血統評価2026・キタサンブラック産駒

血統評価2026・キタサンブラック産駒

トレジャーステイトの25 牡 母13歳

 キタサンブラック産駒の第一頭目も、これまた絹クラブからの贈り物である。露骨(笑)。

 まあ、ノーザン様の「二つのクラブを掛け持ちしてくださいね」という集金作戦の是非は当ホームページでは問わないが、ここ数年の一口馬主ブームの中で当クラブだけが「新規入会が困難である」というレッテルを貼られ、入会者を集めるのに苦労している現実は理解できる。美味しいと評判なのに予約出来ない、という噂が立てば誰も予約をしなくなり経営困難になる料理店は結構多い。しかもクラブ全体の成績が落ち目とくれば、既存の他クラブの金持ちを頼るのは仕方ないだろう。私は当クラブが大好きで当クラブを永遠に応援します。(ヤッツケ)
 母はデビューが遅れ三歳夏に初出走、地方を経由してダート短距離を中心に中央で3勝。馬体価格程度の賞金は稼いだ。父Oasis Dreamは先行型で短距離志向、母父としてシスキンを輩出しており日本での人気が高まりそうな気配はある。シスキンに寄せるとすると母母父にMr. Pro.、父にもFappiano系が入ればとても良いが、母母父にフォーティナイナーの系統がある以外は共通点は少なそう。兄姉はほぼ未勝利を勝ち上がっており、一頭だけ気性難を克服できなかった牝馬が居たのみで、勝ち上がっている兄弟はこれからの活躍が期待できそうな牝系でもある。
 長距離型の父フィエールマンとの配合でキチンと中長距離芝の馬を出しているのは立派で、しかも早期から活躍が期待できるとあれば人気は必至。この牝系の酸いも甘いも全て受け止めてきた絹クラブの皆さんを差し置いて、なぜ期待の牡馬が当クラブ募集なのか。これで高値を付けておけば、そりゃあ、絹クラブから入会金を払ってでも当クラブに入会する御大尽は増えますよ。マラコスタムブラダの仔バルセシートで当クラブ会員の財布のヒモの固さを思い知りましたからね、私は。

エスティタートの25 牡 母12歳 母優先 スキッフル牝系

2024年募集 ピウモッソ 
 昨年の血統評価で書いた通り兄カロローザ(エスティタート22;父ナダル)はダート中距離で1勝クラスを突破、2勝クラスでも入着とダートに矛先を向けて健闘している。父の特性をスムーズに出せる母なので、ナダルならダートは当然だろう。とすると、中長距離の父の配合を持つ当駒は物凄く期待が高まる。
 牝系の中で活躍した重賞馬フラガラッハは当駒の母母スキッフルと父デュランダルの配合で、後方一気を得意とする父の遺伝を色濃く受け継いでいた。デュランダル自身は短距離馬だったが母父ノーザンテーストを持ちマイルから中距離くらいまでは対応できていた、と考えると、どうだろう、キタサンブラックの母父サクラバクシンオーとも特長は一致していると考えても良いかもしれない。一代世代を経てドリームジャーニーが挟まっているものの母自身も仔出しは順調で、父の特長を出せる牝系と考えれば父キタサンブラックの、ざっくり行ってしまえばノーザンテースト含みのサンデー系との組み合わせは良い。
 欲を言えば爆発力が欲しいところではあるが、牧場もそれを考えてのこの父の配合だろうし、それを当駒に期待しても良いと思う。

スウィッチインタイムの25 牡 母13歳

 母はJBISデータベースによれば米国で1勝。兄姉も堅実に走っていると思うがスウィッチインラブ(2023年産;父コントレイル)が渡米しBCジュベナイルフィリーズに挑戦。いくらなんでもドリームクラブすぎた。競りで1億8000万取引の馬が一口募集で追加料金なし1億2000万?!あのクラブの採算どうなっているんだろうと逆に不安になるぞ。という感じなので、ハチャメチャな競争成績も含めてまあまあな牝系と言えるだろう。
 前項イクイノックス産駒の他の馬でも書いたが母父Galileoとサンデー系との相性で言えば中長距離のハーツクライが良いので、サンデー系×Nas.系の当父も配合は良いと推測できる。牝系の爆発力があれば姉ブルスカメンテ(2022産;父ドゥラメンテ)がもっと輝いても良さそうなものだが、うーんメスだからか、2勝はしているが微妙な成績っぽい。当駒もMr. Pro.の血がやや濃い目なのでダートっぽくも見えますが、この父ですから芝で使うのでしょうね。さあとても強い馬ですよ!と、言い切れないような気もするが、中長距離の大物を期待できるので、DMMの皆様、当駒でキャロットチャレンジを狙ってみてはどうでしょう!?

スルーセブンシーズの25 メス 母7歳 母優先 スルーオール牝系

 母は小柄ながら宝塚記念2着、凱旋門4着と、まさに名前のように世界を股にかけた活躍を見せた。会員の喝さいを浴びながら繁殖入りを果たしており、当駒が初仔である。
 この牝系は重賞馬を多数輩出するスピード牝系で、血縁の牝馬を一頭持っておきたかった、と、2014年産のマイティーキュート(母ダイワメジャー)の権利を手に入れたのだが、調教中の事故で繁殖にすら上がれず引退。権利を持っていた私も、そして同じく権利を持っていたTNBも落胆した過去がある。つい先日管理していた調教師も亡くなった。マイティーキュートの事故当初は様々な思いもあったが、立派な師の逝去にお悔やみを申し上げます。
 2014年産からその後、母マイティースルーからパッシングスルー、スルーセブンシーズ、フェブランシェ、と重賞馬が頻出し、また別の枝母ビットレートからトータルクラリティが出るなど、微妙な種牡馬から活躍馬を出している。最終的にはマイティースルーが本流で成長力が一番有りそうに思えるのだが、これらの重賞馬も本格化したのは5歳頃なので牝系はやや晩成と言える。当母も3歳時は成績が伸びず、おそらく遺伝的には当駒も晩成型になるのではないか。もちろん、晩成型の可能性を秘めながら既に強いブレッドパス(母パッシングスルー;父アルアイン)が居たりするので、底知れない魅力がある。全体に牝系の遺伝が強そうにも思えるので、中長距離向きのキタサンをうまく取り入れられれば、ブレッドパスの父アルアインのようにサンデー系×母父Nasrullah系がうまく和合してくれれば、母の能力を引き継いで活躍が期待できる。
 が、現役時代に酷使された小柄な母の初仔でメス。馬格の問題とケガのリスクとは向き合わなくてはならないだろう。

ストゥーティの25 メス 母7歳 母優先   シンハリーズ牝系

 今年牝系から久々の大物アランカール(シンハライト2023)が出現し、鋭い瞬発力を武器にクラシック戦線を戦っているが勝ちまでは到達していない。次戦のオークスでどうだろうか。母シンハライトに勝利を捧げられるだろうか。私は、彼女の初戴冠が十分あり得ると思っている。応援しています。(追記;負けた。)
 今年2026年に社台の大物から「長距離のG1要らないんじゃない。」と、競馬、ひいては馬産における歴史を全否定する、経済における総理の「円安ホクホク」に並ぶ大失言が飛び出した。経済利潤を生む観点からすれば、悔しいが長距離不要論は理にかなっている。未勝利戦のほとんどが短距離寄りであり、生産者が長距離の資質を見出しても下級戦では役に立たない。長距離を走ればコースの芝は傷み、競走馬も傷み、中だるみしてファンもあくびする。今は動画サービスで早送りすれば短距離も長距離も直線の攻防だけ見ればよい。ファンが離れれば競馬は衰退するから、人気のない長距離や障害競馬は削って良い。本当にそうだろうか?
 私は競走馬の好みも自身の人生の思考パターンもマイラーなので、正直に言えば長距離のレースは退屈に感じる。だが、血統は別だ。今年2026年の春の天皇賞、淀3200mを走り切ってわずか2cm差の死闘を演じたクロワデュノールとヴェルテンベルクの2頭はともに父キタサンブラックで、この父が産駒に十分なスタミナを供給することが改めて証明された。さらに言えば、2026年皐月賞馬ロブチェンの父ワールドエースは菊花賞と春の天皇賞を制したステイヤーだった。ハイスピードを維持しながら逃げ切ったレースぶりから考えても、スピード能力を高めていく時に持久力を裏打ちするスタミナの血は不可欠なのである。将来に向けて強い種牡馬を選定する、という競馬の大原則において、これでも長距離が不要と言えるだろうか。
 やっと当駒の解説に入る、前置きが長かった。シンハリーズ牝系は大きく枝葉を広げているがほぼ怪我が必発と言える脆弱な牝系である。シンハライト―アランカールで将来に牝系を繋いでいきそうだが、リラヴァティの系統からも仔ワールズエンド(リラヴァティ2021;父ロードカナロア)が一族待望の重賞制覇を果たし、こちらも見劣りしていない。母ストゥーティは桜花賞7着がキャリアの最高位だったが、逃げにこだわっていたのは気性に問題があったからだろうか。あるいはパワー不足による瞬発力不足だろうか。
 ストゥーティの母父ゼンノロブロイはスタミナ優位の若干凡庸な血で瞬発力を欠き、母父マイニングっぽさを出してしまっており現代競馬に適応できず消えていきそうな血だ。だが、ゼンノロブロイの母ローミンレイチェルの子孫から世代を挟んで現役最強馬フォーエバーヤングが産まれており、なるほど先行逃げも極めればこうなるか、という具合に世界の競馬に繋がっている。父モーリスでHaloとSad.Wel.のクロスが入りさらにスタミナ型になっていると考えられそうだが、反面、瞬発力を欠いたという結末はストゥーティの競争生活(全3勝中2勝が雨の馬場悪化、残る1勝が中山芝2000m)で証明されている。
 というスタミナタイプにこの父キタサンブラックである。中長距離の先行型で若干のLyphard要素も持っているので当母とは相性は良さそうに思える。同牝系内で唯一?配合が試されたディバイングレース(シンハディーパ2020;父キタサンブラック)が気性難を抱えながらも怪我無く競争生活を全うできたのは良い経験で、カリカリにスピードを求めた配合ではないので当駒も牝系内においては比較的怪我のリスクは少ないかもしれない。初仔のメスだが、そんなことのリスクは熟練の会員の皆様なら気にしないでしょう。初仔からキタサンブラックとはかなり思い切った配合にも思えるが、馬格さえ良ければ桜で距離が足りずに樫で戴冠、みたいなことまで妄想できるでしょうか。

もう準備した原稿が終わりそうなんです・・・
頑張りますけども・・・