キャロットクラブ2020募集馬血統評価 キングカメハメハ産駒
ミスプロ系の大種牡馬も後継をいくつか残して逝去。偉大な功績で後世への影響はディープより大きいと思う。
48、シンハライトの19 25万/口 牡
Our Bloodは見た目には会員思いのサービスだとは思うが、活躍馬が母として優先されるのは後世の血統にはとても悪影響だと思う。母父ディープだらけになってどの馬も突出した特長がなく、選ぶ側にしてみれば面白みのないラインナップに見える。種牡馬で非サンデーの馬を残せとは言わないからせめて牝馬くらいは非サンデーの母を残しておいてほしい。と愚痴ってみる。
父キンカメ×母父ディープで一番賞金を稼いでいるのは現時点でブラヴィス牡4歳だが、この母はヴィルシーナで超のつく名牝かつ先行力のあるMachiavellianとNureyevの血を引いている。だから当馬は厳しそう、と書き締めようと思ったが、シングスピールはスピード豊富な逃げ血統だし(シンハライトは追い込み馬だったが)もしかしたらヴィルシーナのようにキングカメハメハと相性が良い血かもしれない。牝系もスピードに優れるF6-e Selene系だし、母父ディープが嫌いな私だがこれはイケるかもしれない!兄のモーハライト、じゃなかったセブンサミットが鈍重そうな雰囲気なのは目を瞑って抽選会を楽しもう。
49、フロアクラフトの19 10万/口 メス
ほとんど休みなくタフに走り抜き会員 の皆様に愛された母だったが、その過酷な競争生活が祟ったのか母としての実績は非常に悪いと言わざるを得ない。初仔が腸骨骨折(末端の骨でなく体幹の骨である!)により引退、2番仔が慢性の皮膚病で育成不可能と2回連続で会員の心を折っている。2頭ともロードカナロアとの配合で大きく期待されていた上に、私も「母が若いうちにこの血統を手に入れておくべきだ」などとラッパを吹いてしまったので非常に心苦しいが、カナロアでこれだったのにキンカメで体質が改善するとは思えない。母リッチダンサーは堅実に産駒をクラシックに乗せていたが、同じイメージでこの産駒を買うことはお勧めできない。
ハーツクライ産駒
早熟化、スピード化が叫ばれる昨今にあって地道に長距離血統を量産するナイスミドル。同期が次々と逝去する中頑張るんだぞ!日本で後継を残せよ!(米国でヨシダが後継種牡馬入りしたとのこと)
8、ファイナルディシジョンの19 7.5万/口 メス
母は米国産で未勝利。母父はMajestic Lightの血を汲むケンタッキーダービー馬Super Saverでダートでのパワーに秀でる血統に思える。Ribotもあって爆発力の期待も高い。F8-hはあのオルフェーヴルと同族牝系でパワーと先行力で勝負するゴリゴリのダート血統と見て良さそうだ。で、これにハーツがどうなのかという。
当父の冒頭に書いた「ヨシダ」の血統を思い出してほしい。思い出せなければハーツクライと前項にあるヒルダズパッションの血統図を見直してほしい。このファイナルディシジョン、父の血統はMr. Proを主軸に米国Nas系を多く取り込んだ血統でヒルダズパッションの母父Canadian Frontierによく似ているのである。とするとハーツとの組み合わせは疑似ヨシダになれる可能性を秘めているのではないか。(と、去年くらいにもどこぞの馬に言った気がするが……)一発を期待するには十分な血統図だが、メスなので。 抽選会でしょうけど頑張ってください。
50、クルソラの19 12.5万/口 牡
母高齢
51、ファイナルスコアの19 11万/口 メス
母は以前に当クラブで募集のあったチェリーコレクトの妹。チェリーコレクトの産駒は当クラブでも大人気だったが結果もそれを裏付けて現時点で3勝。姉と当母の配合もよく似ており当母の産駒(当馬の姉)ノーブルスコアはチューリップ賞3着と実績を出している。こういったことから、姉の産駒で父ハーツのワーケアと当馬が同じように重賞を戦う未来を想像するのは難しいことではない。
2020日本ダービーで2着だったサリオスがハーツクライの現役産駒では1位につけている。サリオスの母サロミアはNijinsky系×デインヒル系の欧州血統馬で、一昔前は軽い牝系との配合が好まれたハーツクライだが近年は重厚な牝馬との配合にこそ中長距離での良さを活かせる利点があると考えられているのかもしれない。ダービー2着というのがまたいかにも父親っぽさを彷彿とさせるが。切れ味はディープに劣るかもしれないが、この配合ならば活躍の期待は大きいだろう。メスだけど。値段高すぎませんかね。
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