キャロットクラブ2024募集馬の血統評価・エピファネイア産駒

今年大活躍のエピファネイア。
社台グループは我々キャロットに
もっと感謝してもらいたいですね。
私たちが育てたみたいなものですからね。

……エピファネイアには出資していませんでしたけどね。

父エピファネイア

 2024年のダービー馬ダノンデサイルも当父で、宝塚記念でブローザホーン、桜花賞のステレンボッシュ、ヴィクトリアマイルのテンハッピーローズ、そして過去にはエフフォーリアとデアリングタクト、あとはサークルオブライフが居ましたか、と気が付けば恐ろしいほどの優秀さである。早熟ではないかと言われたこともあったが成長曲線は馬によって差があるようで、古馬でも活躍する馬は居る。エフフォーリアとダノンデサイルの血統の共通点はNasrullah系の味付けで、ステレンボッシュ、テンハッピーローズあたりにもNasrullahの要素はある。父系の祖Robertoの母父はNasrullah系Nashuaで、父の中にいるGold MeridianはNas.系だが母系はSpy Songのダート系である。血統表に書かれていないがシンボリクリスエスはNas.系の要素を何本も持ち、Nas.系と相性が良いに違いない。
 という私の評価は世間では受け入れられていないようである。TNBに言わせれば、エピファネイアはオスのシーザリオ!だそうで、血統論者の多くがシーザリオ側のSpecial牝系を刺激すべきだとかNorthen Dancer系でスピードをとか述べているが、どちらが正しいかはこの後歴史が証明してくれるだろう。
 注意したいのは、牡馬の場合ディープを始めとしたサンデーとの組み合わせはあまり良くないという点だろう。メス馬の方は早熟性と瞬発力は活きるので、サンデーのクロスは牡ほど気にならない。そこでアルセナール(母サンブルエミューズ)ちゃん、君は桜花賞をサボってどこで遊んでいるのかね?

マジックアティテュード23

母6歳 牡
 母母マーゴットディドから皐月賞馬ジャスティンミラノ(父キズナ)が出ており、旬の真っただ中の牝系である。なぜ小口のクラブなどに来てしまったのか。母父Galileoは超スタミナタイプでシーザリオとSad. Wel.クロスを作るのでこれはもうスタミナタイプ確定と言えるが、ジャスティンミラノは父キズナで軽快な走りが可能だったのに対し当馬がどこまでスピードを持てるかは判断が難しい。が、私の理論で行けばスピード色の強いDarshaanが父側のNas.系を刺激してスピードも補完してくれるはずだ。
 毎年のように愚痴っている気がするが、こうなるかもしれない、でもああなるだろう、と悩んでいるような貧乏人の購入権利を、無知な金満大臣が金の暴力で攫っていくことになるだろう。30万/口とかじゃない?

イーデンキ―23

母6歳 牡
 毎日暑いです。良い天気ですね(皮肉)。イーテンキー…
 母の全兄Ten Sovereignsはオブライエン師の管理馬で芝1200mを2勝。海の向こうでは父No Nay Neverの血統価値が爆上がりしているそうで早熟性の評価が高いらしい。今年募集されるマジックアティテュード23と母母父は同じで、母父の性能の差で命運が分かれそうだ。ついでにCapote>Nas.系のクロスもある。現代競馬にどちらが求められているかと言えば、こちらの早熟性だと思う。ただの早枯れになってしまう可能性もあるが、サンデーのクロスが無いので気性難による燃え尽きは避けられるかもしれない。
 こちらは実績に乏しく、近親に皐月賞馬、という馬と比べれば価値を下げざるを得ない。値段が低く見積もられた上に人気を他馬が吸ってくれるならば、この馬を獲りに行くチャンスはあるのではないか。もしこの馬が良績を残してくれたら、冒頭のふざけたコメントは必ず削除する。

シンハライト23

母10歳 メス 母優先 母産駒;セブンサミット
 シンハライトに私が抽選落ちした過去は何度も書いてきているが、後悔は無い、と強がってみたものの、やっぱり悔しい、という気持ちに覆ってきた。レイパパレ、ナミュール、G1を獲る、というのは一口馬主という弱者であっても人生に強烈なインパクトを残す。もしかしたらシンハライトが私のG1童貞を奪ってくれたのではないか、と、自分の血統評価への意欲はもっと早くから強まっていたのではないか、と、この血統表を見るたびに思い出す。
 シンハリーズ牝系が良家の血筋であることは疑いないが、以前にはスピードと引き換えに脆弱になるのではないか、と過去の評価で書いた。その想像は部分的に当たり、当駒の兄姉には競争馬になれなかった馬が存在する。競走馬になれた馬セブンサミット(1億円!)も2勝クラスで足踏みを続けており、母の競争能力が子に引き継がれているとは言い難い。これからの産駒に大物が眠っているのか、名牝が没落していくのか。2024年現在のトップ種牡馬であるエピファネイア、さらに言えばシーザリオの力でなんとかなるだろうか。Roberto系はモーリスと重複するが、セブンサミット程度の活躍に留まってしまうのだろうか。母のように切れ味で勝負するなら牝馬の方が良いからむしろメスで良い。
 先に書いたように、この馬で私が初G1を経験していたならば、その後この血統を買い続けることになっていただろうから、その後競争馬が嫌いになっていた未来まで有りうる。巡り合わせというのは不思議なものだ。

ケイティーズハート23

母14歳 メス 母優先 母産駒;エフフォーリア
 エフフォーリアの血統評価は私の中では高くなく、母ケイティーズハートからは活躍馬は出ていない、と締めくくっていた。ところがどうだ、エフフォーリアは同牝系のアドマイヤムーンを彷彿とさせる活躍馬となり種牡馬にまで成り上がった。その妹ペリファーニア(父モーリス)も桜花賞3着に入っており、一族の優秀さを誇示する結果となっている。
 ヒネクレ者を自負する私であっても、いくらなんでもこの血統にダメ出しは出来ない。ノーザンの値付けも1億円超えなどと「やらかして」くる可能性は十分あるし、いくら積んでも買いたいお金持ちはたくさんいるだろう。桜花賞3着の賞金で出資額の何%が回収できるか、などと算盤を叩いてしまうようなみみっちい性格の諸君には、この馬は向かない。

リスグラシュー23

母9歳 メス 母優先 募集時母の評価
 母は募集前から、入厩予定のY調教師がSNSで「素晴らしい馬だ」などと評価したことが会員にバレてとんでもない人気になり、クラブが調教師にクレームを入れるという異常事態になってしまったことを覚えている。母はやや緩やかな成長ながら最終的には春秋グランプリを制覇し年度代表馬にまで上り詰めた。矢作調教師、流石です。
 当駒の血統図を見ると、母父ハーツクライ、母母父Native Dancer系(非Mr. Pro.)、これらはダービー馬エフフォーリアと似通った配合である。ついでにNas.系もSad. Wel.も居る。血統の和合性にこの母の地力があれば将来は超名馬!になりそうな予感はする。
 が、実際はどうだろうか。母の初仔シュヴァルトリリエ30万/口はいまだ(2024年3歳夏現在)でも未勝利を脱出できずにいる。私の持ち馬だった母の姉レイリオンの仔もOur Bloodで募集されたが成績は振るわず、この牝系の活力は失われているのだろうか。この牝系は見た目に反してスローペースの長距離向き、さらに晩成型なのである。レイリオンの競争後半を見てもらえれば理解してもらえると思う。使い方を間違えると未勝利脱出の道すら塞がってしまう。牝馬なら多少短めでも行けるかもしれないので、当馬にこの牝系の未来を託したい。未勝利さえ勝てれば5歳秋が楽しみだ。

フロアクラフト23

母13歳 メス 母優先 姉;ラヴォルタ
 堅実な活躍馬を出す牝系で祖はあのリッチダンサー、TNBを始めとした我がクラブの尻好き紳士たちが待ちわびている馬だと思われる。他の馬でも見たサンデー系にNative Dancer(非Mr. Pro.)とボトムにNas.系、Sad. Wel.類似のFairy Kingと、血統の和合性は他の馬と同じく高そうだ。ただ、フロアクラフトの仔は得意な条件にムラがあり、狙い通り芝中距離まで行ければ良いが、芝短距離だったりダートだったりするとこの父の良さが削がれてしまう。気が付けば高齢一歩手前の母、この配合で急に活躍馬が!と妄想するのを止めようとは思わないが、値段の差はあっても他の馬を狙う方が伸びしろは大きいかもしれない。

今日は以上です。
もうだいたい全頭書き終えましたよね?(錯乱)