空いた時間に少しずつでも書いていきます。
・グリューヴァイン23
・クルークハイト23
・ケイティーズハート23
・コルコバード23
・コンダクトレス23(再掲)
まだ彼の有能さはバレてない。そう信じています。
グリューヴァイン23
母11歳 メス 母産駒;ミッテルライン
母はダート短距離で3勝、上級クラスでは全く歯が立たなかったことを考えると真面目に走り切った限界だったということだろう。母母マルティンスタークの良くも悪くも素直な血が受け継がれている印象を受ける。当駒の姉ミッテルラインもダート短距離で堅実に2勝くらいだろうと思ったが些細なボタンの掛け違えで未勝利2着にとどまった。さすがに変速ギアが「ロー→トップ」ではなく、ギアが「無い」のはマズかったようだ。当駒の兄リューデスハイム(父ニューイヤーズデイ)が未勝利を勝ちその後も善戦を続けているように、父のスピードと軽薄さの有無が産駒の活躍にモロに影響している。どこまで行っても真面目な血だな。
という血統に今年はモーリスである。Roberto系で一応短距離向きではあるが軽いスピードには遠く、芝をワンペースでダラダラ走って雪崩れ込む種牡馬であるように思える。この傾向はきっと遺伝されるだろうし、Roberto系やNorthern Dancer系のクロスも絡まって、うーん、この血統に求めるのはそこじゃない感があるが。砂好きの紳士たちはまた買うのだろうか。値段も上がりそうで、私はちょっと手を出しにくい。
クルークハイト23
母9歳 牡 母産駒;ルフクトス
父クリソベリルについては他の馬で話したので割愛する。母クルークハイトはスピード豊かなソニンク牝系の出身で健康に競争生活を全うし28戦!でダートを5勝。規定により引退したがまだ走れそうな雰囲気はあったか。
母父クロフネとか母父ダイワメジャーとか、マイルから中距離近辺を先行力で押し切れるパワータイプの種牡馬の産駒は子出しが良い。フレンチデピュティもノーザンテーストも(と括ってしまうのは雑かもしれないが)、Northern DancerにBunty Lawlessの血が混じるカナディアン血統なので似たもの同士、と言えるかもしれないが、頑健さと豊富な筋肉量は競争馬の一生にとってとても大事だ。関節の柔軟さによってスピード能力に差が出るものの、長らく稼いでくれる馬は持っていて楽しい。
当駒の兄ルフクトス(父ニューイヤーズデイ)はダートを勝ち上がった後に成長放牧中だが、杉山厩舎がそう言うのだからそうなのだろう。決して放置ではないと信じている。母父クロフネはサンデー系と相性は良いが、母がダート系で父も先行ダート系、というほぼ同じ方向を向く因子の掛け合わせは果たしてどうだろうか。先ほど述べた「柔軟性」が、いくらかでも出てくれば良いのだが、新種牡馬の父の傾向は未知数である。
ケイティーズハート23
母14歳 メス 母産駒 エフフォーリア
エフフォーリアの血統評価は私の中では高くなく、母ケイティーズハートからは活躍馬は出ていない、と締めくくっていた。ところがどうだ、エフフォーリアは同牝系のアドマイヤムーンを彷彿とさせる活躍馬となり種牡馬にまで成り上がった。その妹ペリファーニア(父モーリス)も桜花賞3着に入っており、一族の優秀さを誇示する結果となっている。
ヒネクレ者を自負する私であっても、いくらなんでもこの血統にダメ出しは出来ない。ノーザンの値付けも1億円超えなどと「やらかして」くる可能性は十分あるし、いくら積んでも買いたいお金持ちはたくさんいるだろう。桜花賞3着の賞金で出資額の何%が回収できるか、などと算盤を叩いてしまうようなみみっちい性格の諸君には、この馬は向かない。
コルコバード23
母10歳 牡 母産駒;ヘデントール
兄ヘデントールが青葉賞惨敗のあと自己条件を突破。青葉賞だって外国人オシュなんとかさんがポカしなければ勝ちまであった。過去を悔やんでも仕方ないが。
という兄と、血統図の上では父の母が違うだけである。兄ヘデントールの父の母はトニービン系のエアグルーヴ、当駒の父母はより欧州色の強いシーザリオである。両馬の知名度もスター性も、競争性能もそれぞれ秀でており、甲乙つけがたい感じはある。リオンディーズはちゃんとした牝馬をつければ活躍するはずだ、と2019年のツアーでTNB氏が息巻いていた(証拠;ロスヴァイセ19)とおり、テーオーロイヤルが2024年の春の天皇賞を獲った。エピファネイアよりも素軽い血統だと考えられるので、筋肉が少な目で体重が軽ければ長距離のステイヤーを目指せそうな馬が出てきそうな感じもある。
当駒にサンデーのクロスがあるのが嫌な気もするが、テーオーロイヤルにもサンデーのクロスはあるし、ヘデントールも気性難のルーラーシップの仔なので似たようなものだろう。母父ステイゴールドは小柄で中長距離を得意とする馬で、父リオンディーズの方向性と一致する。コルコバード自身も長めの距離を得意としたステイヤー寄りだし主要血統のクロス因子をあまり持っていないので、小柄で細身な馬に出てほしい。G1馬の種牡馬になってしまったので多少人気は出るかもしれないが、いやいや、まだバレていないかもしれない。
当レポートを読んでいただいた皆様、今年は私はツアーには参加しませんが、当駒が牧場の隅にひっそりたたずむような小柄で控えめな馬だったなら、ぜひ私に教えてください。
コンダクトレス23
母8歳 牡 母産駒;コンアフェット
父ハービンジャーには恩がある。私の愛馬ナミュール号が豪脚一閃で2023年のマイルチャンピオンシップを制し、その後も一線級で賞金を稼ぎ続けている。何が良かったのか、と言われればサンブルエミューズの柔軟性にハービンジャーの緩さ(もちろん良い意味で、である)がマッチした上に、筋肉量が少なめの牝馬だったことが挙げられる。この柔軟性と瞬発力の源はダンシングブレーヴだろうと私は確信している。欧州血統の瞬発力にハービンジャーのしなやかさの和合性が高い、と考えると、当馬の評価はとても高いと言える。ただし、母父ホワイトマズルは先行一辺倒のギアチェンジが少ない馬だったのでダンシングブレーヴの良さが消されている可能性はあり、また当馬が牡馬なのもベストとは言い難い。気がかりな点が無いわけではない。牝系の活力頼みになるだろう。
母コンダクトレス3万円/口、母母ファーストチェア4万円/口、高額馬の陰に隠れながら細々と繋いできた牝系だが、この金額評価は今となっては低すぎる。同じ牝系ケイティーズからダービー馬エフフォーリアが出ていて牝系全体の勢いがとても強いからだ。
ハービンジャーの産駒は牝馬の方が期待は高い、ただし牝馬ではダービーを獲れない。私はこの馬の将来性を高く評価したい。
今日はここまでです。