリ女とジャパンカップに挑戦した経緯があった。その後こうしてまた会う機会があろうとは。息子メイソンジュニアは持ち込み馬の血統ハンデを乗り越えファルコンS3着、ニュージーランドトロフィー2着と踏ん張っている。日本向きの種牡馬と配合されればおそらくはいいスピードを遺伝させてくれるだろう。

母父American Post M:+1
 9戦6勝、フランス2000ギニーを勝っている。種牡馬としての成績は無いに等しい。父Bering、母父Sad. Wel.、母母系Mill Reef系と欧州の重厚血統で本来のポテンシャルはマイル以上にあるのではないかと思われる。当クラブに同父のリリサイド姉妹が所属しており、レイリオン(父Dメジャー)は短距離を使われ凡馬、リスグラシュー(父ハーツ)は阪神JFと桜花賞で2着と大活躍と大きな差が生まれている。長距離血統との相性の良さが予測される。

母母父Anabaa S:+1 
 バリバリのスプリンターで短距離G1のジュライCとモーリスドギース賞を勝っている。種牡馬としてはなぜか中距離馬での活躍馬を出し、欧州最強牝馬と言われるGoldikovaを輩出した。他にも凱旋門賞連覇のTreveの母父で欧州における最強血筋の一頭と言えるだろう。父Danzigのスピード血統に母Vaguely Noble、Riverman(/3)と大舞台に強い底力血統が上手くかみ合っている。
 
▲牝系Wild Cherry系 F8-a
 直仔系統には活躍馬が居ないが、一世代遡ったBridgetからの分枝でエイシンフラッシュが出ている。日本の活躍馬を調べる限りでは勢いがあるとは言えない零細牝系。
  
期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■
気性難  
零細
クロス
N.D. 5×5×5
Lyp. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tro.
3/4クロス
ニックス 特殊

 

49.ピュアブリーゼ16
2400万 6万/口 栗東 庄野
メス 出産時母;8歳 母優先

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Lyphard
(■Double Jay/2)
ピュアブリーゼ     Monsun Konigsstuhl (■Blandford/4)
(■Tourbillon/3)
(■Hampton/7)
(■Aureole/2)
パントレセレブル Nureyev
(■Alydar/1)
(■Sea Bird/2)
(■Sadler's Wells/1)

血統評価
 瞬発力不足は父Monsunなのでどうしようもないが母由来のスピードがこの父で薄まってしまっていると考えるのか距離の汎用性が出たと考えるのか。母母の出産特徴=父を遺伝させる能力の高さ、を考えると母父Monsunが母に与えた影響はかなり大きく母の仔もMonsun寄りになる可能性のほうが大きいのではないかと考えてしまう。父Monsun、さらに牝馬、となれば勝ち味に遅い鈍足を覚悟しなければならないかもしれない。スタミナ血の融合という観点では面白いが日本の馬場にはちょっと合わないのでは。

母ピュアブリーゼ
 スタミナ豊富な走りが特徴、フローラSを制し雨のオークスで果敢に逃げて2着と優秀な成績を修めた。その後も重賞好走などがありスタミナに加えてある程度のスピード、持続力も持っていたと推測される。

母父Monsun L:-2
 欧州の重い芝を好み、中距離以上の消耗戦を超得意とした重戦車。その父も母もドイツの重い血統でスタミナ遺伝を目的として血の濃縮を受けた「人為的な」配合の名馬と言える。

母母父パントレセレブル I:-5(不良) L:+6 
 凱旋門賞で叩き出した2:24のレコードが脅威。スピード属性の強いNureyevを母側のHabitatで磨いた血。一貫して先行したまま直線で押し切ってしまう横綱スタイルで物凄いスピードを持つ反面、瞬発戦といった小細工は苦手。
 
▲牝系St. Marguerite系 F4-n
 一族はドイツ起点だがアメリカに渡った仔系統からGallant Fox、Hail to Reasonという競馬史に残る名馬が出ている。当馬は始祖から分岐している傍流だが世界の主流であるF4族の勢いはこの血脈にも影響を与えている。
  
期待値 距離 20-24
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■■
馬力
気性難
零細 
クロス
N.D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 


 
オルフェーヴル産駒

8.ヒルダズパッション16
6000万 15万/口 美浦 木村
出産時母;8歳

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
メジロマックイーン パーソロン
(■リマンド/1)
ノーザンテースト
(■Nasrullah/2)
ヒルダズパッション Canadian Frontier Gone West Mr. Prospector
(■Secretariat/1)
Seattle Slew
(■Nureyev/1)
El Prado Sadler's Wells
(■Sir Ivor/1)
(■Icecapade/1)
(■Never Bend/2)

血統評価
 「Yoshida」のご大層な!名前(自社社長の名前だぞ)でアメリカデビューを飾った半兄は大活躍を見せBC挑戦するんじゃないか、などと噂されている。日本に残った兄弟達よ、それでいいのか。
ヒルダズパッション15の評価
 半兄ジークカイザーは深管骨瘤でクラシック全てを棒に振り、条件戦から地道に階段を登っている。それだけならまだマシなのだが、これが超高額馬なのだから一口の会員様はちょっと納得できないのではないか。
 オルフェーヴルの血脈は今更回顧するまでもない完璧なものだが、その兄ドリームジャーニーが父ステイゴールドの善戦野郎を引き継いでいたのに対しオルフェーヴルは当時世代最強と言われた母父メジロマックイーンの頑強さにステイゴールドの狂気を味付けした表出だった。おそらくその頑健さは遺伝されているだろうし、下記に述べるとおりヒルダズパッションのスピードを強化する方向に働くだろう。
 去年のディープインパクトとの配合でもこの母の牝馬クロスについてアツく述べたが、今年父が替わってもそれらの因子は効力を発揮すると予言できる。母の持つ▲Special/6+/6 =▲Rough Shod/8+/8はオルフェーヴル▲Rough Shod/5とクロスを作ってスピードを強化し、▲Lalun /7+/7 =▲La Troienne/9+/9とSeattle Slewに含まれる▲La Tro./10+/10は同父▲LTr/8とクロスを作りパワーと馬格を付加する。
 面白いのは、去年のディープインパクトよりも牝馬クロスを2世代前に遡らせ遠縁に調整していることである。ディープインパクトとの配合は優れた設計図だが製作品に不具合があることの証明なのか。すなわちクロスの濃さによる脆弱性を牧場が見抜いているからこの配合への変更なのかもしれない。(同じような試みがレーヴドスカーの仔などにも為されている)
 牝馬クロスの薄まりを弱化ととるか、体質強化ととるか。ぜひ馬体を見てみたい。だが、遺伝のことなど知ったこっちゃ無い小金持ちの皆様の玩具にされて大抽選会は必須と予測される。遠くから指をくわえて活躍を祈ろう。
 追伸;美浦ですって。これはK厩舎でしょうね。

母ヒルダズパッション
 どうひねり出しても去年ほどアツくレポートできないので去年の記事をそのまま載せておく。
 母ヒルダズパッションの血統構成はかなり面白い。牡系統の■Nas.の濃さは当然として、さらにSadler's Wellsにからんで牝馬のクロスを2つも含んでいることがわかる。牝馬Specialの血はNureyev1/2(当馬1/64)、Sad. Wel.1/4(当馬1/64)、牝馬Lalunの血はNever Bend1/2(当馬1/128)、Sad. Wel.1/8(当馬1/128)とこの2頭が当馬の奥でクロスされてスピード活性がヒルダズパッション自身にとても強く出ており、また遺伝力も高いのだろう。牝馬Specialは幾多の名馬の血統に名を刻む名牝中の名牝でPhalaris系とHyperion系の血統図から考えてスピードと持続力の強化が本質だろう。牝馬Lalunはケンタッキーオークスを制した名牝で血統図はTourbillon主軸ながらTeddy&Himyarのクロスをゴリゴリ積んだパワー血統でNever Bendの母(⇒Rivermanの祖母)、Bold Reasonの母である。底力と頑健さを強化しているといえる。
 母父系統がこれらのウルサいクロスを邪魔しない■Mr. Pro.、しかもちょっと遠縁になりつつある孫系統というのもとても良い。

 この▲Special、▲Lalunの牝馬因子がこの馬のキモだと思っていたが、さらに過去の▲Rough Shod、▲La Troienneへ刺激を入れる種牡馬がいたとは。ノーザンファームの血統学は恐ろしい。

母父Canadian Frontier
 13戦6勝、ダート短距離のG3勝ちが唯一の勲章。種牡馬としてNo Such Word、ヒルダズパッションの2頭のG1馬を出しているが凡庸な遺伝は否めない。

母母父El Prado
 現役時代は芝短距離G1を1勝。ジャックルマロワ賞惨敗で短距離馬の評価を確定されアメリカに輸出、その後低評価を覆しアメリカリーディングサイアーに輝いている。後継種牡馬Medaglia d’Oroもアメリカのリーディングを獲っており、アメリカにおける■Sad. Wel.の評価を持ち上げた血統と言える。本馬自身は短距離馬だが産駒は中距離まで対応できる。

▲牝系Berridale系 F8-h
 直族に近年の活躍馬はいないが20世紀初頭に分岐した別枝からレインボーダリアが出ており大舞台での爆発力はありそう。さらに遡れば19世紀末の分岐からアメリカ3冠のWhirlaway、アメリカ年度代表馬Conquistador Cieloが出ており、さらに末端を辿るとシンボリクリスエスなどもいる。当馬は傍流ながらスピードとパワーの遺伝力は強いと予測する。
 
期待値 距離 20-24
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
Nテースト 5×4
N.D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Rough Shod
La Troienne
3/4クロス
ニックス 特殊
 

9.ビキニブロンド16
2000万 5万/口 美浦 小西
出産時母;7歳

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
メジロマックイーン パーソロン
(■リマンド/1)
ノーザンテースト
(■Nasrullah/2)
ビキニブロンド キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
アドマイヤベガ サンデーサイレンス
(■トニービン/1)
Machiavellian
(■Nureyev/1)

血統評価
 夏ですねぇ。ビキニのひとつくらい生で見たいです!
 ビキニブロンドの持つクロスの中でもボトム活性に繋がっている■Nur.のクロスはビキニブロンドのスピード強化に大きく関わっていると推測される。そのNur.は父オルフェーヴルと▲Rough Shodのクロスを作り、当馬における割合は▲RSh 5×(9+9)となる。これに期待して金髪美女に野獣を宛がったのだろう。野獣の血が変な影響を出さず、素早い韋駄天小僧を出してくれればいいのだが、メジロマックイーンという適性真反対の邪魔者がどう出るか。そこそこ走った馬の初仔ということもあり、期待を含みながらの実験作といった様相が強い。

母ビキニブロンド
 超金持ち紳士の愛人!?愛馬で、ふざけた名前も活躍すれば世間に染みる。短距離を約3年に渡って走り、上級条件でも賞金を稼いだ孝行馬である。母母ソニンクから引き継がれる短距離ロケットの血で小細工無しのスピード勝負を得意とした。幾多のクロスを抱える濃厚血だが頑健だったのは牝系の力だろう。

母父キングカメハメハ M;+1 L;+1
 現代競馬の中でもトップクラスに固かった2004年の東京馬場を超高速で駆け抜けた大王。あのダービーは故障馬が続出した悪夢だった。さすがに脚への代償が大きく志半ばで引退したが種牡馬では■サンデーに対抗するスピード系種牡馬の地位を確立した。
 この血自体はある程度の先行力とスピード付加程度で、牝系の良さを倍加させる強みがある。牝系の力を引き出す、と言う点で実に■Mr. Pro.らしい血。

母母父アドマイヤベガ L:-1
 父サンデー×母ベガ。1999年のダービーを獲ったもののタイムは平凡で種牡馬としても期待ほどの大物は出ず、平地G1制覇はブルーメンブラットとキストゥヘヴンの牝馬2頭である。成長曲線が緩やかで絶対スピードも不足しがちだが、障害での活躍馬が出ていることなどを考慮すると牝系アンティックヴァリューから馬力とパワーを相当遺伝させているものと推測される。この牝系にはスピードと瞬発力の刺激が入るとハープスターのように大爆発を起こす期待もある。

▲牝系Sonic Lady系 B3
 仔系統Soninkeからアコースティクスを経てロジユニヴァースが出ているが、これはMachiavellianの変異によるもので他の仔系統は超短距離志向である。この系統での牡馬の活躍を見るとダートの道を究めるのも悪くないのかもしれない。
 
期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■■
持久
馬力
爆発
零細
クロス
サンデー 3×4
全兄弟クロス 牝馬クロス
▲Rough Shod
3/4クロス
ニックス 特殊


10.フレンチバレリーナ16
2000万 5万/口 美浦 高柳
メス 出産時母;13歳

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
メジロマックイーン パーソロン
(■リマンド/1)
ノーザンテースト
(■Nasrullah/2)
フレンチバレリーナ フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/1)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
(■Fair Trial/3)
(■Blandford/4)

血統評価
 毎年募集される▲バレークイーンの一頭で、今年は去年の募集馬アソルータ15の母にあたるフレンチバレリーナの募集である。この母の仔は重賞戦線にこそ無縁だが堅実に活躍し、きっちり賞金を稼いでくる孝行馬が多い。アソルータ16牡がセール行きで当馬がクラブということは、この特性を踏まえた上で母の産駒を会員に買ってもらおうということだろう。
 メジロマックイーンと■Sad. Wel.に共通する▲La Troienneのクロスとボトムにある■Blandfordから■リマンドへの刺激を考えるとなんとなくメジロマックイーンの遺伝特性に引っ張られてパワー優位で瞬発力が削がれそうな予感がするが……活力ある牝系で期待をしたいところだが、基本は小銭稼ぎになりそうだろうか。

母フレンチバレリーナ
 未出走引退。産駒はそれぞれ複数回勝利を挙げており▲バレークイーンの活力を受け継いでいる。得意距離が1800m付近で融通性がなく、大舞台に向かえない一つの要因か。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹強化、パワー付加と■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

母母父Sadlar's Wells I:+3 
 世界的大種牡馬で子孫も多岐にわたる。自身は中距離戦でレコード決着できるように重い芝をこなすパワーとスピードを併せ持っていた。■Northen D.を1/2、▲Specialを1/4、▲Lalunを1/8、とこれだけ名血を抱えた血統表が活躍を裏付けている。基本はスタミナを活かす中長距離型だが、In the Wings →Singspielのようにマイルの高速決着に強い系統へ変化する子孫もいる。さまざまな牝系と相性がいいのは牝系クロスの多さの恩恵か。■Nur.と3/4クロス(叔父・甥で父が同じ)を結ぶ。

▲牝系Sunny Gulf系 F1-l
 ネオユニヴァース、エリンコートなどクラシック中心の活躍馬多数だが中でも本流のバレークイーン系からはフサイチコンコルド、リンカーン、ヴィクトリー、アンライバルドと一発屋の名前が多く挙がってくる。条件がかみ合えば素晴らしいスピードを発揮するがそのコントロールが難しいのは体調や気性のせいだろうか。
 
期待値 距離 18
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■
馬力
気性難
零細
クロス
N. D. 5×5×4
全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tro. 5×6
3/4クロス
ニックス 特殊


50.マルティンスターク16
3600万 9万/口 栗東 中内田
出産時母;11歳 母優先
 
オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
メジロマックイーン パーソロン
(■リマンド/1)
ノーザンテースト
(■Nasrullah/2)
マルティンスターク シンボリクリスエス Kris S. Roberto
(■Princequillo/1)
(■Seattle Slew/1)
(■Tom Fool/3)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
(■Bend Or/9)
(■Phalaris/5)

血統評価
 昨年と同配合。これといった目を引くポイントはなかったがこの父で抽選にならなさそうなのは唯一この母か、と投票したものの抽選になって落選。愛の深い会員様に票を分け与えたと考えよう。
マルティンスターク14の評価  マルティンスターク15の評価
 父ゴールドアリュールの半姉はダート短距離で2勝、父ダイワメジャーの半姉は芝で2歳時は未勝利、とすると穏やかな気性と鋭い瞬発力の両方は手に入れることが出来なさそう。2015年産全兄も大柄な馬体で気性は悪く無さそうなので当たれば大物、そうでなくても小銭稼ぎは可能、ハズレる可能性の低い良駒になるだろう。

母マルティンスターク
 Tom Fool系と2つのNas.系、Bold Ruler系とトニービンとの気性系ニックスが効いていたのに加えボトムラインに気性の影響の少ない零細血統が入っていることからもその気性の良さが推測される。■Robertoと■Nas.の持ち味を生かした先行粘りこみが得意。

母父シンボリクリスエス I:0
 父は欧州芝に適性が高い。母は米のダート重賞馬。2度の有馬記念はどちらも見ても驚異的なパフォーマンスでスピードとパワーを磨き上げた「中山Roberto」の真骨頂だった。残念なことにスピード遺伝能力は低く産駒は鈍重さが強調されることが多い。が!2017ダービー馬のレイデオロに見られるように、突然覚醒したかの様な強さを発揮することがある。

母母父トニービン
 広いコーナーと長い直線ならば大得意の底力血統。タイトなコーナーや急坂はやや苦手。一瞬の加速というより持久力に優れ、競り合う根性も併せ持つ。さらに、これらの遺伝力が高い。大舞台で必須の血。(▲Point Dutyの基点になる。)

▲牝系Affection系 F9-f
 F9-f系だけでもかなりの活躍馬が揃い、同じ号族にベガ3兄弟やForego、別の枝にブラックタイアフェアーなどがいる。Affectionの枝に焦点を絞るとStrenge Deviceを経てトゥザヴィクトリー、あるいはソルティビットを経てアパパネなどの豪傑牝馬に辿り着くが当馬の所属する枝ミートミーレイター系からはこれといった大物が出ていない。
 
期待値 距離 20-24
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細
クロス
H. to R. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 1:3分配
ボトム活性
 

51.ヴィートマルシェ16
3000万 7.5万/口 栗東 矢作
メス 出産時母;14歳 母優先

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
メジロマックイーン パーソロン
(■リマンド/1)
ノーザンテースト
(■Nasrullah/2)
ヴィートマルシェ フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/1)
ダンシングブレーヴ Lyphard
(■Sir Gayload/2)
(■Never Bend/1)
(■Precipitation/3)

血統評価
 この兄弟の気性の問題、馬群を嫌がり集中力を欠くかわりにハマったときにスピード能力を発揮するのは零細血統■Matchemの強い影響を受けていると言える。柔軟さ、器用さを欠くのは仕方ない。
ヴィートマルシェ15の評価
 母の奥にいるインターシャルマンから■Never Bend⇒▲La Troienne(/9)とオルフェーヴル(▲La Tr/8)への牝馬クロスが伸びているのでさらにパワーを増幅させ、距離適性を広げるだろう。それだけでも期待が大きいのだが、当馬への私の期待はそれよりも遥かに大きい。
 父オルフェーヴル側に散りばめられた■Nテーストの血を見るとそこにダイワメジャーを想起してしまうのは半姉サンブルエミューズの強力な思い出補正だが距離適正は違えど大柄で力強く走る暴走系と言う点では実は共通点もある気がする。この暴走系、というか気性の荒々しさこそが■Dブレーヴの究極の瞬発力を活かすのではないかと期待するのである。父ディープの半兄を見ても、単に■Lyphardのクロスが入るだけではあの末脚は手に入らない。牝馬で烈火の気性があってこそあの爆発性が得られるのではないか。
 ▲La Troienneのクロスだけでも十分期待できる。その先に期待する私の愛に免じて、どうか皆さん、この馬への投票はほどほどにしてほしい。抽選会を緩めに!と祈っている。

母ヴィートマルシェ
 名牝キョウエイマーチが残した唯一の牝馬。大柄な馬体に脚元の強化が追いつかずダートを数戦し1勝のみ。が、名牝から遺伝させたその血は素晴らしく活躍馬を連発。そろそろ尽きたかと思わせておいて最後の1勝を飾るグレナディアーズ、サンブルエミューズと劇的な馬を産んでいる。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹強化、パワー付加と■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

母母父ダンシングブレーヴ I:-1 L:+3 
 現役時代は怒涛の追い込みを武器に世界を制した名馬。瞬発力の■Lyphard、トップスピードの■Sir Gay.とそのどちらも強力に表現されている。鋭い瞬発力は強く遺伝し、さらに大舞台で強い底力も備えている。距離は万能性があるが他の血の影響を受けやすい。(▲Somthingroyalの基点となる。)

▲牝系第一シュリリー系 F7-d
 浦河に輸入された牝系。この系統クインナルビーの血を引くオグリキャップが日本中のファンを虜にした。他にアンドレアモン、キョウエイマーチといった中距離馬を出しているが特筆すべきはその根性、闘争心だろう。成績が安定しないが時に大爆発する系統といえる。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力
爆発
零細 □□
クロス
Nスト 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tr. 8×9
3/4クロス
ニックス 特殊




ロードカナロア産駒

11.ラドラーダ16
14000万 35万/口 美浦 藤沢
出産時母;10歳 母優先

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
ラドラーダ シンボリクリスエス Kris S. Roberto
(■Princequillo/1)
(■Seattle Slew/1)
(■Tom Fool/3)
Seeking the Gold Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
 
血統評価
 レイデオロ(ラドラーダ14)がホープフルSを楽々制覇。さらにダービーをあの調教で勝利、藤沢氏最高の笑顔を引き出した!スピード不足だの砂だのと酷評したDDKをどうぞ笑っていただきたい。F2-f牝系の力は偉大だった。(後述)
ラドラーダ14の評価  ラドラーダ15の評価
 母母レディブロンドも母ラドラーダもマイルまでの馬で近親にリルダヴァルもいて血筋から言えば短距離系統の馬なはずなのだが、なぜ短距離なのかと問われるとそれは激しい気性に拠るものだから、と説明できる。気性さえ、折り合いさえまともならゴルトブリッツも出るしディープインパクトだって出る。スピードのポテンシャルは素晴らしいし■Mr. Pro.に相性の良い■Tom Foolも居るし、この父で気性の軟化も狙えるなら例え短距離限定だとしてもレイデオロと同様に大活躍が見込めるに違いない。大抽選会も間違いない。

母ラドラーダ
 3歳1月から11月までは鋭い末脚を駆使して8戦マイル近辺で全て連対だったが、休養明けの古馬では別馬のような惨敗。母母レディブロンドから引き継いだ花火血統なのか。スピードと早熟性の遺伝が強いとはいえ急な弱体化は不自然で、肉体の衰えというよりは気性難、精神薄弱と捉えたい。

母父シンボリクリスエス I:0
 父は欧州芝に適性が高い。母は米のダート重賞馬。2度の有馬記念はどちらも見ても驚異的なパフォーマンスでスピードとパワーを磨き上げた「中山Roberto」の真骨頂だった。残念なことにスピード遺伝能力は低く産駒は鈍重さが強調されることが多い。と思っていたら、そうでもないらしい。強い馬はとことん強くなる。気まぐれな一発屋である。

母母父Seeking the Gold
 自身はアメリカのダート中距離G1を2勝。特筆すべきは種牡馬成績で芝ダートの短~中距離まで世界規模の能力を持つ産駒を乱発したことだろう。■Mr. Pro.に■Buckpasserでニックス配合なのでスピードの付与と母側を支持する補助血統となっている。

▲牝系Highclere系 F2-f
 日本のトップをひた走るディープインパクトの直系。だがサンデーサイレンスとの配合以外では短距離系種牡馬との相性が良く持続力や根性というよりは一瞬の瞬発力を持った血脈ではないか。勢いど真ん中なので高いスピード活性は間違いない。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力   
爆発
零細
クロス
Mr. Pro 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス Mr.-Tom 特殊

 

12.ミスティックリップス16
3600万 9万/口 美浦 木村
出産時母;12歳

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
ミスティックリップス ジェネラス Caerleon Nijinsky
(■Princequillo/2)
(■Bold Ruler/3)
(■Bois Roussel/2)
Acatenango Surumu
(■Blandford/5)
Konigsstuhl
(■Nearco/3)

血統評価
 パッと眺めて、重そうな母だな、ドイツかな、と思ったらやっぱりそうだった。■Blandfordの濃縮と■Nijinskyという長距離傾向の血にちょっとした■Nearcoの味付けがなされ、擬似ノヴェリストとも言うべき血統図になっている。■Haloや■Mr. Pro.といった、ゲルマン民族から見たら軽薄で卑猥な?血など排除されるべきなのである。ドイツとはこうあるべきなのだ。移民など不要……話がずれましたすみません
 と、ドイツで成績を残したこの母に短距離王のロードカナロアである。スタミナを捨ててスピードを求めた父と重厚な母ではまるで逆の傾向だが■Storm Catと■Nijinskyの相似血クロスによってスピードと先行力の強化を受けている。母父や母母父の傾向を見ても一見重厚そうなこの母の産駒がスタミナを燃やして走る短距離~マイル型になる予測が高く、とすると意外にもこの父との配合が大正解かもしれない。ただし、■Haloあるいは■Robertoといった日本流の「芯」が入らないことは不安だが。

母ミスティックリップス
 ドイツで走り9戦1勝、ただしその1勝がG1ディアナ賞(ドイツオークス)という変わった経歴の名馬。祖母Majoritatがドイツ2冠牝馬に輝いた名血で、その子孫でミスティックリップスの従兄弟にあたるムーンレディが日本ダービー馬エイシンフラッシュの母になっている。■Blandfordのクロスを持つ重厚な血。

母父ジェネラス L:+2
 イギリスダービーとキングジョージを勝ち90年代の最高レーティングを受けた、欧州最強の一角とも称される名馬。妹Imagineもイギリスオークスを勝ち兄妹制覇という歴史的快挙を果たしている。その母Doff the Derbyから世代を経て2016年皐月賞を子孫のディーマジェスティが圧勝。スポットに嵌れば驚異的な強さを見せ付ける牝系であることをアピールした。それ以外にもイギリスチャンピオンS連覇でJC4着の豪傑牝馬トリプティクがいる。欧州芝への適性の高さを予感させるが日本では際立った種牡馬成績がない。

母父Acatenango L:+3
 父が代々ダービーを獲り続ける一族においても一際輝く「ドイツの至宝」。気高きゲルマン魂を具現化したかのような、力強い走り、卓越した根性、美しい馬体と英雄の要素が揃っていた。
 日本においては■ディープインパクトと母父■Acatenangoでワールドエース、ビッシュとクラシック準主役級を出せているのでスピード能力がある程度あると判断できるが、やや短距離に寄ることが多い様子。

▲牝系Wild Cherry系 F8-a
 直仔系統には活躍馬が居ないが、一世代遡ったBridgetからの分枝でエイシンフラッシュが出ている。日本の活躍馬を調べる限りでは勢いがあるとは言えない零細牝系。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難・爆発 ■■
零細
クロス 全兄弟クロス
Flares-Omaha
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


13.スカーレットベル16
2800万 7万/口 美浦 国枝
メス 出産時母;15歳高齢

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
スカーレットベル エリシオ Fairy King Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
(■Seattle Slew/1)
(■Blandford/5)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
ノーザンテースト
(■Spy Song/2)

血統評価
 スカーレット牝系の中でもダートに向かった血で、母の半兄弟は相当な活躍を残している。■Mr. Pro.との相性が良く特にその孫世代での活躍が目立つ。当馬はMr. Pro.の曾孫にあたる。
 スカーレットベル自身の能力も一般からすればかなり高いと推測されるが、仔である当馬の血統図もかなりの爆発力を秘めている。Mr. Pro.とS. Slewで▲Myrtlwood、Fairy KingとNur.で▲Specialとキングカメハメハへの刺激を高めつつ■N. D.と■Nas.のクロスで■Storm Catへの刺激も入れている。スピードとダート適性の潜在能力は相当あると考えられる。■Storm Catと■エリシオの相性が真逆で心配ではあるが、緩衝材のMr. Pro.もいるしなんとかしてほしい……半姉フォンターナリーリ(父クロフネ)はズブい脚ながらも4歳時点で2勝しているし、半姉よりスピードはあると推測できるのでこれは楽しみだ。
 短距離・砂と小銭稼ぎ向きだろうけれども、これは小銭どころではない稼ぎっぷりを見せてくれそうな大物配合である。※母高齢で一族の繁殖能力を見ても若い頃の産駒と比べると能力低下は早いほうだと見込めるが、それでも2年空胎のあとの出産という事情と血統的な面白さを考慮してレポートした。正直に言うと、買いたい。

母スカーレットベル
 ダート中距離で5勝。サンデーレーシングに武豊と豪華な看板を背負って堅実に走り続けた。スカーレット一族らしくパワーを要する馬場と先行押し切りが得意で仔ダノンリバティ(父シンボリクリスエス)にも特性は引き継がれている。
 母の兄弟にサカラート、ヴァーミリアン、キングスエンブレム、ソリタリーキングとダートの伝説級の名馬が揃う上に、祖母スカーレットインクからスカーレットブーケを経てダイワメジャー&ダイワスカーレットの名馬兄妹が出ており、この一族は「華麗なる一族」と呼ばれている。(DDK調べ)

母父エリシオ L:+3
 フランス出身で凱旋門賞などG1を5勝。クラシックディスタンス向きと思われがちだがマイル戦ムーランドロンシャン賞でも2着の実績があり距離適性は広いと考えられる。JCにも参戦し3着の実績がある。
 代表産駒ポップロック、母父としてアドマイヤラクティなど長距離砲を出す一方で、サダムパテックなどのスピード馬も出せるのがFairy King=Sad. Wel.の、というよりSpecial牝系の奥深さか。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系Your Hostess系 F4-d
 日本に輸入されたスカーレットインクから枝が2本に分れる。ヴァーミリアンなどダートの強豪を立て続けに出したダートの枝が1つ。他方はダイワメジャー&ダイワスカーレットを出した先行力とパワーで走る芝の枝である。芝の枝は勢いを失いつつあり本流はダートの枝に変遷していきそうな気配。まだまだ活躍の見込める名牝系である。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
N. D. 5×4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Special
Myrtlwood
3/4クロス
Nur=F. K.
ニックス 特殊 3:1分配

 
 
52.シーザリオ16
14000万 35万/口 栗東 角居
出産時母;14歳 母優先

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
シーザリオ スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/2)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
Habitat
(■Le Fabuleux/1)

血統評価
 名牝は必ずしも名母になれず。というとキャロット様の特長である母仔投票システムにケチをつけることになるので以下自粛。だが、この母だけは違うのかもしれない。種牡馬級の仔を2頭も出しているのである。
シーザリオ14の評価  シーザリオ15の評価
 だが、その2頭とも気性難を走りに転化できた結果の活躍なのでこの母に必要なのはその荒々しい気性の遺伝なのかもしれない。この父を配合したということは狙いは全く逆なので、当駒は実験作なのだろう。そんなことは牧場も把握している。
 どんなに高くても大抽選会なので、皆様頑張ってください。クラブ歴代最高価格です!

母シーザリオ L:-4
 徹底的にブロックされた桜花賞以外は完璧な着順。だが、一番強さを見せたのは引退レースとなったアメリカンオークスで抑えず好きに走らせたらどこまで強かったのかと妄想させる馬だった。仔エピファネイアが「抑えず行かせたら強かった」のは実は母の気性を良く引き継いでいたからなのかもしれない。

母父スペシャルウィーク I:0 L:-1
 多くの種牡馬が牝系のスタミナを削ぎ子孫をマイラーへシフトさせていく中、長距離向きのスタミナと高速スピードの遺伝を併せ持った王道血統。スローペースからの瞬発力勝負はやや苦手だがミドルペース以上のスタミナ戦と東京の長い直線を大得意とする。

母母父Sadlar's Wells I:+3 
 世界的大種牡馬で子孫も多岐にわたる。自身は中距離戦でレコード決着できるように重い芝をこなすパワーとスピードを併せ持っていた。■Northen D.を1/2、▲Specialを1/4、▲Lalunを1/8、とこれだけ名血を抱えた血統表が活躍を裏付けている。基本はスタミナを活かす中長距離型だが、In the Wings →Singspielのようにマイルの高速決着に強い系統へ変化する子孫もいる。さまざまな牝系と相性がいいのは牝系クロスの多さの恩恵か。■Nur.と3/4クロス(叔父・甥で父が同じ)を結ぶ。

牝系Plucky Liege系 F16-a
 Bull Dog、Bios Rousselといった大種牡馬を含む超名牝系。近代ではPleasantly Perfectやシーザリオといった名馬からFappiano、オジジアンといった力自慢まで揃っておりスピードとパワーの遺伝力が強いと推測される。

期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 5×4
全兄弟クロス
Omaha=Flares
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

53.スペシャルグルーヴ16
3600万 9万/口 栗東 松永
出産時母;9歳 母優先

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
スペシャルグルーヴ スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/2)
フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
トニービン
(■ノーザンテースト/1)

血統評価
 孫の代になってもなおダービー馬を出すなど▲パロクサイド-ダイナカール-エアグルーヴの日本競馬への影響は凄まじい。次はどの馬なのか。とハンターが常に目を光らせている血脈を潜り抜けての当クラブ募集、しかも牡馬!である。
 エアグルーヴの血脈にとってはちょっと勿体無いような気がする短距離血統の配合だが、若干スピード不足に陥りつつある血への活力剤と考えたい。5代血統表でこそアウトブリードに見えるが、その奥でクロスを複数持つ魅力的な配合である。
 下のピンクアリエス16でも触れているが、一見逆のベクトルに見える父側の■Storm Catと母側の■スペシャルウィークはFlares=Omahaの全兄弟クロスを通じた相似血でスピード活性を高める効果がある。また、父キンカメ側の▲Neriad(/7)、母側スペシャルウィークの■マルゼンスキー(/6)、フレンチデピュティの■Prince John(/7)もPrincequillo-Count Fleetの3/4相似血クロスを結んでおり気性の前向きさを引き出す可能性がある。スペシャルウィークの母父マルゼンスキーの母シルは■Buckpasserで父側のキンカメと好相性…(だと思うが半兄フェイズヴェロシティに結果が出ていない。)
 という具合に、近縁はアウトブリードで体質強化を図りつつ遠縁でスピード活性を狙う理想的な配合で、かつ牝系がこれだけ強大なのでこれは大爆発の期待がとても大きい。父の影響がうまくスピード強化のみにとどまってくれれば中距離での活躍も十分狙えそうな気がする。
 あとは、母自身に付きまとった脚部の呪いだけ。馬体に注意する必要はあるが、……私が狙いに行くので!皆様はこのレポートを読んだことを忘れていただきたい。

母スペシャルグルーヴ
 2戦未勝利。エアグルーヴの孫でフレンチデピュティで緩衝しサンデー系を配合するベストパターンを踏襲したはずだが前面に出た遺伝性は脚部不安だった。心肺機能が素晴らしい、と評価されながらも立ち繋ぎの悪影響が強すぎて力の片鱗も見せずに引退。名牝系なので産駒への期待がかかるが今のところは500万クラスにとどまる凡馬のみ。

母父スペシャルウィーク I:0 L:-1
 多くの種牡馬が牝系のスタミナを削ぎ子孫をマイラーへシフトさせていく中、長距離向きのスタミナと高速スピードの遺伝を併せ持った王道血統。スローペースからの瞬発力勝負はやや苦手だがミドルペース以上のスタミナ戦と東京の長い直線を大得意とする。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹強化、パワー付加と■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

▲牝系パロクサイド系 F8-f
 子孫ダイナカール、エアグルーヴを経て多くの名馬が出現、ルーラーシップやドゥラメンテは種牡馬級になっている。エアグルーヴ自身は中距離のイメージがありフォゲッタブルなどが長距離で活躍している一方で、姉カーリーエンジェルからはオレハマッテルゼ、または姉セシルカットからアイムユアーズといった激しい気性をスピードに転化した快速短距離型も出ている。スピードに優れ荒い気性が競争能力向上に向きやすい牝系なのだろう。

期待値 距離 16-20
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス
Flares-Omaha
牝馬クロス 3/4クロス
PJ-CF
ニックス 特殊


54.シードオブハピネス16
1600万 4万/口 栗東 小崎
メス 出産時母;5歳

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
シードオブハピネス ゼンノロブロイ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Mr. Prospector/1)
(■Icecapade/2)
フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
Kris
(■ノノアルコ/1)

血統評価
 Katies牝系から当馬だけがロードカナロアと配合されており、他方のルーラーシップよりもこちらのほうが狙いは明確なように思える。母は芝中距離で凡走、気性に問題を抱えていた可能性が高いように思えるが母母はダート短距離で勝ち鞍を稼いでいたので当母もダートを使うという選択肢はなかったのか。体重か、気性か。
 全般に■Native D.の血が濃い目で他方■Northen D.の血にしても北米ダートの傾向が強くいかにも砂を好みそうな血に見える。キングカメハメハとフレンチデピュティに3/4クロスが成立しているのでゼンノロブロイの気性はやや緩和されるか。
 もし、当馬が活躍するとしたら短距離・砂だろう。とすると、小柄な母の初仔のメス、といういくつものハードルを越えなくてはならない。

母シードオブハピネス
 8戦1勝。500万条件で馬券にならず。途中で武豊さんが乗ったこともあったが着順変わらず、ということはゼンノロブロイ譲りの諦め気性が出てしまったか。

母父ゼンノロブロイ I:0 L:0
 ■サンデーはいいにしても■マイニングは早熟のスプリンターでどこに古馬グランドスラムを達成するような優れた資質を持っていたのか、今でも不思議な血統図である。種牡馬の項で自分なりの見解を述べたが、■サンデーに▲類サンデーを掛け合わせた相似の濃縮配合なので突然変異的な活躍だったのだろう。瞬発力、先行力ともに凡庸で遺伝力が弱め。「レースをやめてしまう」というやっかいな気質は伝わりやすい。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹強化、パワー付加と■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

▲牝系Katies系 F7-f
 アドマイヤムーン、ヒシアマゾンといった中距離馬からスリープレスナイトなどの短距離系まで幅広い活躍馬を出している牝系。本質は短距離の瞬発力。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
Mr. Pro. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
PJ-Nr
ニックス 特殊

 

55.マハービスタ16
1600万 4万/口 栗東 池添学
メス 出産時母;7歳

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
マハービスタ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
Damascus
(■Bois Roussel/4)

血統評価
 母の血統図は一見すると非常に期待が高いものの、実際は地方の片隅でちょっと走って終了。不可解な競争生活である。母の牝系は▲Somethingroyalでこの父とは特に相性が良く全兄弟クロス・牝馬クロスの両方を持てるが、半姉のデビュー戦の遅れなどから察するに体質の弱い、はっきり言ってしまえばポテンシャルの低い母だと思われる。人気のカナロア産駒だが値段が安ければ避けたほうが無難。仮に高くても牧場側のコメントが良くても馬体を見極めないことには買えない。

母マハービスタ
 門別で3戦2勝。謎のベールに包まれたまま引退。兄弟にも目立った活躍馬は居ない。母マハーブも目立った活躍馬を出していない。当母の5世代前の母がSomethingroyal、その仔The Brideなので■Secretariat、■ロードカナロアとの牝系クロスが期待される。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Nureyev
 ■N. D.の様々な分岐から一番スピードに寄っているのが短距離志向のDanzigだとすれば、中距離志向のNureyevはその次点だと言えるのではないか。卓越した先行力が武器でハイペースに強い反面、変速ギアを持たずスローペースからの瞬発力を欠く。▲Specialクロスの起点となることが多くスタミナを付与しやすいが自身の影響力の強さで鈍足馬を出すことも多い。

▲牝系Somethingroyal系 F2-s
 直仔にSir Gayload、子孫にSecretariat。日本ではニシノフラワーやロードカナロアといった超スピード馬を散発する牝系。同族にミッキークイーンやカネヒキリもいて、馬場や距離を問わずどの条件でも瞬発力とスピード能力を発揮できる可能性があるが、コンスタントに良駒を輩出できずばらつきが大きい。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス
Nur. 5×3
N. D. 5×4
全兄弟クロス
Sec.-T. Bride
牝馬クロス
Somthing.
3/4クロス
ニックス 特殊

 



パーフェクトジョイ16 リスト消失
- -
メス 出産時母;13歳

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
パーフェクトジョイ ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/7)
(■Fine Top)
(■ノーザンテースト/1)
ミルジョージ Mill Reef
(■Ribot/2)
ネヴァービート
(■Prince Bio/3)

血統評価
 パーフェクトジョイ。馬には何のイメージも無いが、「ザ・ジョイ」といえばメタルギアソリッド3ですよね。いえ深夜の独り言です。
パーフェクトジョイ14の評価
 気性の悪い馬同士の組み合わせでどう見たって狂気の馬にしかならなさそう、という大方の予測を覆し、母は同じ条件で勝利を重ねた堅実な職人だった。母母が1勝馬なことを考えれば十分な活躍で、パーフェクトジョイ自身は瞬発力やスタミナといった良い遺伝素質を引き継いでいる可能性が高い。
 さてそこにロードカナロアの配合だが、■Ribotのクロスがあり、●Milan Mill(ミルジョージ/4)-●Neriad(カナロア/6)の3/4クロス6×6がある。これら気性の緩和のクロスを用いつつミルジョージや牝系の■Nas.を父側■Sec.で刺激したいということだろうか。母側は見た目には気性のきつそうな血統図だし、この父が良い効果をもたらすのは間違いないのだが肝心の中距離への適性を削ぐ結果にならないことを祈る。
 堅実さを求めるなら候補になるかもしれない。■Ribotのクロスがあるがミルジョージ経由なのであまり爆発力は期待できないと思うが。

母パーフェクトジョイ
 23戦5勝。勝ち鞍は全て1800mで驚くべきなのは勝ちタイムに3秒ほどの開きがあることである。ハイペースからスローペースまでどんなときでも勝てたというのは父ステイゴールドや母父ミルジョージの狂気を引き継がなかったということだろうか。

母父ステイゴールド L:-3
 父サンデーサイレンスに母父ディクタスと気性の荒い馬同士の組み合わせは長い苦悩の果てにドラマを創った。
 鋭い瞬発力を持つものの小柄でパワー不足に泣き阪神や中山では勝利には至らず、東京、京都、あるいは海外が得意だった。血統的にはサンデー×スタミナ系×■N. D.でディープインパクトの亜型といえる。母の力を借りて大きく成長した産駒でその後日本を代表する名馬;オルフェーヴルが出ているとおり、瞬発力の血は次世代に引き継がれていく。

母母父ミルジョージ 
 「気まぐれジョージ」と評される狂気の種牡馬で豊富なスタミナを持久力を誇り一大勢力を築いた。だが、晩成スタミナ血統のため近代競馬のスピード化に対応できずにいる。

▲牝系Her Majesty系 F4-i
 同族から天皇賞馬ヒルノダムール、種牡馬ファルブラヴが出ていてもっさりしたパワーを伝えている、当馬の枝はさらに傍流で好影響は期待薄。

期待値 距離 16-20
傾向 瞬発 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久
馬力   
気性難・爆発 ■■
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
●PqCf 6×6
ニックス 特殊


ファーレサルティ16
- -
出産時母;10歳 母優先

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
ファーレサルティ ダンスインザダーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Nijinsky
(■Graustark/2)
Kris (■エタン/1)
(■Tantieme/2)
ノノアルコ
(■Relic/2)
 
血統評価
他クラブ

母ファーレサルティ
3歳5月の遅いデビューから短い競争生活の中で1勝。

母父ダンスインザダーク

母母父Kris M:-4
 生粋の欧州マイラーでサセックスS制覇の実績がある。種牡馬としては牝馬ながらセントレジャーを制したOh So Sharpなど中距離まで融通が利く産駒が多い。活躍が牝馬に偏っている。■Native D.-■エタンで体の固いマイラー向きと考えると痛い目に合うが、中距離以上となると途端に苦しくなる。スピード勝負よりもパワー勝負を好む。

▲牝系Katies系 F7-f
 アドマイヤムーン、ヒシアマゾンといった中距離馬からスリープレスナイトなどの短距離系まで幅広い活躍馬を出している牝系。本質は短距離の瞬発力。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力   
爆発
零細
クロス
Mr. Pro 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス Mr.-Tom 特殊

 

プリモスター16
- -
出産時母;15歳

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
プリモスター サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Seeking the Gold Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
(■Hyperion/3)
(■Prince Bio/1)

血統評価
絹クラブ募集 このレポートは中断・凍結

母プリモスター
 芝の先行型マイラーでやや早期完成型。父と母父の組み合わせとしては実にありふれた実績。中山と札幌を得意としており先行力に加えてパワーもあるか。産駒は地方馬主に買われ地方で堅実な成績を残している。中でもキンカメの仔スザクの全日本2歳優駿2着が光る。

母父サンデーサイレンス I:+1

母母父Seeking the Gold

▲牝系

 

リーチコンセンサス16 死亡?
- -
- 出産時母;11歳 母優先

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Tourbillon/5)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■His Majesty/1)
(■In Reality/1)
リーチコンセンサス フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/4)
(■Bold Ruler/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Mr. Prospector
(■Royal Charger/2)

血統評価
 去年の産駒は今のところ順調な成長を見せている。
当馬は生存不明、無事生まれているなら当クラブ募集か。
リーチコンセンサス14の評価  リーチコンセンサス15の評価
ラスティックベルはRaise a Native2×3というクロスの濃い血統でここにMr. Pro.系を持ってきた半姉が微妙だったというだけでこのクロスの爆発力を見限ってしまって良いものか?この系統は毎年クラブで1頭以上は募集されるのでインディスユニゾンを経由しない仔系統でMr. Pro.系の再配合を狙ってみるのは面白いと思う。特にキングカメハメハは母側のHold Your Peaceの奥にいるPrince Johnと純粋な3/4クロス(Princequillo×Count Fleet)のを持つのでフレンチデピュティと好相性な予感はする。

母リーチコンセンサス
 芝短距離を主戦とし、1000万条件2回勝利と準OPで2着4回の強豪。生涯での掲示板内率がとても高く、堅実な成績は気性の良さに加えて短距離でも消耗しなかった頑健さの所以だろう。持ちタイムも優秀でスピード勝負も出来た馬なのだが子供は(今のところ)スピードの遺伝を受けていない。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹の強化、パワー付加などを発揮し■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系ラスティックベル系 F20-a
 マイル~中距離で活躍馬を多く出す牝系。少し過去を辿れば近い別枝からドバイWCを制したキャプテンスティーヴが出ており成長の早さと持続性が特徴である。
 
期待値 距離
傾向 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度
持久
馬力
気性難・爆発
零細

 



ダイワメジャー産駒

14.コンカラン16
2800万 7万/口 美浦 上原
出産時母;9歳

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Spy Song/1)
(■Bull Lea/2)
コンカラン ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
De Ramiro (■Bold Ruler/2)
(■Fairway/4)
(■Tantieme/2)
(■Nearco/3)

血統評価
 馴染みのない牝系だが由来はアルゼンチンである。世界的にはマイナーな血統を多く含む母母にトニービンの血が合ったが、■サンデーの血を含む他の産駒はダートの超短距離型に出ており牝系の向かう先はそちらのような気がする。この父との配合だとスピードがさらに活きるだろうがちょっとパワーに寄りすぎて柔軟性を欠きそうな気もする。牝系5世代前のBallymossが優秀でスピードの因子(レジェンドテイオーの母父父、ゼンノエルシドの母母母父)だと思われるので、ここを活かしたい。Ballymossを含む南米血統で当クラブにはデータの産駒が募集されているが、微妙な活躍に終わっている。当たれば大きいが三振覚悟、そんな血統に思えるがどうだろうか。

母コンカラン
 36戦3勝。セリ価格のおよそ10倍を稼いだ孝行馬は、1000万条件の掲示板を先行粘りの堅実さで何度も獲った。母母クバターがアルゼンチンG1(芝1600m)勝ちの輸入馬でスピード血統だろうか。

母父ジャングルポケット L;+1
 ダービー、ジャパンカップと東京で大活躍した名馬。JCでハイペースの持久力勝負を勝ちきったのはさすがトニービンの血で、ハーツクライにも同じことが言える。豊富なスタミナを遺伝しハイペースに強い馬を出す。産駒は中央の大舞台に強い上になぜかローカルの小倉や新潟でも強い。

母母父De Ramiro
 アルゼンチン馬で代表産駒クバター。これくらいしか情報が無い。アルゼンチンの皆様ごめんなさい。

▲牝系Faerie Queene系 F3-i
 何にも、何にも居ない牝系。近縁にも何もいない。無。
 
期待値 距離 12
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
ニックス 特殊

 

15.カメリアローズ16
は高齢のため候補に入りません

56.アブソルートリー16
4400万 11万/口 栗東 池江泰
出産時母;9歳

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Spy Song/1)
(■Bull Lea/2)
アブソルートリー Redoute's Choice デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Hyperion/5)
(■Nijinsky/1)
Catrail Storm Cat
(■Raise a Native/3)
(■His Majesty/1)
(■Lyphard/1)
 
血統評価
 突然こういう縁のない血統をぶち込まれるので当方としては更新に時間がかかるのだが、オーストラリアからの輸入牝系である。ぱっと見て短距離&短距離の牡系に母母母ケルトシャーンでど短距離傾向だろう。これなら短距離小銭稼ぎだろうと推測するが、そう割り切れる人ならとても楽しめるはずだ。
 ケルトシャーンの産駒キンシャサノキセキに影響を与えた晩成傾向&大爆発系の■His Majestyは母父系にも入って増強を受けている。また、キレる末脚を補う■Lyphardがいるのも頼もしい。母側からしてもパワー傾向の強いこの父は好ましい配合と言えるだろう。
 また、(私はそうは思わないが)ダイワメジャーの牝系スカーレットブーケとStorm Birdは類似血統なんだそうですよ。砂に向くらしいんですけど。
 結局、韋駄天小僧は楽しめるのである。後輩のロードカナロアに押されてこのままだと先細ってしまうであろうこの父を応援してあげるような気持ちで、この短距離血統を楽しんで欲しい。
 値段高くないですか間違えてませんか…?

母アブソルートリー
 豪オークス芝2000m勝利。母母にケルトシャーンで代々の血は短距離志向なのだが中距離まではなんとかなった。日本輸入後ディープとの配合が試されるが不受胎が続き、今年が初仔。配合相手を見ても大きな期待を背負う牝系と推測される。

母父Redoute's Choice S:+2 M:0
 オーストラリアの近年最強マイラーで同国G1を4つ制している。▲Natalmaの強い牝馬クロスを軸に▲Best In Showと■Sir Ivor、■In Realityといったスピード賦活の強い血脈を積んでいる。全弟が2000m付近を得意としていることからも必ずしも短距離に限定されるわけではなさそうで、産駒の得意距離は中距離くらいまで広げられる。日本では菊花賞挑戦のあとにマイル近辺を走っているフルーキー、あるいはスニッツェル→ヤングマンパワーのイメージが強いか。コーナーの緩い、東京や京都外回りのマイル近辺を得意とする。全般に早熟傾向。

母母父Catrail 
 13戦6勝。アメリカ生まれの英国調教馬で1993年に短距離重賞を2つ獲り同年の最優秀3歳短距離馬になっている。産駒に目立つ活躍馬なし。4代母にCosmah、3代母はRoyal Match(父Turn-to)で、Haloと3/4クロスになる。ということは■サンデーとの好相性が期待できる。

▲牝系Lady Berry系 F14
 後述するヴィアンローズ16の項にもこの名前が出てくるが、欧州芝で重賞馬を何頭も輩出する名牝系である。日本ではキンシャサノキセキが代表で今のところは短距離傾向だが、欧州では凱旋門賞、キングジョージを獲った(ジャパンカップにも参戦し欧州馬としては好成績の6着)世界的名馬デインドリームを出している。やや晩成傾向ながら成長してからのスピードは驚異的。
 
期待値 距離 12-16
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■■■  
爆発 ■■
零細
クロス
N. D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
RM-Halo
ニックス 特殊
 
 

57.モンプティクール16
2800万 7万/口 栗東 斉藤崇
出産時母;13歳 母優先

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Spy Song/1)
(■Bull Lea/2)
モンプティクール クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
Lomond Northern Dancer
(■Princequillo/3)
Turn-to
(■Fairway/3)
 
血統評価
 全姉が中山ダート1800のみで3勝、瞬発力は望めないが先行力とパワーで戦うストロングスタイルで今後も堅実な活躍が予想される。
モンプティクール14の評価
 全姉は毛色の通り母似、つまり母父クロフネを強く引き継いでおりパワーと、ダートでのスピードを持っている。下に書いた母モンプティクールと父母■Nテーストの相性の良さで牝系クロスから受け継いだ能力をうまく継承できている。
 今年は牡馬。これはとても楽しみだ。いよいよダートの大物の出現なるか。ダイワメジャー産駒を買い続ける私は、実はダートの怪物を出せる遺伝能力があるのでは、という期待をこの父に持っている。

母モンプティクール
 ダート短距離で3勝。その後も引退まで堅実に掲示板を獲った功労馬である。傑出した能力はないものの連続使用可能なタフネスは健康度の高さの表れだろう。後述するLomond、さらに奥のUp Spiritsはそれぞれ▲La Tro、Plucky L.の牝馬クロスを内包しており別系統でパワーを増強させている。それに加えて母母母Brief AttireがChop Chop/2を含んでおり■Northern D.の濃さに■Teddyの味付けをした擬似ノーザンテーストの配合になっているといえるか。さらにBrief AttireはSun Again/3を含み■サンデーの零細部分ともクロスを作っている。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父Lomond M:-6 
 自身は英2000ギニーを制覇。種牡馬成績は普通、芝中距離の活躍馬を出した。Seattle Slewの半弟で、その母My CharmerはStriking=Busherの▲La Troクロス(/2×2)を抱えている。

▲牝系Gold Magic系 F4-r
 近縁ではザラストロが新潟2歳Sを制した程度だが、遡れば同属のWater Cressの枝からブロードアピール、サクセスブロッケンといったダートの強豪が出ている。Balance&Zenyatta姉妹、エンドスウィープなどのスピード型ダート馬、あるいはブライアンズタイムといった大種牡馬もこのF4-rに属している。活躍馬イングランディーレ、ゴスホークケン、クイーンスプマンテといえば逃げてこそ強い個性派の牝系、と言えるだろうか。当馬の枝はそれらの傍流である。
 
期待値 距離 20
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■■■  
気性難 ■■
零細
クロス
N. D. 4×4
T-t 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性
 
 

58.フェアリーバニヤン16
3600万 9万/口 栗東 牧田
出産時母;13歳

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Spy Song/1)
(■Bull Lea/2)
フェアリーバニヤン Honour and Glory Relaunch In Reality
(■Mahmoud/2)
(■Lyphard/1)
(■Royal Charger/2)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
Kris S.
(■In Reality/1)

血統評価
 セレクションセールで落札価格3300万。奇跡的に!ほとんど価格が盛られていない。これを肯定的に判断することは出来なさそうか?ちょうどいいタイミングで兄ロンドンタウンがダート重賞を勝ち、4000万円を超えたって完売するだろうに、この価格。誰だってそう思うように、Netkeibaの掲示板はそんな話ばかりなのでここでは血統の話をしましょう。
 母は母父、ボトムとIn Realityで固めた異系アメリカ血統に■Storm Catで主流もアメリカ血統とガチガチのダートに思えるが、少しのスパイスとして■Lyphardや■Marmoud、あるいは■Robertoをいれてあるあたりバランスがとれた配合に思える。Storm CatはCrimson Satanを含み、また■Kris S.も■Bull Lea(+■Bull Dog)を含むので父メジャーの母部分、▲スカーレットインク系統への刺激が利きそうで、これはダイワメジャーにダート賦活を行った、これこそが砂王への道なのである!
 が、砂だとすると賞金は簡単には稼げまい、と考えたクラブの有難い温情によりこの価格なのだとしたら、歓声を上げながら飛びついたっていいじゃない! と、Netkeibaとはちがう予測を立てておこう。

母フェアリーバニヤン
 地方で2勝。獲得賞金240万円。繁殖入りした後に重賞馬ロンドンタウンを出している。ダートの先行力とスピードはさすが□In Realityの血。

母父Honour and Glory M:+3
 アメリカでダートG1を1勝。クラシックに参戦したものの結果は出ず。BCスプリントも3着と微妙な成績。日本で帝王賞を勝ったネームヴァリューが代表産駒だが、微妙。

母母父Storm Cat
 自身は早熟+短距離の快速馬でBCジュヴェナイル2着。父としては北米の粘土ダートが得意なパワー型短距離血統で瞬発力勝負の苦手な一本調子のスピード血統。同じく■N. D.系の北米ダート種牡馬フレンチデピュティとなんとなく似た特長があるのは母にBold Ruler系が入るからだろうか。とすると血を縛る効果の強い(■Sec. /2)Storm Catのほうが距離が持たずフレンチデピュティ(■B. R. /3)のほうが可変性がある、と考えられる。
 どちらもサンデー系の長距離血統と相性が良いのはパワーの補完が利いているからと言えるだろうか。
 Storm Catの父Storm Birdは(■N. D. /1 ■Bull Page/3 ■Flares /4(=Gallant Fox × Flambino))で■Nijinsky(■Bull P. /2 ■Omaha/4(=■Flaresと全兄弟))と相似な血を構成している。スペシャルウィークやマルゼンスキーを含む血統との相性の良さが推測できる。

▲牝系Gold Digger系 F13-c
 アメリカが生んだ世界的種牡馬Mr. Prospectorが属する牝系。ダートにおけるパワーとスタミナを持ち、もちろんスピード活性も高い。日本での活躍馬にオウケンブルースリがいる。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久
馬力 ■■■■  
気性難
零細 □□
クロス
■N. D. 4×5
全兄弟クロス
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
特殊 ボトム活性
 
 

59.ヒカルアモーレ16
2200万 5.5万/口 栗東 安田
メス 出産時母;12歳

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Spy Song/1)
(■Bull Lea/2)
ヒカルアモーレ クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
Kaldoun Caro
(■Blandford/4)
(■Mill Reef/1)
(■Clarion/3)

血統評価
 半兄シュペルミエールが様々なハンデ厩舎・騎手を乗り越えて菊花賞出走、好成績を残したことでTNB氏の相馬眼がまた一つ証明された。
ヒカルアモーレ15の評価

 母の血を見ても長距離向きというよりは中距離をパワーでこなすタイプと思われ、新設の大阪杯、あるいは宝塚記念は絶好の狙い目に…羨ましい限りである。
 母ヒカルアモーレの仔、又は母母グレイトフィーヴァーの仔もマイルから中距離近辺の活躍馬が多く、また重賞で勝負できるほどの高速スピードも持たない。が、札幌、福島、阪神、あるいはダートといった万能性を持ち■Kaldounが牝系をうまく修飾できているといえる。パワーと持続性を持たせ得意距離は種牡馬次第、といったところか。
 さて、今年はここに短距離馬ダイワメジャーである。▲スカーレットインクから引き継がれたパワーと勝負根性が本質で軽いスピード馬と比して、先行力とパワーで勝負する種牡馬である。この父とこの母ならアウトブリードながらパワーの増強を狙えて坂を得意とする良駒になるはずだ。牝なのが大きなマイナスポイントだが。
 2000万でいいのにちょっと乗っけた2200万。なんとなくここに牧場の期待を感じることが…できませんか?

母ヒカルアモーレ
 グランデアモーレ、シュペルミエールと準オープン馬を2頭も輩出する名牝。傍流とはいえF1-p系の力はこちらにも存分に伝わっている。産駒は480kg台の雄大な馬格とパワーで戦う。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父Kaldoun
 自身G3で2着程度、種牡馬入りしてから早熟性を売りにフランスで人気を博した。適距離は短中距離。Smadoun→チチカステナンゴと血を繋げ日本に輸入されたがその先が続かず失敗に終わっている。母父としてファビラスラフインを出し伝わりにくいがスピード能力は持っていたと推測される。

▲牝系Moonmadness系 F1-p
 キャロット看板のアヴェンチュラ牝系と同じ。向こうが主流なのに対しこちらはMartingaleの傍流でスピード活性が劣るのは仕方ない。しかし、パワーと頑健さではこちらが上回っている。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■
持久
馬力 ■■■■  
気性難
零細
クロス
全兄弟クロス
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
特殊 ボトム活性
 
 
  


ジャスタウェイ産駒

16.アウトオブタイム16
1800万 4.5万/口 美浦 斉藤誠
出産時母;12歳

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Hail to Reason
(■Teddy/7)
トニービン
(■Lyphard/1)
Wild Again Icecapade
(■Hyperion/2)
(■Owen Tudor/5)
(■Hampton/9)
アウトオブタイム Panis Miswaki Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
(■Damascus/2)
(■Roberto/1)
Midyan Miswaki
(■Ribot/1)
Caro
(■Hyperion/3)

血統評価
 2010年産、2013年産が相次いで故障安楽死。血統図を見て分るとおり母の内包する■Miswakiの濃厚クロスから火薬の香りしかしてこないのだが、それでも牧場が売らなくてはならないのだから商売とは大変である。
 牧場が意図している配合目標はなんとなく理解でき、母母の兄メンデスに倣った■Lyphardの注入だろう。さらにスピードを削がぬように短距離志向の当父ということか。
 今度は少なくとも事故死だけは避けたい。■サンデーの孫系統に託したその想いが実ることを祈りたいが、リスクの高さだけはどうしようもない。

母アウトオブタイム
 フランスG3勝ち(芝1200m)。父も母父も■Miswakiの血を引くG3馬。母の半兄メンデスがムーランドロンシャン賞を勝っている。母の半姉ミスシャーリーが日本に輸入されているがその系統の活躍馬はほとんど地方ダート。中央で勝ち上がった馬はほとんどいない。

母父Panis
 アメリカ生産でフランスの重賞G3を勝っている。(芝1600mと芝1800m)■Miswakiにパワー系が付いた重そうな血。

母母父Midyan
 イギリスで重賞G3芝7Fを勝っている。欧州マイル向きで産駒も重賞馬が出ているが、これまた■Miswakiに■Ribotと重そうな血。

▲牝系Mannie Gray系 F23-b
 19世紀半ばの枝分かれから細分化された血統のうちアメリカ年度代表馬のGhostzapperとAffirmedを出したCorrection牝系が最も勢いのある勢力だが、当馬の属するRenown系は傍流。日本での活躍馬はサンカルロ程度。
 
期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 
 
17.スルーレート16
1600万 4万/口 美浦 久保田貴
メス 出産時母;14歳 母優先

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Hail to Reason
(■Teddy/7)
トニービン
(■Lyphard/1)
Wild Again Icecapade
(■Hyperion/2)
(■Owen Tudor/5)
(■Hampton/9)
スルーレート フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/1)
Seattle Slew (■Bold Ruler/2)
(■Princequillo/3)
Mr. Prospector
(■Nasrullah/4)

血統評価
 前年は絹クラブ行き、今年はこちらに舞い戻るか。
スルーレート14の評価
 ダート、芝問わず東京を得意とした母は福島や中山で負けており血統図からみてもパワー不足に泣いた感じがあり、これを補うことが出来るかどうかだが父にハーツクライの血を持ってきたことで母側Seattle Slewと▲La Troienneのパワー牝系クロスが成立する。それでいてスピード優位の因子を引き継がせようという贅沢な配合で、さらに近親クロスに代替して相似な血を固めてあるので健康度も高そうだ。
 ただ、同じく▲La Tro.のクロスを積んだ半兄ハイレートクライム(父ブリランテ)は芯が入らず現時点(2017.7)で未勝利。よりスピード傾向の強い当馬のほうが配合的な強みはあるが、それでも大物までは大成が難しいか。

母スルーレート
 若駒時にダートで2勝、適性を疑問視されつつも芝へ転戦しフラワーCで2着、準OPで3着と好成績を残した。逃げて粘るだけという単調なレース振りながらこの成績を維持できたのは■Seattle S.を含むスピード持続因子が強かったからか。産駒はダート中距離馬(ハイアーレート)と芝短距離馬(ビットレート)がいるがどちらも逃げ先行型である。
 半妹にマイティースルー(父クロフネ)がいて、そちらもスピード豊かな早熟馬を出しているが、怪我のリスクはどちらも高め。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹の強化、パワー付加などを発揮し■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

母母父Seattle Slew I:0 L:-2
 現役時代は先行粘りを特長としアメリカ3冠を勝っている。現在でもアメリカ主流血統の一つ。■Nas.のクロスに■Pr. q.の補助をつけStriking=Busher、▲La Tro(/2×2)の全姉妹クロスも持つ。▲Myrtlewood(/5)は当時のダート短距離のレコードホルダーでアメリカ競馬の殿堂入りをしている名牝である。■Mr. Pro.(/4)の牝系と共通しておりスピード強化に繋がる可能性がある。
 産駒もこの馬の遺伝を受けると先行持続型になることが多いか。

▲牝系タミーズターン系 F8-h
 アメリカ代表馬Cnuquistador Cieloが直下にいて、日本での活躍馬は個性派ヒットザターゲットがいる。ちょっと辿ればシンボリクリスエスなどもいてスピードとパワーの遺伝に優れているといえる。同F8-h族に当クラブの誇るヒルダズパッションがいる。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難・爆発 ■■
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tro. 9×9×9
3/4クロス
ニックス 特殊


18.キュー16
は高齢のため候補に入りません

60.グレイトフィーヴァー16
は高齢のため候補に入りません

61.アマルフィターナ16
1600万 4万/口 栗東 高橋亮
メス 出産時母;9歳 母優先

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Hail to Reason
(■Teddy/7)
トニービン
(■Lyphard/1)
Wild Again Icecapade
(■Hyperion/2)
(■Owen Tudor/5)
(■Hampton/9)
アマルフィターナ シンボリクリスエス Kris S. Roberto
(■Princequillo/1)
(■Seattle Slew/1)
(■Tom Fool/3)
Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
ノノアルコ
(■Relic/2)

血統評価
 前年は個人馬主(オーナーズ?)行き、今年はクラブに戻ってくるか。
アマルフィターナ14の評価
 短距離牝系にこの父は似た系統の配合なので相性はいいはずで、■Wild Again(■Nearctic/2、■Hyperion/2)と■Nureyev(■Nearctic/2、■Hyperion/3)が特に共通点の多い相似血なのでスピードと先行力はより強化されるに違いない。(ついでに母側のノノアルコも■Nearcticを刺激している。)この2頭から想像されるのが砂、というのが一部の会員様にとっては残念なのかもしれないが、小銭稼ぎにはうってつけと言えるのではないか。
 半兄アトラーニ(父ルーラーシップ)は蹄の状態が悪くデビューが遅れている。その弟ガゼボ(父メジャー)はもうデビュー目前(2017年7月時点)なので必ずしも心配はいらないのかもしれないが、馬格と脚元には注意を払いたい。

母アマルフィターナ
 短距離を走り、勝ち鞍こそ1勝だが500万条件で健闘した功労馬。瞬発力が劣るのは■Robert×■Nureyevなので仕方ないが、堅実な成績は真面目さと健康体の証明でもある。半兄にスプリンターズS勝利を含む18戦9勝、連対率80%以上を誇るスリープレスナイトがいる。

母父シンボリクリスエス I:0
 父は欧州芝に適性が高い。母は米のダート重賞馬。2度の有馬記念はどちらも見ても驚異的なパフォーマンスでスピードとパワーを磨き上げた「中山Roberto」の真骨頂だった。残念なことにスピード遺伝能力は低く産駒は鈍重さが強調されることが多い。が!2017ダービー馬のレイデオロに見られるように、突然覚醒したかの様な強さを発揮することがある。

母母父Nureyev
 ■N. D.の様々な分岐から一番スピードに寄っているのが短距離志向のDanzigだとすれば、中距離志向のNureyevはその次点だと言えるのではないか。卓越した先行力が武器でハイペースに強い反面、変速ギアを持たずスローペースからの瞬発力を欠く。▲Specialクロスの起点となることが多くスタミナを付与しやすいが自身の影響力の強さで鈍足馬を出すことも多い。

▲牝系Katies系 F7-f
 アドマイヤムーン、ヒシアマゾンといった中距離馬からスリープレスナイトなどの短距離系まで幅広い活躍馬を出している牝系。本質は短距離の瞬発力。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細
クロス
H. to R. 5×5
Near. 5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

62.ディアマイベイビー16
1800万 4.5万/口 栗東 渡辺薫
メス 出産時母;6歳 母優先

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Hail to Reason
(■Teddy/7)
トニービン
(■Lyphard/1)
Wild Again Icecapade
(■Hyperion/2)
(■Owen Tudor/5)
(■Hampton/9)
ディアマイベイビー ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Grand Slam (■Mr. Prospector/1)
(■El Gran Senor/1)
(■Roberto/1)
(■Turn-to/1)

血統評価
 この日が来ることを恐れていた人、期待していた人、それぞれだろうがサンデーサイレンス濃厚クロスの馬の募集である。クラブホームページに姿を載せるくらいなのだから牧場の傑作なのだろう。それだけでなく■Hail to Reason 5×5×6、■Turn-to 6×6×7×5と親系統まで遡ると濃厚ソースになり、ひっそりと■Lyphard5×5にEl Gran Senorと■N. D. 6×6×5と別系統の血も濃い。
 「無事産まれて、奇形なく育ってますよ!」のアピールで写真が載せられているのだろうが、果たして内面まではどうか。生物学の世界にいる我々にとっては、こういう人工物に手を出してはいけない気がする。仮にこの産駒が活躍するようなら来年以降に安心して他の馬を購入しよう。

母ディアマイベイビー
 半兄に朝日杯を逃げ切ったゴスホークケン。2歳時に2勝を挙げ阪神JFに挑戦したが惨敗、その後は力を発揮せずに引退。先行してバテるだけの工夫のないレースを続けたことから馬のモチベーションが切れていた可能性が高い。あるいは、瞬発力系の種牡馬と母母の相性が悪いのかもしれない。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Grand Slam M:0
 2歳でマイルG1を2勝、3歳でBCスプリントに挑戦し2着。アメリカが好みそうな早熟・短距離の血だが産駒カフェオリンポスがダート2000mのJDDを制覇しており日本においてはその活躍は短距離のみに収まらない。El Gran Senor、Graustark、さらにBold Rulerのクロスとスピードの因子がてんこ盛り。

▲牝系Sweepless系 F4-r
 Balance&Zenyatta姉妹のスピード型ダート馬が直系にいてゴスホークケン、クイーンスプマンテといえば逃げてこそ強い個性派の牝系、と言えるだろうか。当牝系はその勢いを引き継いでいる可能性が高い。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■  
気性難
零細
クロス
サンデー3×3
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性

 
 
バロネスサッチャー16 リスト消失!
-
出産時母;12歳

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Hail to Reason
(■Teddy/7)
トニービン
(■Lyphard/1)
Wild Again Icecapade
(■Hyperion/2)
(■Owen Tudor/5)
(■Hampton/9)
バロネスサッチャー ヨハネスブルグ ヘネシー Storm Cat
(■Dante/4)
(■Damascus/1)
(■Mr. Prospector/1)
Gulch Mr. Prospector
(■Owen Tudor/3)
In Reality
(■Graustark/2)

血統評価
 去年は父父ハーツクライとの配合だったが今年は息子ジャスタウェイとの配合である。
バロネスサッチャー15の評価
…さらに■Phalaris以外の血である■Owen Tudorと■In Realityからスピードを取り込み■Graustarkをボトムラインに置いて爆発力も付与している。パワー・馬格のクロスもあり、はるか奥底に▲La Troienneの牝馬クロスもあるので(父側My Bupers→Busanda→▲La Tr/8、母側オジジアン→Francis. S→▲La Tr/9)これは馬体が楽しみだ。
 去年は上記牝馬クロスを主眼に書き軽いスピード系の牝馬との相性の良さにも触れた。父ジャスタウェイの母シビルもバロネスサッチャーと似たような血統構成で■Owen Tudorや■Danteといった傍流系のスピード血を含んでいる。■Mr. Pro.、■N. D.、■Nearcticといった主流系統も皆北米の軽いダートに寄っている血で、去年よりもさらに短距離志向とスピードを磨き尖らせた血統図と言える。新種牡馬ジャスタウェイの血を活かすベストパターンの配合で、いかにも脚の速そうな仔が期待できる。
 期待してたのにリストから消えるとは何事だ!!!

母バロネスサッチャー
 アメリカ西部でG3勝利を含む3勝。ダート短中距離でG1の2着が3回ある。産駒に活躍馬はまだいないが、牝馬ヒルダ(父ダイワメジャー)が芝短距離で2勝している。アメリカ馬らしい先行力と粘り腰を遺伝させる。

母父ヨハネスブルグ S:+1
 短距離を勢いだけで駆け抜ける早熟血統で自身も2歳時にG1を連勝したあとには3歳前半で競争を引退。日本軽種牡馬協会に輸入され種付け頭数の少ない不遇の馬生を送るかと思いきや、初年度産駒から小倉2歳S制覇のホウライアキコなど活躍馬を連発。代を重ねてStorm Cat系の特徴にさらに磨きがかかり、軽快な先行力とスピードを強く遺伝させる。距離延長とパワー勝負は極端に苦手。

母母父Gulch S:0 M:+1
 2歳からG1連勝して早熟性を発揮、アメリカ3冠皆勤ながら無冠でその後は勝てず…となるならアメリカ的な平凡馬だがこの馬はその後が違った。4歳からダート短距離に主戦を移すとBCスプリント他G1を3勝しその暴走性とスピード能力を歴史に刻んだ。その産駒Thunder GulchがケンタッキーダービーとベルモントSを制覇しており、日本ではイーグルカフェがJCダートを制覇している。遺伝となると距離が伸ばせるのは■Mr. Pro.らしい特長であり、先行力とスピードに加えて成長力も期待できるのが利点。

▲牝系Natasha系 F13-c
 末裔からファーストアクト→ヘヴンリーロマンス、バウンドトゥダンス→シルクプリマドンナと中堅どころを出しているが当馬につながるGraceful Galからはまだ日本での活躍馬が出ていない。同じ枝の活躍ぶりからすれば重賞の一つくらいは勝てそうなスピードとスタミナを併せ持つ血脈と予測される。同族の別枝Frizette系は世界3大牝系の一つでMr. Prospector、Seattle Slewなど歴史に名を残す種牡馬を輩出している。
 
期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tro.
3/4クロス
ニックス 特殊

 



ルーラーシップ産駒
 
19.ケイティーズジェム16
2400万 6万/口 美浦 池上昌
出産時母;8歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
ケイティーズジェム ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Kris (■エタン/1)
(■Tantieme/2)
ノノアルコ
(■Relic/2)
 
血統評価
 同じ牝系からは募集しないって言ったじゃない!と、ドヤ顔で上記ケイティーズハート16を紹介したDDKは赤面で怒っているが、全くの同牝系である。牧場の言ってることは正しかったんだ。
ケイティーズジェム14の評価  ケイティーズジェム15の評価
 一昨年、去年と、なかなかにアツいレポートを書きつつも「牡の募集を待ちたい」と締めている。それでいていざ牡が募集されたら興味ナシとするのは卑怯な気がするのでまじめに書くと、前述ケイティーズハートともども同牝系出身の大スター、アドマイヤムーンを目指しているのではないかと思われる。中距離向けの■Mr. Pro.で牝系のスピードを引き継ぎつつもスタミナを付加しようと考えているのだろうが、この父ははっきり言って、いただけない。脚元の弱い牝系にこの父は禁忌である。怪我の無い、無事な競争生活を祈るほかに無い。
 ケイティーズジェムは既に売却されている。同牝系からの同父の募集は今年限りだろうし、Our Bloodを掲げる当クラブの会員への優しい施しと言えるかもしれない。毎年アツくレポートを書いていたが私は今年も手を出さないだろう。

母ケイティーズジェム
 度重なる故障に泣いたが、重賞掲示板があり結構期待された馬だったことが伺える。距離がマイルまでで瞬発力タイプなので、もうちょっと力があれば桜花賞を狙えた早熟馬かもしれない。母自身の3世代前はパワーのTeddy系のクロスと瞬発力のNorthern D.系のクロス、そして距離固定のエタン系と早熟系のMan o'War系が絡んでいるので血統そのままの競争生活だったと言えよう。瞬発力で勝負できた実力を評価したい。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Kris M:-4
 生粋の欧州マイラーでサセックスS制覇の実績がある。種牡馬としては牝馬ながらセントレジャーを制したOh So Sharpなど中距離まで融通が利く産駒が多い。父系と同時に母父Relianceの影響もあるか。活躍が牝馬に偏っている。■Native D.-■エタン系統で体の固いマイラー向きと考えると痛い目に合うが、中距離以上となると途端に苦しくなる。スピード勝負よりもパワー勝負を好む。

▲牝系Katies系 F7-f
 アドマイヤムーン、ヒシアマゾンといった中距離馬からスリープレスナイトなどの短距離系まで幅広い活躍馬を出している牝系。本質は短距離の瞬発力。
 
期待値 距離 16-20
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

20.マイティースルー16
2000万 5万/口 美浦 黒岩
メス 出産時母;10歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
マイティースルー クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
Seattle Slew (■Bold Ruler/3)
(■Princequillo/3)
Mr. Prospector
(■Nasrullah/4)

血統評価
 高い能力を期待された半姉マイティーキュートが屈腱炎。順調そうに見えたマイティーゴールドも喉鳴り手術と周囲に不穏な空気が漂う中、今年は非サンデーのルーラーシップである。
マイティスルー15の評価

 サンデーの血を持たないメスで気性の良い牝系、Mr. Pro.、トニービン、フレンチデピュティと「ディープさん待っていてくださいよ」の繁殖向き牝馬だが牝系がF8系で父ルーラーシップと同族なのも牧場がよく練った配合であることを示している。同族F8系のヒルダズパッション(当馬と血統の共通項目が多い)がディープ配合を連続で試されているので相性の良さは当然あるだろう。F8族の濃縮でF8-h Berriedale系の復活を狙っているのかもしれないし、あるいは私のようにF8-f ダイナカール牝系の継続を妄想しているのかも知れない。
 ■Mr. Pro.の牝系Myrtlwood(/4)がSeattle Slewの牝系(/5)と共通しているので先行力も補完できそうだ。
 父の産駒についてまわる脚元の弱ささえ克服できればある程度の競争能力は見込める上に繁殖まで期待できる。全ては馬体次第か。
こういう繁殖目的での一口購入は上手く行かないのが通例だが。

母マイティースルー
 1000万勝ちを2回含む4勝を挙げたマイラー。瞬発力は乏しいながらも先行力と器用さを併せ持ち操舵性の良さで掲示板に何度も載った、孝行な馬である。この先行力は産駒にも遺伝しており掲示板を確保しつつ時々勝つ、という孝行っぷりを引き継いだ仔が多い。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父Seattle Slew I:0 L:-2
 現役時代は先行粘りを特長としアメリカ3冠を勝っている。現在でもアメリカ主流血統の一つ。■Nas.のクロスに■Pr. q.の補助をつけStriking=Busher、▲La Tro(/2×2)の全姉妹クロスも持つ。▲Myrtlewood(/5)は当時のダート短距離のレコードホルダーでアメリカ競馬の殿堂入りをしている名牝である。■Mr. Pro.(/4)の牝系と共通しておりスピード強化に繋がる可能性がある。
 産駒もこの馬の遺伝を受けると先行持続型になることが多いか。

▲牝系タミーズターン系 F8-h
 直系の末裔にConquistadol Ciero、親系統にWhirlawayと名馬に挟まれた血脈で近縁にヒットザターゲットが出ている。得意条件で力を発揮するタイプだが近縁にスピード馬がいて活性は高そう。
 
期待値 距離 12-16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難 ■■■
零細
クロス
Mr. Pro. 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス
Mystlw. 8×8×8
3/4クロス
Pq●CF 7×6×7
ニックス 特殊

 

63.サンドミエシュ16
2400万 6万/口 栗東 石坂
出産時母;5歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
サンドミエシュ マンハッタンカフェ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Alleged/1)
(■Owen Tudor/5)
Monsun (■Blandford/5)
(■Surumu/1)
(■Danzig/1)
(■Teddy/5)

血統評価
 母の実績も大したことは無く、初仔であることを考えてもこれは候補に挙がらない…と思いつつも、書いていくと母サンドミエシュは下記のように面白い血統だ、などと発見はある。
 母自身の力が足りないので、起爆剤が欲しい。体を大きくするためのルーラーシップなのだろうが、スピードの付加と言う点では弱い。やはり次は貴公子エイシンフラッシュ君だろう。……と思ったら来年はロードカナロア。うーん、やはりドイツ血統な濃縮してこそだと思うのだが…?

母サンドミエシュ
 現役時代は未勝利。体躯が小さく非力な上にスピードもなく、つまりいいところがまるでなかった。それなのになぜか繁殖入りである。
 母ザロミアは母父Monsunの持つKaiserkrone×Kaiseradlerの同胞クロスに母母SlawaでさらにKaiseradlerを加えてドイツ血統を濃縮しているが他方で北米血統のDanzigも入れている不思議な血統。さらに▲Sabrinaの系統で牝系もドイツの代表格である。ここに同胞Suleika牝系マンハッタンカフェを配合するあたりにドイツ血統への愛が感じ取れる。
 Suleika自身は1勝のみの凡馬だった。にもかかわらずこれだけの歴史的な繁殖になれた事実があり、この牝系から大爆発を起こす可能性はある。

母父マンハッタンカフェ
 勝ち鞍菊花賞、有馬記念、天皇賞春と超長距離砲で、逆に前哨戦の短い距離だと負けている。瞬発力もそれなりに備えるがやはり真骨頂は1000m以上をトップスピードで走り抜けられる持久力とスタミナだろう。産駒はなぜか短距離で強く、スタートから飛ばして持久力勝負に持ち込む「快速馬鹿」型が多い。一年で冬場に特に強く、高齢馬の復活が見られることもしばしば。

母母父Monsun L:-2
 欧州の重い芝を好み、中距離以上の消耗戦を超得意とした重戦車。その父も母もドイツの重い血統でスタミナ遺伝を目的として血の濃縮を受けた「人為的な」配合の名馬と言える。

▲牝系Schwarzblaurot系 F16-c
 ドイツ競馬史に残る超・名牝系で末裔がドイツ競馬をいまだに席巻している。日本にはビワハイジ-ブエナビスタ、サトルチェンジ-マンハッタンカフェと大舞台に強い名馬を出している。同じ16号族からはスピードの頂点を極めたPlucky Liege系が出ており、スピード活性と瞬発力に長ける。
 
期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

64.ブライダルソング16
2400万 6万/口 栗東 須貝
出産時母;11歳

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
ブライダルソング Selkirk Sharpen Up エタン
(■Hyperion/2)
(■Red God/2)
(■Bend Or/-)
Blushing Groom Red God
(■Wild Risk/1)
Nijinsky
(■Hail to Reason/1)

血統評価
 セレクションセール1600万。で、募集価格1.5倍。やっぱりこれくらい盛ってくれないと我がクラブらしくない!全体に異系の色が濃く、サンデーサイレンス血脈からずいぶん遠くに離れている印象がある。パワーの因子もない。
 父系の■キングカメハメハと母父は■Native D.のクロスで、母母父■Blush. G.は▲Aimeeをクロスしている。さらに、父側▲Miesque→▲Specialと母側■NijinskyでFlares=Omahaの同血クロスも入り、全体にキングカメハメハを強調しようという試みだと思われる。
 ルーラーシップが出している特性がトニービンにかなり寄っているのでそれを是正しようという方針だろう。遠縁のクロスが多いので爆発力は期待できそうだし、若干ハズレ種牡馬くさい香りの漂う父から脱却できる可能性もあるかもしれない。おそらく見栄えの良い馬体だろう。

ブライダルソング
 アイルランド馬で成績不明。たぶんクラブのカタログのほうが詳しいはず。今までの産駒で中央を勝った馬は居ない。

母父Selkirk M:-7
 自身はマイラーでG1を1勝。産駒の傾向としては、距離に縛りを受けることの多いエタン系にあって■Red Godの可変性の補助をなんとか受けている印象で短距離傾向ながら距離をこなせる産駒を散発している。日本での活躍は少ない。

母母父Blushing Groom S:+1 M:-4
 自身がマイラーだったのに対し種牡馬成績は多岐に渡る。父Red Godも可変性に富む傾向があるが、当馬はさらに母側▲Aimeeが可変性、万能性を強化している。

▲牝系Compassionately系 F4-r
 かなりの勢いを誇る同族とは別に、18世紀で枝分かれした弱小牝系で目立った活躍馬はいない。最近ちょっと有名になったシャケトラくらいか。
 
期待値 距離 20
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細 □□
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス
Flares-Omaha
牝馬クロス
Aimee
3/4クロス
PJ-CF
ニックス 特殊

 
   
65.イストワール16
は高齢のため候補に入りません

ロザリンド16 他クラブ
- -
出産時母;5歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
ロザリンド シンボリクリスエス Kris S. Roberto
(■Princequillo/1)
(■Seattle Slew/1)
(■Tom Fool/3)
スペシャルウィーク (■Halo/1)
(■Nijinsky/2)
Sadler's Wells
(■Habitat/1)
 
血統評価
エピファネイアの全妹で3200万だった母。エピファネイアのデビュー前だったので価格もさほど高くなく(※キャロット比較。3200万のメスならとても高い!とも思えるが)小金持ちがこぞって飛びついたために貧弱な競争内容に犠牲者が多くNetkeibaの掲示板は大荒れだった。さて、当母の繁殖にまで期待を残している会員がどれだけいるだろうか。
 血統図からシーザリオの名前を伏せて眺めてみると今年中山で活躍したレイデオロ(父キンカメ、母父シンクリ)と良く似ていることが見えてくる。気性に問題があり連続好走が難しい血なのは仕方ないにしてもレイデオロの父と母父に共通して言えることは牝系のスピードを引き出す力が強いということだ。母母母Kirov Premiereは芝の重賞馬、Habitatを含む暴走系快速の血でレイデオロのHighclere牝系ほどの豪華さや瞬発力は持たないにしても当馬もかなりのスピードを秘めているのではないかとDDKは妄想するのである。ぜひ暴走馬鹿を見てみたい。
 血の相性から言ってもこの配合は良く、■Princequilloと■Count Fleetの3/4同血クロスが発生しており▲Meried/7+▲Milan Mill/6をルーラーシップから、▲Quill/7を母母父スペシャルウィークからそれぞれ刺激を受けている。さらに、Plucky Liege牝系の末枝と父ルーラーシップの配合で2017皐月賞3着馬ダンビュライトが出ており勢いも向いている。
 そして、大事なのが、牡!シーザリオ牝系はメスでは大失敗の連続だが
牡なら一応格好は保ってくれている。
グローブシアターもおそらくは大丈夫だろう。一口も持っていないが。
 まずなにより、当馬がクラブ募集にならないことには始まらないのだがOur Bloodを掲げる崇高な当クラブのこと、よもや個人馬主の金銭に目がくらんで手放すようなことはあるまい。価格は暴利だろうし抽選会も苛酷だろうが、注目の一頭である。
 と思ったら絹クラブだよ!

母ロザリンド
 偉大な母、偉大な兄と比べられ続けて未勝利引退。鼻出血、喉鳴り、脚部不安と体質の弱さの連打で当初アツい応援を決めていた多くの会員の心を折った。血は何を引き継がせるのか。仔の馬体に注目したい。

母父シンボリクリスエス I:0

母母父スペシャルウィーク I:0 L:-1

▲牝系はPlucky Liege系 F16-a
 
期待値 距離 20
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難
零細
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
Pq●CF 7×6×7
ニックス Mr.-Tom 特殊

 

ホワイトミーティア16 セレクト売却
- -
メス 出産時母;5歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
ホワイトミーティア ゼンノロブロイ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Mr. Prospector/1)
(■Icecapade/2)
Cozzene Caro
(■Princequillo/2)
(■Hyperion/5)
(■Bold Ruler/2)

血統評価

母ホワイトミーティア
 3戦して掲示板なし。高値の割には走らない牝系で期待は低い。脆弱さがつきまといそもそものレース回数が少ない。あえて狙うならダート配合か。

母父ゼンノロブロイ I:0 L:0
 ■サンデーはいいにしても■マイニングは早熟のスプリンターでどこに古馬グランドスラムを達成するような優れた資質を持っていたのか、今でも不思議な血統図である。種牡馬の項で自分なりの見解を述べたが、■サンデーに▲類サンデーを掛け合わせた相似の濃縮配合なので突然変異的な活躍だったのだろう。瞬発力、先行力ともに凡庸で遺伝力が弱め。「レースをやめてしまう」というやっかいな気質は伝わりやすい。

母母父Cozzene M:0
 BCマイルをレコード勝ちした名馬。ハイペースからの持久戦に強い特徴は産駒に引き継がれ、得意距離もマイル近辺とわかりやすい種牡馬成績になっている。Nas-quilloのニックスが目を引くが、他に■Sir Gayload → ▲Somethingroyal の血も持ちスピードを引き出す基点になっている。

▲牝系Audience系 F4-m

期待値 距離 12-16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細
クロス
Mr. Pro. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
Pq●CF -
ニックス 特殊

 

ケイティーズハート16 リスト消失
- -
出産時母;7歳 母優先

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
トニービン (■ゼダーン/2)
(■Hyperion/2)
ノーザンテースト
(■Touchstone/-)
ケイティーズハート ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
トニービン
(■Lyphard/1)
Kris (■エタン/1)
(■Tantieme/2)
ノノアルコ
(■Relic/2)
 
血統評価
 ケイティーズファースト牝系から募集される可能性が一番高いのは当産駒だと予想する。リスト消えてますよ!!!
 アドマイヤムーンが出て一見して活力ありそうなイメージの牝系だが早期から活躍した彼がこの血族の異端児なだけでその他の多くは遅いデビュー、ガラスの脚がついてまわりケアすべき事柄が多い。ハーツクライ、ルーラーシップとトニービン色の強い配合を重ね中長距離を狙った方向性は一応は理解できる。さて脚元と晩成のケアをどうするのか。アドマイヤムーンの次を狙うなら父側にはアメリカの軽い血統だと思うのだが、いかがだろうか。
 おそらくは雰囲気は良い馬になるだろう。が、それに騙されず脚元に注意を払いたい。特に体躯が膨らみやすいルーラーシップなのでなおさら、だ。

母ケイティーズハート
 3歳2月のやや遅いデビューからダートを使われ3勝。大きいところには無縁だったが先行粘りこみが得意で堅実だった。素質の片鱗を見せながら大成できなかったのは慢性脚部不安の為で、祖母ケイティーズファーストからの遺伝だろう。

母父ハーツクライ L;-1
 英雄ディープインパクトを先行策で撃破した「ヒール役」だが自身もかつてそうであった追い込み脚質の弱点を十分理解したからこその戦略勝ちだったと思うし、器用さと勝負強さがあってこその芸当だろう。サンデーサイレンスのスピードと持続力のトニービンが合致してミドルペース以上の消耗戦を得意とする。

母母父Kris M:-4
 生粋の欧州マイラーでサセックスS制覇の実績がある。種牡馬としては牝馬ながらセントレジャーを制したOh So Sharpなど中距離まで融通が利く産駒が多い。父系と同時に母父Relianceの影響もあるか。活躍が牝馬に偏っている。■Native D.-■エタン系統で体の固いマイラー向きと考えると痛い目に合うが、中距離以上となると途端に苦しくなる。スピード勝負よりもパワー勝負を好む。

▲牝系Katies系 F7-f
 アドマイヤムーン、ヒシアマゾンといった中距離馬からスリープレスナイトなどの短距離系まで幅広い活躍馬を出している牝系。本質は短距離の瞬発力。
 
期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力   
爆発
零細
クロス
トニー. 3×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 


 
ハービンジャー産駒
     ・ 
21.エルミラドール16
3200万 8万/口 美浦 栗田徹
出産時母;8歳 母優先

ハービンジャー Dansili デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Nijinsky/2)
(■Hyperion/3)
Bering (■Sea-Bird/1)
(■Lyphard/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Aureole/3)
エルミラドール ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
El Gran Senor
(■Caro/1)

血統評価
 まさかこの馬が募集されるとは思わなかった。いやおそらく期待していただろう数百人の会員様には申し訳ないが、姉妹の格差を牧場に値段で提示しろというのは酷すぎじゃないですかね。どちらも期待されて育ったはずで、せめて募集クラブは変えるべきだったんじゃないかと…… しかも同じ父で同じ性別。これはおそらく牧場側が自信を持って馬体を披露したいだろう、と希望的な観測をしてみる。
 実績をとるなら断然姉だ。だが、全同胞の妹から活躍馬がかなりの頻度で出ることは歴史が証明している。競争を経験しないで繁殖にまわった馬の生命力は凄い。姉の活躍に騙されて妹を掴んでしまった会員の皆様、挽回のチャンスですぞ!

母エルミラドール
 デビュー前に骨盤骨折で引退。姉トールポピー、アヴェンチュラなどと同様にスピードはあったのかもしれないが骨が弱すぎた。母になれたのは意外…と言ってしまっては失礼だが、骨は大丈夫か?  だが、逆に、競争を経験していないことで健康な産駒を出す可能性もあるか。

母父ジャングルポケット L;+1
 ダービー、ジャパンカップと東京で大活躍した名馬。JCでハイペースの持久力勝負を勝ちきったのはさすがトニービンの血で、ハーツクライにも同じことが言える。豊富なスタミナを遺伝しハイペースに強い馬を出す。産駒は中央の大舞台に強い上になぜかローカルの小倉や新潟でも強い。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系Moonmadness系 F1-p
 コンスタントに重賞活躍馬を出し、衰えのない血脈。当系統のムーンインディゴのほかにもミュンシー(天皇賞春3着のストラタジェムの母)が出ている。中長距離での活躍馬が多い分枝でスタミナに富む牝系と変化を遂げている。
 
期待値 距離 24
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 5×5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
ニックス 特殊

 

22.プリンセスカメリア16
2000万 5万/口 美浦 菊沢
メス 出産時母;15歳高齢
 
ハービンジャー Dansili デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Nijinsky/2)
(■Hyperion/3)
Bering (■Sea-Bird/1)
(■Lyphard/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Aureole/3)
プリンセスカメリア サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
サクラユタカオー テスコボーイ
(■ネヴァービート/1)
ノーザンテースト
(■Tourbillon/3)

血統評価
 いくら血が良いからといってもハービンジャー産駒に一口8万台は高すぎる。ちょっと昔のキンカメ並みじゃないか、と古参会員は怒っているかもしれないが、2014年産駒は6頭中4頭が未勝利を突破(3歳8月時点)、ディープ高額馬の未勝利引退を経験された皆様の受け皿として今年は役目を果たしそうなのである。
 母からアルフレードが出たのは相当昔に思えるが、その後の全妹が未勝利に終わっていることを考えると持久力が売りのこの牝系の良さが牝馬では出ないのかもしれない。ハービンジャーで▲Almahmoudの刺激を入れてスピードの底上げを図っているにしても、母高齢+牝馬では……ということで、一応評価はしてみたが、買うならやっぱり高いほう、と私は結論付ける。

母プリンセスカメリア
 サクラバクシンオーの全妹で未勝利勝ちのみ。産駒アルフレード(父Sクリスエス)が朝日杯を制する大爆発を見せたがその後の牝馬2頭は未勝利。2年産駒なしのあとの当産駒に期待がかかる。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父サクラユタカオー I:0
 1986年の荒れ放題の草地の府中競馬場で秋の天皇賞を1:58で駆け抜けた。現代の整備された馬場ではどれだけ速かったのかと思わせる快速馬。自身は中距離を走ったが代表産駒サクラバクシンオーを見るとやはりスピード傾向の強い種牡馬であることが想像される。

▲牝系クリアアンバー系 F4-m
 直系にアンバーシャダイ、その子孫にファストタテヤマと中長距離に強い馬を出す一方でサクラハゴロモを経由した子孫からはサクラバクシンオー、アルフレードとスピードと持久力に優れた短距離型を出す。どちらにしても強いスピード活性と持久力が持ち味。始祖付近まで辿った別枝からはブルーメンブラットが出ている。
 
期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
ニックス 特殊

 

66.アヴェンチュラ16
5000万 12.5万/口 栗東 角居
出産時母;8歳 母優先

ハービンジャー Dansili デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Nijinsky/2)
(■Hyperion/3)
Bering (■Sea-Bird/1)
(■Lyphard/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Aureole/3)
アヴェンチュラ ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
El Gran Senor
(■Caro/1)

血統評価
 母はクラブを代表する活躍馬の一頭で去年の初仔は高値にも関わらず大人気だった。初仔は今のところは「並の馬でこれから」といった感じである。牧場としても期待が大きい牝馬になぜ今更感のあるハービンジャーなのか。この配合にがっかりされた諸氏も多かったのではないか。
アヴェンチュラ15の評価
 ハービンジャーが種牡馬3年目を迎えた。■N. D.主体で鈍重さを特徴とし条件戦止まりの勝ちきれない血である、という評価が固まりつつある。そんな中、産駒の「勝ちきれる」オープン馬を見てみると
①ベルーフ(▲ダイナサッシュ牝系;F1-t)
 トーセンバジル(▲クラフティワイフ牝系;F9-a)
②プロフェット(▲ビスクドール牝系;F9-f)
 ペルシアンナイト(▲ニキーヤ牝系;F9-h)
など、名牝の力を再度活性させている馬が多い。①は■ノーザンテースト、②は■Nureyevを牝系に持ち近くの血脈にそれらの馬がいると■N. D.の濃いクロスが良い刺激に働くのだろう。■Hyperionのスタミナ付加も追加されればさらに良い。
 ということで、母にアヴェンチュラである。▲Point Duty系;F1-p という超名牝系で母母側ではないが母父側に■Nureyevを抱えている。上記に述べたようにF1、F9牝系と相性の良いハービンジャーで(F1、F9、それにF4を加えた3系統は世界的クラシック血統である)さらに牡、とあればこれは期待が大きい。母自身の骨の弱さが克服されているかどうかは不明だがリスクを背負ってでも狙いに行く価値はある。父の名前で人気が落ちるならなおさらである。でもやっぱり高いね

母アヴェンチュラ I;0
 2歳で骨折、半年後の復帰戦から秋華賞まで3連勝を飾った彗星のような名馬。この配合でフサイチホウオー、トールポピーも活躍しているが全て最後は故障引退だった。骨の弱さとスピードの両方を内包する。

母父ジャングルポケット L;+1
 ダービー、ジャパンカップと東京で大活躍した名馬。JCでハイペースの持久力勝負を勝ちきったのはさすがトニービンの血で、ハーツクライにも同じことが言える。豊富なスタミナを遺伝しハイペースに強い馬を出す。産駒は中央の大舞台に強い上になぜかローカルの小倉や新潟でも強い。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系Moonmadness系 F1-p
 コンスタントに重賞活躍馬を出し、衰えのない血脈。当系統のムーンインディゴのほかにもミュンシー(天皇賞春3着のストラタジェムの母)が出ている。中長距離での活躍馬が多い分枝でスタミナに富む牝系と変化を遂げている。
 
期待値 距離 24
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 5×5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
3/4クロス
ニックス 特殊

 
 
67.ラフォルジュルネ16
3400万 8.5万/口 栗東 藤岡
出産時母;9歳 母優先

ハービンジャー Dansili デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Nijinsky/2)
(■Hyperion/3)
Bering (■Sea-Bird/1)
(■Lyphard/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Aureole/3)
ラフォルジュルネ スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/2)
Kaldoun Caro
(■Blandford/4)
(■Mill Reef/1)
(■Clarion/3)

血統評価
 堅実な名牝は母になっても堅実なのか。初仔を持っているTNB氏の期待は高い。
ラフォルジュルネ15の評価

 狙いは上記アヴェンチュラと同じく名牝系の再活性だろうが、残念ながら賦活の基点となる(私が勝手に妄想している)ノーザンテーストやNureyevが居ない。体は頑健に出そうなので、怪我のリスクに大金を払いたくない!人はこちらを選ぶのがいいのかもしれないが、クロスによる刺激が入らないということは単なる凡馬の可能性も高くなることを覚悟しなくてはならない。

母ラフォルジュルネ
 当クラブに複数在籍するMoonmadness牝系の一頭で他の馬に比べれば地味だがそれでも芝中距離4勝は立派。上級戦でも善戦を続け、最後まで愛された良牝だった。スピードとパワーをどちらも程よく持ち合わせ、心身の健康度も高いことが推測される。

母父スペシャルウィーク I:0 L:-1
 多くの種牡馬が牝系のスタミナを削ぎ子孫をマイラーへシフトさせていく中、長距離向きのスタミナと高速スピードの遺伝を併せ持った王道血統。スローペースからの瞬発力勝負はやや苦手だがミドルペース以上のスタミナ戦と東京の長い直線を大得意とする。

母母父Kaldoun
 自身G3で2着程度、種牡馬入りしてから早熟性を売りにフランスで人気を博した。適距離は短中距離。Smadoun→チチカステナンゴと血を繋げ日本に輸入されたがその先が続かず失敗に終わっている。母父としてファビラスラフインを出し伝わりにくいがスピード能力は持っていたと推測される。

▲牝系Moonmadness系 F1-p
 コンスタントに重賞活躍馬を出し、衰えのない血脈。当系統のムーンインディゴのほかにもミュンシー(天皇賞春3着のストラタジェムの母)が出ている。中長距離での活躍馬が多い分枝でスタミナに富む牝系と変化を遂げている。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 普通
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
Nij. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊




エイシンフラッシュ産駒

23.リビングデイライツ16
1600万 4万/口 美浦 伊藤大
出産時母;19歳高齢

エイシンフラッシュ キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Platini Surumu
(■Red God/2)
(■Sharpen Up/2)
(■Blandford/6)
リビングデイライツ フジキセキ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Le Fabuleux
(■In Reality/1)
Nijinsky Northern Dancer
(■Bull Lea/2)
(■Riverman/1)
(■Blandford/4)

血統評価
 現役時代に何度も泣き笑いさせられた父に、なんとか救いの手がないだろうかと悩み、超高齢母の産駒だが評価させていただく。
 母母母のIrish Valleyが超名牝で当馬の母母グリーンポーラがG3を勝利しているほかにその弟Alhaarth(父Unfuwain;■N. D./1、■Busted/2、▲Highclere/2……擬似ディープ?)がマイルG1デューハーストS勝利などマイルから中距離の重賞を数多く獲る活躍を見せた。さらにその妹Dhelaal(父Green Desert)が種牡馬マクフィ(父Dubawi)を産んでいる。このDhelaalとグリーンポーラの配合は類似していると言えなくも無い!?ので、同じように■Mr. Pro.の刺激でこのマクフィの再現が狙えないだろうか?さすがに論理が飛躍し過ぎか。母父フジキセキと■Mr. Pro.の相性も(短距離ダート傾向になるが)良く、■Nureyevと■Nijinskyで同血クロスも発生し、▲Miesqueと■Rivermanで●Princequillo-Count Fleetの3/4クロスも発生する。全体を覆う■Blandfordのクロスが重過ぎる感じもするが。
 母の源流はF16-cでドイツ牝系▲Schwarzgoldにたどり着く。このあたりも父と好相性な気がする。超高齢の母だが2013年以来の出産だし、この安値だし、博打覚悟で狙ってみるのもアリかもしれない。

母リビングデイライツ
 芝ダート兼用で短距離を走り5勝、優秀な先行力を武器に1000万条件を突破した功労馬。産駒に目立った活躍馬が居ないが、近親に日本軽種牡馬協会期待の種牡馬マクフィがいる。

母父フジキセキ M:-1
 ■サンデーに■Le Fabuleux、■In Realityと気性の難しい暴走系の配合で短距離に強い産駒を多く出す。ギアが少なく瞬発戦は苦手だが、逆に短距離の他にダートも得意でさらに成長力もある。

母母父Nijinsky M:-4 L:-4
 ノーザンダンサーの2世代目産駒で自身の活躍も種牡馬成績も超一流。主流血統となっているがためにクロス因子を多く持ち、配合的利点が多い。スローペースの瞬発力戦にとても強く、重い芝や長距離を特に好む。

▲牝系Ampola系 F16-c
 重賞にちょくちょく顔を出す中堅どころの牝系で、一番の活躍馬は2007英ダービー馬Authorized。19世紀に分岐した別枝からは▲Schwalzgoldを経てブエナビスタ、マンハッタンカフェといった大活躍馬が出ている。

期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 持続
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■■  
気性難
零細
クロス 全兄弟クロス
Omaha-Flares
牝馬クロス 3/4クロス
Pq-CF
ニックス 特殊

 

24.フラゴリーネ16
1400万 3.5万/口 美浦 中舘
メス 出産時母;7歳 母優先

エイシンフラッシュ キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Platini Surumu
(■Red God/2)
(■Sharpen Up/2)
(■Blandford/6)
フラゴリーネ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Grape Tree Road (■Nijinsky/1)
(■Habitat/1)
(■Nureyev/1)
(■Top Ville/2)

血統評価
 ……母の兄弟にプルガステル。ちゃんと育成を受けたのかどうかすら疑問のまま1勝で引退。激しさを通り越した狂気の血統で厩舎が苦労するのは理解できるが、兄弟の中でネオウィズダムが結局準OP勝ちまで行ったのだ。いくらなんでも長い放置プレイの上に「勝てませんでした」の言い訳一つで終了とは酷すぎる。せめて気性難克服への気概くらいは見せて欲しかった。今更言ってもムダなのだが。
 この馬が当クラブ募集になりそうだと知って数ヶ月、なんとか評価をひねり出そうと私も努力した。しかし、出てくるのは恨み節だけ。気性と内臓の弱さしか記憶にない血統で、良いポイントがあったら逆に教えてほしいくらいである。

母フラゴリーネ
 BCマイル3着の実績がある母とディープインパクトとの配合で3000万の高値を付けられたが期待に答えることなく1勝で引退。他の兄弟と同様に気性の荒さと脚元の脆弱性を引き継いでいる。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Grape Tree Road I:+1
 快速の中距離馬だったがフランスダービーで7着に破れ前哨戦のパリ大賞を勝ったのみで凱旋門賞には挑戦せず引退。その父Caerleonと母父Habitatで■Turn-toのクロスを作り欧州血統ながらスピードに寄った配合だが、代表産駒はゴレラのみだった。

▲牝系Pharyva系 F9-e
 活躍馬の多いF9族の狭間に落ちている微妙な牝系で、活躍馬はリトルアマポーラ。ちょっと辿るとIn The WingsやFavorite Trick、あるいはホッコータルマエといったダートでの活躍馬が出てくるが、幸か不幸か芝への適性を持ってしまったために微妙な活躍に留まってしまっているのかもしれない。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス
Nur. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

オーマイベイビー16 募集なし
厩舎
出産時母;5歳 母優先

エイシンフラッシュ キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Platini Surumu
(■Red God/2)
(■Sharpen Up/2)
(■Blandford/6)
オーマイベイビー ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Grand Slam (■Mr. Prospector/1)
(■El Gran Senor/1)
(■Roberto/1)
(■Turn-to/1)

血統評価
 ディープ用の繁殖牝馬から産まれた当母だが運も実力もなくひっそりと引退。その初仔である。母の兄弟から察するに芝の瞬発力を持っていると考えられきちんと鍛えさえすれば返り咲きは可能と思われる。さほどの速い上がりが使えるわけではない割にはなんとなくどのレースでも上位に食い込んでいる妹アウェイクを見るに、■Robertoの影響を受けたトップスピードの高さと瞬発力の複合技が得意なのかもしれない。……全姉ディアマイベイビーの産駒が募集濃厚。当馬は募集にまわらないか?

母オーマイベイビー
 半兄に朝日杯を逃げ切ったゴスホークケン。同時期に募集されたハープスターと悩んだ!?ほどの期待を背負った馬だが骨りゅう発覚のトレーニング不足を最後まで克服できず、また一流厩舎の狭間に落とされた不幸もあって4戦未勝利引退。にしても最後まで芝を使ってもらえなかったのは本当に可哀想としか言えない。仔に期待がかかるが、2017年産はセレクト行き。今年が母優先を使えるおそらく最後のチャンスと、どこまでも会員を軽視(以下略)

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Grand Slam M:0
 2歳でマイルG1を2勝、3歳でBCスプリントに挑戦し2着。アメリカが好みそうな早熟・短距離の血だが産駒カフェオリンポスがダート2000mのJDDを制覇しており日本においてはその活躍は短距離のみに収まらない。El Gran Senor、Graustark、さらにBold Rulerのクロスとスピードの因子がてんこ盛り。

▲牝系Sweepless系 F4-r
 Balance&Zenyatta姉妹のスピード型ダート馬が直系にいてゴスホークケン、クイーンスプマンテといえば逃げてこそ強い個性派の牝系、と言えるだろうか。当牝系はその勢いを引き継いでいる可能性が高い。

 


 
 ヴィクトワールピサ産駒

68.ハルーワソング16
2800万 7万/口 栗東 友道
出産時母;20歳高齢

ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
Kris
(■Prince Bio/3)
Machiavellian Mr. Prospector
(■Halo/1)
(■Busted/1)
(■Clarion/3)
ハルーワソング Nureyev Northen Dancer Nearctic
(■Native Dancer/1)
(■Hyperion/2)
(■Nasrullah/2)
Blushing Groom Red God
(■Wild Risk/1)
Halo
(■Herbager/1)
 
血統評価
 馬の年齢と人の年齢は4倍掛けで換算できる簡便な方法もあるが、とすると当母は20歳の出産なので人間換算80歳での出産となる。いやそれは無理でしょ、となるので、当方独自の換算式(5歳で人間20歳、以後馬1歳増えるごとに2倍掛け…馬10歳で人30歳、馬15歳で40歳、馬20歳で50歳)と私は計算している。某政治家が人智を超えた高齢出産を話題にした事もあったが(これ以上は当サイトの趣旨にそぐわないので自粛)つまり、馬主2年目で痛い目を見て(グレイスヒーロー;母19歳)、さらに今年もおそらく痛い目を見る事になるであろう(ラベルヴィー;母15歳)私としては、母高齢は何よりも忌避されるべき選択なのである。
 ここまで書いた上でも、TNB氏がこの馬に惹かれているのいうのだから熟女好きの親友のために論評する。
 ハルーワソングは初仔ハルーワスウィートがヴィルシーナ、ヴィブロス、(シュヴァルグラン)と大魔神御用達の快速G1馬を出し、他の兄弟でもマーティンボロ、フレールジャックと重賞級を連発した。これらの根源に母の持つ▲Glorious Songと▲Specialのスピード刺激が好作用したのは間違いない。初仔ハルーワスウィート(父Machiavellian)と類似したヴィクトワールピサとの配合でも、結局は父母父の濃縮された▲Almahmoudが■Nur.に含まれる■N. D.系の▲Almahmoudかつ▲Specialに含まれる▲Alm.の親系統▲Lady Jurorを刺激するだろうし、他方■サンデー側も▲Glorious Songを■Haloで刺激するはずだ。つまり、血統表だけ見れば、この母とこの父の相性はとても良く、十分な活躍を見込める好配合である。例えこれまで活躍した馬達に含まれる■ディープインパクトが居なくても。
 ▲Glorious Songと▲Special(系統)の同居といえば、当クラブでもお馴染みのシンハリーズがいる。2014年産のディープブリランテ産駒、ディーパワンサ(ポロンナルワ14)とラプソディーア(当母14)が仲良く賞金上位にランキングされているのは、実は似たような血統作用によるものなのだろう。とすれば距離はやや短めか。
 熟女も実は悪くない。うら若き女性を追い求めて数多くの痛い思いをしていた(いる)TNB氏、もういい加減、身近な熟女でいいのではないか。当馬がもし大活躍するようなら、改めて彼に「身近な熟女」を勧めてみようと思う。身近にロクなのが居ないが。

母ハルーワソング
 現役成績不明。名種牡馬Rahyの全妹を母に持ち、産駒ハルーワスウィートからG1級が2頭も出ている。▲Glorious Song、▲Specialの名牝系二刀流。繁殖後期になるにつれて勢いが落ちているのは仕方ない。

母父Nureyev
 ■N. D.の様々な分岐から一番スピードに寄っているのが短距離志向のDanzigだとすれば、中距離志向のNureyevはその次点だと言えるのではないか。卓越した先行力が武器でハイペースに強い反面、変速ギアを持たずスローペースからの瞬発力を欠く。▲Specialクロスの起点となることが多くスタミナを付与しやすいが自身の影響力の強さで鈍足馬を出すことも多い。

母母父Blushing Groom S:+1 M:-4
 自身がマイラーだったのに対し種牡馬成績は多岐に渡る。父Red Godも可変性に富む傾向があるが、当馬はさらに母側▲Aimeeが可変性、万能性を強化している。

▲牝系Glorious Song系 F12-c
 Rahy、Singspiel、ダノンシャンティと高速スピードに秀でる種牡馬を擁する名牝系。ちょっと遡ればDavil's Bag、あるいはグラスワンダーといったマイル近辺で快速を発揮する強豪が揃う。
 
期待値 TNB 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■
馬力
気性難・爆発
零細
クロス
Halo 4×4・5
全兄弟クロス 牝馬クロス
(▲Alm.)
3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性

 

69.クーデンビーチ16
1800万 4.5万/口 栗東 ?新規?
メス 出産時母;16歳高齢

ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
Kris
(■Prince Bio/3)
Machiavellian Mr. Prospector
(■Halo/1)
(■Busted/1)
(■Clarion/3)
クーデンビーチ パントレセレブル Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
Alydar
(■Habitat/1)
Green Desert Danzig
(■Sir Ivor/1)
Mr. Prospector
(■Fairway/4)
 
血統評価
 母は血統図からもわかるように快速型で得意距離も短いように思え、産駒サザナミの活躍条件を見てもその通りになっているように思える。欧州短距離で一大勢力となっているGreen Desertの影響がとても強い上に、牝系F2-fもそれを増強していると考えられるが、さて、この父ではどうだろうかということである。
 この父は■Machiavellianがキモで、その母Coup de Folieは▲Cosmahと▲Natalmaの姉妹クロスを持つ▲Almahmoudの塊である。AlmahmoudはF2-d牝系に属し、これはF2-fと(18世紀に分かれているとはいえ)近い牝系なので、当馬はスピード活性の大幅な強化が見込めそうである。
 この父の産駒は超短距離や中距離が苦手で得意距離がマイル付近とやや狭い。が、逆にそれがこの母の短距離向きの特性をちょっとだけ延長させてくれるのならこの配合は大歓迎だ。牝馬なのがこの配合に限っては良いと思える。それくらい桜を期待してしまいそうな配合に見えた。ので母高齢だがレポートさせていただいた。

母クーデンビーチ
 欧州で1勝。半妹Samiterがアイルランド1000ギニー(芝1600m)を制している。産駒サザナミが芝短距離で現時点までに5勝。豊富なスピードを遺伝させている。

母父パントレセレブル I:-5(不良) L:+6 
 凱旋門賞で叩き出した2:24のレコードが脅威。スピード属性の強いNureyevを母側のHabitatで磨いた血。一貫して先行したまま直線で押し切ってしまう横綱スタイルで物凄いスピードを持つ反面、瞬発戦といった小細工は苦手。

母母父Green Desert S:-1
 アメリカ生産のイギリス調教馬でスプリントG1を1勝。Danzig譲りの快速馬で産駒も短距離を中心に活躍。欧州スプリント路線では避けて通れない血脈になっている。

▲牝系Altoviscar系 F2-f
 日本のトップをひた走るディープインパクトの系統。だがサンデーサイレンスとの配合以外では短距離系種牡馬との相性が良く持続力や根性というよりは一瞬の瞬発力を持った血脈ではないか。勢いど真ん中なので高いスピード活性は間違いない。当馬は傍流とはいえ文句無くAltoviscarを受け継いでいる。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力
爆発
零細
クロス
Mr. Pro. 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 3:1分配

 


 
スクリーンヒーロー産駒
 
25.クライフォージョイ16
3600万 9万/口 美浦 奥村
出産時母;5歳

スクリーンヒーロー グラスワンダー Silver Hawk Roberto
(■Nearco/2)
Danzig
(■His Majesty/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
ノーザンテースト
(■Tom Fool/2)
クライフォージョイ サクラバクシンオー サクラユタカオー テスコボーイ
(■ネヴァービート/1)
ノーザンテースト
(■Tourbillon/3)
Cozzene Caro
(■Princequillo/2)
Fappiano
(■Raise a Native/1)

血統評価
 セレクションセール2600万で落札。そして+1000万の手数料上乗せという、我がクラブらしい莫大な盛りっぷりである。などと茶化していたいたエピカリス(スターペスミツコ14)が大爆発しているので、セリ落札の馬はある程度キチンと評価せざるを得ない。落札者の相馬眼は(少なくとも私よりは)確かなはずである。
 母は芝の超短距離を使われ逃げバテを繰り返し勝ち上がれず、ダートでもパワー不足による未勝利。先行力は■Nas.の濃さで十分あっただろうに、パワーを供給するはずの■Fappi.が良さを出さなかった。この父との配合でも▲La Tro.も▲Point Dutyもクロスせず■Mr. Pro.と■Tom Foolのニックスがあるくらいでほとんど血統的魅力は無い。
 馬体の見栄えは良いらしい。当父の牡馬に魅力を感じる会員も居るだろう。が、遅生まれのリスクもあり私は敬遠したい。

母クライフォージョイ
 超短距離を走り未勝利。地方移籍後も未勝利と競争能力は最低ライン。そして初仔。どこを魅入ったのか購買者を問い詰めたい。牝系はココシュニックと共通。

母父サクラバクシンオー S:+1
 引退レースで叩き出したタイム1:07.1と4馬身差という圧勝劇によって今でもなお短距離最強の呼び声が高い。そのスピード性能ゆえ距離が持たないだろう、と予測された血筋の中からキタサンブラック(母父サクラバクシンオー)が出て、概念を覆させられた。母側に入ると良いスピードのみを遺伝させることが出来るのかもしれない。昭和の日本で活躍した■テスコボーイの生き残りでもある。

母母父Cozzene M:0
 BCマイルをレコード勝ちした名馬。ハイペースからの持久戦に強い特徴は産駒に引き継がれ、得意距離もマイル近辺とわかりやすい種牡馬成績になっている。Nas-quilloのニックスが目を引くが、他に■Sir Gayload → ▲Somethingroyal の血も持ちスピードを引き出す基点になっている。

▲牝系Good Example系 F10-a
 当馬の直系に南部杯などを制した輸入牝馬ゴールドティアラがいるがちょっとたどるとアメリカ年度代表馬カリズマティックが出ている。持続力とパワーが持ち味だが成長力の遅さがネック。もう少し奥まで探るとRiverman、ロックオブジブラルタルといった大種牡馬にたどり着き、馬格の良さも遺伝させる。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力
気性難・爆発
零細  
クロス
N. D. 4×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
Mr.-Tom
特殊


26.ユールフェスト16
1800万 4.5万/口 美浦 尾関
メス 出産時母;7歳 母優先

スクリーンヒーロー グラスワンダー Silver Hawk Roberto
(■Nearco/2)
Danzig
(■His Majesty/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
ノーザンテースト
(■Tom Fool/2)
ユールフェスト More Than Ready サザンヘイロー Halo
(■Teddy/6)
Woodman
(■Naskra/1)
Best Western (■Hyperion/4)
(■Grey Sovereign/2)
(■Native Dancer/2)
(■Grey Sovereign/3)

血統評価
 当馬の母と似た血統背景のモアムーンライトの血筋からマヒナ14が募集されたが、頚椎奇形によって競争馬になれず引退している。■Haloのクロスは健康へのリスクが高く、当馬はさらに親系統■Hail to Reasonのクロスもかかえている。
 Our Bloodの弊害だと思う。無理に当クラブで募集でなくてもいいと思うのだが、と言ってしまうと愛の強い会員様に怒られそうだが、個人的に期待の高い種牡馬なのだからもっと安全性の高い良駒と出会いたかった。モーリスもゴールドアクターも母側に■Haloが居ないのだから。

母ユールフェスト
 芝短距離で2勝。上級条件では歯が立たなかったが父More Than Ladyのダート適性をひっくり返した芝での活躍は立派。スピードの遺伝はあると推測。

母父More Than Ready
 早期完成した馬体でダート短距離を快走、G1勝ちを含む7勝。産駒もアメリカを中心にそれなりの活躍。

母母父Best Western I:?
 オーストラリアの芝中距離馬で芝2000mのG1勝ちがある。ユールフェスト以外でこの血を見る事は今のところない。

▲牝系 -
 どこにも属さない、牝系番号なし。オーストラリアの在来牝系?

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
爆発
零細  
クロス
Halo 4×4
H. to R. 5×5×5
N. D. 5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
Mr.-Tom
特殊 3:1分配

 
70.ブロードピーク16
1400万 3.5万/口 栗東 ?新規?
メス 出産時母;8歳 母優先

スクリーンヒーロー グラスワンダー Silver Hawk Roberto
(■Nearco/2)
Danzig
(■His Majesty/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
ノーザンテースト
(■Tom Fool/2)
ブロードピーク ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Broad Blush (■Himyar/-)
(■Ribot/3)
(■In Reality/1)
(■Secretariat/1)

血統評価
 父は■サンデーへの対抗勢力としてグラスワンダーが遺した血筋、と考えてしまうのは夢想だろうけれども、短距離におけるモーリス、長距離におけるゴールドアクター、これだけ出せれば大成功の種牡馬といえるのではないか。
ブロードピーク15の評価
 ただし、上記2頭のほかはダート上級条件で走る馬などもいて全体に軽いスピードというよりも父の牝系▲La Troienneを引き継いだ底力タイプが目立つ印象があり、母側にパワー系統を持ってきているのは正解だと思うが、▲La Tro.のクロスを持たない上にやっかいな■サンデー3×3を持っているのは歓迎できない。半兄15年産も成長が遅く非力、という2017年7月時点での評価なので、阻害因子が多いのが気がかり。
 生産界に余っているディープ牝馬との配合相手としても実験作と思われる。さらに、牝馬。血統図に騙されないほうがいい。

母ブロードピーク
 ダートの女傑ブロードアピールに追い込み馬ディープの配合だが、瞬発力は得られずダートを凡庸に走ったのみ、1勝で引退。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Broad Blush I:+1
 米国競馬の祖とも言える「旋風」Domino血統を引き継ぐ零細血統。主流血統に押されコンスタントな活躍馬は出せないが、パワー遺伝が強くダートで散発的に大物を輩出している。健康度の高さにも自信がある。

▲牝系Water Cress系 F4-r
  直系にブロードアピールの他にもダートの強豪サクセスブロッケンがいて
ダートをパワーと瞬発力で駆ける「力強い」血脈である。19世紀前半まで遡るとMary Morrisから分岐した系統からメジロブライト、ブライアンズタイム、エアメサイア&シャカール、はてにはBalance & Zenyattaなどという
スタミナ豊かでスピードもある血脈を出しておりF4-r族は世界でも代表的な牝系の一つと言える。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久
馬力 ■■■  
爆発 ■■
零細
クロス
サンデー 3×3
H. to R. 5×5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊




ディープブリランテ産駒

27.ピースエンブレム16
3600万 9万/口 美浦 手塚
出産時母;10歳 母優先

ディープブリランテ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Loup Sauvage Riverman
(■Nureyev/1)
(■Busted/2)
(■Mr. Prospector/2)
ピースエンブレム ウォーエンブレム Our Emblem Mr. Prospector
(■Princequillo/2)
(■Hyperion/4)
(■Tourbillon/3)
ヘクタープロスペクター Woodman
(■Riverman/1)
(■Aureole/2)
(■Sir Ivor/1)

血統評価
 母の全姉にG1馬ブラックエンブレム、当馬は去年募集のあったヴァンドノワールの孫にあたる。これまでの配合は全て失敗(出産後死亡含む)、10歳にしてようやく競争馬の生産に至った。付けられた仔のラインナップを見るとディープやオルフェといった凄い種ばかりで繁殖として相当期待がかかっていたと推測される。
 母側の濃い■Mr. Pro.が父のどこを刺激するかというと、彼のボトムラインである名牝バブルプロスペクターだろう。その系統から菊花賞馬ザッツザプレンティが出ており、■Miswakiのスタミナを引っ張り出す工夫がなされている。■Haloのボトム活性も入って鋭いスピードも付加されそう。ついでに刺激が入っている■Rivermanがどうなのかという疑問はある(父側のLoup S.は短距離系)がむしろスピードの活性と言う点ではプラスか。
 ■Mr. Pro.の仔系統の多重Mixになっているこの馬だが、体質の貧弱さは免れないにしてもスピードの素因はある。ただし、■ウォーエン.のスピードなのか、■Miswakiの鈍重スタミナなのか、■ヘクター.の早熟なのか、どれを発現するかは血統図からは予測がつかない。
全姉の仔を見てみると■ヘクター.ではないかと…わかりません。

母ピースエンブレム
 芝でも走れなかった訳ではないがダートで4勝。最後はささいな怪我が響いて引退したがまだまだ走れたはずの素質馬だった。全姉にブラックエンブレムがいて遺伝的な良さはだいぶ向こうに吸われている感じがある。絶対スピードで姉に劣るものの瞬発力は引き継いでいるか。

母父ウォーエンブレム I:0
 非常に激しい気性と卓越したスピードを持つアメリカ2冠馬。■Mr. Pro.の淡白さが南米牝系のスピードを際立たせている構成で社台・吉田氏が語る通りサンデーサイレンスを彷彿とさせる。脚元からはダート寄りだが芝をこなす産駒もいて、ブラックエンブレム、ローブティサージュを出している。スピードに加えて勝負どころでの瞬発力が強み。

母母父ヘクタープロスペクター M:0
 デビューからマイル付近で8連勝の快速馬だったが、大舞台で弱く父Woodmanの特性をそのまま引き継いだ早熟前哨戦血統。芝の剥げたローカル、湿ったダートなど芝とダートの中間をなぜか得意にするが■Rivermanの良さを消してしまっている。

▲牝系Sovereign系 F3-c
 系統内にナリタセンチュリーがいて遠縁には英ダービー馬Sir Parcyがいる。中距離が得意そうな血だが活力は低い。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細
クロス
Mr. Pro. 6/5×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性

 
 
28.フォルテピアノ16
2000万 5万/口 美浦 萩原清
メス 出産時母;13歳 母優先

ディープブリランテ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Loup Sauvage Riverman
(■Nureyev/1)
(■Busted/2)
(■Mr. Prospector/2)
フォルテピアノ フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/1)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Mr. Prospector/1)
(■Secretariat/1)

血統評価
 キャロット中堅の牝馬は毎年それなりの馬を出す。今年はディープブリランテとの配合である。
フォルテピアノ14の評価  フォルテピアノ15の評価
 2014年産のスルーレート14との配合と共通点が多く、該当ページを見ると私がアツく評価しているのがわかる。ブリランテの母父Loup Sauvage(Nas. 1/8、Prq 1/16)とフレンチデピュティの母Mitterand(Nas. 1/8、Prq 1/16)が相似配合となっており底力の強化に繋がるはずだ。しかも名牝系クラフティワイフの原動力である■Secretariat(Nas. 1/4、Prq 1/4)にも相似の刺激が入り名牝系への賦活に繋がっている。▲Somethingroyalも絡んでいるのでパワーも十分あるだろう。ディープとフレンチの相性の良さは証明されているし、頑健さを誇る■Rivermanで修飾された後継者ブリランテとも相性が悪いはずがない。虚弱さと怪我のリスクは改善されないだろう、惜しいけれども。
 今年は値段が上がってしまうだろうがこの母とこの牝系が盛り返すにはこの配合が一番ではないかと個人的には期待している。

母フォルテピアノ
 ダート短距離で3勝、上級条件でも堅実で馬主孝行な馬だった。これで故障経験があったというのだから故障さえなければさらに上を狙えたはずで、子供への期待は大きい。産駒はなぜか芝の中距離を走っているが、血脈的にはダートのはず。もちろん兼用でもいいのだが。

母父フレンチデピュティ
 単一ではモコモコしたキレないバテないダート血統だが血統図に入ると骨幹の強化、パワー付加などを発揮し■サンデーの弱点を補う補佐になる。その素因は■Pr. q.、■Fair P.といったPhalaris以外の補助系統を多く含んでいるためだろう。■ディープインパクトとの和合性は府中で真価を発揮するニックスとして認知されており、同じく■N. D.仔系統の■Storm Catと比較してもパワーに勝るこちらにトレンドが移行しつつある。

母母父ノーザンテースト
 社台ファームの礎となった功績の偉大さはここで語るまでもないが、種牡馬としてどこが優れていたか、と言われるとさて、どこだろう、と考えてしまう。
 瞬発力は微妙、根性と持続力はある程度、だが特別ではない。成長力があって健康度が高い。そんなところだろうか。Lady Angela 3×2とHyperionの血が濃いのだがVictoria Parkに引っ張られて得意距離は短め。▲Almahmoud(/3)を引いておりこれが相手方のスピード刺激に繋がっている。成長力とパワーを持ち込んだ、と言えばなんとか聞こえはいいか。
 結局、日本競馬の近代化に必要だったNorthern Dancerの血を誰が持ってくるかの競走に勝ったのがこの馬なのだろう。何が秀でていたかではない。そのポジションを獲った馬が強いのである。尖った遺伝特性がなく融通性が大きいのが利点。

▲牝系クラフティワイフ系 F9
 子孫がさまざまな場面で活躍し大きく枝葉を広げる牝系だがキョウエイフォルテはダート向きの凡庸タイプ。フォルテを越えてさらに奥のクラフティワイフの良さを引き出せるかが活躍の鍵を握る。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス
N.D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 



ノヴェリスト産駒
 
29.ドルチェリモーネ16
1600万 4万/口 美浦 武井
メス 出産時母;15歳高齢 母優先 
 
ノヴェリスト Monsun Konigsstuhl (■Blandford/4)
(■Tourbillon/3)
Surumu
(■Aureole/2)
Lagnus (■Nijinsky/1)
(■Hampton/7)
Night Shift
(■Caro/2)
ドルチェリモーネ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Salse Topsider
(■Princequillo/2)
Busted
(■ゼダーン/1)

血統評価
 毎回可愛さに騙されて手を出してしまうDDK的な良母も今年は高齢馬入り。15年産にアツく期待をしている。「あそこにDDK好みの馬が居ますよ」と教えてくれたTNB氏、言われなくても見学バスを降りる前の車窓から気付いていましたよ私は。
ドルチェリモーネ15の評価
 産駒の特徴として「わかりやすい体型に出る」のがこの母の特徴だと勝手に思っていて、特に■Mr. Pro.の血と見た目の相性が良い。アマレッティは淡白なスピード馬っぽいスマートな立ち姿だったし、15年産駒はコロンとした、如何にも短距離馬ですといった佇まいでわかりやすい馬体をしていた。
 深みの無い浅薄な血統なので小銭稼ぎ向きなのはわかるが、それでも可愛いから買ってしまう。さすがに今年は買わないだろう。クロスの少ないことが利点のはずのノヴェリストで■Brandfordのボトムクロスを持った牝馬なんて絶対に買うなよ、と戒めの意味を込めて高齢馬なのにレポートを書かせていただいた。

母ドルチェリモーネ
 芝で2勝、G1に跳ね返されたものの堅実な末脚を武器に条件戦の掲示板獲りを繰り返した孝行馬。未勝利こそ短距離で勝っているが本来の主戦場は芝の中距離。阪神内回りや小倉を得意としており、器用さや賢さを持っていると予測される。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父Salse
 13戦8勝、短距離からマイルで中堅どころの活躍を果たしG1フォレ賞を勝っていてフランス最優秀3歳馬のタイトルを持っている。代表産駒ルソーは世界各国の芝2400m戦に挑戦しG1を4つも勝ちジャパンカップにも挑戦している。近年欧州中長距離で活躍した強豪Postponedの母母父にこの馬の名を見る事ができ、本来の資質は欧州中長距離にあるのではないかと推測される。が、■N. D. の可変性も持ち合わせ早熟型や短距離型の産駒を出すこともあった。

▲牝系Lily of Valley系 F1-e
 直系は目立った活躍馬がいない。遡った別枝にチャクラ、オーシャンブルーといった善戦マンがいて、もっと過去を探るとナイスダンサー、パークリージェントなどカナダの活躍馬が見られるがなんとなく日本では善戦止まりの印象が強い。
 
期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■■■■
馬力
気性難・爆発
零細
クロス
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性


71.ヴェラブランカ16
1600万 4万/口 栗東 ?新規?
メス 出産時母;9歳 母優先

ノヴェリスト Monsun Konigsstuhl (■Blandford/4)
(■Tourbillon/3)
Surumu
(■Aureole/2)
Lagnus (■Nijinsky/1)
(■Hampton/7)
Night Shift
(■Caro/2)
ヴェラブランカ クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
El Gran Senor
(■Caro/1)
 
血統評価
 優秀な血族の中にも落ちこぼれは必ずいるもので、アドマイヤサンデー一族の華々しい活躍と対比して当母へ流れた血脈は酷い枯れ様である。
ヴェラブランカ14の評価  ヴェラブランカ15の評価
 ノヴェリストの母母Nenupharは■N. D.系の父と■Caro系の母でヴェラブランカの母母ムーンインディゴと類似している。ムーンインディゴの活力を取り戻そうとした配合なのか?Night Shiftに含まれるPago Pagoの血でクロフネのパワーを増強しようと試みたのか?
 ここまでは期待を裏切り続けているのでそれらの新しい試みを用いても当馬の系統の魅力はさほど増えない。一発があるとすれば少なくとも▲Point Dutyのクロスを持ってくるべきだった。

母ヴェラブランカ
 勝つ時には圧勝、負ける時にはコロリと負ける。本気で走った競争がどれだけあったのか、と批判されても仕方ないほど浮き沈みの激しい馬。ダートをスピードで乗り切る走法が素晴らしく牝系から引き継ぐ能力は高かった、はずなのだが。仔も全く走らない。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系Moonmadness系 F1-p
 コンスタントに重賞活躍馬を出し、衰えのない血脈。当系統のムーンインディゴのほかにもミュンシー(天皇賞春3着のストラタジェムの母)が出ている。中長距離での活躍馬が多い分枝でスタミナに富む牝系と変化を遂げている。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 普通
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難
零細
クロス
全兄弟クロス
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
特殊 ボトム活性


レイナソフィア16・セレクト売却
- -
メス 出産時母;10歳 母優先
 
ノヴェリスト Monsun Konigsstuhl (■Blandford/4)
(■Tourbillon/3)
Surumu
(■Aureole/2)
Lagnus (■Nijinsky/1)
(■Hampton/7)
Night Shift
(■Caro/2)
レイナソフィア スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/2)
Luhuk フォーティナイナー
(■Dr. Fager/1)
(■Halo/1)
(■Buckpasser/2)

血統評価
 初・2番仔ともに脚元に爆弾を抱えて能力以前の問題で引退。3番仔は父ハービンジャーでソエの症状程度で治まっている。今年はメスで本家の募集リストに名前がない。ということは当クラブか。
 母母は南米のG1馬でおそらくはスピード優位の軽い血統、ここに長距離向きスペシャルウィークをつけて中距離のスピードを活かそうという試みだったのか。瞬発力に長けるのは父に含まれるマルゼンスキーの血が母側■Buckpasserの賦活を受けているからだと考えられとなるとノヴェリストに含まれるマルゼンスキーの血も当然賦活を受けると予測される。
 父、母父とも長距離向きで、しかもスタミナを内包しつつ瞬発力で勝負できる血統とあればとてもとても楽しみなのだが。 メス。 そこを除いても血統的な魅力はある。

母レイナソフィア
 新潟芝中距離で2勝、瞬発力に長け33秒台の末脚をコンスタントに記録できた良牝である。

母父スペシャルウィーク I:0 L:-1
 多くの種牡馬が牝系のスタミナを削ぎ子孫をマイラーへシフトさせていく中、長距離向きのスタミナと高速スピードの遺伝を併せ持った王道血統。スローペースからの瞬発力勝負はやや苦手だがミドルペース以上のスタミナ戦と東京の長い直線を大得意とする。

母母父Luhuk
-

▲牝系
-
 
スピード 距離
パワー 気性
Sペース 成長
Hペース 爆発力
速度 ■■■■■■
持久
馬力
気性難・爆発
零細
クロス
Nijinsky 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


ロフティーエイム16 リスト無し
- -
出産時母;14歳

ノヴェリスト Monsun Konigsstuhl (■Blandford/4)
(■Tourbillon/3)
Surumu
(■Aureole/2)
Lagnus (■Nijinsky/1)
(■Hampton/7)
Night Shift
(■Caro/2)
ロフティーエイム サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Load Avie (■Sir Gayload/1)
(■Bois Roussel/3)
(■Bold Ruler/2)
(■Hyperion/5)

血統評価
 成長が遅い、と酷評した去年の産駒は父エイシンフラッシュに良く似た馬格の良い馬に育った。シルエットだけ見るならば楽しめそうだ。影だけ、ならば。
ロフティーエイム15の評価
 母の血統を見ると、母父、母母、母母父、母母母父ともアメリカダートを走った馬で欧州とは無縁であることがわかる。母の妹メーデイア(父キングヘイロー)も■Turn-toの濃いクロスを持っていて結果ダートの活躍だったので、牝系の潜在能力はダートにおけるスピードなのだろう。ここにノヴェリストを配合、去年の私なら「こんな配合でどう成長を促進しろというのか」と憤慨するところだ。
 しかし、現実にはノヴェリスト産駒が2017年新馬勝ち1番乗りであり、ノヴェリストの成長の早さが証明されている。さらにこの新馬勝ち馬ヴァイザーの母ヴァイスハイトはアドマイヤベガ×MachiavellianでHaloのクロスを含んでいるダート牝系で、なんとなく当母と共通点が多い。牝系全体としてみればヴァイスハイトよりも遥かに期待度の高い血統なのだから、父が本当に早熟性を備えているのなら当馬が大爆発する期待は一気に高まる。

母ロフティーエイム
 1000万条件の身ながら格上挑戦で福島牝馬Sを勝利。その後も重賞戦線を戦い抜き26戦3勝、賞金1億を突破した名牝。先行力とスタミナに加えコーナーワークの巧さで大崩れしなかった堅実派。妹メーデイアが地方ダートでほぼ無敵を誇る強さを見せ、血族のダート適性の高さを見せ付けた。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父Load Avie M:-2
 アメリカ東海岸でG1を3勝。といっても大きなところには縁が無く2歳で2勝、3歳でフロリダダービー(ケンタッキーダービー前哨戦)を勝ったに過ぎない。産駒はアメリカG1を散発的に勝つ程度だが、日本ではジャパンカップで2着したオード(1位ベタールースンアップ)が名前を残している。

▲牝系Plucky Roman系 F2-b
 当馬のウイッチフルシンキングはまだこれからの幼い牝系だが枝分かれした先のローミンレイチェルから年度代表馬ゼンノロブロイが出ており中距離への適性とスピードの期待値は高い。F2-b族全体としては他にファストフレンド、キヨフジがいるが勢いは完全にローミンレイチェル系だろう。直近の傍流である当馬にも当然期待は高い。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久 ■■■■■
馬力   
気性難・爆発
零細
クロス
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 



キンシャサノキセキ産駒

30.ティフィン16
1400万 3.5万/口 美浦 宗像
メス 出産時母;10歳 母優先

キンシャサノキセキ フジキセキ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Le Fabuleux
(■In Reality/1)
Pleasant Colony His Majesty
(■Double Jay/2)
Lyphard
(■Tourbillon/3)
ティフィン トワイニング フォーティナイナー Mr. Prospector
(■Ribot/2)
Never Bend
(■Man o'War/2)
El Gran Senor Northern Dancer
(■Buckpasser/1)
Graustark
(■Raise a Native/1)

血統評価
 あれは2015年の初春だったような記憶がある。これから一口馬主を始めようとするMMKに対し、当時売れ残っていたティフィン14とシャンスイ14のどちらを購入すべきかを問われ、「間違いなくティフィン14である」と即答した。どちらも勝ちあがれないだろうが、ダートで賞金を咥えてきそうな方はこちらだったからである。結果は後述する。
ティフィン14の評価  ティフィン15の評価

 母母エラティスの半姉Summer Tripが欧州のG3(芝2500m)勝利など欧州芝中長距離で活躍していることと、この母ティフィンの半兄アルナスラインの活躍などを考えると牝系全体の傾向としてはスタミナ寄りと考えられる。が、今回の種牡馬も短距離向き。これは母父トワイニングが悪影響を及ぼしているからに他ならない。運よくスピードが強化されてくれればいいが、それを■His Majesty=■Graustarkの全同血クロスを含む■Ribot系統の3本クロスに頼るのは無理ではなかろうか。さらにスタミナというか鈍重さが強調されてしまうような気がする。零細系が多くなっている配合割合はこの産駒の将来の厳しさを予言している。
 前述、DDKが勧めた馬を諸事情によりMMKは購入せず、他方の馬を購入した。結果は、ネオフレグランス(シャンスイ14)は現在2勝、DDKのどの馬よりも格が上がり当クラブ2014産駒全体で回収率ランキングBEST10入りしている。一方、勧めたキュンメル(当母14)は……  いかに血統論がヤッツケであるかを見事に顕している。MMK氏、華麗な馬主デビューおめでとう。

母ティフィン
 20戦1勝。ダートを走り続けたが最後まで芽が出なかった。兄にアルナスラインがいて弟も長距離や障害で勝利を挙げている。母母はスタミナ優位の可能性があり、このトワイニングとの配合は良さを消してしまっている予感。

母父トワイニング
 G2勝ち程度で大きなレースに参加せずに引退したため実力は未知数だが、勝ったレースはそれぞれ大きな差をつけた独走勝ちでありダートでのスピード能力はあると推測される。芝での活躍馬を出したこともあったが本質はやはりダート。不器用で小回りを苦手とするが広い直線で追い込める脚を持つ産駒が多い。

母母父El Gran Senor M:0 L:-1
 8戦7勝。豪華なライバルに囲まれながらほとんど全てに打ち勝ってきた「天馬」。Rainbow Quest、Sadler's Wells、Darshaan。当時負かした馬のほとんどはその後種牡馬として活躍したが、当馬と、唯一の敗戦の相手Serectoは種牡馬成績が微妙に終わってしまったのも競争生活との逆転が起きておりなかなか面白い史実である。
 N. D.に▲Sex Appealと、▲Best In Show、▲La Troienneの牝馬クロスの要素を持ち、さらにトライマイベストと全同血という現代日本競馬に物凄く相性の良さそうな血統背景。おそらくスピード活性も高い。

牝系Neolight系 F9-c
  仔系統は微妙だが、近傍の別枝にTudor Minstrel、Fair Trialなど零細系ながらスピード威力の高い血統が居る。大元はスピードの権化Lady Josephineの血でスピードの活性は高い。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■
持久  
馬力 ■■  
気性難 ■■
零細 □□
クロス
N. D. 5×4
R. a N. 5×5
全兄弟クロス
H.M.=Gr.
牝馬クロス
Flower Bowl
3/4クロス
ニックス 特殊
 
 

72.ヴィアンローズ16
2000万 5万/口 栗東 松下
メス 出産時母;14歳

キンシャサノキセキ フジキセキ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Le Fabuleux
(■In Reality/1)
Pleasant Colony His Majesty
(■Double Jay/2)
Lyphard
(■Tourbillon/3)
ヴィアンローズ Sevres Roses Caerleon Nijinsky
(■Princequillo/2)
(■Hyperion/4)
(■Tourbillon/3)
Kaldoun Caro
(■Blandford/4)
(■Bold Ruler/3)
(■Riverman/2)

血統評価
 この血統を好んで買っているTNB氏のほうがアツく語れるとは思うのだが、DDK私見を述べさせていただく。今年はちょっと雰囲気がちがうのではなかろうか。
ヴィアンローズ15の評価

 近年は中長距離馬との配合が多かったが今年は以前の短距離馬との配合に戻してきた。キンシャサノキセキの父フジキセキとの配合ローズミラクルは芝1200mを3勝した上に息の長い競争生活を続けているし、クラシックで距離の限界を感じたアジュールローズを見てもやはりこの牝系は短距離向きなのかも知れない。以下の母ヴィアンローズの項にも述べている。
 が、キンシャサノキセキとの配合で目を引くのは、特徴がかき消されかかっているLady Berryの強烈な牝馬クロスである。さらに、父母母Featherhillと母父Sevres Roseはその父系が■N. D.で相似な血と言えるのでよりLady Berryの特徴を引き出すことになるだろう。
 父母とも似た系統で芝短距離かつ成長持続型になりそうなので、ずばり小銭稼ぎ向き。一口馬主初心者にオススメしたい馬である。

母ヴィアンローズ
 欧州G3ノネット賞(芝2000m)を勝っているが血統は地味。父の母Indian Rose-Lady Berryの血脈が優秀で欧州中距離の強豪デインドリームやPlumaniaにもこの血が含まれている。産駒アジュールローズがダービーに出走したが距離の壁に当たり敗北。■Caerleon、■Caroと短中距離固定の血が主張しておりLady Berryの血を期待するのは難しいが、一応のスピード能力はある。

母父Sevres Roses
 未出走。祖母Lady Berryがフランス長距離G1のロイヤルオーク賞を、母Indian Roseがフランス中距離G1ヴェルメイユ賞を勝っており超期待の星だったことが予測される。産駒ヴィアンローズでG3勝利がやっとで、種牡馬成績も失敗に終わっている。

母母父Kaldoun
 自身G3で2着程度、種牡馬入りしてから早熟性を売りにフランスで人気を博した。適距離は短中距離。Smadoun→チチカステナンゴと血を繋げ日本に輸入されたがその先が続かず失敗に終わっている。母父としてファビラスラフインを出し伝わりにくいがスピード能力は持っていたと推測される。

牝系Klarnet系 F7-c
 日本に来た牝系子孫からポップロック、サンライズバッカスといったいぶし銀が出ているが勢いは微妙である。同族に大正から続くアストニシメント牝系があり、こちらの系統からクリフジやメジロマックイーン、あるいはブルーコンコルドやオフサイドトラップ、ゴッドスピードといった才能豊かなタレントが揃う。ある程度のスピードの付加と、父の力を引き出す特徴がある。

期待値 距離 12
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難 ■■
零細 □□
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Lady Berry 4×4
3/4クロス
ニックス 特殊

 



シンボリクリスエス産駒

31.ヴァイスハイト16
2800万 7万/口 美浦 和田正
出産時母;12歳 母優先

シンボリクリスエス Kris S. Roberto Hail to Reason
(■Nashua/1)
Princequillo
(■Teddy/3)
Gold Meridian Seattle Slew
(■Spy Song/2)
(■Tom Fool/2)
(■Royal Charger/2)
ヴァイスハイト アドマイヤベガ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
トニービン
(■Northern Dancer/1)
Machiavellian Mr. Prospector
(■Halo/1)
Nureyev
(■Blandford/5)

血統評価
 「この牝馬は堅実である。末永く楽しめることは間違いない。」by当母14。「目新しさを優先した配合である」by当母15。ぜひ読み返して欲しい。この安い価格帯でこの大成功。当レポートの読者の皆様、おめでとう。改めて読み返すと、自分の誇大な妄想将来への期待が現実に叶っていてとても嬉しい。なんで自分は買っていないんですかね……
ヴァイスハイト14の評価 ヴァイスハイト15の評価
 さて、当父なのだが、これまた微妙な父を持ってきましたね、と私への挑戦にも思える誇大妄想のしにくい配合に思えた。ただ、ぼんやりと、上の血統図を眺めてみると、なんとなく、いや、なんとなく、パワー系■サンデー系に先行力の■Nur.(=■Sad. Wel.)、■Halo(=■Sir Gayload)……ジャパンカップを暴走……エピファネイア!?  いや、それは、無理です。深夜に書いているので多少の誤記はお許し願いたい。 スピードがある牝系なのはわかっていることだし、この父は意外にも短距離向きの産駒が多い。(というより緩急がつかないのでスタミナがあるにもかかわらず短距離で結果を出す馬が多い。)と言うことは当馬も短距離だろう。▲Myrtlewoodの牝馬クロスもあるし、血統を当クラブの終身名誉馬エピファネイアに似せてきているということは、今年も期待は大きい。
 外れても当方は全く責任を負えないが、冷静に考えても、低価格帯から1勝を狙いに行く会員様にとっては心強い相棒になるはずだ。

母ヴァイスハイト
 短距離を走り2勝、掲示板回数の多さと上がりタイム上位回数を見ると真面目な気性と堅実さが伝わってくる。母母ソニンクの血は堅実さを伝え、2勝以上してくれる産駒が多かった。

母父アドマイヤベガ L:-1
 父サンデー×母ベガ。1999年のダービーを獲ったもののタイムは平凡で種牡馬としても期待ほどの大物は出ず、平地G1制覇はブルーメンブラットとキストゥヘヴンの牝馬2頭である。成長曲線が緩やかで絶対スピードも不足しがちだが、障害での活躍馬が出ていることなどを考慮すると牝系アンティックヴァリューから馬力とパワーを相当遺伝させているものと推測される。この牝系にはスピードと瞬発力の刺激が入るとハープスターのように大爆発を起こす期待もある。

母母父Machiavellian S:-1
 アメリカ生まれのフランス育ち。血統は育成を凌駕するのか、早熟性を発揮し2歳戦でG1を制覇したものの3歳では勝てず引退。種牡馬成績が素晴らしく、距離や馬場を問わず様々な場面で活躍する産駒を出した。日本では母父としてアサクサデンエンやヴィルシーナなどのマイルでのスピードを強化している他に、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制してスピード能力と可変性を証明し、大震災後の日本に明るい話題を与えた。
 Machiavellianの母Coup de Folieはその父Haloその母Raise the Standardともに▲Almahmoudからの分岐で、サンデー系やDanehill系にスピード能力を強化する。

▲牝系Sonic Lady系 B3
 仔系統Soninkeからアコースティクスを経てロジユニヴァースが出ているが、これはMachiavellianの変異によるもので他の仔系統は超短距離志向である。この系統での牡馬の活躍を見るとダートの道を究めるのも悪くないのかもしれない。
 
期待値 距離 12-16
傾向 パワー 気性 穏やか
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■■  
気性難
零細
クロス
H. to R. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Myrtlewood
3/4クロス
ニックス
Mr.-Tom
特殊 3:1分配


73.バイラオーラ16
2000万 5万/口 栗東 佐々木
出産時母;10歳 母優先

シンボリクリスエス Kris S. Roberto Hail to Reason
(■Nashua/1)
Princequillo
(■Teddy/3)
Gold Meridian Seattle Slew
(■Spy Song/2)
(■Tom Fool/2)
(■Royal Charger/2)
バイラオーラ トワイニング フォーティナイナー Mr. Prospector
(■Ribot/2)
Never Bend
(■Man o'War/2)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
Nureyev
(■Herbager/2)

血統評価
 全兄カンタオールは4歳現在1勝。堅実だが決め手を欠く。この父らしいといえばそうだが、ダートの凡馬である。▲Myrtlewoodのクロスがあるが、それを活かしているとも言い難く、セールスポイントが足りない。血統を並べ直してみると前述ヴァイスハイトと似ているのだが、だとするとこちらを買いに行く必要性が見当たらない。
 全兄で結果が出ているのだ。妄想のやりようがない。

母バイラオーラ
 芝ダートの短距離をそれぞれ2勝、アイビスサマーダッシュにも挑戦した快速韋駄天娘。■トワイニングの遺伝特性がそのまま出ている。産駒は結果が出ていない。

母父トワイニング
 G2勝ち程度で大きなレースに参加せずに引退したため実力は未知数だが、勝ったレースはそれぞれ大きな差をつけた独走勝ちでありダートでのスピード能力はあると推測される。芝での活躍馬を出したこともあったが本質はやはりダート。不器用で小回りを苦手とするが広い直線で追い込める脚を持つ産駒が多い。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系Royal Gun系 F5-i
 活躍馬皆無。G3を勝ったコンラッドくらい。まるで傾向も見えない。
 
期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■
持久
馬力 ■■■  
気性難
零細
クロス
H. to R. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Myrtlewood
3/4クロス
ニックス 特殊




マンハッタンカフェ産駒
 
32.ピューリティー16
3200万 8万/口 美浦 中川
出産時母;13歳

マンハッタンカフェ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Law Society Alleged
(■Bold Ruler/2)
(■Owen Tudor/2)
(■Birdcatcher/-)
ピューリティー パントレセレブル Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
Alydar
(■Habitat/1)
Bering (■Sea Bird/1)
(■Lyphard/1)
Sadler's Wells
(■Caro/1)

血統評価
 ピューリティー14・パルフェクォーツ君、いつになったら勝ってくれるんですかね!?
ピューリティー14の評価  ピューリティー15の評価
 去年の産駒の時点では私のワクワク感が残っているが、2017年7月時点ではかなり萎んでいる。瞬発力不足というのは現代日本競馬にとって本当に致命的である。牧場側がそれに気付いたかどうかは不明だが今回はステイヤー向きの配合に変えてきた。
 マンハッタンカフェは名門Suleikaの血を引くドイツ血統、と言えるが一方でその母父Law Societyを通じてOmaha/7を持ち、これが▲Special牝系に含まれるFlaresと同血クロスがあるので▲Specialを含む牝系と相性が良い。レッドディザイア、ジョーカプチニーノは■Sad. Wel.を含んでいたし、ダービー三着馬のアントニオバローズなどは■Nur.を含んでいた。どうだろう、当馬はその両方を含んでおり、さらにスピード活性の強い■Habitatや■Owen Tudorの血も遺している。三振覚悟だがハマれば大物が期待できる夢の詰まった配合と言える。
 が、兄達に必発の喉鳴り症が当馬の大きなリスクになる。

母ピューリティー
 1勝。おそらくサンデー系向けに買ったドイツ繁殖と思われたが、受胎持ち込み馬ピュアブリーゼがオークスで2着するという副次的な恩恵を受けた。ピュアブリーゼはその後未勝利、雨の中の重馬場でしか活躍できない鈍足だろうと判断する。その後の兄弟を見ても、瞬発力は期待できない。

母父パントレセレブル I:-5(不良) L:+6 
 凱旋門賞で叩き出した2:24のレコードが脅威。スピード属性の強いNureyevを母側のHabitatで磨いた血。一貫して先行したまま直線で押し切ってしまう横綱スタイルで物凄いスピードを持つ反面、瞬発戦といった小細工は苦手。

母母父Bering L:+6
 フランスダービーをレコードで優勝。Sea-Bird、Actic Ternにつづく3代目の凱旋門賞制覇は叶わず2着に敗れた。父は■Native D.の血脈に母母Almahmoudと■Northern D.と相似の血で、Beringはさらに牝系に■Lyphardと■Le Fabuleuxでスピードと瞬発力の強化を図っている。が、血の濃縮のせいか際立ったスピードの遺伝にはつながらず中距離向きのスタミナを伝える程度にとどまっている。

▲牝系St. Marguerite系 F4-n
 一族はドイツ起点だがアメリカに渡った仔系統からGallant Fox、Hail to Reasonという競馬史に残る名馬が出ている。当馬は始祖から分岐している傍流だが世界の主流であるF4族の勢いはこの血脈にも影響を与えている。

期待値 距離 24
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力  
爆発
零細
全兄弟クロス
Omaha=Flares
牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


74.カニョット16
1800万 4.5万/口 栗東 吉村
メス 出産時母;11歳

マンハッタンカフェ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Law Society Alleged
(■Bold Ruler/2)
(■Owen Tudor/2)
(■Birdcatcher/-)
カニョット Sunray Spirit ヘネシー Storm Cat
(■Dante/4)
Alydar
(■Seattle Slew/1)
Payant (■Donatello/3)
(■Prince Chevalier/4)
(■Prince John/1)
(■Fairway/5)

血統評価
 15年産はハーツクライ、16年産はマンハッタンカフェ。ここ2年の傾向は同じである。
カニョット15の評価
 前年よりも異系■St. Simonの血を濃くしているのは爆発力に期待して、だろう。半兄メイアルーアが2勝できたのはNijinskyとStorm Catの和合性(Omaha=Flares)だと考えると、当配合でもOmaha=Flares(Low Society-Storm Cat)は存在するので同様の恩恵はあるかもしれない。半兄メイアルーアの出走回数の少なさは気がかりだが。
 一発に期待できる父で父母の血統の方向性も合致しているので、この父が好きなステイヤー好きなマニアには受けがいいかもしれない。だが、今年も、メスです。ついていません。

母カニョット
 アルゼンチン1000ギニーを勝利、同オークスでも3着に入ったその世代を代表する馬の一頭だった。産駒は半兄(父スペ)は現在2勝、半姉(父ロブロイ)は未勝利で掲示板精一杯と母の競争能力が伝わっているとは言い難い。

母父Sunray Spirit
 米国でダート短距離のG3を勝った。それ以外の情報なし。

母母父Payant
 4勝。米国G2勝ち。代表産駒エスカビオーサはアルゼンチンオークスなどG1を3勝のあと日本に輸入されているが、産駒は目立った活躍なし。

▲牝系Wedding-Day系 F11-g
  同族からジャングルポケット、War Admiralと2頭の種牡馬が出ている。どちらも中長距離をこなすスタミナの遺伝力が強そうな印象。当馬はWar Admiralへ向かう枝から19世紀半ばに分かれた細枝のひとつに過ぎない。

期待値 距離 24
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■
持久
馬力  
爆発 ■■
零細
全兄弟クロス
Omaha=Flares
牝馬クロス 3/4クロス
●PqCf
ニックス 特殊

 



ダノンシャンティ産駒

33.フェルミオン16
1800万 4.5万/口 美浦 古賀慎
メス 出産時母;10歳 母優先

ダノンシャンティ フジキセキ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Le Fabuleux
(■In Reality/1)
Mark of Esteem Darshaan
(■Northern Dancer/2)
Halo
(■Herbager/1)
フェルミオン アグネスタキオン サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Raja Baba/2)
(■リマンド/1)
Miswaki Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
(■Raja Baba/1)
(■Tom Fool/2)
 
血統評価
 クラブゆかりの血統で、謎配合の半兄達(父メイショウサムソン、ベーカバド)がどちらも芝中距離で快走しOP入りしそうな位の活躍を見せている。「競馬が下手で」と言われる兄弟達で、そんなことないだろ、謙遜だろ?と自信満々にDDKが買った半姉(父クロフネ)はおそらく失敗。な!大正解だっただろ!TNBは「あんなのに手を出すなんて、会長の気が狂ったのでは」と思ったそうです。マイナー種牡馬を走らせてメジャー種牡馬でコケる母か。あるいは単に牡かメスかの体質の差か。
フェルミオン14の評価  フェルミオン15の評価
 パテントリークリア牝系の本来の良さはマイルでのスピードだと思うのでNHKマイルCレコード勝ちの父は傾向としてはピタリである。あとは■フジキセキ、▲Glorious Song、■AタキオンのHalo祭り、しかも父母主軸■サンデー3×3をどう緩衝させるかという問題……
 どう見たって危ない配合で、怪我のリスクは高い。これが牡ならまだしも、皮膚病、虚弱体質とDDKが散々な目に合ったメス。スピードが活きれば活躍も出来るかもしれない、が、手を出す勇気はない。あと、○○クオーク、の名前が付けられない問題も。

母フェルミオン
 短距離の新馬を勝ったのみでその上では全く勝負にならず。5歳春まで現役だった割に全13戦と競争回数そのものが少なく虚弱体質か、(厩舎の怠慢が)あったのではないかと推測される。そのおかげか仔出しは良く、1、2番仔が準OPに出世。牝系の先行力とスピードを遺伝させている。

母父アグネスタキオン I:-2
 2016年時点で繁殖牝馬の母父第一位になったそうである。サンデー系種牡馬の気性の激しさを始めとした尖り具合と比べ、タキオンは実にマイルドな遺伝表出である。スピード、先行力にわずかに影響する程度で母系の能力を補助する裏方になりやすい。タキオンの母アグネスレディーが■N. D.や■Mr. Pro.を持たない、零細の血であることが良い意味でも悪い意味でも遺伝力の薄さの原因だろう。唯一影響が出るのが骨幹の細さに起因する怪我のリスク。

母母父Miswaki
 短距離G1を1勝。他の■Mr. Pro.系種牡馬、Seeking the Goldやマイニングと同じく父と相性の良いBuckpasser→Tom Fool/3を持ち3/4同血なのだがMiswakiの種牡馬傾向は他とは違う。母の父に入るとスタミナと先行力を遺伝させ欧州ではGalileo、Dalakhani、日本ではサイレンススズカやザッツザプレンティと芝の中長距離で活躍する快速馬の素地になっている。

▲牝系Altoviscar系 F2-f
 大種牡馬となったAureoleやディープインパクトが属する牝系で大勢力を誇り分枝も多岐に渡る。パテントリークリアの牝系をたどると2代前Tameretteが優秀で、仔Known Fact、孫Gone Westといったマイルに強い馬を輩出している。Tameretteの母Mixed Marriageからもエタン-Sharpen Up-Kris と短距離の系統が繋がっているし得意距離は短めと考えられる。スピードの因子は豊富な系統と考えられるし、勢いのある血脈である。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難
零細
クロス
サンデー 3×3
Halo 4×4×4
Raja. B. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

75.スサーナトウショウ16
1600万 4万/口 栗東 高野
出産時母;8歳

ダノンシャンティ フジキセキ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Le Fabuleux
(■In Reality/1)
Mark of Esteem Darshaan
(■Northern Dancer/2)
Halo
(■Herbager/1)
スサーナトウショウ ロックオブ
ジブラルタル
デインヒル Danzig
(■His Majesty/1)
(■Northern Dancer/1)
(■Bold Ruler/2)
サクラバクシンオー (■テスコボーイ/2)
(■ノーザンテースト/1)
(■Clarion/5)
(■Clarion/4)
 
血統評価
 父、母父、母母父と3代続けて短距離を配合した「クラシック無視」の配合だが、その中でも微妙に距離適性は異なる。母父と父はマイル~中距離まではカバーする種牡馬で、対して母母父(母母)はど短距離志向である。が、グランプリボスやはたまたキタサンブラックの活躍を見ているとバクシンオーは距離固定を伝えずスピードの遺伝のみを伝えるのかもしれない。ということは当馬も父側に引っ張られて東京のマイル~中距離をカバーできるスピード馬になれるかもしれない。(父の母の牝系もSingspielを筆頭に東京を得意としている。)
 小銭稼ぎにはかなり向く配合、と言いたいところだが貧弱さが前面に出てしまう可能性はあるので、買おうと考えている小銭ハンターの皆様は肩の力を抜いて気軽に楽しむことをオススメする。

母スサーナトウショウ
 未勝利引退。一貫して短距離を使われ2着1回のみ。産駒キューバンマンボは芝マイルで1勝しているが第1子トウショウジルバ(父フジキセキ)を見る限りダート適性のほうがありそう。母シーイズトウショウはスプリント戦線で活躍した名馬。母母ジェーントウショウはトウショウ牧場の実験作ダンディルート3×2。ジェーントウショウの父トウショウフリートもソシアルバターフライ3×3(Your Host4×4)。自家生産にこだわる余り凋落していった牧場の系譜が血統図に刻まれている。スピード活性は高いと予測。

母父ロックオブジブラルタル M:+1
 G1連勝記録7という世界記録を持つ最強マイラーで短距離戦ながらトップスピードを維持するスタミナに長けていた。母父としてマイルG1馬ミッキーアイルを出しているがスタミナも兼ね備えており中距離程度まではこなす産駒が多い。瞬発力はやや低め。

母母父サクラバクシンオー S:+1
 引退レースで叩き出したタイム1:07.1と4馬身差という圧勝劇によって今でもなお短距離最強の呼び声が高い。そのスピード性能ゆえ距離が持たないだろう、と予測された血筋の中からキタサンブラック(母父サクラバクシンオー)が出て、概念を覆させられた。母側に入ると良いスピードのみを遺伝させることが出来るのかもしれない。昭和の日本で活躍した■テスコボーイの生き残りでもある。

▲牝系シラオキ系 F3-l
 岩手・小岩井農場の出身で日本が誇る名牝系。直系からコダマ、マチカネフクキタル、スペシャルウィークといった中長距離を得意とする名馬が出ているが、仔系統コーニストウショウを経由する枝からは女傑ウオッカが出ている。その他もシスタートウショウ、シーイズトウショウが出ており枝の先に進むにしたがって距離が縮まっている印象があるが、スピード傾向が強くなっていると捉えることもできるか。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力   
気性難・爆発
零細 □□
クロス
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス

 
 


ヨハネスブルグ産駒

34.チアズメッセージ16
1600万 4万/口 美浦 大和田
メス 出産時母;16歳高齢

ヨハネスブルグ ヘネシー Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■Dante/3)
(■Tom Fool/2)
オジジアン Damascus
(■Royal Charger/2)
Mr. Prospector
(■Bold Ruler/3)
チアズメッセージ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
アンバーシャダイ ノーザンテースト
(■Tourbillon/3)
(■Khared/3)
(■Dan Cupid/2)

血統評価
 重賞馬の半兄が引退。キンカメの遺伝の薄さとアンバーシャダイの遺伝の濃さをよく示した名馬だったと思う。
 肯定的な評価をしよう、と思って書き出したが、目立つクロスも見当たらず、脚元脆弱な母高齢の牝馬。名牝系の▲Frizetteが3本クロスしていそうだが、さすがに奥まりすぎている。うーん、魅力に乏しい。

母チアズメッセージ
 京都牝馬S勝ちがある重賞馬。全31戦をタフに戦い抜き、重賞掲示板も何度も載って賞金総額は2億を超えている。スピード、先行力に加え操縦性の良さはアンバーシャダイの影響を感じさせる。
 半兄クリプトグラムが重賞を勝ち、母の遺伝力を見せ付けた。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父アンバーシャダイ
 古馬になってから本格化し中長距離戦線で長らく戦い続けた「琥珀色の機関車」。脆弱な脚元を抱えながら大舞台で何度も入着し、現在の社台王朝の礎を築いたと言われている古代血統。

▲牝系Frizette系 F13-c
 世界3大牝系の一つで大繁栄を築いている。Tourbillon、Mr. Prospector、Seattle Slewと大種牡馬が連発している上に競走馬としても活躍多数。軽快なスピードと持続力に長ける。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■ 
爆発
零細  
クロス
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 1:3分配
 

76.アドマイヤレッド16
1200万 3万/口 栗東 鮫島
メス 出産時母;10歳

ヨハネスブルグ ヘネシー Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
(■Dante/3)
(■Tom Fool/2)
オジジアン Damascus
(■Royal Charger/2)
Mr. Prospector
(■Bold Ruler/3)
アドマイヤレッド ストラダヴィンスキー Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
Blushing Groom
(■Mr. Prospector/1)
ハンセル Woodman
(■Northern Dancer/2)
Nijinsky
(■Princequillo/2)

血統評価
 まさか、こんなに少ないはずが無い。またリストで増やしてきますよね!?と短距離属マイナー血統科がクラブに懇願してしまうんじゃないかと思えるくらい、今年では希少な血統図である。
 全兄コンゴウリキシオーがマイルから中距離で活躍したが、全妹の母も軽い血統図で底力は期待できなさそうな雰囲気である。そこにさらにこの軽い父、ということはもう小銭稼ぎ一本だろう。早熟性も他馬より抜けて強いと思われるので、我慢が利かない短距離派の皆様にピッタリだ。Storm Cat-NijinskyのOmaha=Flaresも入っている。オジジアンとWoodmanの▲La Troienneの牝馬クロスもある。Haloを産んだ名牝系の力もありそうだし、短距離派を自称する私にとっては楽しみな快速馬になりそうである。

母アドマイヤレッド
 コンゴウリキシオーの全妹で芝1勝のみ。産駒も全く活躍していない。

母父ストラダヴィンスキー S:+1(アメリカ芝)
 自身は芝のスプリンターでG1を1勝。産駒も短距離が多いが散発的にクラシックの大物を出し、父■Nur.のスピードに母父■Red Godの可塑性がよくマッチしている。日本ではコンゴウリキシオーが代表産駒。

母母父ハンセル L:+1
 米国2冠馬。母父は50%■N. D.、母母は50%Victoria Parkで母はノーザンテーストと類似血である。この母が■Mr. Pro.の中でもやや貧弱な父Woodmanにパワーと底力を与えているといえる。

▲牝系Cosmah系 F2-d
 日本競馬を激変させたHaloを輩出した牝系。活躍馬はややダート寄りで日本における代表馬はグレイスティアラやマンボツイスト。だがローマンエンパイヤなど芝の重賞馬も出している。同牝馬の妹にNatalmaがいて、これまた世界の競馬を激変させたNorthern Dancerを輩出している。スピード活性と早熟性の高い名牝系。
 
期待値 距離 12
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力  
爆発
零細  
全兄弟クロス
Omaha=Flares
牝馬クロス
La Tro.
3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性
 
 



トーセンジョーダン産駒

35.ホールロッタラヴ16
1200万 3万/口 美浦 勢司
メス 出産時母;6歳

トーセンジョーダン ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Mr. Prospector/1)
(■Secretariat/1)
ホールロッタラヴ ネオユニヴァース サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■エタン/2)
(■Prince Bio/3)
Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
Buckpasser
(■Hyperion/3)

血統評価
 セレクトセールでキャロットが一発落札。競り合う声なし。どうしてこの馬に行った!?血統図ではロッタレースにジャングルポケットで■Nur.や■Hyperionのクロスがあり芝中距離先行型になりそうで、▲Best In Showならパワーや柔軟性もありそうなのだが、いかんせんこの母の成績では……
 が、キャロットクラブとは恐ろしいもので、こうした安馬狙いの会員も一定数いるのである。(そうだろうMMK氏?)ブランドだけで会員になっている人の受け皿のために購入した可能性が大きく、少なくとも「ご新規ではない」会員は静観が妥当だ。
 仮に素晴らしい馬体だったならばセールで声がかからないわけがない。セールを経由した募集馬の末路(メジロフォーナ14;メロディーア、2歳春に満口)を知る会員ならば、セール参加者の相馬眼の正しさを知っているだろう。私は手を出さないし、MMK氏にも忠告しておくつもりでいる。

母ホールロッタラヴ
 5戦未勝利。5着1度のほかは二桁着順で競争能力を示さず引退。半姉にフサイチパンドラがいて母母ロッタレースは■Nur.×▲Sex App.と血統マニア的には超のつく名血。父ネオの血の影響が強いせいか筋肉が固い、らしいのでこの母単体としては配合が失敗しているといえる。

母父ネオユニヴァース I;-3 L;-4
 ダービー馬だが産駒への気性の悪影響の高さが災いし悪い話が多い…というよりはっきりいってしまって産駒に知的遅れが多いのではないかと個人的には思っている。得意条件に嵌ればとんでもなく強いポテンシャルは秘めていると思うのだが、発揮できない馬が多い。トップスピードは低く瞬発力を欠くという致命的な弱点があるがパワー勝負に強く重い芝やダートで一変する可能性を持つ。

母母父Nureyev
 ■N. D.の様々な分岐から一番スピードに寄っているのが短距離志向のDanzigだとすれば、中距離志向のNureyevはその次点だと言えるのではないか。卓越した先行力が武器でハイペースに強い反面、変速ギアを持たずスローペースからの瞬発力を欠く。▲Specialクロスの起点となることが多くスタミナを付与しやすいが自身の影響力の強さで鈍足馬を出すことも多い。

▲牝系Best In Show系 F8-f
 スピードとパワーの両立という理想的な特長を持つ名牝系。■Hyperionと■Fair Playで構成される異系が優位なため主流血統の血を増強する効果も高く、トライマイベスト(→キングカメハメハ)、El Gran Senorなどのスピードはこの牝系の影響によるところも大きい。カジノドライヴ、Redoute's Choiceなどから推測するに、中距離までが活躍範囲か。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
気性難
零細
クロス
Nur 3×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

77.プルーフオブラヴ16
1600万 4万/口 栗東 野中
出産時母;16歳高齢

トーセンジョーダン ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Mr. Prospector/1)
(■Secretariat/1)
プルーフオブラヴ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Seattle Slew (■Bold Ruler/3)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/2)
(■Fair Trial/2)
   
血統評価
 上記ホールロッタラヴの続きになるが、母高齢でもこちらなら面白そうだぞMMK氏?!
 母は女傑シーキングザパールの妹で、自身は微妙な競争生活に終わったものの血統図は非常に優秀である。当産駒の血統図を見ても■Seattle S. と■Mr. Pro. で▲Myrtlewood、■Seattle S. と▲クラフティワイフ-■Buckpasserで▲La Troienne、▲ダンスチャーマーと■サンデーサイレンスでHeliopolis-Gulf Streamの3/4クロスと爆発力の源が豊富に見つけられる。一見すると■Nas.の濃度が濃く持久型になりそうで、(母自身も持久力型だったが)■Northern D.の刺激が入ることで▲Goofedの血が目覚めないだろうか?上記クロスも母から父に含まれる名牝系を複数刺激しているので、父側の良さも引き出される可能性がある。
 牡に出たのはとても良かった。ジャングルポケット寄りに出ても、クラフティワイフ牝系寄りに出ても、どの距離に出てもスピードの刺激はある程度入りそうなので活躍は見込めそうだ。個人的には父ジョーダンの血を引く長距離砲を期待している。母高齢だが、一発狙いで獲りに行く価値はありそうだぞMMK氏!?

母プルーフオブラヴ
 女傑シーキングザパールの妹で2勝。産駒はマニアックな種牡馬がほとんどだが複数勝利を挙げているものが多い。姉シーキングザパールは死去しており、この牝系を繋ぐ大切な繁殖牝馬となっている。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父Seattle Slew I:0 L:-2
 現役時代は先行粘りを特長としアメリカ3冠を勝っている。現在でもアメリカ主流血統の一つ。■Nas.のクロスに■Pr. q.の補助をつけStriking=Busher、▲La Tro(/2×2)の全姉妹クロスも持つ。▲Myrtlewood(/5)は当時のダート短距離のレコードホルダーでアメリカ競馬の殿堂入りをしている名牝である。■Mr. Pro.(/4)の牝系と共通しておりスピード強化に繋がる可能性がある。
 産駒もこの馬の遺伝を受けると先行持続型になることが多いか。

▲牝系Goofed系 F17-b
 瞬発力の権化Lyphardを出した牝系で日本でもシーキングザパール、トーセンラーといった強豪を次々に輩出する。平坦京都で暴れまわる活性の高い血。元を辿ればスカイディーバ16と合流するが、当馬のほうが活性は遥かに高い。

期待値 距離 16-24
傾向 持久 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス
Myrtlewood
3/4クロス
Helio.-Gulf.
ニックス 特殊 ボトム活性
 



ワークフォース産駒
 
36.ネオイリュージョン16
1000万 2.5万/口 美浦 武藤
メス 出産時母;10歳 母優先

ワークフォース キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
Alleged
(■Herbarger/3)
ネオイリュージョン ネオユニヴァース サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
Kris
(■Prince Bio/3)
ラストタイクーン トライマイベスト
(■Mill Reef/1)
(■Tourbillon/4)
(■Nijinsky/2)

血統評価
 当父のこれまでの産駒の勝ち上がり率は20%を割り込んでいる。未勝利で終わる産駒が80%以上居る、ということで、当馬以降の4頭募集の中から勝ち上がる1頭を真剣に探しに行く!  え、本当に!?
 血統図に左手を置いて、手のひらで父の半分を、指先で母父を隠してみよう。おっ、大王キングカメハメハですね!……手で隠した部分が、いわゆる「傷物血統」というやつで、重馬場向きでスピードを削ぐ因子である。ミーハーな新規会員の好きそうな血統なので、ぜひ票を吸い取ってほしい。良い大人の皆様にオススメできる血ではない。仮に父ロードカナロアだったら大歓迎だったのになぁ

母ネオイリュージョン
 大王キングカメハメハの半妹だが怪我に泣き2戦で引退。母マンファスは10歳時にキングカメハメハ、11歳時にフローラS2着のレースパイロットを産んでおりここをピークに繁殖能力が急降下した。どうでもいいことだけど、ネオユニヴァースが2003年ダービー馬、キングカメハメハが2004年ダービー馬なので、後輩の母との配合ってことになるね。いや、ホントどうでもいいんだけどさ。

母父ネオユニヴァース I;-3 L;-4
 ダービー馬だが産駒への気性の悪影響の高さが災いし悪い話が多い…というよりはっきりいってしまって産駒に知的遅れが多いのではないかと個人的には思っている。得意条件に嵌ればとんでもなく強いポテンシャルは秘めていると思うのだが、発揮できない馬が多い。トップスピードは低く瞬発力を欠くという致命的な弱点があるがパワー勝負に強く重い芝やダートで一変する可能性を持つ。

母母父ラストタイクーン M:+2
 超短距離の1000mを得意としたスプリンターでG1を3勝。最後に挑戦したBCマイルでも好タイムで勝利を挙げており絶対的なスピードの持ち主であることを誇示した。代表産駒にMarju、その仔サトノクラウンがそこそこ活躍しているとおりやはりスピードの遺伝は高い。母父としてキングカメハメハを出しており日本競馬の血統図に末永く残ることになる。

▲牝系Aimee系 F22-d
 直系にBlushing Groom、ちょっと先にアグネスデジタルやキングカメハメハといった万能型が揃う。飛び出た才能は持たないが優れたスピード能力を武器に競争条件を問わず戦える名牝系と言える。

期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
爆発
零細
クロス
N. D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
ニックス 特殊


78.ローズノーブル16
1000万 2.5万/口 栗東 吉田
メス 出産時母;7歳 母優先

ワークフォース キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
Alleged
(■Herbarger/3)
ローズノーブル ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Sevres Roses Caerleon
(■Hyperion/5)
(■Caro/1)
(■Bold Ruler/4)

血統評価
 母は堅実に稼いだ功労馬で、半弟ローズミラクル(父フジキセキ)、アジュールローズ(父ヴィクトワールピサ)が3勝を挙げており当クラブにおける名牝系の出身と言える。
 が!牝系のほうが強い、すなわち欧州系の重めの血が勝っている血統に重めの父の配合である。これまでの活躍馬傾向から言ってもこの牝系にあうのはスピード系の父で、この父との配合では鈍足が予測される。未勝利の壁は破れないだろう。

母ローズノーブル
 芝マイル近辺で4勝。平均ペースを先行できる能力は父ディープというより牝系のヨーロピアンが利いているか。名牝ヴィアンローズの娘で、TNBの持ち馬でダービーに出走したアジュールローズの半姉。スタミナを活かした持久力が持ち味だが瞬発力は低め。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父Sevres Roses
 未出走。祖母Lady Berryがフランス長距離G1のロイヤルオーク賞を、母Indian Roseがフランス中距離G1ヴェルメイユ賞を勝っており超期待の星だったことが予測される。産駒ヴィアンローズでG3勝利がやっとで、種牡馬成績も失敗に終わっている。

牝系Klarnet系 F7-c
 日本に来た牝系子孫からポップロック、サンライズバッカスといったいぶし銀が出ているが勢いは微妙である。同族に大正から続くアストニシメント牝系があり、こちらの系統からクリフジやメジロマックイーン、あるいはブルーコンコルドやオフサイドトラップ、ゴッドスピードといった才能豊かなタレントが揃う。ある程度のスピードの付加と、父の力を引き出す特徴がある。

期待値 距離 20
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■■
馬力 ■■  
爆発
零細
牝馬クロス
La Tro.
ニックス 特殊


シシリアンブリーズ16 リスト消失
- -
出産時母;8歳 母優先

ワークフォース キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
Alleged
(■Herbarger/3)
シシリアンブリーズ ゼンノロブロイ サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
(■Mr. Prospector/1)
(■Icecapade/2)
Classic Go Go (■Fairway/4)
(■Never Bend/1)
Icecapade
(■Roberto/1)

血統評価
 当父のこれまでの産駒の勝ち上がり率は20%を割り込んでいる。未勝利で終わる産駒が80%以上居る、ということで、当馬以降の4頭募集の中から勝ち上がる1頭を真剣に探しに行く!  え、本当に!?
シシリアンブリーズ15の評価
 当クラブにこの父の産駒が4頭も!ネタ枠ではなく購買検討枠として4頭も!押し付けられて飾られているところにクラブの悪意愛を感じるのだが、購買力の乏しい、妻に虐げられてわずかな金銭で馬主気分を楽しもうとする弱小会員に優しいクラブだということである。もちろん、皮肉です。
 ということで、クロフネの半妹だが初仔ヴァルディノートのデビューは芝短距離であり母系の血統特性は薄められている。去年の評価は全くの的外れだったということですよ!ということは父側の力に競争能力を頼るしかない。ということで、勝ち上がる馬は当馬ではない。
 父は欧州へ返還。エイシンフラッシュ貴公子がいるからね。仕方ないね。さようなら。

母シシリアンブリーズ
 ゼンノロブロイの産駒にありがちなパターンなのだが、良いセンスで勝ち上がり次戦に格上挑戦、そこで嫌気がさして馬が走るのをやめてしまう、という悪い経過を当馬も辿った。クロフネの半妹だがダートを走らせたところで500万以降は凡庸だった。

母父ゼンノロブロイ I:0 L:0
 ■サンデーはいいにしても■マイニングは早熟のスプリンターでどこに古馬グランドスラムを達成するような優れた資質を持っていたのか、今でも不思議な血統図である。種牡馬の項で自分なりの見解を述べたが、■サンデーに▲類サンデーを掛け合わせた相似の濃縮配合なので突然変異的な活躍だったのだろう。瞬発力、先行力ともに凡庸で遺伝力が弱め。「レースをやめてしまう」というやっかいな気質は伝わりやすい。

母母父Classic Go Go
 アメリカの条件戦勝利のみ。繁殖成績も大したことは無くクロフネのみの一発屋。そのクロフネもフレンチデピュティにスピードを乗せたという印象が強く、結局■Fairwayの補助血統ということか。

▲牝系ブルーアヴェニュー系 F2-r
  種牡馬クロフネを出したほかに目立った活躍馬はいない。同族全体を見渡してようやくキストゥヘヴンが居る程度である。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
爆発
零細
クロス
Mr. Pro. 4×5
Near. 5×5
牝馬クロス
La Tro.
ニックス 特殊


ミニョネット16 リスト消失
- -
出産時母;6歳 母優先

ワークフォース キングズベスト Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
(■Tantieme/2)
(■Donatello/3)
Sadlar's Wells Northern Dancer
(■Hail to Reason/2)
Alleged
(■Herbarger/3)
ミニョネット クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
Sharpen Up
(■Amerigo/2)

血統評価
 ビスクドールの子孫にもかかわらず微妙な成績で終わってしまった母に、これまた微妙な父の配合である。全姉レースドール(中央2勝で競争能力はこちらが上)の仔で全同血のブライトクォーツが絹クラブで募集だが7月時点で未勝利。名牝系でもこの父との相性はすこぶる悪い。これが■キングカメハメハだと重賞級がポンポン出るのに、不思議。
 だが、今年のワークフォース産駒の中から「勝てる」幼駒を探すのならばこの馬が一番可能性が高い。欧州芝馬の血は日本では(相対的に)ダートに適性があり、この父も同様に牡馬のダート勝率が(相対的に)高い。そして、この母の先行力と真面目さはプラスに働くはずなのだ。ボトム活性で■Native D.の先行力を補助しているのも良い。父の力が頼れないときにこそ輝くのが名牝系というものである。20%の壁を破るべく頑張って欲しい。
 ちなみに、昨年DDKが買ってしまったジュモー15(タートルボウル×ビスクドール牝系)に向けて願望を込めた妄想を語っているにすぎないのは重々承知なのであまりその傷を抉らないでいただきたい。

母ミニョネット
 先行粘り腰の善戦型で500万でも入着を繰り返した孝行馬。結局短距離ダートに収まったのも実にわかり易くて良い。ビスクドール牝系の良さを引き出すまでには至らなかったが、それは次世代に期待。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。
父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系フェアリードール系 F9-f
 トゥザヴィクトリーを輩出した超・名牝系でほかにもサイレントディール、デニムアンドルビーといったスピードと瞬発力の豊かな活躍馬を出している。ちょっと遡ればアパパネの属するAffiction牝系、さらに遡ればベガ牝系の源流であるBlack Star牝系などが見られとても勢いのある一族である。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性 穏やか
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
爆発
零細
クロス
Mr. Pro. 4×4
N. D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
PJ-Nr
ニックス 特殊 ボトム活性




ゴールドアリュール産駒

41.ポロンナルワ16
4000万 10万/口 美浦 萩原清
出産時母;8歳 母優先

ゴールドアリュール サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/3)
ポロンナルワ Rahy Blushing Groom Red God
(■Wild Risk/1)
Halo
(■Herbager/1)
シングスピール (■Sadler's Wells/1)
Grorious Song
(■Hyperion/4)
(■Relic/4)
 
血統評価
 半姉ディーパワンサが低価格帯ながら大激走を見せシンハリーズ牝系のスピードを見せつけた。
ポロンナルワ14の評価

 一見するとダート寄りの配合に見えるがこれはRahyのダート瞬発力を引き出す配合だ!とは誰も思わないだろう。■Nur. - ■Sad. Wel.の3/4配合を活かした▲Special牝系の賦活を狙っているに違いない。
さらにSad. Wel.からシングスピールに向かうスピード血統を伸ばそうという試みである。ボトムの奥のHyperionがForliを経由しているのでスタミナが強化されているという推測もできる。この母にさらにクロスを上乗せしてくるとは、牧場も思い切ったことをやる…と思ったが、この母、この牝系への思い入れがそれだけ強いのだろう。
 一年上の全兄はセールに売られ8000万の高値で売却、当馬も同程度以上の値がつくのは間違いない。や、安い!?が、ディーパワンサ以上の活躍を期待できる配合である。

母ポロンナルワ
 怪我で未出走。牝馬クロス2×3では遺伝へのダメージが大きすぎたか。初仔のディーパワンサが活躍しているが、体質さえ克服できているのなら良産駒を連発する可能性が高い。

母父Rahy
 競争成績はG2勝利程度、半兄Devil's Bagの血の威力を借りて種牡馬入り。活躍馬は微妙でマイルまでの短い距離を走る産駒が多かったがダートの瞬発力に秀でた産駒が多く父Blushing GroomにGrorious Songのスピードが付加された脚抜きの良いダートをスピードで勝負する傾向を遺伝させていたと考えられる。

母母父シングスピール I:0 L:+1
 アサクサデンエン、ローエングリンといった名マイラーの父で得意距離が自身よりも短い産駒を多く出す。上記の産駒が安田記念を得意としたようにスタミナや持久力を必要とするミドルペース以上でスピードとスタミナの本領を発揮する。サンデー系の苦手とする東京マイルの上級条件で強い。逆に瞬発力のなさが泣き所。

牝系Selene系 F6-e
 大種牡馬Hyperionを出した牝系で後継の枝はシンハリーズ系に絞られつつあるものの快速馬を連発している。スピード優位でスタミナもある。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難・爆発 ■■
零細
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Special 6×6
3/4クロス
Nur-Sad.
ニックス 特殊
 

81.クリソプレーズ16
5600万 14万/口 栗東 音無
出産時母;14歳 母優先

ゴールドアリュール サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Nureyev Northern Dancer
(■Hyperion/3)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/3)
クリソプレーズ エルコンドルパサー Kingmambo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
Sadler's Wells
(■Seattle Slew/1)
Riverman Never Bend
(■Princequillo/2)
Ribot
(■Prince Bio/2)
 
血統評価
 今年は芝ではなくダートを狙ってきた。クリソライトの全弟である。
クリソライト15の評価
 この系統はなにより体質が大事なので半姉の体重がまだ増えてこないことを考えるとやはり成長は遅めになるか。クリソライトはタフに使い込まれ3歳でも十分な成績を残していたが、牝馬になるとどうなるか?
 ■Nur.と■Sad. Wel.の牝馬Specialクロスは去年も述べたが母クリソプレーズは母父エルコンドルパサーの濃い血に■Rivermanを掛け合わせて▲Lalunのクロスまで作っているので体質と気性を損なう代わりにスピードとパワーを遺伝させている。ここにさらに■Nur.を持つゴールドアリュールを配合したのは血の濃縮を狙ってのことだろうか。クリソライトは副次的、と言ってしまうのは暴論だろうが、牧場はこの配合の牝馬が欲しかったに違いない、本当は。
 ▲Specialのスピードとスタミナ、▲Lalunのパワーはともに全兄が証明済みなので産まれた瞬間に素養は保障されているはずだ。去年の値段に遜色ない高価格、大抽選は必須であろう。

母クリソプレーズ
 自身は芝中距離で3勝、生涯にわたって堅実を貫いた条件馬。父エルコンの▲Special牝系クロスの濃さと、母キャサリーンパーのNas.=Malindi全血クロスの2種のクロスがお互いに邪魔されずに両立しているのが特長。

母父エルコンドルパサー M:0 L:+2
 種牡馬成績に絞れば短い実働期間の中で産駒に豊かな運動能力を与え、幅広い条件で活躍させたと言える。SpecialとLisadellが25%を占めるそのスピード血の濃縮を無個性の■Mr. Pro.が上手く底上げしていると言える。反面、牝系の力を借りないと凡馬になる傾向も。

母母父Riverman
 京都で特に強い血統で長距離戦での持久力に富む。近年の京都G1の勝利馬はこの血統を近くに持っていることが多い。Never Bendの先行力と持久力を良く引き継いでいるのだろう。

▲牝系はPlucky Liege系 F16-a
 Bull Dog、Bios Rousselといった大種牡馬を含む超名牝系。他にもPleasantly Perfectやシーザリオといった名馬からFappiano、オジジアンといった力自慢まで揃っておりスピードとパワーの遺伝力が強いと推測される。その仔系統キャサリーンパーからアロンダイト、マリアライトとG1馬が2頭も出ており同族内でも特に勢いのある系統になっている。

期待値 距離 20-24
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難・ ■■
零細
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
Special 6×6
Lalun 5×7
3/4クロス
Nur-Sad.
ニックス 特殊
 

その他の産駒

37.カラベルラティーナ16
1400万 3.5万/口 美浦 加藤征
メス 出産時母;12歳 母優先

ヴァーミリアン エルコンドルパサー Kingmambo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
Sadler's Wells
(■Seattle Slew/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
ノーザンテースト
(■Spy Song/2)
カラベルラティーナ クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
A. P. Indy Seattle Slew
(■Secretariat/1)
Caerleon
(■Top Ville/4)
 
血統評価
 産駒や弟妹に不幸な事故が続き、多くの会員の心を折った。その産駒が再び募集である。
カラベルラティーナ14の評価

 母の血統表でわかる通りダート持続力の濃い配合で、過去の配合もダートでの活躍を目指したものだったと推測される。今回もダート種牡馬の、さらにサンデー系統を嫌ってのヴァーミリアンと考えることも出来るが、その奥にいくらかの牧場の思惑を推測することも出来る。
 まず■Mr. Pro.を配合することで■Seattle S.とアメリカダート牝系▲Myrtlewood(8×10×9)のクロスを作ることになる。さらに■Sad. Wel.、■Seattle S.、■Caerleonで▲La Troienneのクロスも出来ておりパワーを強化している。さらに、ヴァーミリアンが属する牝系▲Your Hostessはアメリカダートで活躍した牝系で兄弟ダイワメジャーでわかるように馬格とパワーを強化している。
 牧場が当母に期待しているのはパワーダート馬なのである。さらに、母母スターミーとダイワメジャーの配合フルグランは(少なくとも)見栄えは良く、当母の牝系と▲Your Hostessが相性が良いと推測される。母の持つ爆弾要素に火をつけてしまったのが■サンデーなのだとしたら、この産駒ならば大丈夫かもしれない、というのは甘い考えか…?
 怪我のリスクは非常に高いと酷評せざるを得ないが、それを乗り越えられれば活躍の素地はある。

母カラベルラティーナ
 自身はダート短距離を3勝。先行力と粘り腰で戦った小銭稼ぎ馬だった。妹にヒカルアマランサス、弟にカレンミロティックと重賞活躍馬が出る一方でそのさらに弟のスターノエルはよく戦ったが故障引退、フルグランは2戦で故障引退とガラスの脚から逃れられない運命にある。(さらに下のスターミー12もメディカルチェックに引っかかり競走馬登録されなかった。)
 当母の産駒にも悲惨な事故が続き13年産、14年産が連続で(ほぼ)出走前に故障引退している。

母父A. P. Indy I:+1 L:+1
 ベルモントSでたたき出したタイム2:26はそれまで史上3位の好時計で、脚元のトラブルで回避した前2冠も出ていれば楽勝だったのではないかとまで評される名馬。他にBCクラシックも制している。種牡馬としても功績多数、先行力と持久力を活かして優等生なレースをする産駒が多い。
 キツいクロスが脚元の脆弱性を遺伝させるが、それを差し引いてもスピード活性と持久力は魅力的。ダートの中距離を叩いて短距離勝負、で結果を出す。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。
父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

牝系Wild Agnes系 F16-d
 同族にキャロット看板牝系のジンジャーパンチが居て期待は大きい牝系…なのだがどうにも評判倒れの可能性が漂う。活躍馬は同族内には居ない。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス
Sea. S. 5×4
牝馬クロス
Myrtlew.
La Tro.
ニックス 特殊
 

38.プロミネント16
2000万 5万/口 美浦 手塚
メス 出産時母;12歳

ブラックタイド サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
プロミネント タイキシャトル Devil's Bag Halo
(■Herbager/1)
Caerleon
(■Hyperion/4)
ヘクタープロテクター (■Mr. Prospector/1)
(■Riverman/1)
(■Northern Dancer/2)
(■Bold Ruler/3)

血統評価
 去年の募集停止、歴代の産駒の結果を見てみるととてもではないが手を出そうと思えない。せめて■Turn-toの血を薄める配合ならいいがサンデー以外にも■Sir Ivorが入っている父なので……
 骨太で短距離系の父との配合が待たれる。

母プロミネント
 4戦未勝利。デビューが遅れたのも原因だが競馬を覚える前に時間が切れてしまった、と思われる。半兄にダービーを逃げ粘ったアドマイヤメインがいて上手く仕上げれば上級戦まで戦えるスピードはありそうなのだが、競走馬登録できない産駒が2頭、怪我安楽死が1頭と虚弱な体質によるトレーニング不足に陥りそうでやや怖い。
 父キンシャサノキセキとの配合で産まれたモアナは芝短距離で良いスピードを見せており、こうした割り切った配合が良い結果に結びつくのかもしれない。

母父タイキシャトル S:+1 M:0
 最も得意としたマイル戦では生涯不敗を誇りジャックルマロワ賞で世界を獲った怪物。あまり速く見せないのにいつの間にか後続を突き放しているそのトップスピードの高さはレースラップを見ても分るとおりまさに脅威。ダート戦でも楽勝しておりダートへの適性もあったと考えられ不良馬場にも強い。母父Caerleonの影響を受け産駒の得意距離はマイル近辺に集約している。

母母父ヘクタープロスペクター M:0
 デビューからマイル付近で8連勝の快速馬だった。大舞台で弱く父Woodmanの特性をそのまま引き継いだ早熟前哨戦血統。芝の剥げたローカル、湿ったダートなど芝とダートの中間をなぜか得意にするが■Rivermanの良さを消してしまっている。

牝系アサーション系 F13-a
 Pacific Princess牝系の大爆発を受けて輸入された同族牝系。アドマイヤジュピタが最高傑作だが他はイマイチ。体質の弱さも懸念される。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■■
馬力   
気性難
零細
クロス
Halo 3×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊

 

39.ライツェント16
2000万 5万/口 美浦 鹿戸
メス 出産時母;9歳 母優先

エンパイアメーカー Unbridled Fappiano Mr. Prospector
(■Dr. Fager/1)
Le Fabuleux
In Reality
El Gran Senor Northern Dancer
(■Buckpasser/1)
In Reality
(■Bold Ruler/2)
ライツェント スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Nijinsky/1)
(■Aureole/2)
Machiavellian Mr. Prospector
(■Halo/1)
Nureyev
(■Blandford/5)

血統評価
 今年の変態枠 マイナー種牡馬枠である。半姉ディアドラがオークスで4着に大健闘。狙っていた私の複勝を打ち砕いた。当時の血統評価(募集されなかったが)で「トリプルクロスがどう出るかわからない」と書きつつも物凄く否定的な評価だったことを後悔している。実際のところ、おそらくディアドラは中長距離戦線でさらに活躍するだろう。半兄オデュッセウスがダートもこなせることから汎用性に富んだ血脈であるといえる。おそらくはスピード活性を残したまま可変性をもたらしているという点でMachiavellianが良く効いているのだろう。
 そこに、汎用性の高い父エンパイヤメーカーである。パワー優位でありながら芝向きのスピードをEl Gran Senorで付加する、母と良く似た構成でなんとなく相性は良さそう。(ただし兄にあった▲Specialの牝馬クロス、姉にあった▲Almahmoud牝系クロスは消失している。)結局はダートの小銭稼ぎになりそうだが、上手く立ち回れば春のクラシックまでなら夢を見せてもらえるかもしれない。そんな馬主孝行な馬が、マイナー血統好きの貴方を待っている。

母ライツェント
 4戦未勝利。産駒ディアドラ(父ハービンジャー)がいいスピードとそこそこのスタミナを持ちオークスで4着に健闘している。後方一気から差せるのは能力が高い証拠で、牝系のスピードを父が強化している。他の産駒や兄弟は地方ダートの重賞でいい走りをしており、ディアドラがMachiavellianの変異か。スピード活性の期待は高い。

母父スペシャルウィーク I:0 L:-1
 多くの種牡馬が牝系のスタミナを削ぎ子孫をマイラーへシフトさせていく中、長距離向きのスタミナと高速スピードの遺伝を併せ持った王道血統。スローペースからの瞬発力勝負はやや苦手だがミドルペース以上のスタミナ戦と東京の長い直線を大得意とする。

母母父Machiavellian S:-1
 アメリカ生まれのフランス育ち。血統は育成を凌駕するのか、早熟性を発揮し2歳戦でG1を制覇したものの3歳では勝てず引退。種牡馬成績が素晴らしく、距離や馬場を問わず様々な場面で活躍する産駒を出した。日本では母父としてアサクサデンエンやヴィルシーナなどのマイルでのスピードを強化している他に、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制してスピード能力と可変性を証明し、大震災後の日本に明るい話題を与えた。
 Machiavellianの母Coup de Folieはその父Haloその母Raise the Standardともに▲Almahmoudからの分岐で、サンデー系やDanehill系にスピード能力を強化する。

▲牝系Sonic Lady系 B3
 仔系統Soninkeからアコースティクスを経てロジユニヴァースが出ているが、これはMachiavellianの変異によるもので他の仔系統は超短距離志向である。この系統での牡馬の活躍を見るとダートの道を究めるのも悪くないのかもしれない。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 早い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細 □□
クロス
Mr. Pro. 4×4
N. D. 4×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


40.シーザシー16
1600万 4万/口 美浦 大竹
出産時母;8歳

トーセンラー ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
Lycuis Mr. Prospector
(■Lyphard/1)
Sadler's Wells
(■Aureole/3)
シーザシー Lemon Drop Kid Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
Seattle Slew
(■Buckpasser/1)
Broad Blush (■Himyar/-)
(■Ribot/3)
(■Hail to Reason/1)
(■Nijinsky/2)

血統評価
 父トーセンラーは父父ディープに母系でLyphard(+Goofed)を強調しており、距離の長短に関わらずとにかく京都の瞬発力勝負を得意にしていたイメージがある。坂が苦手だったのか、下り坂が上手だったのか、ディープの特長をさらに先鋭化した種牡馬になるのではないかと考える。
 この母は逆に高速決着に強い母父とパワー要素のある母母父の血を持ちこの父の弱点を補うだろう、と言いたいところだが、この母の繁殖成績ではいくら零細好きのヒネクレ会員の方であってもオススメすることは不可能である。おそらく致命的な欠陥があるのだろう。

母シーザシー
 1戦未勝利。競争能力は未知数。海外からの輸入馬なので期待は大きかったと推測されるが?  2013年産、2014年産とも全くまともに走れず引退している。

母父Lemon Drop Kid I:-1 L:0
 米国でG1を5勝、2冠馬カリズマティックの最終戦ベルモントSで勝ち翌年には最優秀古馬に輝いている。特に高速決着に強い傾向があり持久力にも優れる。これは母母Lassie Dearの孫にA. P. Indyがいることからも牝系の影響が強いと推測される。

母母父Broad Blush I:+1
 米国競馬の祖とも言える「旋風」Domino血統を引き継ぐ零細血統。主流血統に押されコンスタントな活躍馬は出せないが、パワー遺伝が強くダートで散発的に大物を輩出している。

▲牝系Buoyant系 F19
 直系には活躍馬が見当たらないがちょっと辿るとダローネガ、インティライミ、レインボーラインといった善戦マンに行き着く。爆発力には乏しいが継続的に活躍馬を出しておりスピード活性はそこそこある。
 
期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
爆発
零細
クロス
Mr. Pro. 4×4
H. to R. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス
La Tro.
3/4クロス
Sad.-Nur.
ニックス 特殊 ボトム活性

 

79.ピンクアリエス16
1000万 2.5万/口 栗東 羽月
出産時母;9歳 母優先

トーセンホマレボシ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Mr. Prospector/1)
(■Secretariat/1)
ピンクアリエス キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
Storm Cat Storm Bird
(■Secretariat/1)
Blushing Groom
(■Dr. Fager/1)

血統評価
 去年はブリランテとの配合、今年は少し目先を変えてホマレボシとの配合。手探りな感じは否めないながらもサンデーを含まない当繁殖への牧場の期待は感じられる。
ピンクアリエス15の評価

 血統的な特徴は昨年も書いたが母の半兄にスピリタス、母母ピノシェットの妹にレディパステルと中距離で活躍できそうなスピードとパワーを含んでいそうな牝系ではある。去年の産駒が牡だったら間違いなく買っていた(言い訳)だが去年の産駒の、スピードがありそうな馬体を見ているとやはりSunny Gulf牝系の力を感じずには居られない。さらに「ブリランテよりもディープに似ている」と言われる半姉から推測するにディープ/2とStorm Cat/3のニックスがかなり効果的ではないかと思えるのである。
 ブリランテよりもさらにパワーに寄っている配合なので距離適性は短くなり瞬発力も削がれる可能性はあるが牡馬!なので父譲りのカッコいい先行馬になってくれると、いいなあ。
 半兄サンディークス(父ヴァーミリアン)と血統が重なる部分があるのでもしかしたらダートに出るかもしれない。ならばさらに楽しみが増す。

母ピンクアリエス
 未勝利引退、掲示板にも載れなかった。母母ピノシェットはアメリカからの輸入馬で当馬の半兄スピリタスが代表産駒。ピノシェットの妹レディパステルが大活躍しておりF1の名牝系を引き継いでいると言える。当馬にもその恩恵は少なからずあるはず。

母父キングカメハメハ M;+1 L;+1
 現代競馬の中でもトップクラスに固かった2004年の東京馬場を超高速で駆け抜けた大王。あのダービーは故障馬が続出した悪夢だった。さすがに脚への代償が大きく志半ばで引退したが種牡馬では■サンデーに対抗するスピード系種牡馬の地位を確立した。
 この血自体はある程度の先行力とスピード付加程度で、牝系の良さを倍加させる強みがある。牝系の力を引き出す、と言う点で実に■Mr. Pro.らしい血。

母母父Storm Cat
 自身は早熟+短距離の快速馬でBCジュヴェナイル2着。父としては北米の粘土ダートが得意なパワー型短距離血統で瞬発力勝負の苦手な一本調子のスピード血統。同じく■N. D.系の北米ダート種牡馬フレンチデピュティとなんとなく似た特長があるのは母にBold Ruler系が入るからだろうか。とすると血を縛る効果の強い(■Sec. /2)Storm Catのほうが距離が持たずフレンチデピュティ(■B. R. /3)のほうが可変性がある、と考えられる。
 どちらもサンデー系の長距離血統と相性が良いのはパワーの補完が利いているからと言えるだろうか。
 Storm Catの父Storm Birdは(■N. D. /1 ■Bull Page/3 ■Flares /4(=Gallant Fox × Flambino))で■Nijinsky(■Bull P. /2 ■Omaha/4(=■Flaresと全兄弟))と相似な血を構成している。スペシャルウィークやマルゼンスキーを含む血統との相性の良さが推測できる。

▲牝系Sunny Gulf系 F1-l
 ネオユニヴァース、エリンコートなどクラシック中心の活躍馬多数。本流はバレークイーン牝系に譲るとしてもこちらピンクタートル系からもレディパステルが出ておりスピードと一発屋根性では見劣りしない。
 
期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難
零細
クロス
Nur 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス
DI - StmC
特殊 3:1分配

 

80.ダブルゴールド16
2800万 7万/口 栗東 清水
出産時母;8歳 母優先

クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister Vice Regent
(■Fair Play/5)
(■Princequillo/3)
(■Bold Ruler/1)
Classic Go Go (■Fairway/4)
(■Never Bend/1)
Icecapade
(■Roberto/1)
ダブルゴールド ゴールドアリュール サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
Nureyev
(■Nijinsky/2)
Seeking the Gold Mr. Prospector
(■Tom Fool/2)
Danzig
(■Turn-to/3)

血統評価
 クロフネが遂に1頭だけの募集になったか、と隔世の感もある。が、その1頭がその手のマニアにとっては垂涎の逸品血統なのだから堪らない。母父、母母ともにダートのG1馬で名前負けしない豪華な配合に父クロフネである。これはダートに極振りした配合だろう……と考えるのは、誰でも思いつくことなので、さらにそこを当評価では深めたい。
 母父ゴールドアリュールの血統特性はエスポワールシチーやコパノリッキーといった代表産駒のように持久力を活かした先行勝負でスタミナ優位と言える。短距離のスピード勝負には向かない。父クロフネの血統特性もまた同様で、ダート産駒はスピードや瞬発力は低いものの持久力勝負に強い。母母ゴールドティアラは短距離を得意としていたが、そのスピードにスタミナと持久力を注ぐ目的で配合が重ねられていると考えることは出来ないか。
 という牧場の目的を踏まえると、当馬は明確に東京あるいは中京の重賞狙いだろう。他人の褌で大変恐縮だが、崇拝する血統家・望田氏のブログによれば砂黄金配合といえば■Mr. Pro. & ■Nur. & ■Roberto だそうで、コパノリッキーやフリオーソがこの配合を持っていた。スタミナとスピードの融合が高いレベルで融合しているはずである。
 これは、期待が大きいぞ。抽選は間違いないが。

母ダブルゴールド
 1戦1勝。この血統なのに芝2000mでデビューし鮮やかに勝利した。怪我で引退となっているが、結局この血統の遺伝もこの馬自身の力も未知数のままに終わっている。初仔ゴールドタンバリンはデビュー前。

母父ゴールドアリュール
 ダービーまでは芝を走っていたが、その後ダートに活躍の場を移すと大爆発。晩年まで活躍し、しかも産駒にも活躍多数。父譲りのダート能力にスピードを加えたダートの理想型と言える。母父Nureyevの持続力を筆頭にその他の因子に■Hyperionなどのスタミナ要素を多く持つ。逆にパワー要素に乏しく重馬場や坂を苦手とする。東京ダートが大得意。

母母父Seeking the Gold
 自身はアメリカのダート中距離G1を2勝。特筆すべきは種牡馬成績で芝ダートの短~中距離まで世界規模の能力を持つ産駒を乱発したことだろう。■Mr. Pro.に■Buckpasserでニックス配合なのでスピードの付与と母側を支持する補助血統となっている。

▲牝系Exclusive系 F10-a
 アメリカ年度代表馬カリズマティックが出ているダート牝系。持続力とパワーが持ち味だが成長力の遅さがネック。もう少し奥まで探ると別枝からRiverman、ロックオブジブラルタルといった大種牡馬にたどり着き、馬格の良さも遺伝させる。

期待値 距離 16
傾向 スタミナ 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久
馬力
気性難・爆発
零細
クロス
N. D. 5×5
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性




地方馬は購入予定なし

82.ササファイヤー16
は高齢のため候補に入りません

83.デルフィニウム16
は地方所属です。

84.エポキシ16
は地方所属です。

ダンカーク Unbridled's Song Unbridled Fappiano
(■Le Fabuleux/1)
Caro
(■Hyperion/4)
A. P. Indy Seattle Slew
(■Secretariat/1)
Alydar
(■Ribot/2)
エポキシ ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/6)
(■Lyphard/1)
(■Busted/1)
ザイーテン Danzig
(■Habitat/1)
(■Red God/1)
(■Blandford/5)

血統評価
 今年の腐女子芦毛枠。血統だけ見たら絶対買わないと思うが、おそらく「可愛い」と女子人気の出そうな毛並みは間違いないだろう。他に募集する理由が見当たらない……社長さん、秘書の艶やかな女性に「この馬買って」と言われると思います。買ってあげてください。分り易い色なので競馬場でも目立ちますよ。
 父ダンカークは血統図を見てわかるとおりパワーと持続力のダート血統で、欧州■Northern D.の血を含んでいない。父ディープで母■Mr. Pro.でダービー馬が出るのなら逆はどうなの?という実験作で、母父ディープで父米国血統の当馬が芝をガンガンこなせるようなら新たな境地が開ける、のだが……どちらにしても長距離を走るイメージは無く短距離向きだろう。とすると頼みのスピード要素が足りない気もする。

母エポキシ
 未勝利引退。逃げ追い込みどちらも芽が出ず、どういう適性があったのかも不明。未勝利を勝ちあがるスピードと勝負根性が無かった、と言う点では母父ザイーテンの良さが出ず■Blandfordの奥手クロスに悪影響を受けたか。

母父ディープインパクト I:-1 L:+1
 ■サンデーに■Lyphardを付加した瞬発スピード型で末脚を活かすスローペースからある程度のミドルペースまでこなす万能種牡馬。最高速と持続力を求められる短距離だけが鬼門だが、それすらも牝系の力を借りられれば克服が可能。母父としての結果はまだ出ていない。牝馬の活躍馬が多いのは母父Alzao譲りであるといえる。

母母父ザイーテン S:0
 アメリカ生産でフランス調教馬。早熟のスプリンターでデビューから5戦連勝のあとは伸び悩み、日本に来た事もあるが当時の日本馬にも勝てない程度の能力だった。産駒も目立った活躍馬はいない。

▲牝系Blue Sash系 F14-b
 この族全体で見てもミセスマカディー→アドマイヤコジーンの系統がいるほかは活躍馬がおらず地味な血脈である。が、源流は世界的名牝Pretty Pollyでその底力は侮れず隣のF14-c系は大種牡馬ノーザンテーストなどで大繁栄を築いているだけに当馬の牝系にも爆発力の期待はかかっている。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊


85.グルーヴィクイーン16
は地方所属です。

タートルボウル Dyhim Diamond Night Shift Northern Dancer
(■Gallant Fox/3)
(■Habitat/1)
(■Red God/2)
Top Ville (■Dante/3)
(■Prince Chevalier/2)
(■ゼダーン/1)
(■Relic/2)
グルーヴィクイーン キングカメハメハ Kingmanbo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
ラストタイクーン
(■Djebel/4)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
トニービン
(■ノーザンテースト/1)

血統評価
 「(今までの種牡馬実績のない種牡馬の輸入と比べ)タートルボウルはメジャーリーガーを連れてきたようなもの」と豪語した牧場の期待はどこへいったのか。ダートを細々と走る未勝利産駒達、もっと頑張ろうよ。
 個人的にはまだまだ期待していたのだが、種牡馬自身は若くして亡くなってしまった。タートルボウルの父父■Night Shiftは父■Northern D.、母父■Chop Chopで、社台の礎である■ノーザンテースト(父■N. D.、母父■Chop Chop/2の■Victria Park)と相似血(75%:62.5%)である。また、タートルボウルの母母父Kalamounはトニービンの2代父で当馬ではゼダーン5×7のクロスになる。
 ここまで書いて気がついた。つまり、この父はエアグルーヴに向けた種牡馬なのである。上記のクロスはどちらもエアグルーヴに向けた刺激で、その他をなるべく零細寄りの血で固め主張を減らしている。(その主張の無さがこの種牡馬の弱点とも言えるが。)実はこれは爆発力を秘めた配合ではないか。
 父自身の力はどうやらさほど無いらしい。しかし、この種牡馬がエアグルーヴ牝系再興のために輸入されたのだとすれば、当馬の血統図は牧場のやりたいことが全て詰まった最上級品と言えるだろう。

母グルーヴィクイーン
 新馬戦の1勝のみ。3歳秋に骨折し、復帰後に競争能力が戻ることは無かった。ガラスの脚は優れた競争能力の裏返しなのかも知れないが、この血筋にはよくあることなので仕方ない。全同血にダービー馬ドゥラメンテでこちらも怪我で早期に引退している。
 産駒は凡庸で未勝利の足踏みが続いている。

母父キングカメハメハ M;+1 L;+1
 現代競馬の中でもトップクラスに固かった2004年の東京馬場を超高速で駆け抜けた大王。あのダービーは故障馬が続出した悪夢だった。さすがに脚への代償が大きく志半ばで引退したが種牡馬では■サンデーに対抗するスピード系種牡馬の地位を確立した。
 この血自体はある程度の先行力とスピード付加程度で、牝系の良さを倍加させる強みがある。牝系の力を引き出す、と言う点で実に■Mr. Pro.らしい血。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系パロクサイド系 F8-f
 子孫ダイナカール、エアグルーヴを経て多くの名馬が出現、ルーラーシップやドゥラメンテは種牡馬級になっている。エアグルーヴ自身は中距離のイメージがありフォゲッタブルなどが長距離で活躍している一方で、姉カーリーエンジェルからはオレハマッテルゼ、または姉セシルカットからアイムユアーズといった激しい気性をスピードに転化した快速短距離型も出ている。スピードに優れ荒い気性が競争能力向上に向きやすい牝系なのだろう。

期待値 距離 16
傾向 スピード 気性
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難・爆発
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性



 
パーフェクトマッチ16 またまたリストなし
- -
出産時母;14歳

トーセンジョーダン ジャングルポケット トニービン カンパラ
(■Hyperion/2)
Nureyev
(■Hyperion/5)
ノーザンテースト Northern Dancer
(■Victoria Park/1)
(■Mr. Prospector/1)
(■Secretariat/1)
パーフェクトマッチ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
ジェイドロバリー Mr. Prospector
(■Nijinsky/2)
(■Roberto/1)
(■ノーザンテースト/1)

血統評価
 パーフェクトマッチ14(父ルーラーシップ)に対してアツく書いた血統評価がまだ該当ページに残してある。
 パーフェクトマッチ自身はそこそこの活躍に留まったがボトムラインは社台が誇るパロクサイド牝系、ダイナカール、エアグルーヴへと繋がる系統で遂にはダービー馬を輩出した超優秀な血統である。……さらには、トニービンの母父Hornbeamとパロクサイドの相性も見逃せない。Hornbeam(Hyp 1/2,Nas 1/4,Vatout 1/16,Plucky Liege1/16)、パロクサイド(Hyp 1/4,Nas 1/4,Vatout 1/8,Plucky Liege1/64)、HornBeamの7/8、パロクサイドの約5/8が共通の血である。エアグルーヴが東京で物凄い脚を見せた一番の原動力はトニービンの血統に潜むHornBeamと社台が育ててきたパロクサイド牝系との近親融合だった……とすると、パーフェクトマッチが抱えるパロクサイドの血にもトニービンが呼応するはずだ。さらにさらに、父側の構成要素の一つNureyevと母父ジェイドロバリーの母Numberは偉大なる母▲Specialから生まれている。▲Specialの牝馬クロスはもうそれだけで間違いなく走ると言って良いくらいの重要な構成要素で、さらにこの2頭は3/4クロスであり残りのNijinskyの特性、つまり芝の長距離適性を補完する。牝馬クロス+3/4クロスの強い強い増強効果のあるこの配合は、おそらく担当者の悲願であったに違いない。……これは大チャンス!である。
 書いたことは無駄ではなかった。上記パーフェクトマッチ14はルーラーシップの脚部脆弱性により2017年7月現在1勝にとどまっているが、■トニービンと■Nur.を持つ当父はパロクサイド牝系自体の回帰クロスとまではいかないものの当母、当牝系と非常に相性が良いはずなのだ。(ジャングルポケットが名牝との交配を試されているのはこの配合に期待する牧場の思惑なのかもしれない。)父もエヴリウィスパー牝系の出身でスピード活性は高い。競争成績はルーラーシップと同程度なので、どこまで父の血脈の恩恵を得られるか、ということだろう。牡なのでさらに期待は高まる。

母パーフェクトマッチ
 芝で2勝したあとにダートへ転向、掲示板を何度か確保した程度の並の馬。▲パロクサイドに■ジェイドロバリー、さらに■サンデーとこれは走るだろうという血統図ながら微妙な成績に終わった。慢性的な脚部不安が解消し切れなかったための不完全燃焼な競争生活と思われる。全弟にスプリングS2着のパープルエビスがいる。
 産駒は(当クラブに来たパーフェクトビュー以外は)1勝以上を挙げており基礎能力の高さが伺える。

母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

母母父ジェイドロバリー M:-3
 3歳春に引退したことで短距離早熟と思われがちだが産駒の活躍は息が長く、ダートでのスピードが卓越しており■Mr. Pro.の良い面をさらに伸ばした遺伝特性と言える。この特性は▲Special譲りの影響も大きいか。芝が得意な産駒も出るが基本はダート向き。

▲牝系パロクサイド系 F8-f
 子孫ダイナカール、エアグルーヴを経て多くの名馬が出現、ルーラーシップやドゥラメンテは種牡馬級になっている。当馬の▲ヨドセローナはその傍流に当たるがトウカイポイントなどを輩出しておりこちらも勢いはある。スピードに加え大舞台での勝負強さが利点だが、気性の悪さが弱点。
 
期待値 距離 20
傾向 スピード 気性 荒い
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■■
持久 ■■
馬力 ■■  
気性難
零細
クロス
Nテースト 3×5
Mr. Pro. 5×4
全兄弟クロス 牝馬クロス
Special 5×5
3/4クロス
Nur.-Number
ニックス 特殊

 

ラフィントレイル16
- -
出産時母;13歳 母優先

ブラックタイド サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
(■Pharamond/2)
(■Teddy/5)
(■Hyperion/3)
Alzao Lyphard
(■Sir Ivor/1)
Busted
(■Fair Trial/4)
ラフィントレイル エルコンドルパサー Kingmambo Mr. Prospector
(■Nureyev/1)
Sadler's Wells
(■Seattle Slew/1)
Fabulous Dancer Northern Dancer
(■Mahmoud/2)
(■Caro/1)
(■Wild Risk/4)

血統評価
 冒頭に言っておく。流行りモノが大好きなMMK氏、父の名前だけでこの馬を買おうなどと甘えた考えは止めたほうが良い。
ラフィントレイル14の評価  ラフィントレイル15の評価
 ブラックタイドはその弟ディープに比べて鈍重で一本調子な走りしか出来ない産駒が多く、発現パターンとしては■Lyphardを消して■Bustedが出ている印象が強い。キタサンブラックは母父にバクシンオーでスピードを補充し、さらに母母から■Lyphardのクロスを取り込んでその瞬発力を再活性させている。さらに牝系はF9族でLady Josephinのスピード活性が高く…
…などとキタサンブラックは上手く特性を引き出せた最高傑作でありこういう馬を一口馬主が毎回持てるほど業界は甘くないのである。エルコンドルパサーの脆弱さの遺伝性については何度も私見を述べさせていただいたのでここでは触れないがこの血には奥底にも■Nur.、■Sad. Wel.、■Marmoudと瞬発力を削ぎスタミナに寄らせるクロスが満載である。これまでの産駒もデビューに手間取ったり未勝利だったりと良い所がないが、当馬も同じルートに向かうことになるだろう。
 一応Fabulous Dancerの牝系F2-fはブラックタイドと同族で基点Hypericum(英1000ギニー勝ち)のクロスはあるが…
 ごく表面的にだけ見るならば当クラブの看板馬マリアライトと3/4同血である。値段も格安だろう。ぜひ人気を背負ってください。

母ラフィントレイル
 遅いデビューからきっちり5戦で未勝利引退。厩舎の無気力さが会員の怒りを強めた。

母父エルコンドルパサー
 種牡馬成績に絞れば短い実働期間の中で産駒に豊かな運動能力を与え、幅広い条件で活躍させたと言える。SpecialとLisadellが25%を占めるそのスピード血の濃縮を無個性の■Mr. Pro.が上手く底上げしていると言える。反面、牝系の力を借りないと凡馬になる傾向も。

母母父Fabulous Dancer
 日本ではファビラスラフィンの一発屋だがその一発はかなり強烈な印象を残した。現在日本に残る血はほとんど同牝馬の末裔である。■Mahmoudのクロスで異系のスピードとスタミナを供給しているが遺伝力が低く活性への期待は低い。▲Hypericum/4がHighclere系と同F2-f族でディープインパクト(ブラックタイド)とクロスを作る。

牝系La Fleche系 F3-e
 直系はファビラスラフィンだが近縁に大種牡馬サンデーサイレンスがいる。何かをトリガーとして突然変異的にスピードを得る血脈ではないか。

期待値 距離 20
傾向 スタミナ 気性 荒い
瞬発 成長 遅い
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■
持久 ■■
馬力   
気性難
零細
クロス
N. D. 5×5×4
全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊
 
 

ローザブランカ16 リスト消失
- -
出産時母;11歳

タートルボウル Dyhim Diamond Night Shift Northern Dancer
(■Gallant Fox/3)
(■Habitat/1)
(■Red God/2)
Top Ville (■Dante/3)
(■Prince Chevalier/2)
(■ゼダーン/1)
(■Relic/2)
ローザブランカ クロフネ フレンチデピュティ Deputy Minister
(■Princequillo/4)
(■Fairway/5)
(■Icecapade/1)
サンデーサイレンス Halo
(■Teddy/5)
(■Lyphard/1)
(■Mill Reef/1)

血統評価
 母の堅実さをこの父がどう活かすか…あるいは削いでしまうかと言う点に尽きると思われるが、半兄トレジャートローヴ(父ハービンジャー)がそこそこ頑張っているのを見るとヨーロピアン■N. D.であってもこの母の血は真面目に仕事をこなすんじゃないかと思う。父は重めの血なので母父クロフネとの和合性はあるだろうし、主戦場は砂になるのだろうから先行堅実型はそれだけでプラスだ。半兄フォースラインが父ワークフォースなのに!勝ち上がった事実を考えると、失敗種牡馬の烙印を押されつつある当父の産駒ではあるがうっすらと期待はしたい、というド・マゾヒストのDDKが居るが、皆様は手を出さないほうがいいと思いますよ。
 ボトム活性だの3:1分配だのオカルト的な特性があるのも楽しみが増す。いや、でも買わないほうがいいって。
 リストから消失。この種牡馬とはお別れですね。

母ローザブランカ
 堅実な走りで芝2勝のあとは紫苑Sにも挑戦。その後1000万では走れず500万では堅実と、優等生的だが面白味に欠ける競争生活だった。産駒も決め手をやや欠くものの上級条件でも善戦を続けており、やはり母母ローズバドのスピード遺伝が利いている。

母父クロフネ M:0
 現役時代は東京のダート中距離を芝並みのスピードと瞬発力で走っていたダートの怪物である。母側はNearcoから分岐したIcecapadeとFairwayという遺伝力の弱めなスピード血統を持っており、主流血統としてNever Bend、Robertoという持続力とパワーを主張する血統で構成されている。
父フレンチデピュティがサンデー系統と和合しやすいために父側(の半分程度の能力)ばかりが主張されて平凡な馬になりがちだが散発する短距離スピード型の馬は母側の微弱なスピード傾向を引き継いでいるといえるかもしれない。

母母父サンデーサイレンス I:+1
 言わずと知れた大種牡馬。この血が入っていることが日本競馬の基本となる。血が入っていてゼロ基準、入っていないならマイナスの評価。

▲牝系ローザネイ系 F1-w
 クラシックまでいつもあと一歩の「バラ一族」。子孫にローズキングダムやロサード、ヴィータローザなどがいるがどの馬を見てもクラシック惜敗の歴史。枝を遡ればナリタタイシン、トウショウボーイといった名馬が揃う。さらに、全然別の枝に行った遠縁からサトノダイヤモンドが出た。条件戦で稼ぐなら心強い牝系。

期待値 距離 16
傾向 パワー 気性 穏やか
瞬発 成長
持久 爆発力
速度 ■■■■■■■■■
持久
馬力 ■■  
気性難 ■■
零細
クロス 全兄弟クロス 牝馬クロス 3/4クロス
ニックス 特殊 ボトム活性
3:1分配