キャロットクラブ2024募集馬の血統評価・ハービンジャー/ブリックスアンドモルタル/ミッキーアイル 産駒

やたらハービンジャーを評価しているって?
そりゃそうですよ、
ナミュールでG1を獲らせてもらったんですよ。

父ハービンジャー

コンダクトレス23

母8歳 牡  母産駒;コンアフェット
 父ハービンジャーには恩がある。私の愛馬ナミュール号が豪脚一閃で2023年のマイルチャンピオンシップを制し、その後も一線級で賞金を稼ぎ続けている。何が良かったのか、と言われればサンブルエミューズの柔軟性にハービンジャーの緩さ(もちろん良い意味で、である)がマッチした上に、筋肉量が少なめの牝馬だったことが挙げられる。この柔軟性と瞬発力の源はダンシングブレーヴだろうと私は確信している。欧州血統の瞬発力にハービンジャーのしなやかさの和合性が高い、と考えると、当馬の評価はとても高いと言える。ただし、母父ホワイトマズルは先行一辺倒のギアチェンジが少ない馬だったのでダンシングブレーヴの良さが消されている可能性はあり、また当馬が牡馬なのもベストとは言い難い。気がかりな点が無いわけではない。牝系の活力頼みになるだろう。
 母コンダクトレス3万円/口、母母ファーストチェア4万円/口、高額馬の陰に隠れながら細々と繋いできた牝系だが、この金額評価は今となっては低すぎる。同じ牝系ケイティーズからダービー馬エフフォーリアが出ていて牝系全体の勢いがとても強いからだ。
 ハービンジャーの産駒は牝馬の方が期待は高い、ただし牝馬ではダービーを獲れない。私はこの馬の将来性を高く評価したい。

プルメリアスター23

母11歳 牡  母優先  姉;セラディーン
 当クラブお抱えのリリサイド牝系の一頭である。当母は名牝リスグラシューの姉で芝短距離を3勝。初仔の血統評価でアツいコメントを書いていたものの初仔は1戦未勝利で引退。2番仔ココクレーターが芝マイルで既に3勝を挙げ、当駒の全兄ジオセントリックは新馬戦を勝利している。ジオセントリックは芝中距離の勝利なのでこれは期待、と思っていたら残念ながら骨折し長期休養中である。
 母父ゼンノロブロイの傾向から見ても、リリサイド血統の他の馬の傾向から見ても、当母は本来芝中距離だったのではないだろうか。父ハービンジャーも柔軟性に富み中距離での瞬発力勝負を得意としている。当駒はBering=Lyphardの多重クロスがありMill Reefのスピードも母から供給できる。能力の高さは想像できて、同牝系の中では一番仔出しが良いのに人気はリスグラシューより少ない。悪い点を挙げるならヨーロピアン要素が強いので緩すぎて仕上がらないリスクはあると思う。だが、楽しみな幼駒であることは間違いない。

父ブリックスアンドモルタル

デスティノアーラ23

母5歳 メス  母優先  募集時母評価
 母は未勝利。当時はまだ引退規定が緩かったのか、あるいは有力者が出資していたのかはわからないが未勝利戦終結後も上級条件に挑戦し惨敗。初仔の当駒は当歳ミックスセールに出され1500万スタート時の価格でキャロットが落札している。
 事情が透けて見える。おそらく個人馬主の権利もあるクラブ会員がこの馬を一口持っていて、未勝利戦終結後に走らせたのはその会員への忖度だろう。ミックスセールで当歳の当駒を出したのもその会員へ買わせるため、だったが会員が入札せず、主取りはマズいのでほぼ主取りに近いが当クラブが買い取った、ということではなかろうか。推測だが。どう?当たっているんじゃないかGoRiGoRi君。
 母の募集時から全く評価していなかったが、母母の血はHyperion系を多く含む鈍重な血である。ディープの瞬発力を削ぐだろうと予測し的中した。さらにこの父で軽さとNasrullahのスピードを引き出そうという試みだろうが、この牝系から日本での成功が出ていない現状を考えると厳しいと言わざるを得ない。競り経由なので値段はある程度予測がつくが、一口5万(2000万)と言ってくるならまだ良心的な方だろう。

エールデュレーヴ23

母10歳 メス  母産駒;スプレッドアウト
 「レーヴ血統はガラスの脚だ」とネット記事に書かれてしまうほど今では有名な話ではあるが、私が当母の妹レーヴルシードの評価の中で既にこの血統の脆さについて語っていた。約10年前である。私の血統評価を読んだ上で参考にしてネット記事が書かれたのであれば、ぜひ掲示板で連絡してほしい。ロイヤリティを受け取る準備はいつでもある。然るべき額の小切手を私はいつでもお待ちしています。
 レーヴルシードの項でほとんど語りつくしているので再掲はしないが、母の初仔は父ハービンジャーで血統クロスの呪いを交わしたか、に思えたがDansiliの母がRobertoを含んでいて結局は仕上がらないまま引退した。2番仔も悲惨だったがまさか手を出した会員は居るまい。……なぜか満口だが。当駒も初仔同様、血統図の嫌な位置にRoberto様が鎮座していて、とてもではないが「大丈夫」とは言えない体質であると思われる。
 母優先の産駒ではあるが、酷い言い方をすると、「ご新規にぜひ残しておきたい危険な幼駒である」と言える。

父ミッキーアイル

サバンナズチョイス23

は母高齢のため評価しません。

ムーングロウ23

母14歳 メス  兄;モントライゼ
 兄モントライゼが2歳時に早熟性を活かして奮戦し重賞勝利もある。母父Nayefは芝中距離を走っていたが母父父Gulchはダートの短距離馬で、この父子での適性の差には母系Highclereが影響したと考えるのが自然。とすると母の血統構成には大きく影響していると考えられ、ミッキーアイルが短距離馬だとはいえ父父ディープのHighclereとの干渉は避けられなさそうか。半兄アーマルコライト(父ジャスタウェイ)ですらダート長距離に向かっている方向性を考えると、よほどの短距離特化型の父でないと中距離の世界には戻ってこられなさそうな気がする。個人的には良い位置に瞬発力の強いRed God系がいるので、ここが活性化すれば面白いのだが……ちょっとこの血統図では難しいか。

あとは……父が一頭募集の「雑多な」幼駒。
ここからが大変なのです……