嵐が去って 北海道稚内編①
~最北端の赤と黄色の宝石箱~


2007年 9月7日 午後8時 仕事場にて

大して実のある話でもないくせに、
何度でも聞きたがる相手。
そんな相手に絡みつかれて、
ヘロヘロに消耗してたどり着いた休憩室。
上司はとっくに帰っている。

朝には窓を叩いていた豪雨も、
夜にはすっかり上がった。
しかし、今度は猛烈な風が窓を軋ませていた。

まあ、明日からの北海道ツーリングには影響あるまい

携帯電話の光が灯っている。
留守電にメッセージが残されているようだ

その 内容を 聞いた 私を
絶望が 包んだ ……


という旅の始まり。
少し時を巻き戻す。





2007年 8月某日

新人の宿命として、
去年よりは休みの自由がない。

8月はココは俺が休むから
ココは私ね と上司が次々と休みを決め

まー 当然 9月くらいしか残っていないわな

ゼロ円マップ 20071000円
毎年改訂してやがるくせにこの値段……
節約旅行させる気があるのかないのか……

と言いつつもつい買ってしまう。

去年の旅行の後、
毎年一度は北海道に行こうと決意したのである。
イイものを食べに ぐへへ

去年の反省を踏まえ、
・デジカメ購入
・ツーリングバッグ購入
・カッパのグレードアップ
・グローブのグレードアップ
・テントの処分
・ピロピロ装置改良

などと準備は完璧である。

資金は今回は自費だが、
まあ、そう何度も上手く行くはずないし。
これはしょうがない。

アクシデントなど、起こりようがなかった。
↑フラグです↑




2007年 9月7日 午後8時10分

冒頭に時間を戻す。

私は頭を抱えていた。
明日は夕方まで仕事だ。
外勤だが、まだ勤務一年目だし
ヘタな動きは出来ない。
かと言って、このままでは
明らかに間に合わない……

留守電には、こうメッセージが入っていた
お客様の 予約されていた
大洗港深夜発の フェリーは
台風の影響により
 
欠航が 決まりました

つまり、このままでは北海道に行けない
もう泣きそうです……



なんてね

茨城の大洗から出港停止なら、
仙台発のフェリーに乗ればいいじゃない
俺天才じゃね?

問題は移動時間
仙台発午後7時午後5時に東京を出たら
間に合わないでしょ
 さすがに


…… 依然 問題はなしッ
そして、翌日を迎えることになった。




2007年 9月8日
もう時効だからアレだけど、
午前中に外勤の仕事を猛スピードで終わらせて、

午前で 家族急病により早退
えー、いないはずのお兄様申し訳ありません

高速道路を走り抜け
途中ポリスに青キップを切られ
ちゃんと働けよピロピロ装置

午後6時、仙台港に到着。

ギリギリ。

バイクごとフェリーに乗り込む。



2等寝台

この頃のフェリーはテレビ付きで快適だった

見ておわかりいただけるだろうか。

下はジーンズ、そして上着は半袖、という
去年の失敗を見事に繰り返す
ペラい防寒装備。

フェリーに無事着けたことで安心し、
明日からのことなど考えずにぐっすり就寝

② 上陸、そして北へ

  
  1. 北海道最北端