キャロットクラブ募集馬血統評価2019~エピファネイア~

14.マリアライトの18 牡 母7歳 20万/口 母優先

マリアライトは超名牝だが、募集時は一口8万円だった。買う人がいるから売る人が居るので、別に日本で通貨革命が起こったわけでも財務省が解体したわけでもない。・・・・・・当時からひっそりと趣味を楽しんでいた古参会員は非常に迷惑していると思うが、ともかくマリアライトを買わずに隣のディープの牡馬を買ってしまった(しかもマリアライトより高かった)TNB氏としてはとんでもないキャロットデビューになってしまったわけである。
と、同好会会員の恥を一方的にさらした後で、当駒の将来を予測する。母側はディープ、エルコンと重めの血を担いでいて父側もシンボリクリスエス、スペシャルウィークと重めの血に思える。スピードがどうかということになるだろうが、このキャサリーンパー牝系ならおそらくスピードもあるだろう。
この値段は牧場の自信の表れに思える。ツアーでもデキの良さをアピールしてくるだろう。買う人がいるから売れるのである。この値段でもおそらく大抽選会は間違いない。

15.ケイティーズハートの18 牡 母9歳 7万/口 母優先

2年前、初仔(父ルーラーシップ)が第一発表に載りながらも本リスト漏れした事は一部の会員は覚えているかもしれない。その馬は結局吉田さんお抱えのまま1戦して即引退、兵庫に現在所属している。当駒はこの母のクラブ初の募集となる。母の姉マイケイティーズからアドマイヤムーン、プレイといった大物が出たが、牝系の末端からは全く活躍馬が出ず、しかもシンボリクリスエスとこの牝系の配合では1勝も出来ていない(Netkeibaのデータから)。さて、当駒は悲観的なデータを跳ね返せるか。母父ハーツクライがトニービンっぽさを出すのならばエピファネイアとの中距離向き配合は面白いとは思うが。

16.ローズノーブルの18 牡 母9歳 6.5万/口 母優先

父ワークフォースで1勝を破ったのはこの母の仔ローズノーブル16だった。2年前は大変失礼な批評を書いた、全力で土下座する。軽い血が合うはずだと書いたローズノーブル17は圧倒的な人気で新馬戦を勝利。この母のスピード遺伝が素晴らしいのは間違いなく、ワークフォースで勝てるのだからエピファネイアで活躍できないわけがない。Turn-to系の異系統3本、Northern D.系の異系統3本、Nasrullah系の異系統3本と遠縁クロスのオンパレードで、重くなりそうなBlandfordのクロスは無い。ヴィアンロースのディープは高すぎる!と文句をつけるTNBでも、こちらなら大歓迎だろう、当駒で私とも競合しそうな気がする。

17.ヴァイスゴルトの18 牡 母6歳 6万/口

現役時代に「狂気」の先行でそのまま押し切ってしまったジャパンカップのように、父の競争能力は気の荒さによって相乗効果を受けていた。今年の当父産駒の中で最も狂気に出そうな配合はズバリ当駒であろう。スペシャルウィークと相似血のダンスインザダークもサンデーのクロス以上に危険だが、母はあのステイゴールドの妹で狂気の血ディクタスまで乗っている。と、ここまで書くと、実は20世紀末に日本競馬を沸かせた旧世代の集大成が当駒に集まっているのではなかろうか、と思える。競馬が冷めている令和の時代に、当駒が当時の競馬の狂気を蘇らせることができるだろうか。マネーゲームが先行する一口馬主の世界にあって、買うかどうかは別にしても行く末が気になる一頭ではある。

18.ディアデラマドレの18 メス 母8歳 7.5万/口 母優先

血統図は良い。ディアデラノビア牝系とシーザリオ牝系にサンデー・キンカメ・クリスエスである。だが、測尺の管囲18.8がいかんせん危険すぎる。姉も小柄だったがそれに輪をかけてミニマムなのでこれはいくらなんでも狙えない……そう思いません?現役生活で頑張りすぎた母の疲労がまだ残っているのだろうか。いつかは大物が出そうな母なので来年を待ちたい。

55.ペルレンケッテの18 牡 母10歳 7.5万/口 母優先

ドイツ血統の牝系だが日本への適応が悪く勝ち上がりすら困難な状態が続いている。エピファネイア=Roberto系の配合は初めてだが、母父側に回ったディープの鈍重さを克服できるかどうか、父として短距離に良績を出している(というか若駒には短いレースしかないのだが)エピファネイアがこの重い牝系を噛み砕いてモノに出来るのか。こういうチャレンジ精神に無理にお付き合いする必要はない気がする。

56.カイゼリンの18 牡 母13歳 10万/口 母優先

永遠の2番手かに思われたF永騎手をダービージョッキーに導いたワグネリアン、そのブロードアピール牝系とF永騎手を2番手のままゴールさせてしまったエピファネイアの配合である。F永騎手がダービー2400mの直線入口、ワグネリアンの鞍上で鞭を入れようとした瞬間に「まだだ、まだ我慢だぞ」と0.5秒我慢させたのはエピファネイアの声だっただろう。当サイトの掲示板他でさんざん貶してきたが、F永騎手の数多くの経験が彼をダービーに導いた、という、美しい妄想はいかがだろうか。こういうライトノベルのような浅薄な感動は要りませんかそうですか。
妹ミスアンコールの繁殖能力に比べて姉カイゼリンは凡庸な仔しか出せていない。アドマイヤベガが凡庸なんだろう。牝系のプレミア価格でこの値段だと思うので、F永騎手の歴史が好きな人は買うのがいいのではないか。

57.ボンジュールココロの18 メス 母8歳 5万/口 

リンカーン産駒とは、これまた珍しい母だな、と思い戦績を調べてみると、なんと47戦4勝。おそらくピークを過ぎていたにもかかわらず怪我なく走り続けた頑健さが取り柄であった。リンカーンは血統構成からも特長からも疑似ハーツクライが適当かと思われるが、そこにデインヒルで中距離向きだろうか、と思ったら母の良績は芝短距離に集中していた。Sad. Wel.とNijinskyのクロスが入るのでおそらく鈍重になるのではなかろうか。抜群のスピード!というわけではなさそう・・・母父リンカーンに父父シンボリクリスエス。2003年の有馬記念はゴール前で見ていたが、人の頭しか見えなかった。馬券も外した。あの馬券を取れた人は、そういう思い出でこの幼駒を買うのだろうか。

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