海岸暴走 チバラギ編④
~夕陽と美食とおばちゃんと~


惜しい あと少しで紅葉だった

10月10日 7:30 AM
しとしとと降る雨音で目が覚める。

あれ?

3連休 秋晴れだって言ってましたよね?


うーん 関東のうち北茨城だけ雨だそうです
俺のいるところだけ
呪われてるのか俺は


宿の入り口
「湯の澤鉱泉」
茨城唯一の秘湯を守る会会員宿です

 
朝飯は普通。
茨城の納豆と初対面すっかり忘れてた

さて、昨日詰め込んだ荷物を預け、
……「バイクで来たのかえ」
宿のおばさまに声をかけられる。

「若い人はずいぶん減って年寄りばっかりだから」
「こうして来てくれる若い人はありがたいねぇ」
「漬物おまけしとかなぁね」

あ、ありがとうございます

千葉、茨城と走ってきたけど、ずっとそれは感じてきた。
若い旅人がほとんどいない。

宿の質も観光地も素晴らしいのに、
千葉・茨城は観光客がいない。
ジジババの観光客は一回限りだ
なぜなら次に来る前に寿命だからだ

若い人間に金が回らない日本、
これはもうダメかもわからんね


宿の人たちはもうとっくに気付いているのかもしれない。

出発のとき、雨の中外まで見送りに出てくれた
数人のおばちゃんたちは、
バックミラーから消えるまで手を振ってくれていた。

旅先で出会う人たちのことは
滅多に良く言うことなんてない私ですが、
今回は素直に感動いたしました
少しでもお客が増えてくれることを祈ります




さて、竜神大吊橋に行ってから袋田の滝を目指します
そして、
感動の出会い驚愕の失禁をお見せいたします

雨の中、山道を走り竜神大吊橋に到達

霧に浮かぶ吊橋


これはこれで良いかもしれない
山の向こうの霧の中から何かが出てきそうだ


リア充爆発すべし


橋の中央付近
あまり揺れません
が、上空は完全に霧


紅葉間近 綺麗な渓谷です


橋を渡るだけで300円(確か)
橋脚は竜のウロコを模しているとか


ゆずサイダー ゆずサワーのノンアルコール版

さて、開店1時間前ですが、
事前情報では開店前の行列が必須の名店に
並びに行こうと思います。

うまいものを食うってのはそういうことだよ!

ここから丁寧にいきます

慈久庵

隠れた名店


降り続く雨の中 ただひたすら待ちます


そのうち雨は上がりました

うしろにはぞくぞくと人が並んでいきます
確かにすごい人気だ


11:30 AM
やっと開店。
5組目で、第一陣として入店出来ました


店内は現代風、テーブル6席


外にもテーブルがありましたが、
そこには案内していませんでした
手が回らないということでしょう


奥久慈の山々です
窓からの眺めも美しい。


ここでケチるような凡人ではありません
畏敬の念を込めてフルコースを頼みます
無愛想なご主人が1人で切り盛りしているようでした

 
まずは刺身こんにゃく
歯切れの良さとさっぱりとした味


わさびの茎
辛くてムセる


岩魚の開き
頭から全部食べられます
余計な味付けなんてナシでかぶりつく



そばがき かきっぱなし


そばの濃い香りと辛味噌が織りなす
絶妙のハーモニー



野草の天ぷら
ほんのり苦みとサクサクの歯ごたえ


さて、そばが来ました


どう この輝き


カメラ技術が低くて感動を伝えられないのが残念
そば表面のざらつきが、窓からの光を反射している


持ち上げただけで立ち上るそばの香り
これは感動の予感が!!



つけて、食す


やや濃いめのつゆにつけ、また食す


舌をくすぐる食感と
鼻腔にまで抜けるそばの香り
ちょっと固めのゆで加減が上手に喉を刺激する

うまい!!

これは歴代そば最高と言っていいのではないか

量が少ないのはしょうがないか
夢中で食べてしまう

それまで騒いでいた周囲の家族連れも
そばを食べ始めてから黙ってしまう
うまいものは人を夢中にさせる


そば湯 撮るのが難しかった
左手と右手のコラボレーション


最後にデザート
柿のうんてろ
シャーベットみたいなものか


コース全てに大満足
至高の一時間でした


一時間?


そう 第一陣の6組が食べ終わらないと
次の組が入れない
で、コースを頼んで普通に食べると一時間

じゃあ、単品頼んだご家族の皆様に
すぐにそばが出るか
というと、

はい残念 店主1人しかいないので
コースの前菜を作って出している間ずっと
単に待たされているだけ
です
そりゃ子供が騒ぎだすわ
そばが出てきたタイミングは全テーブル同じだった
完全放置プレイ

つまり、開店前数十分前に並び、
かつコース料理を頼んだ人間だけが
大満足できる


つまり 俺こそが大正解

このそば膳を食べられて本当に良かった。

外に出ると、ざっと30組以上が入店を待っていた
リサーチ不足だな 旅経験が足りないよ皆様


次に食べられるかどうかもわからない
一度は食べてみるべき! と太鼓判

さて、あとは袋田の滝を見て
日本三名瀑(華厳那智、袋田)を制覇する。

が、

笑い旅の神様は
簡単に私を逃がしてはくれなかった




!!??

立ち寄ったガソリンスタンドでの光景

おいVMAX 尿漏れか??
もうろくおバアちゃんか?


ラジエーターからエンジンの冷却液が漏れている
未舗装の道で石を跳ねたか?
不幸すぎる事故

こんなの素人ではどうにもならん

近くのバイク屋を2件ほどあたるも、
原付しか治せないとあっさり断られる。
頼みのYSP茨城にはない だと!






ちょっと連写してみた

あぁ、絶賛お漏らし中です

ってことはですよ

ほら 冷却液のタンクがすっからかんですよ
このまま冷却液がなくなると

メルトダウンしますよ!

うまい 時事ネタ入れた!


ではなくて、エンジンが焼きついて
VMAXの死亡確定ですよ!

ただ、延命処置はできる

水。
冷却液より性能ははるかに劣るが、
エンジンを冷やす効果はある。
それでも いろはす なら なんとかしてくれる
そういう目をしている
                                   by スラムダンク
期待をこめて投入。

相変わらずエンジン温度は
オーバーヒートぎりぎりを示しているが、
本気タイムさえ使わなければ走れそうだ



と いうことで、自己解決したので
あらためて袋田の滝を目指す。


袋田の滝 入り口


鮎の塩焼きがアピールされていますが、
冷却水漏れの私としては
食っている場合ではありません


しばらくすすむと、滝と吊橋が見えてきました


滝の下の河原
水が綺麗です


滝の正面に展望台


展望台までは崖に洞窟が掘られていました


洞窟から外を眺める
まだまだ 緑 です


展望台から


滝を見降ろします


そして見上げます
横幅が広い滝というのも迫力ありますな

ここより上にはエレベーターで向かいますが、
例によって金が徴収されます

まぁ、仕方ない


展望台最上段から見る袋田の滝 全景
深緑と相まってとても綺麗です


帰りの土産物屋
雑多すぎる



バイクの故障以外は
すごく良い旅だったんだけど、

このあと帰るまでに
サービスエリアの度に水を足していきました
ちょっとスピード上げると容赦なく
エンジン温度上がるし
VMAXお前ホント世話が大変だわ

地元に戻り、翌日YSPへ。
そのまま隣の修理場へと相棒は運ばれて行きました


千葉・茨城、
観光地としては斜陽の感が否めませんが、
人がすごく温かでした
あの他人が嫌いなDDKが言うんだからまちがいない
このルートは当たりだよ!
おすすめです。

  
  1. 房総奥久慈