この項は長いです。
キャロットクラブ2020募集馬血統評価 イスラボニータ産駒
新種牡馬で期待は大きいのか。In RealityのクロスにCozzeneも貼ってて短距離型になりそうなのにクラシック1冠獲れてるのがすごいですね今にして思えば。
33.ティンバレスの19 4.5万/口 牡
イスラボニータがどの種牡馬に近いのか と考えるとフジキセキ系の種牡馬ではMill Reefの血が濃いダノンシャンティが該当すると思う。早熟性とマイル近辺の先行力といった感じだろうか。血統図の奥底に居るイスラボニータの母母母父Far NorthがNijinskyと近親F8-f Flaring Topで、ここを起点に芝への適性を遺伝させる可能性はある。同じ牝系からロイヤルスキーも出ていて、なるほどそう考えればイスラボニータはアグネスタキオン的とも言えるかもしれない。この母はダートの中距離で先行力を武器に3勝しているが兄のアドマイヤメジャーは父タキオンで重賞常連くらいの活躍を見せたので、相性は良いのだろう。さて、ここまでヒントは出した。私は下の馬を狙いに行くのでこの馬の評価はこの辺で終えたい。
34.エクストラぺドルの19 4.5万/口 牡
おそらくイスラボニータと相性が良いのはNijinskyであろう、と述べたが、Nijinskyの多重クロスが入るこちらの方が期待値は当然高い。ダートに出る可能性はあるが、F8-f牝系にRiverman=F10-a Nile Lilly系の力を借りればマイルあたりでの爆発力は大いに期待できるはずだ。今のところ牧場は芝での期待をしているのだろうが、アグネスタキオン的種牡馬であるとするならば芝とダートの両方に適性があってもおかしくない。値段ははっきり言って安い。小銭稼ぎにはもってこいの馬なので、ぜひ!欲しい。
トゥザワールド産駒
35.クルージンミジーの19 4万/口 牡
ルーラーシップを見ていると、キングカメハメハの血はほとんど影響せず牝系のベガが強く出ていることが多い。おそらくドゥラメンテもベガ=トニービンが強く出てくることになるだろう。キンカメ×名牝系というのはそういうものだと思う。ということはトゥザワールドで出てくるのはフェアリードール=Nureyevなので、先行力に頼る競争馬になるだろう。末脚の鋭い血と交わればデニムアンドルビーのような名馬も出るだろうが、まあこの牝馬では厳しいでしょうね。
36.ムスタバルタの19 3万/口 メス
上述のように、先行力で勝負するならダートを選択するのが正しい。当母は未出走だが母母ワンダーレディアンエルはアメリカダートの重賞馬で適性はダートだろう。父TapitにFappianoのクロスで、東京ダートがとても良さそう、と思うと、フェアリードール牝系の中でもダートで頑張ったサイレントディールの姿も思い浮かぶので、格安だが狙い目はあるか。馬格を見たいところ。
その他の産駒
37.オーマイベイビーの19 父クロフネ 5万/口 メス
いやさすがにクロフネはもう…母父ディープとの相性を期待しているのかもしれないが、数年前のクロフネ×ダブルゴールドが高評価したのにずっこけたので私はクロフネ産駒には何も期待していない。チャームクォークは頑張ったんだ。牝系も早熟花火血統なので長期的な活躍も難しい。
79.ブリトマルティスの19
母高齢
80.ラフォルジュルネの19 父エイシンフラッシュ 5万/口 牡
父の産駒から数世代が居るが、賞金額順でトップのジェシー(ジェシカの15、当クラブ募集)でも準オープン馬である。その評価を当時ボロくそに書いたのを読むと非常に恥ずかしいのだが、当時はドイツの重い血を軽くする必要があると書いたがそれは間違いだった。上位の馬に共通するのはトニービンの血で、重い血を割り切ってさらに長距離に振る必要があったのだと今では思える。当母はグレイトフィーヴァー牝系に属し姉妹ヒカルアモーレでもわかるとおり長距離向きで類トニービンともいえるKaldounの血を持っている。ここまで書き進んできて、母父スペシャルウィークは名馬が多いような気もする。これまでの当母の産駒で結果は出ていないし、値付けも期待があるとは思えない額だが、現役時代の父のように一発があってもおかしくない配合に思える。
81.レインボーソングの19 父サトノアラジン 3万/口 メス
父の現役時代はすごく好きだった。キズナよりも父自体の配合は良いと思う。Fappiano含みのStorm Cat。母は天皇賞馬レインボーラインの姉でダートで3勝。全姉にクラシックのシルバーコレクター・アニメイトバイオ。スタミナ優位の母なので軽めの父とは相性良さそうだが、サンデーの3×3がどうなの……?怪我の多い牝系でもあるので濃いクロスは要注意かもしれない。
38.フェルミオンの19 父ジャスタウェイ 6万/口 牡
なんでも走るフェルミオン。と思っていたがダノンシャンティとの仔が病死により産駒の勝ち上がり記録は4で絶たれた。サンデー系統との配合でのみ勝てなかったことが本馬にも影響があると思える。主流血統が少ないのでよりサンデー色が目立ち、脆弱な血統図に思えるのだが……が、どうせ牡馬だし人気でしょう。
82.コンヴィクションⅡの19 父ジャスタウェイ 4.5万/口 メス
母はアルゼンチン馬だが現地の主流血統とも言うべきサザンヘイローを持ち、クロスのないアルゼンチン牝馬、というこれまでの我がクラブお得意のパターンにははまらなさそうな気がする。牝系をたどえばやはり我がクラブおかかえのポトリザリスーディアデラノビアの牝系にたどり着くので、牝系の力に期待するのもいいだろう。父がダイワメジャーだったらたぶん私は買っていた。
39.ロザリンドの19 父スクリーンヒーロー 7.5万/口 メス
母は我がクラブで大きな期待を背負って未勝利引退。禊を済ませるべく絹クラブへ出向し2年連続で名馬を輩出し絹クラブに多大な貢献をささげた。満を持して当クラブに戻ってきたわけだが……なぜサンデー系ではない微妙種牡馬でメス馬なのか??もしも名種牡馬なら、あるいは牡ならば絹クラブが回帰を許さなかっただろうとは容易に推測できる一方で、「ふざけんなよ母優先のクラブだろ!?」という我がクラブの(特にお金持ちの皆さまの)罵声が聞こえてきそうなので、微妙種牡馬のメス、というのは実に絶妙な折衷案な気がする。値段も、そうした銅鑼声の皆さまに合わせた高額セッティングなので、値段をこの馬の実力とは思わない方がいい。サンデーよりもRobertoの方が血が濃いのでおそらく鈍足、この馬もまた母優先用の馬ですぞ!
40.ピンクアリエスの19 父トーセンラー 3.5万/口 メス
変な馬しか??つけてもらっていない不遇の母ではあるがメサルティム(父ブリランテ)、クロウエア(父ホマレボシ)と地味ながら活躍馬を出している。牝系F1-l Sunny Gulfはパワーとスピード豊かでこの母系からもレディパステルなどの活躍馬が出ているので、いい加減に良い種牡馬とめぐり合わせてほしい。こんなカタログのすみっこは可哀そうだ!と、この母の仔でお財布を膨らませた皆様がきっとこの仔を狙っているだろう。これまでの種牡馬に比べれば相当に将来性はある種牡馬である(多分)。皆様の愛できっと抽選会にまで届くと思う。
41.グリューヴァインの19 父ヘニーヒューズ 4万/口 メス
ダート血統にダートの父なので、芝重視のノーザンに「どうせそういう偏屈な人もいるんでしょ」とばかりに混じる砂好きのための配合である。リフタスフェルトの「2匹目のどじょう」なるか。400m走とかあればいいのになぁと愛馬の走りをみて悔しい思いをしているが、おそらくこの馬も同じような短距離ダートの道・小銭稼ぎを目指していくことになるだろう。母母マルティンスタークからはスピード豊かな馬が多く出ているし皆気性が良く先行・持久力が高い。ごく一部の砂紳士の皆さまの票が殺到すると思うが、それでも私は抽選会に加わりたい。
83.ユールフェストの19 父シルバーステート 4.5万/口 牡
お待たせしました。今年の変態枠である。(これを血統評価のどこかで言いたかった。)ヘイロー祭&Grey Sovereign祭である。シルバーステートと言われれば未完の大器、買いたくなる気持ちはあるが、Turn-toにNasrullahとクロスの濃さは気になる…が!2020年夏競馬でユールフェストの3姉妹が全頭勝利。これは買えってことですかね?? どうせ人気殺到だと思うので勝手に書かせてもらうが、キアナ(モアナ14)の悲劇は忘れるべきじゃないと思うんですよ…
84.イマーキュレイトキャットの19 父 3.5万/口 メス
イスラボニータ楽しみだって言っておいてこっちは冷遇するのはダブルスタンダードだけど、嫌いなものは嫌い。脚がガチャガチャでまともに走るように見えない、とツアーのたびに思っていたが、あながち間違ってはいない。当母は超名牝Miesqueの孫にあたりKingmamboに続くスタミナ血統にStorm Catのスピードを加えた素晴らしい血統図を持っている。兄フォルコメン(父ヴィクトワールピサ)が堅実に走っていて確かに牝系の力はありそうだが、この父でメス。厳しいと思います。
42.サザンスピードの19 父ミッキーアイル 4万/口 メス
血統図を見ればわかる通り、父Halo系、母側にNureyevとデインヒル、という配合で父母の相似配合が成立している。母はオーストラリアで芝2400mのG1を制覇しているので父との適性は異なるが、血統図通りの活躍を見せるのか、怪我のリスクを高めてしまうのか、期待以下の活躍しかできていない兄達から壁を突破できるのか。ちなみに父ディープインパクトの兄は芝2400mを2分40秒という超絶ロバタイムで走ってそのまま引退しているので、今後この母はおそらく短距離系の父しか配合を許されないのだと思われる。メスなので性格的にキレてくれればチャンスはある…のか?
85.シンハリーズの19
母高齢
43.ソングバードの19
母高齢
44.ロスヴァイセの19 父リオンディーズ 7.5万/口 牡
キンカメ×名牝系は名牝系の押し出しが強い。とこのページにもどこかに書いてあると思うが、「ちゃんと考えれば優秀な血統」と友人TNB氏が語る通り、エピファネイアであれだけ優秀な馬が出てくるのだからさらに軽くなったリオンディーズで期待が小さくなるわけがない。実際に今年デビューした馬もすでに新馬勝ちを含め数頭が勝ち上がっているが、中長距離血統の母と相性が良さそうな感じはある。血統に凝り始めたころにF5-h Rough Shodがパワーとスタミナを供給すると随所に書いてきた記憶があるが、F5-g Quill =マルゼンスキーも牝系が近く似たような傾向を持っていると言える。そこにベガ牝系まで乗っているので、これは贅沢な血統図だし牧場の期待は相当なものだと推測する。欲しい、がおそらく最優先行使の争いになることは避けられないか。
86.シャレードスマイルの19 父リオンディーズ 5万/口 牡
母は未勝利だが母の兄はサトノクラウンでその父は疑似キンカメのMarju。あれだけ走った配合なのでキンカメ系との相性の良さを期待されて2年連続でこの父を交配され、一応姉も順調に育っている様子。当然ここは狙いに行くべきなのだろうが、……にしてはお買い得すぎませんかね?母父ステイゴールドの気性を見ておきたいところではあったがツアー中止でその確認はできず、上のロスヴァイセの血統図が美しいだけにこちらの馬はやや見劣りするか。
45.リーチングの19 6万/口 メス
ゲームの世界をイージーモードでやるとこういう成績になります、というような破格の成績であっという間に世界を制覇。そしてわずか3世代のみで急逝。母の姉はアイルランドオークスを制した名牝で、同じ牝系にはカジノドライヴがいて活力はありそうな血統ではある。が、繁殖用輸入牝馬の持ち込み馬は概ね黒歴史の系譜になっている印象がある。わかりやすい血統なのでごちょっと買い足そうとする小金持ちの皆さまで抽選は必須だろう。
87.タリサの19 6万/口 牡
母父はイギリスダービー馬だが真の実力を見せる前に怪我で引退。父親も近親クロスの塊でSharpen Up のクロスも主張しているとなればこれは福島に台風が来たあとくらいでないと走れないのでは……血統図からはお世辞にも日本向きとは言えない。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
会員の皆様に良い馬と縁がありますようお祈りいたします。
情報の転載はクラブの許可を得ています。