ダービーを勝つことは
「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になることより難しい。」
皐月賞とNHKマイルC。王道と裏街道の両方に私の愛馬が挑戦したが、大きく高い壁に跳ね返される結果となった。展開が向けば、あるいは、有力馬が失敗すれば。私の邪な妄想を粉砕した馬達が、頂点を目指し日本ダービーに向かう。
ダービー馬を持つことが夢物語である反面、ダービーの勝ち馬の単勝を射抜くことは困難ではない。東京競馬場で一番強い馬を選べば良いだけである。とてもシンプルだ。
2025年のダービー
先行から抜け出したクロワデュノールに皐月賞馬マスカレードボールが迫ったが交わせず、クロワデュノール余裕のゴールだった。

(クロワデュノール血統図)
父キタサンブラックらしい王道競馬で皐月賞の雪辱を果たした。母や母母に零細の血が多いので母父Danzig>Cape Crossで主流の血が強調されていて、母父Cape Crossは当馬のほかにダービー馬ロジユニヴァースも該当する。海外ではSea the Starsを輩出していて、マイラーだったCape Crossからスタミナ要素が引き継がれているのは面白い。

(マスカレードボール血統図)
マスカレードボールは早逝が悔やまれる父ドゥラメンテの仔で、直結コースとも言える共同通信杯を勝利し皐月賞は3着だった。父譲りで機動力を活かしたテクニカルな走りと言える。祖母ビハインドザマスクは重賞の常連でマイルに良績があり、東京の長い直線で王道に挑むには分が悪かった。
2024年のダービー
高額馬を買い漁りながらも大舞台で何度も苦汁を飲んできたダノン冠、待望の優勝。内ラチをするすると抜けてきたのは名手モレイラのダノンエアズロック、ではなく、日本の名手横山典弘のダノンデサイルだった。1番人気を背負ったジャスティンミラノは2着に追い込んだものの、差は歴然。完勝だった。

(ダノンデサイル血統表)
父エピファネイアは現世代のトップに居ると言って良い血統で、Robertoの配色だが中身はシーザリオ>サンデー系と考えても良いと思う。母側はA.P.Indyのダート系スピードの傾向が強そうだが、母の成績もBCジュベナイルフィリーズ(ダート1700m)を2着などで、血統図通りダートである。ダノンデサイルはその後も芝で活躍しているが、やや重めのエピファネイアの血を母側が中和できたと考えるのが妥当だろう。スタミナの補充にSt. Simon系のクロスも良かったのかもしれない。

(ジャスティンミラノ血統図)
皐月賞でジャンタルマンタルを捉えた鬼脚は見事だったが、逆に言えばあの仕掛けの遅れがキズナ産駒の弱さに繋がっている。ある程度ペースが流れてしまうと置いていかれてしまう。当馬が直線で仕掛けた時にはもう勝馬は届く位置には居なかった。
2023年のダービー
鞍上にレーンを配した我がクラブのファインプレーが光った。4着くらいまでに差はなく、結局ガイジンが乗っていた馬が勝てるレースだったのかもしれない。タスティエーラはこの後も活躍するのだけど。

(タスティエーラ血統図)
いや、この血統図はクラブ募集では人気にならないでしょ。私はずっとサトノクラウンを評価していますけど、皆さんはそうじゃないでしょ?母父マンハッタンカフェ、血統図の奥の方にCrafty Prospector。あとで「こじつける」ので覚えておいて下さい。

(ソールオリエンス血統図)
本来だったらこういう血統図の馬が勝てると思うのですよ。重厚な母系に父キタサンブラック。とても強そうに見えませんか?皐月賞は勝ちましたが、結果的にそれが最後の勝利になりました。
過去3年の勝ち馬を見た後に、今年の有力馬を見てみる。

(ロブチェン血統図)
父側はサンデー系、母側に米国型N.D.なので近しいのはクロワデュノールである。Storm Cat系なのでCape Crossより距離が短そう、に思えるが母父Giant’s Causewayの賞金順を見ると一位のレモンポップは別としてエコロデュエルやタイセイドリームといった障害の名馬が挙がる。障害馬が長い距離を走るから長距離が得意だ、というのは暴論だが、スタミナは十分あると考えて良さそうにも思える。父はディープ系の中でもマイナーなワールドプレミアだが、この父、ディープ以外はほぼ零細な血で固められているのはそれこそクロワデュノールの母と同じ色合いである。
適度にNas.の血も含んでおり、堂々と「日本ダービーに一番近い」と言える血統図である。

(リアライズシリウス血統図)
皐月賞ではロブチェンに食らいついたが最後まで交わせず、あと400m伸びても結果は変わらないようにも思えるが、皐月賞2着馬はダービー1着の最有力候補である。
父はSad. Wel.系で無限のスタミナと高次元のスピードを遺伝させるが能力上下の幅が広く、活躍のアベレージは低い。過去3年ではソールオリエンスの母系がSad. Wel.系、あるいはジャスティンミラノの母系がデインヒル系の欧州型N.D.だが父と母の遺伝の違いはあるのでなんとも評価しづらい。母父ステイゴールドはスタミナ寄りで母の血としてはあまり良いものに思えないが、母母父Highest Honorはちょっと昔に重賞で高頻度に見かけた「レーヴ」一族の看板ともいえる種牡馬でスピード活性は高い。
さらに牝系に入っているダンシングブレーヴもスピードや瞬発力の遺伝が期待できるので、近年好走の無い血統とはいえ楽しみはある。雑に言ってしまえば父母が逆なら(サンデー×欧州型Nas.)×Sad.Wel.なので、ソールオリエンスと同じである。

(ライヒスアドラー血統図)
今年の皐月賞は上位2頭の実力が抜けていて3着以下は実力に差はなさそうに思えるが、過去の結果から皐月賞組からダービーの上位を争えるのは3着以内程度と考えるとチャンスがあるのは当馬である。シスキンの今年の代表産駒は当クラブのロックターミガンだと思っているが、芝ダート兼用で先行持続型、というとまさにかつてのキングカメハメハ型であり、Mr. Pro.の特性がそのまま出ていると考えて良いのではないか。そうしてみると血統図にEl Gran Senor(キングカメハメハに含まれるトライマイベストと全同血)が居るのも興味深い。同じような血統構成はマスカレードボールであるが、配置されている場所は違うが先祖にトニービンやらMr. Pro.やらダンシングブレーヴやら、共通する祖先が多いのも面白い。結局血で走ってくるんですね、馬は。
皐月賞組が圧倒的に抜けているのは間違いないので、上記の3頭のうち好みの馬を買っておけば単勝は当たるだろう。
ここからは私の趣味の領域であり、お待たせしました、当ホームページの本編である。
別路線組

(ゴーイントゥスカイ血統図)

(コンジェスタス血統図)
青葉賞を勝ったゴーイントゥスカイ、京都新聞杯を勝ったコンジェスタス、2頭とも話題の新種牡馬コントレイルの産駒である。コントレイスは「晩成型だ」「緩すぎる」などとデビュー当時は酷評されていた。だがしかし、この時期にきちんと成長を間に合わせ、さらに敢えて皐月賞を避け別路線から日本一の晴れ舞台に2頭も送り込んでくるのだから名馬の血は流石である。日高の千代田牧場で生まれたゴーイントゥスカイの母系はベタベタのダート血統で、米国血統の早熟性でコントレイルの成長力を早めてこの時期に勝ち上がったと言える。この方法はエピファネイアに固さを注入したダノンデサイルと似た手法で、あとはスピードさえ足りれば良い、のだが、日本一とは言いにくい血統図である。
コンジェスタスは、超高額馬ベレシートが勝つはずだった京都新聞杯で空気を読めずに差し切って勝ってしまった。上位クラブサンデーRの高額馬を低位クラブシルクさんが撃ち落とすなどあってはならぬ狼藉ではあるが、馬に罪はない。父コントレイルの評価が定まらないのはいったん置いておくとして、特筆すべきは牝系で母自身はニュージーランドのオークス芝2500mの勝ち馬、血統内にHail to Reasonの零細系統のクロスを引いていてこれが多少の固さを補完しているということだろうか。デインヒル系の柔らかさも含んでいるのでコントレイルとは合わなそうに思えるのだが、この馬が無敗で底を見せずに日本一に挑むのはとても楽しみなのである。
なぜなら、父コントレイルに母ナミュール(母父ハービンジャー>デインヒル系)の仔が2027年にノーザンファームで待っているからである。
どうせなら、流れが速くなって直線ガス欠した先行馬たちをまとめて差し切ってほしい。無敗のダービー馬を狙えるのは、私が大変お世話になった西村君、君だけだ。応援しています。

(メイショウハチコウ血統図)
去年のNHKマイルCから、私はディー病である。プリンシパルSは推しのこの馬が勝ったことで狂喜乱舞した。騎手の話は抜きにしても、父ロジャーバローズで母父アグネスデジタル、ついでに母母父ダンスインザダークも含めて種牡馬としては傍流であり、前述の馬たちと比べればエリートに対する雑草である。東京2000mは母父デジタルが一発カマした舞台だが、Crafty Prospectorはタスティエーラも持っていた血であり、もしかしたら2400mでも「ある」かもしれない。しっかりとAlleged>Ribotのクロスもある。欧州型N.D.の血も豊富でスタミナや爆発力は十分にある。ダンスインザダークとマンハッタンカフェ、なんとなくスタミナ血が共通する。ロジャーバローズと書けばなんとなくダサいが、ジェンティルドンナと書くと強豪だ。そして思い返せば、タスティエーラもガイジン騎手で勝った。さあ、今回もガイジンだ。
極めつけは、メイショウの馬主松本好雄氏のオーナー名義の最後の勝利が当馬の新馬戦だった。もしかしたらもしかする、メイショウの雄たけびを、君は聞きたくないか!?
こういう妄想を深夜に楽しめるのが競馬の醍醐味でしょうね。
今年の血統評価を前に、執筆の練習だと思って書きました。
もし当たっていたら誉めてください。
(5月22日金曜)
