キャロットクラブ2020募集馬血統評価 ルーラーシップ産駒
徐々に消えゆく「頑固なトニービン血統」。種牡馬の中では比較的色濃く残していると思われるが、現代の競馬システムでそれが活きるかどうか。
24.ヴェルジョワーズの19 6.5万/口 牡
母は2勝。鋭い差し脚は持っていたものの気性難により成績が安定しなかった、というのは典型的なネオユニ牝馬に思えるが、妹サトノガーネット(父ディープ)が重賞勝利まで上り詰めているところを考えるとポテンシャルはありそうな気がする。Kingmamboの強みであるNureyevの先行力と母側のFairy Kingがクロスを結ぶので相性は良さそう。一方で瞬発力という点でどうか……ややバタ足になりそうで、他の兄弟でハーツクライとの配合がサッパリだったことを考えるとトニービンとの相性はあまり良くない。深夜に血統評価を書かないと募集開始に間に合いそうにない私には、あまり魅力的に見えない。母父ネオユニが馬格「だけ」を伝えてくれるのなら面白そうなのだが。
25.スペルオンミーの19 4.5万/口 メス
母は短距離で3勝。初仔が新馬戦でコケている。いわゆる「本家落ち」で当クラブに回ってきた馬なので、もうそれだけで興味が失せるのだが、母父ダイワメジャーなので!真面目に検討しようとは考えた。が、ノーザンテーストのクロスで芯はなさそうだし、母母側に鋭い血が入っていないのでどうにも決め手を欠く馬になりそう。ご新規様用でしょう。
26.アウェイクの19 4.5万/口 メス
母は1勝。人気を背負うことは多かったが実力は追い付かず、フローラSで3着なので世代の中ではスタミナ寄りだったということか。この牝系によく見られる早熟花火の血筋はこの馬も違わず、早期に引退している。トライマイベストとEl Gran Senorの全兄弟クロスが目を引くが逆に言えばそれしか特徴がなく、母父ディープ。晩成血統のルーラーシップがこの牝系の寿命を引き延ばせればいいが、当駒にそれを期待するのはちょっと酷かもしれない。
68.シャルールの19 7.5万/口 牡
母は芝中距離を中心に走って重賞で2着2回。存分に会員を楽しませた。牝系はグレイトフィーヴァー牝系でヒカルアモーレを筆頭にスタミナ自慢が揃い、Grey Sovereignのクロスもあって父ルーラーとは長距離志向が一致している。サンデー系統がゼンノロブロイというのも他のクセの強いサンデーの皆さんに比べたらマシなのではないかと考えれば、ルーラー産駒で買うならこの馬でしょうな。と、皆さんも考えるでしょうな。いい値段ついていますけども。
69.ベルディーヴァの19 6万/口 メス
母はハルーワソングの血を継ぐスピード牝系で短距離を中心に3勝。デビュー前の骨折を乗り越えてオープン3着まで出世したこの母に思い入れの強い会員様は多いに違いない。ダイワメジャーにNureyevなんだからキレ不足になりそうなものだがそれを補うのが牝系の力なのだろう。牝系とはディープとの相性がぶっちぎって良いが次点でシュヴァルグランのハーツクライが来ていることからもトニービン系とも相性は悪くないはず。ボトムに入っているBlushing Groomというのも面白い。欲を言えば父側にもHaloの血が欲しいのでルーラーよりはドゥラメンテのほうが…と言いたくもなるが、それは2番仔以降に期待か。初仔のメスという大ハンデはあるが、値段以上に走っても不思議はない。
70.アスティルの19 4.5万/口 メス
ベガ牝系とダイナカール牝系の競演!って、毎年どこかで書いている気がするけどいい加減バレてきているので、この組み合わせに期待するなら他の馬の方がいい。母も売られてしまった、ってことはそういうことだと思いますが。
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