キャロットクラブ2024募集馬の血統評価・サートゥルナーリア産駒

シーザリオの仔から第三の種牡馬。
エピファネイアの方が距離融通利きそうですけど、
スピードはこちらの方が上でしょうか。
夏デビューの産駒たちは上々の出来っぽいですが。

父サートゥルナーリア

 シーザリオ17募集時の評価
 現役時はホープフルS、皐月賞の2連勝を飾った。断然の1番人気で挑んだダービーでは4着に沈んだ。距離が持たないだろうと予測していた現地の私はロジャーバローズの単勝で勝負し、4コーナー付近でただ一人歓喜していて周囲から敵視されていた。懐かしい思い出だ。その後菊花賞を蹴って挑んだ天皇賞でも敗北し、有馬記念で2着があるものの、その後の勝利は2軍級の集まりだった金鯱賞のみである。有馬記念で2着と言っても1着馬の牝馬リスグラシューにすら5馬身離されており、有馬記念自体もマイラーで着狙いは可能なレースなのであまり当てにならない。2000mまでの早熟馬、と言われてしまうのだろうか。
 2024年の新馬が何頭か勝利を挙げているが、我慢が利いて瞬発力もあるっぽいので期待は出来そうな気がする。兄エピファネイアに比べたら良くも悪くもStorm Catなので主戦場はマイル近辺になりそうか。エピファネイアではNasrullah系の刺激が、と書いた通り当馬の仔ではStorm Cat系のクロスが短距離寄りのスピードを引き出すカギになるだろう。サートゥルナーリアの馬体はスラリとして中距離をこなせそうにも見えたので、配合次第では中距離も持つと思う、というか、ノーザン育成の意地で持たせると思う。

ラドラーダ23

は母高齢のため評価しません

カヴァートラブ23

母11歳 牡
 母は欧州で5勝、アイルランドオークス、オペラ賞と中距離G1を2つ勝っている。しかし輸入後の産駒が全く走っておらず、キンカメ系ドゥラメンテとの配合でも2戦連続ビリで引退と良いところが無い。すぐ上の兄姉は父キズナでNight Shift(ノーザンテーストの疑似配合)と相性が良いおかげか走りそうな雰囲気はあるが、再びMr. Pro.系に戻った当駒はどうだろうか、母側のWoodmanあたりとクロスするのはあまり良くないような気もして、牡馬なのに当クラブに回ってきたという経緯も考えると、当駒の能力はなんとなく疑いたくなる。

ココファンタジア23

母10歳 牡 母優先
 母を一口所有していたDDKとしては、3歳夏にハナ差ギリギリで勝利した晩成血統で、その後もヤキモキしながら長い目で見守っていた記憶がある。その後短距離で2勝しているが、その後は短距離を後ろから追走して届かないレースばかりだったので本来はマイル位が良かったのではないかと思っているが、気性面の問題もあったか。仔は全く走っておらず、兄ファンタジスタ(父ルーラーシップ)は末脚不足で未勝利も勝ち上がれなかった。その妹に至っては売り場すら失いかけて地方所属で無理やり募集に出し、幼駒ツアーで他の馬に蹴られたのか生傷をさらしたまま、見学者を気にせず寝込んでいた、という間抜けな姿をさらしていた。(これはダメだろうな、と思いつつ温情で買ってしまったのでよく覚えている。)
 こうした兄弟だけを見れば、当駒の将来は厳しい、と言わざるを得ない。ただし、3代母ゴールドティアラはダート重賞の常連だったし、母の兄ステファノスも重賞馬である。血族は皆本格化まで時間を要しているし、さらに母父がステイゴールドなので晩成化に拍車をかけているが、母のようにハナ差でも1勝さえ出来れば、古馬になってからの活躍のチャンスはあると密かに期待している。(この父にはディープのBustedよりもステイゴールドのディクタス>Hyperionの方が良い。父の内包するセントクレスピン>Aureoleとクロスするからだ。)将来予測としてはダートな気がするが、牡馬であればそれでも良い。できれば一般母優先で獲れる程度の人気薄であってほしい。そして個人的に、サートゥルナーリアがクロフネの血と相性が良いと分かれば、来年2025年の募集がとても楽しみになる。

コントラチェック23

母7歳 メス  母優先
 母母リッチダンサーからは当母コントラチェックと当母の姉バウンスシャッセの2頭がフラワーカップを制する活躍を見せており、「準・名牝系」くらいの地位には居そうである。当クラブにはTNB氏を始めとしてリッチダンサーのファンは多く、当駒の成長を心待ちにしていることだろう。
 リッチダンサーの奥に眠るFairy KingはSad. Wel.と全兄弟クロスを作り、当母の姉バウンスシャッセの活躍を考えるとミスプロ系統との相性も良さそうだ。父母シーザリオならリオンディーズで良かったのではないかとも思えるが、そこは新種牡馬への期待と、種付け料の差と、クラブ会員の食いつきの差と、暴利価格でも売れるでしょうという目論見と、様々な大人の事情が見え隠れする。隆々とした筋肉を誇ったリッチダンサー一族だが、やや細身に映るこの父のシルエットにどこまで寄せていけるか。あるいは牝系の影響を抜けられずマイラーの善戦タイプになるか。どちらであっても金満会員による争奪戦は間違いないだろうが、どちらであってもおそらく活躍は見込めると思う。

ミリッサ23

母9歳 メス 母優先  母募集時評価
 母は桜花賞馬シンハライトの妹で重賞に挑戦したものの戴冠は無く、それでも4勝。ダイワメジャーに寄りすぎてしまったためか距離の壁があった。馬体価格の倍を稼いで引退したのだから一口を持っていたTNBはとても感謝していると思う。
 この血族の別の馬(ガルヴィハーラ;母ポロンナルワはミリッサの姉)を持っていたので少し理解しているが、この母系におけるHaloの血の濃さは怪我のリスクに直結する。兄ハッピージャズ(父ロードカナロア)は脚部不安で募集取消になっているし、その下アルガムベイ(父モーリス)も育成が遅れているようである。母父ダイワメジャーがいくらか筋肉量を補完しているとは言え、この筋肉量が薄目の父でははっきり言って厳しい。この母系に関して言えばSad. Wel.のクロスも成長力低下の悪さを働いていそうな気がする。TNB氏、これは愛だけではどうにもならんぞ!

リカビトス23

母9歳 メス 母優先 母募集時評価
 母の評価時は全くやる気がなかったらしく、その後の当母の活躍を見て全力土下座をして締め括っている。ゆったりとしたローテで3連勝した後に秋華賞では大敗したものの得意条件のマイル近辺で入着を繰り返し、最後は燃え尽きて引退。立派だった。
 兄リュケイオン(父モーリス)は中長距離を使われているが毎回後方からの追い込み届かずで、未勝利勝ち上がりに黄色信号が点灯している。その下カンピドリオは募集時1番人気?だったような気がするが2024年夏の時点では骨瘤放牧から帰ってきて本格育成には乗れておらず、評価はまだ決められない。カンピドリオの父母アドマイヤグルーヴ>エアグルーヴはトニービン系で母父ディープブリランテとの相性は良さそうに見えるが当駒にはそれが無い。母父エンドスウィープが強調されてしまうとダート馬っぽくもなりそうで、メス。厳しい、と言いたくなるが、母にそういう評価をしてしまった過去を思い出す。
 ちょっと競馬血統に詳しい人ならば「Ribotの爆発力」を知っていると思う。父父ロードカナロアの底力の源にはCormorant>His Majesty>Ribotがいて、母側にもProud Trush>Graustark>RibotがいるのでRibot系のクロスが出来る。Ribot系は、Phalaris系の柔軟性や瞬発力とは対をなすような「剛」とも言うべき異系血統で、Phalarisが濃くなりすぎる血に対して異系の活力を注入する。他の馬の評価でサートゥルナーリアにはHyperionだ、と書いたような気もするが、異系血統の刺激が父を際立たせる可能性はあり、これは新種牡馬だからこそ未知数で、特典だ。
 と、妄想すれば、当駒も私の評価を覆すような活躍の可能性も見えてくる。どうせまた人気になりそうなので、走ったら良いですね、と傍観しておくことになりそうだが。

フェルミオン23

は母高齢のため評価しません

バウンスシャッセ23

母12歳 メス 母優先 兄;グランプレジール 
 リッチダンサー一族の中でこの母が重賞3勝とトップタイの成績を持っており、他の項コントラチェックと肩を並べて「準・名牝」を誇っている。当駒は6番仔で、2番仔グランプレジール(父モーリス)は芝短距離で数戦かけて未勝利をようやく脱出、早くも限界点を察したのかダートに標的を変えたものの連続2着で足踏みしている。重い筋肉の鎧とその支えが弱いための慢性的な脚部不安で調教が強化できず出走回数も稼げない状況が続いているがずっとこの状況が続くだろう。一方で当母の3番仔レヴォルタード(父エピファネイア)は先行集団で器用な立ち回りを得意として既に中長距離で2勝。そして兄弟とも去勢を受けている。そんなに邪魔なのか。
 マシなのがこの兄弟までで、その下の4番仔リルト(父ロードカナロア)は喉鳴りを患い未勝利タイムオーバーをやらかして勝ち上がりがほぼ赤信号である。5000万がサヨウナラしそうだ。牡馬だから重い筋肉が邪魔をしていて、牝馬でこの父なら多少柔らかい筋肉になりそうだし期待は出来るか、と夢想して群がった多くの会員の心をへし折ったことになる。何事も自己責任だ、と言われればその通りだが。
 で、当駒の将来の予測はどうかと言われれば、メス、ロードカナロア系、残念ながらリルトと同じ轍に入りそうで悲観的になってしまうだろう。逆に、レヴォルタードの父母シーザリオを強く信じて、当駒の父サートゥルナーリアからもシーザリオの遺伝を引っ張ってこられるようであれば、当駒が中長距離で活躍できる名牝に昇華する可能性も無くはない、か。

今回は以上です。
1/4書き上げたくらいですかね。