さっさと書かないと終わらないのよ!
当ホームページの掲示板にはTNB氏のアツい講評が書かれていますが、
もう自分で書きなさいよ…
いえなんでもありません。
今回は都合により3頭の種牡馬の評価をします。
間に挟まっているスワーヴリチャードは
母高齢のため評価していません。
父コントレイル
コントレイルの競争生活を回顧して、Unbridled’s Songとディープがニックスであると主張している論者も散見するが、本当だろうか。2024年時点での総賞金順にこの配合の馬を並べると、コントレイルの下にはダノンプラチナ(朝日杯FS)、サイレントトリック(北九州短距離OP)、レッドベルオーブ(デイリー杯2歳S)と続いている。コントレイル以外のこの配合馬たちなら評価は決めやすく、アメリカ血統の早熟短距離と言い切れる。コントレイルはたまたまUnbridled’s Songの影響を受けずその奥のStorm Catの影響を受け継いだと考えると、キズナ的な活躍の既往が理解できる気がする。
となるとアメリカ血統の牝馬は瞬発力不足に陥る可能性があり短距離やダートに寄ってしまう可能性が高いかもしれない。思い切ったヨーロピアン系牝馬との配合が面白いかもしれないが、当面そういう産駒は当クラブには来ないだろう。分かりやすい方が当クラブでは好まれるからだ。
マニーズオンシャーロット23
母11歳 牡
母はアメリカダート中距離を中心に7勝。大きいところは取れず前哨戦勝利程度に留まった。当駒の上は全て牝だが競争能力は低く、少なくとも血統から強く推せる馬ではない。父コントレイルは大きな魅力だが、いかんせん母の魅力が乏しければ当駒の将来も厳しいか。コントレイルにアメリカ血統で馬格は良く見せる可能性はあるが、Caroのクロスで距離も短くなりそうだし鈍足っぽいし、私は多分財布を開かない。
ビッグワールド23
母10歳 メス
母はアメリカで走りラトロワンヌS(ダート8.5F)1着、ただし不良馬場なので評価は難しい。父コントレイルとは相似血でHalo、Unbridledあたりはほぼ同じ位置にある。普通に考えれば早熟なスピード馬、となりそうだが、ちょっとやっかいなのが母側のSeattle Slewで、父側Tiznowの牝系とクロスしてしまう。残念ながら活躍は母と同じくダートになりそうだ。初年度産駒のご祝儀も価格に転嫁されると思うので、私は今年はコントレイルには手を出さない。
父スワーヴリチャード
アーマイン23は母高齢のため評価しません。
父キズナ
ディープの後継種牡馬で、牝馬の活躍馬が優位に多く、母父シンボリクリスエスとの配合で2頭のG1馬(ソングライン、アカイイト)が出ている。恨み節を言うとそれぞれ私の持ち馬ナミュール、レイパパレが敗北した相手であり、ちなみにキズナのダービーでも現地観戦して馬券でコテンパンにやられた記憶があるので、私との相性は良くない。ヒロイン血統なところも、軟弱な優男のところも、陰キャでムサい我々は忌み嫌う部分である。そうだよなTNB氏?
キズナの母母Pacific Princessが超優秀な母系でビワハヤヒデ、ナリタブライアンと中長距離で(当時)最強格の馬の母である。母キャットクイルからもファレノプシスが出ていて他の枝からもラストインパクトなどが出る一方、ふとした拍子にステイヤーズSを制覇するモンドインテロなどが居て、この牝系から影響を受けるキズナ産駒は距離に関しては固定観念を持たない方が良い。シンボリクリスエスとの配合が一番当たっているように思えるのでパワーの補完はあった方が良い。会員様の多くはクラシックへの期待を持ち、牧場もそれに向けて仕上げるが、この種牡馬はやや晩成気味ではないか。牡馬で2024の皐月賞馬ジャスティンスカイは異端と考えているが、これから育成の工夫次第ではクラシックで強い馬も出てくるだろう。(と、言い続けて数年が経っているが。)
マラコスタムブラダ23
母13歳 牡 姉;レシステンシア
姉の血統評価は今読み返すと非常に下品で紳士淑女の皆様には見せられない代物だが、的を射ている部分もある。まるでわからない南米の血統表で祖先の記録を読み漁るよりも、陽気なサンバのリズムに身を任せても良いのである。特にレシステンシア(父ダイワメジャー)で一度はスターダムに上り詰めた能力はあるし、南米馬だが中身はデインヒル(ほぼハービンジャー)やSad. Wel.といったヨーロピアン系の芝馬の血が多いし、軽い優男のキズナの血へのスタミナ補完という点では申し分ないと言える。レシステンシア以降はやや重めの父を試されてレシステンシアほどの効果が出ていないが、うまく当たればスピードを持つ中長距離馬としての活躍が見込めそうだ。牡だし、人気が高いだろうけれども、ぜひ狙いたい。
アールブリュット23
母11歳 牡 母優先 兄;パラレルヴィジョン
全兄パラレルヴィジョンは堅実な走りで賞金を積み重ね、これからも重賞戦線で活躍しそうな気配がある。瞬発力を求められると足りないのはRoberto的とも言えるが、先行できると大負けしないのは一口を持っている会員様にとっては安心だろう。追い込み不発の度にブチ切れて命を削っている私の身にもなってもらいたい。
母母イグジビットワンの足元の脆弱さが遺伝していなければ、当馬も活躍の期待は高い。前述したように父キズナとRoberto系の相性は良いと推測されるので、パラレルヴィジョンもさらに成長する余地を残すし当馬も長く一線級で走れるポテンシャルはあるだろう。
アドマイヤローザ23
母9歳 メス
キズナをヒロイン血統だと評するならこのダイナカール牝系との組み合わせはとても良い配合だとするべきなのだろうが、果たしてどうだろうか。3代母アドマイヤグルーヴの末弟にドゥラメンテが出ているが当母母アドマイヤテンバ(父クロフネ)は母の妹アドマイヤセプター(父キンカメ)にも競争能力は劣り、繁殖牝馬としてもアドマイヤセプターは重賞2着馬を出しているのに対しアドマイヤテンバは2勝が最高値である。クロフネ、ハービンジャーと柔らかな馬を重ねた結果緩くて締まらない筋肉になっていそうなので、この母から偉大な牝馬エアグルーヴの再来が!という感じにはならないと思う。当駒の兄グレッソネイを見ても、ダートでやっと前残り、という感じで、血統表程の予測に実際は届かないと私は悲観的に考えている。
ウラヌスチャーム23
母8歳 メス
半兄セブンスプラネットはG1レーシング募集だが、本格的調教を前に靭帯炎を発症、未出走に終わる可能性さえ出てきている。その妹を同クラブに売ろうなどという暴挙は出来ず、当クラブに回ってきた、と推測する。半兄の父サトノダイヤモンドはHaloの血も多く含んでおり流石に血が濃すぎたとはいえ、幼駒の時点で事故った馬の妹を買おうとは思えない。これはご新規様の為に置いておきたい。
父ロードカナロア
種牡馬デビュー当初は「猫のようにおとなしかった」と言われた当馬だが年を取って頑固おやじになってきたのか、多くの牝馬の配合をこなす中で自分が王様格だと理解したのか、性格が荒々しくなってきているという。一度きりの馬生なので、好きに過ごせばよい。牧場スタッフの言うことなど聞く必要はない。牡牝ともに後継は十分に残したので、君はよく頑張った。年を経てキンカメの要素は薄れStorm Cat的になってきているのだろう。血統的特徴は「薄味」。強い母なら強い馬を出すし、逆もある。重めの馬を付けても(パンサラッサ;母父Montjeu)中距離まで、という印象が強いので、わざわざ親系統をつけるなら中距離で強かった牝馬、ということになるか。
シーブルック23
母8歳 牡
母はニュージーランド産牝馬で2歳G1芝1600mを勝利。母父はオーストラリアの短距離馬Fastnet Rockの系統で全体に短距離向きの印象を受ける。母母父Zabeelの産駒はオーストラリアの短中距離で優秀な成績を重ねている。日本ではマイネプリテンダー→ユーバーレーベンにまで優秀な血をつないでおり、Zabeelの血に注目したマイネル岡田総帥がマイネプリテンダーを輸入してロージズインメイを配合、その仔マイネテレジアにゴールドシップを配合してユーバーレーベンを産出しオークスを獲ったのだから、このZabeelはとても優秀な血なのだろう。おいヤメロそういうこと言うと欲しくなっちゃうダロ!
少なくとも2015年~2018年の当クラブ募集でオーストラリア血統とカナロアの配合例は無く私の知識は無いに等しいのだが、父母とも早熟短距離志向と方向性は合っているような気がするしStorm Birdのクロスも入る。小銭稼ぎ向きと割り切ってしまえば値段次第では候補に上がると思う。
ラッキーダイム23
母6歳 牡
母父Creative Causeはダート中距離で4勝、2歳時に完成型の早熟馬だった。弟にドバイワールドカップ2着のホットロッドチャーリーが居て、ダート中距離血統に思える。母母父Indian Charlieもダート短距離型だがCaroの血を引いていて固めのイメージだろうか。当駒の曾祖父母に3頭もの「アメリカ型Northern Dancer×Nasrullah系」が居て、しかもIndian Charlieの母父もSovereign Dancer系なので「N. D.系×Nas.系」、類似の血である。カナロアが母の血を引き出すのであればこれはスピード豊かなダート馬が!出来るといいなぁ……血統は素晴らしいのに牡馬で当クラブ募集。すぐに穿った見方をしてしまうのは私の悪い癖だが、馬体を見るまでは血統表を素直に信じきれない。
以上になります。もう70頭くらい書いた・・・え、まだ19頭??マジかよ・・・