キャロットクラブ2024募集馬の血統評価・クリソベリル産駒

クリソベリル、アツい想いがある会員様は多いのでしょうけど、
ごめんなさい、あまり印象になくて・・・
でも評価は頑張ります。

父クリソベリル

 全兄クリソライトの功績をなぞるようにダートで連勝、クリソプレーズ名牝系の先行力とパワーで存分な活躍を見せた後に7億円以上で種牡馬入り。ちょうどダート3冠が整備されダート賞金が上乗せされた、今日の時代の流れが良かった。少しだけ生まれが早かっただけのクリソライトはお隣の国に売却され(かの国でもコリアンカップなどの盛り上げを目的に強いオファーがあり、牧場が承諾した、と記憶している)、今では離島に追いやられ数頭の種付けのみ、らしい。所詮は興行の道具に過ぎないにしても、馬の命と血統に敬意を持っていただきたい。無理か。
 母父エルコンドルパサーで賞金順に並べるとクリソプレーズ牝系の競走馬が上位を独占しているのでなんとも言えないが、その次点あたりにアイムユアーズ(父ファルブラヴ・Fairy King系)、サムソンズプライド(父メイショウサムソン・Sad. Wel.系)が居るのでダート馬として割り切ってしまうならSad. Wel.のクロスは歓迎なのかもしれない。前述の2頭は芝馬だが。

クルークハイト23

母9歳 牡 母優先  母産駒;ルフクトス
 母クルークハイトはスピード豊かなソニンク牝系の出身で健康に競争生活を全うし28戦!でダートを5勝。規定により引退したがまだ走れそうな雰囲気はあったか。
 母父クロフネとか母父ダイワメジャーとか、マイルから中距離近辺を先行力で押し切れるパワータイプの種牡馬の産駒は子出しが良い。フレンチデピュティもノーザンテーストも(と括ってしまうのは雑かもしれないが)、Northern DancerにBunty Lawlessの血が混じるカナディアン血統なので似たもの同士、と言えるかもしれないが、頑健さと豊富な筋肉量は競争馬の一生にとってとても大事だ。関節の柔軟さによってスピード能力に差が出るものの、長らく稼いでくれる馬は持っていて楽しい。
 当駒の兄ルフクトス(父ニューイヤーズデイ)はダートを勝ち上がった後に成長放牧中だが、杉山厩舎がそう言うのだからそうなのだろう。決して放置ではないと信じている。母父クロフネはサンデー系と相性は良いが、母がダート系で父も先行ダート系、というほぼ同じ方向を向く因子の掛け合わせは果たしてどうだろうか。先ほど述べた「柔軟性」が、いくらかでも出てくれば良いのだが、新種牡馬の父の傾向は未知数である。

セレナズヴォイス23

母6歳 牡 母優先  募集時母評価
 母は募集後に未出走引退、当時の血統評価で繁殖向きとは書いたが、牧場の方々が私の評価を読んでしまったばかりに混乱してしまったのか、済まないことをしました、こんなにヤンママに仕立てろと命じたつもりはないんです。初仔は地方ダートで未勝利、今回は満を持しての募集である。
 母父オナーコードはシニスターミニスターやパイロの成功により次世代のダート種牡馬の一角を担うと判断されて2024年に輸入されたSeattle Slew系の種牡馬である。当母の場合は持ち込み馬だったので当母においては海外種牡馬Honor Codeの表記だったが、父の輸入前から当母への期待は大きかったに違いない。私が予想したモーリスとの配合は試されていないが、ダート種牡馬を連続で試されており2022年産は2歳夏にデビューしそうな気配がある。初仔を除けばダート活性の高い有能な母と言えるだろう。母の妹シングザットソングは芝短距離で重賞を獲っている。
 父クリソベリルはNur.やSad. Wel.などのヨーロピアン血統を持ちながら先行力を活かしてダートで活躍しており、母の評価で述べた通り当母の持つRough Shudと牝系クロスを作るので期待値は高い。しかも狙い澄ましたように牡。2018年当時は痛い思いをした会員様達も、当駒の将来を見据えればきっと「あの時に母の権利を買っておいて良かった」と思えるはずだ。

ジルズパレス23

母10歳 牡
 母は新馬勝ちの後勝ちに恵まれず地方移籍、地方で数回勝ったものの大きなところは獲れずに引退した。初仔(父レッドファルクス)は当クラブで地方募集されているが2勝に留まり、すごく良いかと言われれば「さほどでもない」という感じである。様々な差異はあるにせよサンデー系×ミスプロ系の種牡馬と言う点ではレッドファルクスにも当父は似通っており、すごく目を細めてみればサンデー(×ヨーロピアン)×Storm Cat、と見えてしまうような気もするが、配合としては突出したウリは無く凡庸であると言わざるを得ない。

ペニーウェディング23

母10歳 メス
 母は未勝利勝ちのみ、繁殖目的で輸入された外国牝馬の立ち位置だろうか。母父Broken Vowはアメリカのパワー血統の代表格Unbridledの後継で、牝系はKey to the Mint(→ダンシングキイ)を含み、Raja Babaを出したMissy Baba直系で超の付く名牝系である。
 だが近縁から重賞馬は出ておらず、この母の仔に至っては全頭が中央未勝利である。すぐ上の姉(父ゴールドドリーム)も一口20万の期待を背負っているがデビューから2戦連続で4着と厳しい状況である。おそらくは当駒も地方募集だろうから、ご新規様向けになるだろう。この馬なら当クラブの入会権は手に入るだろう。頑張ってください。

カイカヨソウ23

母13歳 メス 母優先  姉;カイカノキセキ
 わずか600万という価格で地方所属馬としてデビューした母だが、当クラブにおける地方黎明期の大きな支えとなり、その後の地方募集に大きな自信と価格を植え付けることになった。馬自身は知ったことではないと思うが、カイカヨソウの快挙をクラブは忘れずに居てほしい。地方馬がそんな低価格で募集されることは今後ないと思うが、この母以上のコストパフォーマンスをたたき出す馬は出てこないだろう。
 引退後に様々な配合を試され子ども達もそれなりの結果を出しているが、私は当母への経緯が足りないと感じている。思い切りダートで良いのである。と思ったらクラブ代表格の父との配合が出てきた。これはとても楽しみだ。Fairy Bridge=Sad. Wel.の全血クロスが思いっきり近くにあったりMr. Pro.のクロスが複数入っていたりと健康面に不安は残り、さらにメスではあるが、当母に敬意を持ったダート配合は大いに評価したい。首の短いダート馬らしい体格で会えるといいのだが。

以上になります。
連日の更新で疲れています。