キャロットクラブ2024募集馬の血統評価・リアルスティール/リオンディーズ 産駒

8月に入りました。
こんな時期にコロナ警報とか、
マスクしてたら即熱中症な気がするんですが。
そして、カタログが来る前に書ききりたい。頑張るんだ私。

父リアルスティール

ティールグリーン23

母10歳 牡
 母の競争生活を血統図から想像してほしい。……当ホームページを読み込んでくれているなら多分8割の人が正解できる。その通り!ダート短距離で新馬戦を勝ったあとは一勝条件では歯が立たず、全4戦で引退している。母父系統のヨハネスブルグの仔を持っていたことがあるので(リフタスフェルト)わかったつもりで居るが、成長力が無いので使うたびに魅力が下がる線香花火血統なのである。母父Scat Daddyと父母ラヴズオンリーミーの血統構成は似通っており「父に眠る牝系の力を呼び起こそう」という試みなのかもしれないが、素直に血統表だけを見れば父の傾向に母の傾向を合わせてダート、となってしまうと思う。父の代表産駒フォーエバーヤングと似たような位置にVice RegentやMr. Pro.がいるが、一本筋を通すためにはNasrullahが欲しかったな。
 どうしても1勝を目指したいというアツいご新規の方にはぜひおススメである。こういう馬で3戦目くらいの未勝利を勝って、沼にハマってもらいたい。

アーズローヴァ―23

母7歳 メス 母優先  募集時母評価
 友人TNB氏は母母ヴィアンローズを庭で飼いたいと言っている。今でも、である。このヨーロピアン血統を愛しダービーを夢見てこの血統を毎年買っていて、なんだかんだ美味しい経験をしているのだから、TNB氏は母優先の権利を持つアーズローヴァ―の産駒も当然出資するだろう。
 当馬の父父ディープインパクトと母母ヴィアンローズの組み合わせで中長距離の先行馬シュヴァリエローズが出ているが、ディープ様の瞬発力を引き継いでも尚切れない伸びないバテない特性を出してしまうのだから相当母系が重いのだろう。母アーズローヴァ―も決め手を欠きながらも何度か上位入線を果たしており、こういう牝系だと楽観的に割り切る必要がある。母父キンシャサノキセキも短距離馬ではあるがLe FabuleuxやRibotの影響が強く、スピードというより持久力で短距離を無理やり走り切る種牡馬である。
 父リアルスティールも一流の血統馬だが今年2024年のクラシック路線を見るとフォーエバーヤングくらいしか目立たず、しかも活躍が海外ダート、「そっちかよ!」と言いたくなるようなズレた傾向である。これはディープと言うよりストームキャットが出ている、というのは暴言だろうが、この父に母系が影響しているのは間違いない。
 この父と母の組み合わせから見えてくるのは中距離のダートな気がする。とすると初子のメス、体重や骨格に大きなハンデが課されてしまう気もして、残念ながらTNB氏以外にはあまり勧められない。ただし幼駒ツアーで体格が良ければ評価も変わるだろう。

アトミカオロ23

母9歳 メス
 初仔プリーミー(父ドゥラメンテ)が川崎所属で6連勝を飾り、いつ中央に殴りこんでくるのか、まで言われているそうである。今日初めて知った。2番仔(父ダイワメジャー)は芝で未勝利入着を繰り返すいつものパターンになっている。母はアルゼンチンでG1(日本における桜花賞)を1勝、母父Orpenといえばサトノダイヤモンドだが当母はマイル近辺のスピードに優れる牝馬だった、ということだろうか。
 Storm Catの濃いクロス、母側にRibotとTom Fool、母がアルゼンチン馬。尻だ尻だと言っている当ホームページでは当然狙いに行くのだろうか?確かに、また同じ文言を繰り返してお下劣な紳士諸君の購買意欲を掻き立てようとした。ただし、冷静に見れば、ディアデラノビア、マラコスタムブラダ、当クラブにおいてアルゼンチン牝馬は「若さが大事」。初仔あるいは2番仔に勝る活躍をした馬は私が調べる限り居ない。さすがに母の尻まで追いかけるつもりはないが、くたびれた母の産駒では若いピチピチの母の仔には叶わないのだろう。残酷だが生物の原則である。

父リオンディーズ

コルコバード23

母10歳 牡  母優先  母産駒;ヘデントール
 兄ヘデントールが青葉賞惨敗のあと自己条件を突破。青葉賞だって外国人オシュなんとかさんがポカしなければ勝ちまであった。過去を悔やんでも仕方ないが。
 という兄と、血統図の上では父の母が違うだけである。兄ヘデントールの父の母はトニービン系のエアグルーヴ、当駒の父母はより欧州色の強いシーザリオである。両馬の知名度もスター性も、競争性能もそれぞれ秀でており、甲乙つけがたい感じはある。リオンディーズはちゃんとした牝馬をつければ活躍するはずだ、と2019年のツアーでTNB氏が息巻いていた(証拠;ロスヴァイセ19)とおり、テーオーロイヤルが2024年の春の天皇賞を獲った。エピファネイアよりも素軽い血統だと考えられるので、筋肉が少な目で体重が軽ければ長距離のステイヤーを目指せそうな馬が出てきそうな感じもある。
 当駒にサンデーのクロスがあるのが嫌な気もするが、テーオーロイヤルにもサンデーのクロスはあるし、ヘデントールも気性難のルーラーシップの仔なので似たようなものだろう。母父ステイゴールドは小柄で中長距離を得意とする馬で、父リオンディーズの方向性と一致する。コルコバード自身も長めの距離を得意としたステイヤー寄りだし主要血統のクロス因子をあまり持っていないので、小柄で細身な馬に出てほしい。G1馬の種牡馬になってしまったので多少人気は出るかもしれないが、いやいや、まだバレていないかもしれない。
 当レポートを読んでいただいた皆様、今年私はツアーには参加しませんが、当駒が牧場の隅にひっそりたたずむような小柄で控えめな馬だったなら、ぜひ私に教えてください。

リラヴァティ23

母12歳 牡  母優先  姉;ストゥーティ
 母は重賞勝ちもある名牝で、妹シンハライトほどでなかったにせよこの牝系の活力を存分に発揮したと言える。姉ストゥーティ(父モーリス)はチューリップ賞で3着に食い込み桜花賞にも出走、当初私が期待していた位には走ってくれただろうか。購入していないが。
 母父ゼンノロブロイは、競馬界全体がマイル寄りに短距離化していく中で珍しい中距離特化型の種牡馬で、産駒の重賞勝ちは2000m以上が多い。と言う傾向にこのステイヤー気質の父は正解だと言える。Sad. Wel.のクロスが入りちょっと鈍足になりそうな気もするが、そこはこの牝系がなんとかするだろう。兄ワールズエンド(父カナロア)は(デビューが遅れたのは気がかりではあるが)瞬発力は備えていそうなので、当然当駒にも期待は大きい。
 人気のある牝系なので抽選会は仕方ない。しかし、当駒は正統にクラシックを狙えると思うので避けて通れない抽選になるだろう。

エリスライト23

母8歳 牡  母優先 募集時母評価
 母は名牝マリアライトの「2匹目のドジョウ」にはなれず、2勝で引退。当駒の兄も(不確かな情報ながら)脚部不安を抱えているようで、微妙な空気が漂っている。母の評価でも書いた通りKingmamboのクロスにサンデーのクロスも抱えてしまっており、Sad. Wel.のクロスまである。父母は相似であり、これが頑丈な血統だったら楽しみもあったのかもしれないが、怪我や虚弱体質が多い血統なのでそれらが強調されてしまう気がする。残念ながら活躍は難しいのではないか。

以上になります。
風邪治したら本気出す。
うつしてしまった従業員の方大変申し訳ありません。